なんかそういう設定なんだなぁ、程度に考えてくれればいいです。
それではよろしくお願いします。
取り敢えず事情を説明するために五つ子にリビングに集まって貰ったあと、風太郎は雇い主である五つ子の父親に電話を貰ったためリビングには関係ない奏だけが残されていた。
「今日から来る家庭教師が、まさか学食であったガリ勉くんとはねー」
「ふんっ、家庭教師なんて別にいらないわよ」
「ま、まぁまぁそうカリカリせずにね。風太郎も仕事だから」
「アンタもよ」
「さいですか…まぁいいや先に自己紹介だけ済ましておくと、俺の名前は太田奏。別に家庭教師をしに来たわけじゃない。幼馴染みの風太郎に付き合わされてるだけだよ。だから居るのは今日だけ。」
俺が自己紹介をすると5人はそれぞれ律儀に長女から自己紹介をしてくれた。
「長女の中野一花です。よろしくねー、奏くん。それじゃ、私は寝てきますか。」
「中野二乃よ。今日だけならまぁいいけど…。」
「中野三玖。よろしくね、カナデ。」
「中野四葉です!よろしくお願いします!太田さん!!」
「学食では失礼しました。中野五月です、では私は自習があるので」
それぞれ自己紹介をした後三玖さんと四葉さん以外はリビングからさっさと行ってしまった。
するともう電話を切ったらしい風太郎がリビングに戻ってきていた。
「おい、奏。あいつらは何処に行ったんだ。」
「自分の部屋に戻ったよ。残ってくれてるのは2人だけ」
「あぁ、四葉だっけ…?0点の」
「もう知り合いなんだ、こっちは中野三玖さん。俺と同じクラスだよ。」
0点というサラッと怖いことを聞いたがそれは聞き流し、三玖さんのことを紹介する。
「てかなんでお前たちふたりは逃げてないんだ。」
「心外です!上杉さんの授業を受けるために決まっているじゃないですか!!」
「私は、カナデとちょっとお喋りしたかっただけ」
「四葉…抱きしめていいか」
「さー、他のみんなを呼びに行きましょー!」
そう言って風太郎と四葉さんは2階へ上がってしまった。
リビングに2人取り残された俺たちは、することもないので話していた。
「ねぇ、カナデ。」
「どうしたの?」
「カナデは頭がいいの?」
「いや、俺はあの勉強バカと違って頭は良くないよ。さっきも言った通り巻き込まれただけだから明日からは別に来ないよ。」
「そうなんだ…」
少しシュン、とした様な三玖さんと少し待っていると二乃さんがクッキーを焼いたらしくリビングまで再び来ると同時に一花しか呼ぶことに成功しなかったらしい風太郎も降りてきていた。
「クッキー作りすぎちゃった、食べる?」
「二乃、それは私のジャージ」
「いいじゃない、別に」
「そんなことより!やっと四人は揃った。五月はいないが初めてしまおう」
「いただきまーす!」
風太郎が机に置いたプリントも虚しく、四葉以外の3人はそれぞれお菓子パーティーを始めていた。
「上杉さんご心配なく!私はもう初めてますよ」
「よーし!名前しかかけてないがいいぞ!」
「お前らも四葉を見習って」
「クッキー嫌い?食べてくれたら勉強してもいいんだけど」
仕方なく、といった感じでクッキーをバリバリ食べる風太郎。それを見て俺も帰り支度を始めた。
「じゃあ俺はこれで帰るわ。風太郎、家庭教師頑張れよ。」
「あ、あぁ」
「カナデ、もう帰っちゃうの?」
「えっ、まぁ、一応俺は部外者だからね」
「もう1回、カナデの歌聞きたい」
それを言われると少し気恥ずかしかった。
「なに?奏くんって歌とかうまいの??」
「カナデは凄くうまい。」
「はっ、今まで気づきませんでしたが太田さんの荷物にギターがあります!!」
「へ〜、ちょっと聞いて見たいかも」
何故か姉妹全体で俺の歌を聞く流れになっていたため、仕方なくギターをケースから出し準備する。
そこで俺は上杉が寝ているのに気づいた。
「こいつ、バイト初日に寝るやつがあるか…」
