TSして生徒の身長以下になっちゃった教師の話 作:XOUND
私の名前は東雲つむぎ。突然ですが、私には憧れの人がいます。いや、いましたと過去形にするのが正しいでしょうか・・・いや、でも居なくなったわけでもないですし、とはいえうーん・・・一旦この話は置いておきましょう。
私には確かに憧れの人がいたんです。それはいわゆる恋愛的な意味とかではなくまさしく羨望という言葉がぴったりだと思います。私の事を知っている人なら分かると思いますが、私は『大人』という存在に憧れています。その憧れを持つようになった原点と言えばいいんでしょうか、そういう人がいたんです。
名前は『舞原音』と言います。知っての通り、先輩達の通う高校の教師兼みゃーの家庭教師でみゃーと隣の家にいる先生です。先生は正に『大人』を体現したような、格好いい人だったんです。
そんな先生は、ある日突然変わってしまいました。私と背の変わらないような女の子の姿になってしまったんです。色んなことが出来なくなって、それでも今までと変わらないように振る舞おうとして、少しずつ壊れていったんです。オンゲキという支えがなければ、きっと先生はもう取り返しのつかないことになっていたかもしれません。その時に知ったんです。『大人』というのは私の思っている以上に過酷なんだって。頼りになる人、優しい人、怒りなどの感情を抑えられる人、『格好いい大人』であるためには自己犠牲?でいいんですかね、自分を押さえ付けないといけなくて、それは凄く大変で、先生は体が耐えきれなくなっていたことが私から見てもすぐに分かるようでした。
つむぎ「と、言うわけで、私は何か先生の力になりたいんですよ!」
美亜「なるほどねぇつむりん。それで今日アタシの家にお泊りで集合したんだね。」
千夏「はい!プレゼントとかどう?」
つむぎ「なっち、そういうことじゃないんですよ・・・」
美亜「まあアタシも今回はそういうことじゃないとは思うよ。でも、中学生3人で出来ることって限られるんじゃない?」
つむぎ「そうですけど・・・」
美亜「えーっと、何か力になって楽をさせたいっていうのが目的だよね?」
つむぎ「そうです!負担を少しでも軽減させたいんです!」
千夏「じゃあ、茜先輩に仕事を減らすようお願いしてみようよ!」
美亜「あー、生徒会長の?それだったらアタシ達も面識のよくあるセツナ様にお願いしてみたらどう?」
つむぎ「正直逢坂先輩はちょっとこう、当てにならないというか・・・それだったら私はセツナ様にお願いするのに賛成です。」
千夏「じゃあ今から電話かけようよ!」
つむぎ「は、話す内容もまともに決まっていないのに電話かけるんですか!?」
千夏「もうかけちゃった!」
美亜「な、なっちー!?!?」
プルルルル・・・プルルルル・・・
つむぎ「ちょちょ、ちょっと待ってください!まだ心の準備とか出来てないんですよ!?」
セツナ「皇城だ。どうしたお前ら、やかましいぞ?」
つむぎ「あわわわ・・・セツナ様出ちゃいました。えっと、舞原先生のことなんですが・・・」
セツナ「ほう、言ってみろ」
つむぎ「えっと、休ませたいんです!何というか、今まで無理をしてきて、最近はましに見えるんですが・・・こう・・・」
セツナ「なるほど、言いたいことは分かった。」
つむぎ「本当ですか?それじゃあ」
セツナ「特別授業だ」
つむぎ「・・・え?」
セツナ「今からお前らに学校内の資料を共有しよう。そこから情報を整理し、私に適切な意見を言うがいい。正しく言うことが出来たなら私も協力しよう。これで話は終わりだ。纏まったら私にまた電話するといい。じゃあな。」
つむぎ「・・・切られてしまいました。あれ?セツナ様からメール?」
美亜「どれどれ、このPDFじゃない?さっき言ってた資料って」
千夏「開いてみてみようよ!」
つむぎ「そうですね。見ないことには始まりません。」
そう言ってセツナ様から渡された資料を開きました。正直資料とはいえ数ページくらいで読むことならすぐに終わるんじゃないかって思っていたのですが・・・
つむぎ「な、なんですかこの量!?それに数字まみれで・・・」
私達を待ち受けていたのはなんと50ページにも及ぶ資料でした。ざっと目を通すだけでも数字の羅列です。こんなの一つずつ見てたら日が暮れるどころの話じゃありません!
美亜「ん、ねえねえつむりん」
つむぎ「な、なんでしょうか」
美亜「32ページ目のこれって先生の名前じゃない?表になってるよ?」
みゃーの指の先には色んな先生の名前が縦一列に並んでいました。そしてそれぞれ横には良くわからない数字。これは表?
