TSして生徒の身長以下になっちゃった教師の話 作:XOUND
柚子「おっまたせー!あーちゃん、みすみん!マイマイ連れてきたよー!」
あかり「柚子ちゃん!連れて来てくれたんだね!ありがとう!」
柚子「えへへーどういたしましてー!」
葵「先生!」
音「おわっ!?」
葵が俺を見るや否や駆け寄って抱き着いてきた。俺のことをずっと心配していたことが嫌でも分かる。
葵が俺の背中に手を回して抱くように俺も葵の背中に手を伸ばす。・・・手が短いせいで後ろに回した手が繋げないが。でも温もりと感情と、心臓の鼓動はしっかり伝わってくる。
柚子「あー!みすみん柚子もまーぜーてー!」
あかり「じゃあ私もっ!」
音「ちょっうわぁ!?」
今まで一切考えたことなかったけど、俺ってみんなから愛されていたんだなぁ・・・三人にもみくちゃにされながらもそんなことを考えるのだった。
葵「先生どうかしたんですか?」
音「いや、俺って俺の思っている以上にみんなから愛されていたんだなって」
あかり 柚子 葵「先生、気付くの遅すぎ(です)!」
音「時間も押しているし、オンゲキやろっか?」
柚子「じゃあ一番は柚子とやりたい!ね?マイマイ!」
音「どっちにせよ1 vs 1で三回やるんだから順番は好きに決めていいぞ」
葵「じゃあ私が二番で。あかり最後でもいい?」
あかり「うん!いいよ!」
音「じゃあオンゲキのステージのセットアップやるか。手伝って貰えるか?」
柚子「かしこまりー!」
あかり「はーい!」
葵「私も手伝うよ」
三人が手伝ってくれたおかげでセットアップは早く終わった。
演習場の実体として存在するステージに重ねるようにして現れるオンゲキ用の仮想ステージ。技術の結晶とも言えるそれは煌びやかなホログラムを辺りに映しシューター達の登場を待ちわびているようだった。
・・・過去の俺は、このステージ、鳴り響く音楽、そしてシューターが足を踏み入れ、始めるオンゲキ、見える光景全てが好きだった。
そしてそれは今も変わることはない。
柚子「じゃあはじめよー?曲はマイマイが選んでいいよー!」
音「・・・じゃあこれとかどうだ?」
柚子「あれ?それ柚子の曲だ!マイマイ好きなの選んで良いんだよ?」
音「これでいいんだよこれで。」
頭上の対戦相手や曲の情報などが書かれる電光掲示板に書かれた曲名は「ウキウキ☆Candy!!」。柚子が歌唱を務めている柚子のオリジナル曲だ。
音「くる時言っただろ?柚子の飴のおかげで夢が叶ったんだって。」
柚子「もしかして、なまえに掛けてるってこと?」
音「そういうことだ」
柚子「うーん・・・よく分かんないけど、オンゲキしよ!」
音「いやそこまで出てなぜ分からない!?」
そういえば、柚子ってこんなやつだったなぁ・・・
柚子「マイマイ考え事しちゃめー!ほらはやくはやく!柚子もうお着替えしちゃったー!」
音「はいはい。全くお前ってやつは・・・」
一足先にシュータードレスに変身してしまった柚子に急かされ、俺もデバイスを起動する。こういうのって対戦相手と一緒に変身するのが格好いいっていうかなんていうか・・・まあ柚子に言っても無駄か。
柚子「マイマイ可愛い!実はその羽ー、柚子が考えたんだよー!」
音「そ、そうだったのか。凄く可愛くて・・・その・・・」
柚子「似合ってるでしょー?」
音「う、うん・・・って何言わせてんだ!さっさと始めるぞ!」
赤くなった(であろう)顔をぶんぶん振り、指揮棒を構える。
柚子「マイマイせっかちー!じゃあ柚子もいくよ!あ、先生が『ARE YOU READY?』って言ったらいつもの掛け声柚子もやる!」
音「オッケー分かったじゃあいくぞ!」
音「AR『Let’s SHOOT!』」
普通、『ARE YOU READY?』って言ったら掛け声とは『ARE YOU READY?』の後に言うのであって
『ARE』の文字が聞こえた瞬間に言うもんじゃない気がするぞ?
