ある程度落ち着いたのでまた更新は続けていきますとともに、今後はストックや事前に報告したいと思ったのでtwitterのアカウント作ってきたのでもしご興味ありましたらあとがきの最後に残しておくのでフォローしていただけるといろんな進捗などの報告ができるのかと思います。
話は本編のほうに変わりまして、原作で言う「今日はお休み」の話の前に少し本編のメインキャラである奏と三玖のメイン回をかいておこうと思いましたので今回はオリジナルとなります。
それでは引き続き本編もよろしくお願いします。
太田奏。普通学科の高校に通うごく普通の高校生。人と違うことがあるとすれば、全国でも上位の学力を持つ友人がいることと彼自身の趣味───音楽だ。
「平日なのに今日も勉強なんだ。えらいねぇ。」
俺は最近では普通にクラスの中でも話すようになった三玖さんと軽い世間話をしていた。
「うん、平日は図書室とかでやることもあるけど今日は朝からフータローも張り切ってたしみっちりやるんだと思う…。」
そういって少し暗くなる三玖さん。この間から少し前向きに勉強を頑張っているもののやはり今まで積み重ねてきた苦手意識を改善するのは一筋縄ではいかないらしい。
「そういえば、学食でもやたらうるさかったな。まぁ、みっちりやるかはともかく先ずは一歩からさ。」
「うん、そうだね。それで…カナデは今日も来ないの?」
「俺は風太郎と違って雇われてないからね。頭がよかったら教えることもできたんだろうけどご存じの通り俺もそこまで頭はよくなくてね。」
この間行われたテスト、この五つ子たちの点数があまりにも悲惨だったためあまり触れられていないが、俺は45点。ふつうに赤点だったし、姉妹で一番点数が高かった三玖さんとも10点程度しか変わらない。
「それに、実は今日やることもあってね。」
「なにか用事?」
「うん、ギターの弦を張りなおしたいのと久々に街で歌ってこようかと。」
この間の路上ライブは途中で中断してしまったし、少し街のほうに出て、大きい楽器屋にいくのともう一回ライブをやる予定だった。
「ここよりもうちょっと都市部の方に行けば色んなところに許可取ってライブもしないとだからね〜、今日は行けないや。また今度顔出すよ。」
「あれから一花と二乃がカナデの音楽にハマったらしくてすごい色々聞かれるから、また今度聞かせて欲しい...。」
どうやら俺の歌は姉妹には好評だったらしい。
「それならさ、今度の休日に試したいことあるから付き合ってくれない?」
「え?」
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以前の会話から数日開けた日曜日。おれは朝から部屋を掃除していた。
流石に汚い自室に同級生の女子を入れる勇気はなかったので三玖さんが来る前にわざわざ準備をしている。
掃除も終わり一息ついた頃に予定していた時刻ちょうど、家のチャイムがなった。
「いらっしゃい。」
「お邪魔します。あの...今日は何をするの?」
「試したことは無いんだけど、どうやらお姉さん方にも人気らしいし俺の歌をCDに焼いて見ようかと。最近ファンの方でも欲しいって言う人も出てるし。」
「凄いね。そういうのってどうやるんだろ...。」
「とりあえず空のCDとか必要そうなものは買ってるから調べながらやろうか。」
思っていたより時間はかかってしまったものの調べながらやったためなんとかCDを作ることには成功した。
「よし、ひとまず曲をCDから聞けるようにはなったね。あとはいろいろと細かいところを変えるだけだ。」
「うん、それでカナデ…私の携帯にカナデの曲。入れてみていいかな?」
先程調べ物をしていた時にいっしょにCDから携帯に音楽を入れる方法を調べていた三玖さんがパソコンを指さしながら聞いてくる。
「うん、もちろん。そういえばヘッドフォンつけてるけど音楽が好きなの?」
──────────────side三玖
音楽が好きかどうかカナデから聞かれたとき私は昔のことを思いだしていた。
5年前の京都で出会った男の子。あの時私たち姉妹はまだ皆同じ姿をしていた。
四葉がみんなからはぐれたのを探していた時、私もいつの間にかはぐれてしまってそこで彼と出会った。
「どうしたんだ。そんな泣きそうな顔して。」
同い年くらいだろうか。私がみんなとはぐれたことを説明すると男の子は友達に先に行くよう伝えて私の手を引いた。
