それぞれの五線譜を   作:めるびー

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お待たせいたしました、今回からまた原作沿いの話に戻り花火大会になります。
基本的にこの作品では本編で描写されている五つ子と風太郎のシーンに関しては同時系列で奏とその五つ子が一緒にいたりしない限り見えないところで起こっていると思っていただいて大丈夫です。
それでは引き続き本編をよろしくお願いします。


長い長い日曜日①

日曜日、普段なら曲を作ったり昼寝をしたりして過ごすのだが今日はわけが違った。

昼まではいつも通りだったのに、今日は近所で祭りがあったことを完全に失念していた。

おかげで軽音楽部の部長と出くわし、また勧誘を受けていた。

 

「なぁ、奏~。頼むよ、今日限りの助っ人でもいいからさ!」

「いや、だから無理ですって。何度も断ってるじゃないですか、俺が音楽やってるのはただの自己満足なんです。他の人とやるつもりも巻き込むつもりもありません。」

「そこを何とか!」

「どこに脈があったんですか…。」

 

どうやら軽音楽部は今日の祭り帰りのお客さんを狙って路上ライブをするらしい。そのバンドに何とか俺をまきこめないかと考えているらしい。

先ほど適当に人を待っていると嘘までついてしまった手前、この場を離れるわけにもいかず足止めされてしまっている。

 

「あれ、カナデ。」

 

困り果てた俺は運がよかったらしい。たまたま三玖さんが通りかかった。三玖さんには申し訳ないがちょっと付き合ってもらおう。

 

「あ、三玖さん。待ってたよ~。それじゃ行こうか。」

「え?カナデ…」

 

俺は三玖さんの返事も待たずに手を引いて、何とかその場を逃れた。

 

「カ、カナデ。どうしたの?」

「ホントにごめん。また部長につかまっててさ、身動き取れてなかったんだよね。」

「べ、別にいいけど、その…手。」

 

いわれて三玖さんの腕をつかんでいたことに気づく。

 

「あぁ、ごめん。そういえば三玖さんはどうしてここに?」

「それなんだけどカナデ、私とデ、デートしよう。」

 

─────────────────

 

どうやら三玖さんは下手な嘘をついた俺を気遣ってくれたらしい。今夜行われる夏祭りに一緒に行かないかと提案をしてくれたので俺も甘えることにした。

五つ子たちは一度浴衣に着替えるらしく、俺は先に会場の近くで待つことにした。

 

「あ、お兄ちゃん。奏君がいる。」

「お、らいはちゃんに五月さん。一緒に出かけてたんだ。」

 

三玖さんたちとの待ち合わせ場所に行くとなぜか風太郎とらいはちゃん、それに五月さんがいた。様子を見るにまたらいはちゃんを断り切れなかったのだろう。

 

「あれ?今度は五月さんが4人もいる。」

「みんな集まったし行こうか。」

「待て、お前ら。俺は行くとは一言も…」

「お兄ちゃん、ダメ?」

「もちろんいいさ…。」

 

こうして風太郎の日曜日は華麗につぶれることとなった。

 

─────────────────

 

「もう花火大会始まっちゃうわよ…なんで私たち家で宿題してんのよ」

「おまえたちが週末なのに宿題終わらせてないからだ!」

「さすがに擁護できんねぇ。」

「その宿題、片付けるまでは絶対祭りにはいかせねー!」

 

どうやら宿題をやっていなかったらしい。五つ子たちは半ベソをかきながら宿題をしていた。俺も手伝える部分は手伝ったがなにぶん頭がよくないのであまり役に立てたかはわからない。

 

─────────────────

 

「やっと終わったー!」

「みんなお疲れ様ー」

「花火まではまだ時間もあるし、しばらく屋台でも見てぶらぶらしようか。」

「なんであんたが仕切ってんのよ!」

「ごめんごめん。ほら、風太郎もとっとといくよ~。」

 

浮かない顔の風太郎が一花さんと五月さんと話しているのを横目に見つつ、この中で最年少であるらいはちゃんを見失わないように手をつないだ。

 

「らいはちゃん、一人で行ったらだめだよ。見たい屋台があったら俺たちかお姉さんたち呼んでね。」

「はーい。あのね奏君。見てみて、四葉さんがとってくれたの。」

 

そういってらいはちゃんが見せてくれたのは袋いっぱいに詰められた金魚や手持ち花火のセットだった。

いつの間にか、近くまで来ていた風太郎にらいはちゃんの手を渡し、残りの姉妹たちと横並びになった。

 

「そういえば、結構人多いけど花火をゆっくり見れる場所とかあるのかな?」

「二乃がお店の屋上を貸し切ってるからついていけば大丈夫。」

「そりゃまた豪勢な…けどまぁそれなら適当に見つつ向かおうか。」

「けどカナデ、せっかくお祭りに来たのにまだアレ買ってない。」

「アレ?なんか買うなら一緒に行こうか。」

 

────────────────────

 

どうやら五つ子は五つ子でも趣味嗜好は違うらしく買いたいものもみんなばらばらだったため、一つ一つ回っているといつの間にか人がとても増えていた。

何やら少し前で二乃さんが呼んでいるため行こうとするも、人ごみのせいでなかなか近寄ることができず、そのまま二乃さんが人の波に押し流されていった。

俺はせめて近くにいた一花さんと五月さんだけははぐれないように手をつないだが一花さんと四葉さん、らいはちゃんはすぐに見えなくなってしまった。

 

「まずいね。ぎりぎりで二乃さんと風太郎が一緒にいるのは見えたからいいものの、らいはちゃんが心配だな。」

「らいはちゃんならさっき四葉と手をつないでたから大丈夫…だとは思いますが。」

「とりあえず二人とも、申し訳ないけど手はこのままつないでてね。それと俺たちもとっとと二乃さんが予約した店に行こうか。」

 

すると一花さんがやんわりと俺の手をほどき横にいる五月さんに聞こえないよう耳打ちしてくる。

 

「ごめんだけど、私はみんなと一緒に花火は見られない。」

 

長い日曜日は、まだ終わりそうにはなかった。




今回も読んでいただきありがとうございます。
自分の中で勝手に平均2000文字程度に目安を決めているのでさすがに花火大会は1話では終わりませんでしたが、あと1,2話で何とか書ききれるかな?といったところです。
また、ご意見ご感想などありましたら是非お願いします。
それでは次回もよろしくお願いします。
@merubi_toka
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