※注意※ なんか色々書くのが面倒なので一言『作者はバカです!!』それでも良い方はどうぞ!!
物心ついた頃、それが何時で自分が何歳なのかは覚えていない。でもそんな自分が覚えている事が一つあった。
「…………凄い!!」
それは
「凄いだろ、パパも始めて見たときは驚いたよ」
父も自慢気に話している。
「……パパ」
「ん?どうしたんだい?」
「会ってみたい!!あのお馬さんに!!」
「……ごめんな■■。あのお馬さん……サイレンススズカにはな……もう会えないんだ」
「え!?……そんなぁ……」
憧れていた、そのときはまだ名前も知らない馬……そんな存在に会えないと知って自分は悲しんだ。そんな自分に父は声をかけてくれた。
「……■■、サイレンススズカにはな会えないだけだよ」
「……会えないなら意味はないじゃん」
「いいや、意味はあるよ。そこにいたという記録があるし、その走りを見てパパや■■のように心を動かされた人達もいるからな。例え会えないとしても消えちゃたとしても必ず意味はあるんだよ」
「……意味はある」
「そう、■■はあの走りを見てどう思ったんだい?」
「……あのお馬さん……サイレンススズカみたいに走ってみたい!!」
「そうか、サイレンススズカみたいにか……なれるように頑張らないとな」
「うん!!」
それから自分はたくさん走った。種族は違うけれどあの背中に追い付けるように。そんな届かない夢を抱えて走り続けた。自分は物凄く速かった訳ではなかった。それでも走り続けた。
中学3年生の夏だった。交通事故に遭った。走っている途中にトラックに引かれそうになった子供を庇ったからだ。幸い子供は無傷であった。しかし自分は大怪我をして後遺症が残った。
(そんなの嘘だ、嘘に決まってる)
自分はたくさんリハビリをした。それでも
「何でだよ……何でなんだよ!!」
行き場のないどうしようもない怒りだった。ただ悔しかった。自分がもう少し早ければ……もっと早く気づいていれば。そんな風に悔しさを募らせる日々だった。そんなある日、自殺をしようとした。こんな日々が続くのであれば死んでしまった方がマシだと思ったからだ。しかし自殺は出来なかった。自分はもう走れないと分かっていてもそれでもまだ、
自殺できずに今も生きている自分は……俺は変わろうと努力した。今まであまり触れてこなかった、走ること以外にも挑戦しようとした。不幸中の幸いと言うべきか、走らなくなったので時間はたくさんある。今までは走るだけで通りすぎていった町などを歩いて見たり、アニメなども見たりしていた。そこで驚いた、まさかあのサイレンススズカが可愛い女の子になっているとは思いもしなかった。そうして彼女を見て思った。
(俺もこんな風に走りたかった)
そんなある日だった、走れなくなってはいるが散歩などには定期的に行っている。そんなときだった、トラックに引かれそうになっている子供を見つけたのだった。光景は前と殆ど同じ。違う点があるとすれば、
「ッッ!!」
痛みに苦しみながらも俺は足で思い切り地面を蹴った。前ほどスピードは出ないし、蹴る度に激痛が走る。それでも……
(……充分だ)
ギリギリであった。子供はどうにか突き飛ばすができた。しかし今回は前回と違い目の前にトラックが。そして俺の体はなす術なく宙にまうのであった。
(ごめん……父さん……母さん……俺は二人に何も返せなかった……こんな親不孝な息子でごめん)
そして願う。
(もし……次があるならば………)
思い浮かべるのは幼い頃からずっと憧れていた。アニメで走る姿を見て羨み、嫉妬し、そして《《自身の叶わぬ願い》を託した………
(……
『いいよ、その願い叶えてあげる』
(え?何?ちょっと待っ………)
突如としてはっきり声が聞こえた。その声は女のものであり、優しく、温かで、聞く人が安心する……そんな声であった。しかしその声の主が誰か分からぬまま■■は意識を閉ざすのであった。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。次回は転生してお役目が始まる前ぐらいまで書くつもりです。それではまた何処かでお会いしましょう。