「仕方ない。そのはぐれた姉妹を探すぞ。」
「う、うん。ありがとう。」
しばらく歩きながら探していると不安な私を励ますように男の子はいろいろ話してくれたり、鼻歌を歌ってくれたりした。どんな曲かは知らなかったけど、とても元気をもらえた。
そんなこともあり、私はいつの間にか四葉を探していたことも忘れ彼を一日中連れまわしていた。
「わたしね、将来いっぱい働いてお金を稼いでお母さんを楽にしてあげるんだ!」
「そうか。それは立派な夢だな、俺には特に夢もないからうらやましいよ。」
「君はね、歌手になればいいと思うよ。」
「なんでそうなる。」
「さっき歌ってくれた鼻歌。すっごくうまかったもん!」
「あのな、夢ってのはそんな簡単なもんじゃ…」
「けど私は君の歌でとっても元気をもらったよ?君の歌はひとをげんきにするね!」
きっと彼は最初は泣いていた私がこんなに熱弁するのにあきれてしまったのだろう。薄く微笑んで私に言った。
「まぁ俺には夢もないからな。お前がそういうならせめてお前のことを応援するような歌を歌えるようになるよ。」
「約束!私も夢をかなえるから私がまた落ち込んじゃったら君の歌を聞かせてね!」
そして私は音楽が好きになった。
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京都から帰ってきて行動は早かった。あまり自分から動くことをしなかった私は四葉がリボンをつけ同じ見た目になるのに便乗して、生活にもあまり余裕がなかった母に贅沢を言ってイヤホンと音楽プレーヤーを買ってもらった。
彼があの時歌ってくれた鼻歌に似た雰囲気の曲を探して聞き続けた。
そして五つ子の誰よりも勉強した。結果は奮わなかったけれど、自己満足のような充足感があった。
そして母はいなくなった。
死因は単純。過労だった。母は強がってはいたが、誰が見ても弱っていた。私たち5つ子を一人で育てるには荷が重すぎたのだ。
それから私は理由を失った。
勉強もあまりしなくなり、身元を引き取ってくれた父の与える環境に甘えて堕落して行った。
それでも傲慢に彼のことは忘れなかった。イヤホンはいつの間にかヘッドフォンに変わり、勉強しなくなったぶん音楽も前より聞くようになった。
だけど、曲を聞く度に自分が責められている気がした。
彼との約束を守れなかった私が、なぜまだ彼の面影を探して贅沢に音楽を聞き続けている。
考えれば考えるほど自分が許せなくなって、自信も無くなり卑屈になった。
そして私は音楽が嫌いになった。ヘッドフォンは姉妹を見つけるためだけのトレードマークになっていた。
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「音楽はあんまり聞いてないんだ。けどカナデの曲は好き。」
胸がズキリと痛んだ。私はカナデに彼の面影を重ねて優しさに甘えているだけなのかもしれない。
(カナデがもし彼だったら、約束を破った私を許してくれるのかな。)
「どうしたの、三玖さん。具合でも悪いの?」
「ううん、大丈夫。ちょっと考え事してただけ。」
(けど、一度は約束を破った私だけどカナデの曲を聞くと元気になれる。頑張れる気がする。)
変わるんだ。今度こそ彼にあっても恥ずかしくない私になる。
「そういえばカナデ、この間言ってた本気になれること...見つけられた気がする。」
「それはよかった。良ければ聞いてもいいかな?」
「内緒。」
「残念。」
まだこれがどんな気持ちなのかはわからない。けどカナデといると心が暖かくなる。
この気持ちに、私は本気になれそうだ。
読んでいただきありがとうございます。
最初は奏のメイン回にするつもりだったのですが、書いてみるといつの間にか三玖の話になってました。不思議です。
この話を読んでいただいてわかったかと思いますが、三玖は5年前奏と出会い今再会しています。
また今回から三玖は奏を少しづつ意識して行きます。
あと原作読まれてる方は当然おわかりかと思いますが三玖の昔の話とかは全部私の捏造オリジナルなので、少し原作と齟齬がある場合ももちろんございます。
それでは次回もよろしくお願いします。
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