雰囲気完全にぶち壊されたぞ?
カン、カン、カン、カン・・・
掛け声の言い直しの要求をする間もなく、試合開始を告げるメトロノームの音が無常にもステージに響き渡る・・・
こうして少女化して初めてのオンゲキは始まるのだった。
オンゲキは対戦相手と擬似的な撃ち合いをするスポーツ。だが一般的な撃ち合いとオンゲキのそれとでは決定的に違う点がある。それは、「相手への攻撃は流れる曲にリズムを合わせたものでなくてはならない」と言うルールが存在する点にある。これこそが、オンゲキが音楽ゲームの進化系とも呼ばれる所以だ。攻撃のリズムはリアルタイムでAIが記録し、曲のリズムとの親和性によって三段階の評価が与えられ、それが攻撃の威力に反映されるのだ。
柚子「いっくぞー!」
柚子の杖から放たれる分厚い弾幕。杖型の武器は弾一つ一つをリズムに合わせて打つのが難しく威力はあまり出ないが圧倒的な物量で弾幕を張り攻撃することが出来る。
リズムよく弾を躱し、時には自分の弾で相殺していく。防戦一方にならないように弾の少ないところに一気に移動して・・・そこだ!
柚子「いたっ!やったなー!」
柚子の頭上に表示されるCRITICAL BREAKの文字。リズムにも気を配って放った一撃は威力も最大だ。
また弾をリズムよく躱してチャンスを伺い・・・
音「うわっ!?な、なんで!?」
一回被弾してしまった。何故?と思いよく曲を聴くとリズムが違う。さっきまで8分音符主体のリズムだったのが12分音符主体のリズムになっているんだ!
精度の問題もありまだ俺のほうがリードはあるようだが、被弾は被弾だ。気を引き締めていかないと。
そうして曲もサビへと突入し、攻撃はより熾烈に。上手く弾も避けて応戦はできているけどいまいち有効な決定打がないな・・・そうだ!
柚子「んー?わわわっ!なにこれ!」
音「ボーカル曲っていうのは歌詞に合わせるだけじゃないんだよ。裏で鳴っている音を取ったっていいんだよ!」
とはいえ実際に聞こえる歌のほうに気が引っ張られるから意外とこれは難しい。実際精度もそんなに高いわけではないから威力は乗りづらいけどダメージは与えられている。
柚子「むー!ならこれならどうだー!」
音「ん?うわっ!危なっ!?」
サビを超え、Cメロ部分。そう柚子がいうや否や、巨大なハート型を模した弾幕の集合が飛んできた。咄嗟に横にとんで回避するがバランスを崩してしまい・・・
柚子「もういっぱーつ!」
音「避けれないっ!?」
一回食らってしまった。これで俺がBREAK2発。柚子がHIT一発とCRITICAL BREAK一発食らったことになる。並ばれた。最後のサビで巻き返さないと。
柚子「負っけないぞー!」
音「俺も負けない!」
勝負に出よう。弾幕の隙間を見て一気に前に出る。遠距離攻撃が得意な杖型の戦い方とはかけ離れているが、それでもいい。相手と触れれるくらいの距離まで一気に詰めて・・・貰った!
