今回の話で夏祭り花火編、原作で言う「今日はお休み」がひとまず終わります。
かけば書くほどどんどん書き方がわからなくなってきました。
あまり前書きやあとがきで何を書けばいいかわからないのですが、何かありましたらまた書こうと思います。
それでは引き続き本編をお楽しみください。
「第14回 秋の花火大会は終了いたしました。 ご来場頂き誠にありがとうございました。」
────────────side一花
「完全に目を開けたまま寝てる。怖...」
オーディションが終わったあと、会場を出るとそこでは風太郎君が目を開けたまま寝ていた。正直怖いがきっと私を待っていてくれたのだろう。
「え?ねてないけど?目を閉じてただけだけど?」
正直どこから突っ込んでいいのかわからない。そもそも寝てても目は開いてたし。
ただ、私のオーディションが終わるのを待ってくれていたということに胸があったかくなる。
(本当に、君が私の、私たちの"パートナー"でよかった。)
気を抜くとすぐに眠ってしまいそうだったが、ここまで頑張ってくれたんだ。私もまだ姉妹に言わなくちゃいけないことがある。
「それより、オーディションはどうなったんだ?」
「うーん、どうだろ」
「どうも何も、最高の演技だった。私は問題なく受かったと見ているね。」
どうやら社長の見立てによるとかなり好印象だったらしい。
その後もなにか続けていたが、疲れと不安からかあまり頭に入っては来なかった。
「とにかく用事が終わったのなら一花借りてくぞ!」
─────────────side奏
「どうやらお困りのようですね…」
風太郎を見送った後、この後どうするべきか悩んでいるとその人は現れた。
「四葉さん。らいはちゃんも一緒だったんだね、よかった。」
「はい!それで三玖と太田さんは何を?」
俺が一花さんたちと話したことを大まかに説明し、花火は見れないことを話すと四葉さんは不敵な笑みを見せた。
「どうやらお困りのようですね。」
「あれ、四葉さん。どうしたの?」
風太郎たちを見送り、二乃さんが予約しているという店に向かおうとしていた俺と三玖さんの背後から急に四葉さんとらいはちゃんが現れた。
一花さんが花火をみれないことなど、花火大会の間に起きたことを大まかに説明すると四葉さんは、きらりと目を光らせた。
「私にいい考えがあります!!」
「考え?」
するとらいはちゃんが手の持っていた袋を俺に見せてくれた。どうやら手持ち花火の類らしい。
「いや、それは今日一番いらないやつ…ってそうか。」
「はい!これでみんなで花火をしましょう!!」
そうと決まれば行動は早かった。結局はぐれた五月さんは二乃さんと合流できていたらしく、そのままみんなで公園に向かって花火の準備を始めた。
「あとは風太郎に連絡しとけば大丈夫か。」
「キミ!五月を置いてどっか行っちゃたらしいじゃない!」
風太郎にメールを送っていると今度は二乃さんが声をかけてきた。
「二乃!だからそれは私がお願いしたと!」
「でも、あんたと上杉には礼を言わないといけないわ…ありがと。」
「なんだ、紛らわしい。まぁけど、今日のMVPは風太郎だよ。俺は大したことは何もしてないよ。」
「それでもよ。あとさっきから三玖の様子がちょっと変なんだけど、あんたのせいじゃないわよね?」
「ん?なにもしてないとおもうけど。どうかしたの、三玖さん?」
「カ、カナデ。さっき名前…」
話を聞くとどうやら焦っていた時思わず呼び捨てにしていたらしい。それで様子がおかしかったのだろうか。
「あぁ、そうだったのか。ごめんね、急に呼び捨てにしちゃって。」
「ううん、あの、できればそっちがいい。」
「あんまり女子の名前呼ばないからちょっと照れ臭いけど、まぁ頑張ってみるよ。三玖?」
そんな調子で花火の準備と、公園が家に近かったため荷物を取りに行ったりしていると風太郎たちが帰ってきた。
「おっ、風太郎に一花さん。やっと来たね、四葉さんが待ちきれなくて始めちゃったよ。」
「あぁ、すまないな。奏と四葉には助けられた。」
すると一花さんがおもむろに頭を下げた。
「みんな!ごめん。私の勝手でこうなっちゃって…本当にごめんね。」
「全くよ。なんで連絡くれなかったのよ、今回の原因の一端はあんたにあるわ。…あと目的地を伝え忘れてた私も悪い。」
「私は自分の方向音痴に嫌気がさしました。」
「私も今回はずっとカナデに助けられてた。」
「よくわかりませんが私も悪かったということで!」
「みんな…。」
それぞれが自分も悪いと言って一花さんを責めずにいた。きっとそれがこの五つ子の在り方なのだろう。
俺は姉妹の美しい愛情をみて、あの時一花さんを心配した五月さんに五年前の女の子を重ねたことを恥じた。
(きっと彼女もこの五つ子も優しいんだろう。ただそれだけ。あの思い出に彼女たちをまきこむな。)
五つ子たちが花火を始めたのをみながら俺はベンチで風太郎と少し話していた。
「らいはも寝てるし、俺帰ってもいいんじゃね?」
「バカか。ここで帰るやつがあるかよ。花火の途中だが、俺も少し楽しくてな、家にギター取りに行っちまった。」
「あっ、カナデ。歌うの?」
「ちょっとだけだけどね。」
「~♪」
俺も気持ちよく歌っていると、どうやら花火も残り少ないらしい。そろそろお開きとなる頃合いだった。
気づいたら横にいた風太郎も寝ているし、俺もそろそろ片づけをしていると、一花さんがそばまで来ていた。
「ねぇ、奏君。となり、ちょっといい?」
「もちろん、風太郎も寝てるから帰るころに起こしてやって。」
「うん、奏君も今日は本当にありがとう、お疲れさま。」
わけもないのにそのお礼は俺の心の奥に響いていくような気がした。そのまま火照ったからだを冷ますように、夜風にあたっていた。
そして、俺たちの長い長い日曜日はお開きとなった。
今話も読んでいただきありがとうございます。
次回からは少し過去の話や原作には全くない番外を入れたりする予定です。(未定ですが)
結局本作は朝の電車で書いていることが多いので実は休みが続くと投稿が遅くなったりもするのですが、基本週一回のペースで更新していこうと思います。
それでは次回もよろしくお願いします。
ご意見、ご感想ありましたら是非。
@merubi_toka