「あ、あはは…」
二乃さんがバツの悪そうな顔をしていたが、五月さんも降りてきていたため深くは聞かなかった。
「この人、本当に家庭教師する気があるんですか?」
「俺が持って帰るよ、ごめんね五月さん」
「いえ、別にあなたが悪いわけでは…」
そして準備を終えた俺は5つ子に向き直る。
「せっかくだから五月さんも聞いていってよ」
「──♪」
─────────────────────
「ありがとうございました。」
俺が歌い終わると五つ子はみんな少し涙ぐんでいた。
「えっ、どうしたの?」
「いえ、あんまりにもいい歌で…」
「やっぱりカナデは凄い」
「思ったよりちゃんとしてるじゃない」
「すごいねー、お姉さん感動しちゃったよ」
「太田さん、凄いです!」
やっぱり同級生に褒められるのは少し気恥しい。俺は少し赤くなった顔を隠すようにギターをしまった。
「それじゃ、上杉は俺が持って帰るよ」
「いえ、私も行きます。そのギターケースと一緒じゃ大変でしょう」
「私も行く…」
「ありがとう、三玖さん、五月さん」
「それに、まだ話したいこともある」
五月さんの計らいでタクシーを呼んだ俺たちは車の中で少し話をしていた。
「それにしても、本当にさっきの歌は良かったです。太田くん、部活か何かされているんですか」
「一応シンガーソングライターって奴をやらせてもらってる、所属も何も無い無名だけどね」
「それでも凄い…」
「どうもありがとう。さて、風太郎を起こさないとな。そろそろつくぞ~」
まだタクシーの中で眠っている風太郎起こすと、タクシーも風太郎の家についたらしく緩やかなブレーキをかけていた。
「あれ、俺は…」
「タクシーに乗る前からぐっすり眠ってたよ」
「あの野郎、そこまでするか」
「運賃4800円になります。」
「そんな大金」
わめいてる風太郎を置いてさっさと金額を払う。
「そういえば三玖に五月もいるのか…」
「あなたを送ったついでに買い物です。」
「私はカナデと少し話したかっただけ。」
「しかしあなたも一泡吹かされましたね。これに懲りたなら私たちの家庭教師はあきらめることです」
「それはできない」
すると風太郎の家のほうから風太郎の妹であるらいはちゃんが風太郎を出迎えに来ていた。
「あ やっぱお兄ちゃんだ。その人ってもしかして!」
「な、何でもない人だ。帰るぞ!」
「この人たちは家庭教師の生徒さんだよ、らいはちゃん」
「ほらーお兄ちゃんなんで嘘つくの!あの、よかったらうちでご飯食べていきませんか?」
「それは…ほらこのお姉さん忙しいらしいから!!な!」
「いや…ですか?」
その言葉でどうやら五月さんは完全に落ちたらしく、渋々車からでていった。
三玖さんはそうでもないところをみるとやはり五つ子でも少しづつ違うのだろう。
どうすればいいか困っている三玖さんに助け舟を出すことにした。
「五月さん、三玖さんは俺が送るから行っておいで」
「す、すいません」
こうして風太郎を見送った俺たちだが知らぬ間にタクシーはもう行っていたらしく二人して歩く羽目になった。
「その、ありがとう…」
「困ってるように見えたのは間違ってなかったんだ、ならよかった。」
そのまま特に会話をすることもなく歩いていくと俺の家に着いた。
「ちょっと荷物だけ置いてくるからまっててもらっていい?」
「別にここまででいいよ、今日はありがとう。また歌が聞けてうれしかった。」
「さすがに夜中に女の子を一人で返すのはまずいって」
少しの間水掛け論をしていると三玖さんのおなかからくぅ、とかわいい音が聞こえてきた。
「えっと…ごはん、食べていく?」
ここまで読んでいただきありがとうございました。
これを書くにあたって、同サイト内の五等分の小説をあらかた読んだのですが想像以上に原作キャラクターのセリフはとても難しいですね。
次回もよろしくお願いします。