柚子「もー!それよけられないー!」
そしてアウトロまでしっかり弾を避けきり、第一戦が終了。結果は・・・
総被ダメージ量
舞原音 藤沢柚子
72% 108%
WIN LOSE
音「俺の勝ち!」
柚子「しょぼーん・・・負けちゃったー。マイマイ強いねー。」
音「そりゃあ俺はこの学校に勤める教師だからな!・・・と言いたいところだが意外と接戦だったな。この武器を初めて使ったって言うのもあるんだろうがやっぱ体力が低下してるな。」
葵「先生BREAKやCRITICAL BREAKに比べてHITの量は少なかったですよね。杖型の武器ってリズムと合わせる精度が取りづらいイメージがあるんですけど」
音「まあ弾の射出量が多い分一つ一つをリズムに合わせるとなるとかなり難しいな。ま、そこら辺は培ってきた技量でカバーしている。
とはいえリズムに気を配る分相手の弾まで意識が割けないからここぞと言うときのみたたみかけるように攻撃してるって訳だ。まだお前らも高2なんだし、そう悩まなくたってそのうち出来るようになるさ。」
葵「へぇー。ちょっとメモしないと・・・」
あかり「葵ちゃん!次だよ!」
柚子「みすみんはーやーくー!」
葵「ちょっと!今から準備するから待ってってばー!」
音「さて、二曲目だけどどうしようか」
葵「先生、この曲はどう?」
選曲画面に書かれていた文字は「夢を叶える場所」。音楽ゲームにも楽曲を提供するとある有名な作曲者様に作ってもらったASTERISMをイメージしたインスト曲だ。
音「じゃあそれにしようか。」
葵「それで、今回のオンゲキなんだけど・・・」
音「・・・よし。わかった。それでいこう。」
曲も決まったので試合開始前の定位置に移動する。そして・・・
音「ARE YOU READY?」
音 葵「LET'S SHOOT!!!」
二人でダンスを踊るかのように宙を舞う。時折弾を発射するが流れるように避けられる。でもそれでいい。それがいい。何故なら今俺たちがやっているオンゲキはしっかりとした対戦としてのオンゲキではなく、いわゆる『魅せるオンゲキ』だからだ。
この曲は感動的な雰囲気が特徴でどちらかというとしっかり対戦する用の曲というよりパフォーマンス的な『魅せるオンゲキ』というのに向いている曲なのだ。
ドラムの音に合わせてリズムよく俺も葵も弾を出していく。出した弾は一小節分置いて相手に届くようになっており、相手もリズムよく避けれるように調整済みだ。音楽と弾の射出音がマッチし、とても気持ちがいい。
音「よっと!」
弾を集めて星形にして放つ。もちろん避けやすいよう今いる方向とはすこしずれた場所に。葵も察してくれたのか、俺と同じように星形の弾を打ってきてくれた。ライトアップされたステージに飛び交う星々の弾はまるで花火のようでとても美しい。
葵「じゃあこんどは私から!」
少し早く動いて弾を放ってきた。弾量が多いように見えるが弾の着地点が同じ位置になるようになっていて、するりと躱せるように工夫がなされている。
音「じゃあ俺も!」
弾を発射するときに時間差と速度差をつけて発射する。早く発射した弾ほど遅く、後に発射した弾ほど早いスピードで射出することで一見バラバラに見える弾が相手に届くときには一列に纏まるという仕様にしてみた。
葵「先生ってやっぱ凄いね」
音「これでもまだまだだよ。」
そして曲も終わり掛けというときに・・・
葵「先生!」
葵「うわぁ!?」
葵が抱き着いてきた。危うくバランスを崩しそうになるがなんとか空中で体制を整え抱き返す。そしてハグしたまま、曲は終了した。
総被ダメージ量
舞原音 三角葵
0% 0%
DRAW DRAW
あかり「すっごく綺麗だったよ!」
柚子「うんうん!マイマイも、みすみんも、キラキラでピカピカだったよ!」
音「あはは、ありがとう。」
葵「二人ともありがとう。次はあかりの番だよ。」
あかり「うん!頑張るね!」
あかり「先生、最後はこの曲でオンゲキしよ!」
そういってあかりが見せてきた曲はHEADLINER。忘れもしない。奏坂のシューター全員で歌った思い出の曲だ。そして、センターを務めていたのは、ASERISMだった。
音「その曲・・・うん!それでやろう!」
そして定位置につく。そして・・・
あかり「遠慮はナシだよ!全力で楽しんじゃおう!」
音「ARE YOU READY?」
音 あかり「LET'S SHOOT!」
あかりの武器は弓。正確で力強いショットが特徴だ。横移動を駆使して弓矢を躱しつつ、攻撃をしていく。
あかり「負けないよ!」
音「いたっ!?・・・動きを読まれた!?」
どうやら先回りして打たれたらしい。動きを読まれないように気を付けないと。弾幕をばら撒いて相手の気を逸らす。この弾幕は当てる必要はない。動きをうまく制限させることに意味があるから。・・・そこだ!
