村人A「勇者はじめました」   作:aoi -葵-

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前回までのあらすじ

村人A「俺ちょっと勇者になるわ。」

中年鍛冶職人「りょ、武器作ったよ。いってら〜。」



第一話 「辺境での旅路」

 

村人A「...ここ、どこ?」

 

装備を揃えた翌日、村人Aは出発した。

そこから、大体1時間後が現在である。

村人Aはというと...現在迷子である。

元居た場所は辺境の村、旅の商人が一月に来るかどうかぐらいの辺境。

もちろん大きな街道などあるはずもなく...。

さまよい歩くのが関の山であった。

だが決して、運からは見放されたわけではなかった。

 

???「誰か助けてくれ〜!」

 

いや、どうやら見放されていたようだ。

こちらに向かって、遠くから商人のような人物が、ウサギの魔物に追われながら走って来る。

 

村人A「はぁぁ、全く面白い旅になりそうだ...。」

 

少しボヤきながら、ショートソードと盾を構える。

 

〜数十分後〜

 

なんとか魔物を倒しきる。

 

村人A「...これで終了...かな?」ハァハァ

 

???「...。」

 

村人A「大丈夫ですか?」

 

???「あっ、はい大丈夫です。」

 

村人A「それなら良かった、ところで辺境騎士領までの道って知りませんか?」

 

???「辺境騎士領...なら案内しますよ?今向かっていたところなので。」

 

村人A「いえいえ、道を教えて貰えれば一人で行けますので。」

 

???「それじゃぁ、お礼も兼ねてということでは...?」

 

村人A「お礼を頂くために、あなたを助けたわけではないので。」

 

???「そこをなんとか...。」

 

村人A「...わかりました、よろしくおねがいします。」

 

???「それは良かった!」

 

少し安堵の表情を浮かべる。

 

???「そういえば、名乗りがまだでしたね。」

 

青年商人「私は青年商人、この通り流れの商人です。」

 

村人A「村人Aと言います、勇者はじめたんでよろしくおねがいします。」

 

右手を差し出す。

 

青年商人「これからも、末永くよろしくおねがいしますね。」

 

村人A「(ん?待てよ、いま「末永く」って言ったか?)」

村人A「あの〜、『末永く』というのはどうゆう...?」

 

青年商人「そのままの意味ですよ。『長い間よろしくおねがいします』ってことです。」

 

村人A「(完全にしてやられた...まぁ、道案内は居た方が良いだろうし商人は都合がいい)」

村人A「ハァァ...わかりました、どうぞ末永くよろしくおねがいします。」

 

青年商人「ええ、モチロンです。」

 

村人Aが差し出していた右手を握り、握手を交わす。

村人Aは『腐れ縁になりそうだ』と若干憂鬱に、青年商人は『面白い英雄譚が見れそうだ』と少し期待に胸踊らせていた。

 

〜その日の夕刻頃〜

 

青年商人「れ、勇者様はれあいとかあったんれすかぁ?」

 

青年商人は酔っていた。

『勇者へのお礼』という面目で、焚き火を囲みながら酒を飲んだり保存食を食べたりしたのだ。

青年商人は酒に弱いらしい、しかし酒を割と呑む。

したがって、ほろ酔い〜酩酊ぐらいになるのは早かった。

 

村人A「居ないよ、別にぃ。」

 

村人Aも、なんやかんやで青年商人と打ち解けていた。

最初は硬かった口調も、知り合いに話すかのように砕けたものになっていた。

しかし、村人Aは酒が呑めぬ。

青年商人に絡まれる、それがオチであった。

 

青年商人「そんら〜、モテたれしょ〜?」

 

村人A「いや、そんなことないよ、モテないモテない。」

 

青年商人「じゃ、ひゃけれものんれわすれまひょーよ!」

 

村人A「呑まん呑まん、それよりもう寝とけ、見張りは俺がやっとくから。」

 

青年商人「じゃ、おらひ〜♪」zZZ

 

村人A「全く、もう寝てらァ...ま、いっか。」

 

夜空を見上げる、そこにはいつでも満天の星空が見える。

だが今日だけは、まるで自分の門出を祝ってくれているかのように、星が一層輝いている気がした。

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