強化合宿の夜、突然時間が止まった。
「なっ!?ここからいいところだったのに」
良かった、このままだと永遠に銀の質問攻めを受けているところだった。
「さぁ、話は後で行こうか!!」
「よし、出撃なんよ〜」
旅館から大橋までやって来た。そうするとバーテックスが現れた。
〈Side out〉
「来たっ、おぉ今度はビジュアル系なルックスしているね」
「と、尖っていて強そう〜」
現れたバーテックスは山羊座の名を関するもの【カプリコーン・バーテックス】。
「矢で攻撃してみるわ」
須美が、気合を込めて弓を引き絞る。
「今回こそ……!!」
バーテックスに向かって矢が飛んでいったが、しかしバーテックスが小刻みに震え始めた。それによって樹海全体が大きく揺れる。
「スッズー、あれって…」
「うん、間違い無い…」
「「グラ○ラの実だ!!」」
「言ってる場合か!?」
バーテックスの振動により須美の放った矢は弾かれてしまう。
「う、また通じないというの……?」
「落ち込んでいる暇はないよ、わっしー!この地震を止めないと!敵に近づくよ〜!」
「え、ええ」
「なら、私が先行する」
「お願いスッズー、私達が着くまでの足止めでいいから」
「了解……ところでそのちゃん隊長」
「……?」
「足止めって言うけど……別に、あれ倒してしまっても構わんのだろう?」
「おぉ、言うねぇスズカさん」
そうして、スズカは力強く1歩を踏み出した
……が、地面が揺れていることを忘れておりそのまま転んでしまう。
「「「………」」」
「///」
立ち上がったスズカは心なしかいつもより速かった。
「……私達も行こうか」
「「……うん(おう)」」
触れないことが彼女たちが出来る最大限の配慮だった。一方バーテックスは、スズカが近づいていくのを感じると上昇していった。
そのためスズカの攻撃は外れてしまう。
「何!?」
「なんだ?止まったけど……このまま逃げる気か!?降りてこいコラァー!」
月の光を受けて敵の体が鈍く光る。
「!……ミノさん、スッズー、敵が何かを仕掛けてくるよ!ミノさんは斧で防御!スッズーは一旦退避!」
「えっ……んなっ!」
「これは……まずいっ!」
バーテックスは上空から雨を降らした。正確にいうとそれは雨と形容できるほどの光弾であった。
「避けたら橋も樹海もやばい!上っ等!!野球は結構好きなのよね!!」
銀は二つの斧で光弾を打ち返した。
「敵を撃ち落とすぐらいしなければ……!」
上空にむけて弓を構えるそんな須美の目に信じられない光景が目に写った。バーテックスが、すかさず次の攻撃手段に移行している。
「銀、大きいのがくるわよ!」
須美の叫びと同時だった。今度はレーザーじみた怪光線を真下に向けて垂直に打ち込んできた。その方向には丁度、銀がいた。銀は二つの銀をあわせて盾がわりとして、その光線を受け止める。
「んぐぐぐ……!こ、これはキツイ」
照射の的になっている銀は、なんとか受け止め続けている。
「ミノさん、その光線どれくらい受け止められる〜?」
「あ、あと十秒っ……!? き、気合をだせば、じゅっ…十二秒ぐ、ら、い、は……」
既にギリギリそうな銀の声。
(どうする!?銀を助けて一度間合いをとって、体勢を建て直すか……それとも一気に攻め込むか、でもそれじゃ銀が)
「なら、私とわっしーとスッズーで上空の敵を叩くよ〜!行こう二人とも!」
「了解」
園子とスズカが敵に跳躍し、遅れて須美が続く。須美は弓を構える、銀の限界はこうしている間にも近づいている。
「わっしー!狙うのは胴体じゃないよ〜」
そう言い園子は指を指す。その先は敵の胴体ではなく……。
「なるほど……過激なことを考えるわね!」
狙った場所はバーテックスの怪光線の発射口である。須美の矢によりバーテックスは大爆発とともに弾け飛ぶ。
「やった……」
「よし!スッズー追撃いこうか〜」
「了解」
まだかろうじて宙に浮いているバーテックスに向けてスズカは走っていく。