あかり「きゃっ!・・・まだまだ、これから!」
タイミングもばっちり!これでCRITICAL BREAK1発どうしでおあいこだ。でもやっぱり上手いな。
あかり「ねえ、先生!」
音「何?」
曲もサビに突入したところで突然あかりが話しかけてきた。オンゲキをする手を止めずに応答する。
あかり「楽しいね!オンゲキ!」
音「あはは!なんだそんなことか。楽しくないわけないじゃん!」
あかり「先生は、今までと今、どっちが好き?」
音「前までは男だった時と答えていたと思う。今の体が何も出来なくて、か弱くて、情けないって思っていたからな。でも今ならはっきりとこの今の体のほうが好きって答えられる・・・よっ!」
あかり「わわっ、でも良かった!」
音「まだまだ慣れないことも多いけどな。でも今のほうが断然楽しいし幸せだよ!」
あかり「良かったー。でも今の先生幸せそう!前よりニコニコしてることが多くなったもん!えいっ!」
音「痛っ!?・・・そうかもしれないな!」
そうしてCメロに突入。曲調も最後の大サビに備えて静かになり、攻撃もそれに合わせて穏やかなものとなっていく。
あかり「また、オンゲキできるかな?」
音「絶対にまたやろう!授業とか、教師とか、関係なしに!」
あかり「えへへっ、ありがとう!それじゃあラストスパートだよ!」
そして最後のサビ。全力でやりつつも、楽しくて自然と笑顔になってしまう。これが、昔の俺が憧れていて求めていた感情なんだなと思う。
音を操るかのように指揮棒を振る。弾幕も呼応して現れ、一気にあかりのもとへと向かう。あかりも負けじと躱し、弾幕の雨を突っ切るような一撃が飛んでくる。
あかり「勝つのは・・・私だよ!」
音「っ!?いや、俺が勝つ!」
総被ダメージ量
舞原音 星咲あかり
144% 126%
LOSE WIN
音「負けちゃったか・・・でも、楽しい試合だった!今日はありがとう!」
あかり「どういたしまして!またやろうね!」
柚子「こんどは、もっとみーんな呼んでやろ?」
葵「たくさん人を呼べば、団体戦もできるかもね。」
柚子「ねーねーマイマイもう一戦やろ?」
音「いやー今日はもう無理だ。疲れてこれ以上は出来ないよ。ごめんな。」
柚子「そっかー。じゃあ明日またやろ?」
音「そうだな。明日またオンゲキしようか。」
柚子「約束だよー?」
音「ああ、約束だ。」
あかり「じゃあ私も!ほらほら、葵ちゃんも!」
葵「え、えぇ・・・?じ、じゃあ、私も約束・・・」
あかり「これからも、みんなで楽しくオンゲキしよっ!」
これにて「TSして生徒の身長以下になっちゃった教師の話」は完結となります。今まで見てきてくれてありがとうございました!
これからの話なんですが、本編は完結しましたが、まだまだ載せたい話が沢山ありますので、ここからは番外編として基本は一話完結型で色々投稿していこうと思います。投稿する内容は、本編終了後のアフターストーリーとか、他視点で語られる本編の過去話とか、あったかもしれない1F√とか、そんなものをごちゃまぜにして書いていきます。あと割と不定期化します。今までも不定期だっただろという突っ込みは現在受け付けておりません。
では最後に、見てくださって本当にありがとうございました!
この小説は一般オンゲキ好きにも薦めれるような作品だと思う?
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思う
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思わない