千夏「あっ音先生の名前もあったよ!」
美亜「本当だ!でも横にある数字の意味が分からないと結局・・・」
つむぎ「表なら何の数字か示す言葉がどこかにあるはずです。それも表の一番上に・・・」
そう思いこんどはページを上に遡って見ます。きっとこれは五十音順に並んでて何ページかに渡って続いているように見えますが・・・
つむぎ「ありました!この一番上の段の言葉はきっと列ごとの数字の意味です!」
千夏「じゃあ言葉の意味を調べていけば、きっとセツナ様も納得する答えに辿り着けるよ!」
美亜「うんうん!じゃあアタシ調べる係する!なっちはメモを取って!」
つむぎ「じゃあ私この表の言葉読み上げていきます!」
そして私達三人はいろんな言葉を調べる作業に入りました。そしてみゃーが調べた言葉をなっちがメモし、三人で相談して一つずつ選別していきました。そして十二個目の単語で・・・
つむぎ「次、『有休消化率』です。」
美亜「えーっと・・・心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことだって。つまり自由に取れるお休みってこと?」
千夏「ねえ!この数字、他の先生に比べて数字が低いよ!音先生、休んでもいいのに休んでないってこと?」
美亜「多分そうだと思う。じゃあこれが『答え』ってこと?」
つむぎ「だと思います。休んでもいい日があるのに善意で休まずに私達のために働いているってことになるんですから。出来ないことが増えた今、音先生に必要なのは休息です!」
千夏「じゃあ早速電話しよ!」
つむぎ「はい!」
プルルルル・・・プルルルル・・・
セツナ「皇城だ。・・・なんだお前らか。それで、意見は纏まったか?」
つむぎ「はい!」
セツナ「じゃあ言ってみろ」
つむぎ「舞原先生は、有休消化率が他の先生に比べて低かったです。休んでもいい日があるのにわざわざ私達生徒のために休んでないんです。でも、先生には無理をして欲しくありません。なので、舞原先生にお休みの日を入れるべきだと思います!」
セツナ「素晴らしい。完璧だ。」
つむぎ「本当ですか!?ありがとうございます!」
セツナ「さて東雲、お前は『大人』というものに憧れを持っていたよな?」
つむぎ「は、はい。」
セツナ「では今の先生を見てどう思う?」
つむぎ「えっと、私達他人を気遣って行動するのが『大人』だと思っていたんですが、自分自身が疎かになってる気がします。」
セツナ「そうだな。ではそれはお前の思い描く『大人』と言えるか?」
つむぎ「言えません!」
セツナ「フッ・・・それを突き付けてやるといいさ。良いだろう、私も茜達に連絡する。精々休みの予定でも考えておくことだな。」
つむぎ「ありがとうございます!」
つむぎ「なっち、みゃー、やりました!」
美亜「つむりん、まだ終わってないよ?」
つむぎ「え?・・・あっそうでした!音先生が休日を貰ったら、こんどは私達でもてなすんですよね!」
美亜「もてなすというか何というか・・・でもリフレッシュになるようなことして上げたいよねー」
千夏「じゃあオンゲキとかどう?」
つむぎ「ナイスアイデアですなっち!オンゲキなら気分転換になります!」
美亜「じゃあこれ見てよ!」
つむぎ「これは近くのショッピングセンターの広告ですか・・・?あっ!?オンゲキのステージがあります!」
美亜「大正解!流石にオンゲキずっとやるわけにもいかないし、色々回ったりもして、オンゲキもやろうよ!」
千夏「じゃあ、千夏達が案内するってことだよね!」
美亜「うんうん!早速ルート決めしようよ!」
それから、みんなで時間を忘れちゃうほど作戦会議をしました。事前にお泊りするっていうことは言ったんですが、咲姫お姉さんに余りにも遅くまで起きすぎて怒られてしまいました。でも、すっごく楽しくて、わくわくしたんです!音先生を案内できる日が待ち遠しいなって、その日は咲姫お姉さんに用意してもらった布団に入りながら考えて寝たんです。
今回は一切音先生でてきませんでしたね。いわゆる前日譚的な立ち位置のこの話ですが、色々考えた結果音先生がマチポケ三人組に振り回されるメインの話書いた後にこの話を乗せるのはちょっと違うなって思ったんですよ。なので前話での予告と違って今回はマチポケ三人組で作戦会議をするお話にしました。
やっぱり自分のことについて無頓着であるというのは音先生の一番の欠点なんですよね。大人を目指しているとはいえまだまだ子供っぽいところのあるつむぎだからこそ指摘できる点でもあったりなかったり。
さて、次回はようやくマチポケ三人組によって音先生がただただ振り回される話です。中編後編と二分割するかもしれませんね。
あっそうそう。下のアンケートまだまだ票あつまってないからみんなぜひぜひ回答してね。深く考える必要ないからさ。
この小説は一般オンゲキ好きにも薦めれるような作品だと思う?
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