「私が意味もなくONE○IECEを読んでいたわけじゃないんだよ」
そうしてスズカは空を
「……すごい」
「一緒に読んで良かったんよ〜」
「まさかの白ひ○の件は伏線だった」
そのままスズカは敵の真上にいく。
「墜ちろ!」
そうして銀のいる方向とは少しずらしてバーテックスを蹴り墜とす。
「後は任せて〜…!!」
墜落したバーテックスに園子が突撃する。そこからは全員のなりふりの構わない攻めによりバーテックスの体はどんどん損傷していく。そうしてボロボロになったバーテックスは壁の外へ撤退していった。やがて、時間が経って樹海化も解除されて、気がつくと大橋の見える公園にいた。
〈須美Side〉
私達は樹海化解除されてから私達は公園の芝生で倒れていた。訓練の後であるし夜ももう遅い。本来なら寝ているはずだった。
「ミノさん、大丈夫?」
「なんかこう、腰にくる戦いだった……上空からのビームを防ぎ続けるとか、地味すぎる……しくしく」
「この間大活躍だったからいいじゃん〜。それにああして攻撃を受け止めてくれていたから、私も攻め込めたんだもん」
「同じく〜」
「そのっちは……あの短い時間でよく決断できたわね、攻め込もうって……スズカくんもそれに同意して素早く動けてたし」
「だってミノさんが十秒持つって言ったんだから、十秒もつじゃん?それぐらいあれば、なんとかなると思って〜。火力ある敵だから長引かせるのは危険そうだからさ」
「私は銀なら大丈夫だと信じてたし、そのちゃんの作戦なら必ず成功すると思ったからね」
「……!」
二人にあって私にはなかったもの。銀への揺るがない信頼。敵の特性を把握しての素早い判断。私はあのときまだ迷っていた。そうか、きっと先生は見抜いていたんだ。私達の中で最も閃きが早いのはそのっちだ。それに比べて私は肝心なときに迷いがある。私は家柄によってそのっちが隊長に選ばれたと思っていた。
「そのっち……凄いわね」
「え?私は?」
「スズカ、いいところだから」
私は深く己を恥じた、だからこそここは心からの称賛を
「貴方こそ、隊長よ、本当に」
「えぇ、そのちゃんがあってこその勝利だったし」
「ね。ここぞって時にやってくれる!」
「あは、あははは〜///」
そうよ、普段は私がしっかりとサポートすればいいだけの事ね……そのっちの器量なら、そうしている間に、立派な隊長に……
そうと決まれば…私の使命は、この隊長を立派に支えてみせる!!
「須美が熱い瞳でお前を見つめてるぞ園子」
「な、なんだか視線をそらしたら襲われそう。よ〜し、見つめ返すぞ〜!」
「何やってるの?」
そうして見つめ合う私とそのっち。そして私は力強くそのっちの手を握る。
「はうっ〜?」
「何かがまとまったらしいな須美の中で」
「そのっちは……園子は私が育てるわ」
「そ、育てる〜?」
「あはは、なんじゃそりゃ!母親!?」
「ふふふ、面白いことになっちゃったね、そのちゃん」
「勿論、銀もスズカくんもよ」
「「げっ」」
「二人も立派に私が育ててみせるわ」
「いや〜アタシはいいかな〜って」
「私も大丈夫……それよりそのちゃんを…」
「いや、ミノさんもスッズーにも受けてもらうよわっしーの指導を」
「「園子さん!?」
「ふふふ、旅は道連れ世は情けなんよ〜」
「そうね、それじゃあ早速……」
「「勘弁して(くれ)」」
そうして私は迎えがくるまでみんなを立派に育てるために指導をしたのだった。
合宿が終わったのでわすゆの物語を知っている方ならご存知だと思いますが日常編です。国防仮面どうしよう……まあとはしずくや友奈、あともう二人くらい絡ませたい人もいますし、もう一つ書いてる【有坂優斗は勇者となる】とも繋げていきたいとかいろいろあります。ただし指は一向に進まないという。取り敢えず今回はここまでです。最後まで見ていただきありがとうございます。また、次回お会いしましょう。