……あとどうでもいいですけど、今回は書き方が途中まで、有坂優斗よりです。
(OK、落ち着こう。こんなときには素数を数えるんだ、素数は自分と1でしかわることができない孤独な数字)
状況はこうだ。
《敵出現》→《変身》→《勿論俺らは抵抗するで……拳で!》←現在ここ。
(無理だ、いくら【グラップラー刃○】を見たからって勝てるわけがないよ)
そう、涼翔は前世では基本的に走ることにしか興味がなく。他の物事にも興味を持ち出した頃には彼は事故の後であり、格闘技なんてとても出来なかった。それでも……
(……やるしか無いよな)
拳を固く握る。恐怖はまだある。しかし、折れる訳にはいかない。家族や友人……世界の命まで掛かっているのだ。
「よし、行こ…「てやぁあああ!!」………」
決意を言おうとしたときに先に銀が特攻しに行った。
「……
「ちょっと二人とも!?先に私が牽制して相手の手の内を……」
「……聞いてないね、二人とも」
銀の後を追って、涼翔も走り出す。またたくまに二人の影が小さくなっていくのを園子と須美は見ることしかできなかった。
「……フフフ、先ずはこの銀さまが!……」
ビュンッ
「はやッ!!ってあれスズカか!?」
バーテックスに近づいていっている銀の横を涼翔が走っていく。その速度は勇者となって視力が強化された銀の目がどうにか捕捉することができるものであった。正体を知って感心している銀に対して涼翔は……
(……これ、どうやって止まるんだろう?)
単純に止まり方が分からなかった。フリー○と同じである。有り余るスピードを自分でも制御出来ないのである。そんなことを考えていると、既にバーテックスは眼前にいた。
「……あ」
くるであろう衝撃に備えて目を瞑った。しかし、いくら待っても衝撃は来なかった。少しずつを目を開けてみると……自身の後ろにバーテックスが居たのである。
(か……か……貫通したぁぁぁぁ!?)
バーテックスの体を抉っていき涼翔は貫通したのである。
これには、全員驚きを隠せない。
しかし、バーテックスの抉られた場所がだんだん再生していく。
「……再生するのかこいつ」
「一番手はスズカに取られちゃったけど、アタシも」
そう言って銀は自身の持っている斧で敵をスライスしていく。
「思ったより、脆い。これならいける!!」
「油断したら駄目、三ノ輪さん。それは……」
ギュルン
そんな音をたてながらバーテックスは完全再生をする。それを見て須美はすかさず矢を放つ。
「うわっと!……まずい!」
銀が一度大きく後退すると、それに合わせてバーテックスも前進してきたのである。そのせいで須美の矢も外れてしまう。さらに、バーテックスは初めてともいえる攻撃をしてきたのである。左右に巨大な水球を作り出した。
「させない!」
片方は涼翔が高所から蹴りを繰り出して破壊する。しかし、もう片方の水球は破壊されず、銀にそのまま押しつけられて水球の中に閉じ込められてしまう。
「……!!」
中から斧で叩き割ろうとしても水球はビクともしない。須美の射撃でも水球は矢を弾いてしまう。涼翔も水球を蹴るが少ししか削ることができない。もっと強く蹴ってしまうと銀に当たる可能性があり上手く蹴れない。そうこう、している内にバーテックスは涼翔の与えたダメージも再生して、新たな水球を園子へと押し付けようとしていた。
「わっー!?」
園子も慌てて避けるが、水球は園子を追尾してくる。その攻撃には明確な殺意が込められていた。
「…っ!間に合わない」
「乃木さん!もっと後退して!」
須美の叫び、涼翔も向かおうとするが、距離があきすぎており、間に合わない。
しかし、園子は……
「あっ!ピッカーンと閃いた!」
「ピッカーン?」
などということを口にして、水球へと突っ込んでいく。そして、水球の前で槍を頭上で高速回転させる。勇者の身体能力をもってすれば槍の回転で竜巻を作ることも容易であった。
水球は竜巻に巻き上げられていった。
「……凄い」
「……!乃木さん」
その横で涼翔は隣の銀を見る、すると銀はあろうことか、水球を飲んでいたのである。そして全てを飲み干した銀は敵を豪快に投げ飛ばした。
「………」
「……はぁ……はぁ……うぅ~気持ち悪い」
「ま、まさか三ノ輪さん……自分を閉じ込めていた水を、全部飲んだの?」
勇者の力をもってしたら、大量の水を飲み干すことも可能……であるのか、普通はやらない。
「ミノさん、大丈夫?」
園子が銀に駆け寄る。飲み干す場面に直面した涼翔はいまだに呆然としていた。
「うん、はじめはサイダーだったけれど、途中からウーロン茶的な味わいに変化したから飽きずに飲めたわ」
「味のレビューを聞いてるんじゃなくて……で、でも無事なら良かった~」
「……初めはサイダー……後はウーロン茶」
(……飲んでみたい)
「……スッズー飲んじゃ駄目だからね~」
(何故ばれた!?)
「三人とも危ない!!」
危機にいち早く須美が気づいて、矢で皆を狙撃する。それにより、三人はその場から弾かれる。するとさっきまで居た場所にバーテックスがプレス攻撃をしてきた。
「……鷲尾さんが気づかなかったら、今頃ミンチか……」
「ひぇぇぇ……ありがとう鷲尾さん。この、敵めぇ……!!」
「えぇぇぇい!!」
左右から園子と銀、正面から涼翔が攻撃を仕掛ける。須美も援護をする。銀の烈火のような怒涛のラッシュ。園子の急所や関節を狙った的確な動き。須美の的確な援護射撃。
(……ハハハ、情けないな)
彼女らの動きはとても小学生のものとは思えなかった。きっと相当な訓練をつんでここにいのだうと思った。前世を含めた歳でいえば、涼翔は彼女達の倍は生きている。それに自分は男である。訓練も別に特別なことなどは一切していない。していたことはただの基礎的なトレーニングと趣味であり、好きなことである走るということだけ。それだけである。
だからこそ、涼翔は自分に情けなさを感じていた。
……ならば
「……追いつかないと」
(目指す場所は……誰も追いつけない……
そして涼翔は大きく後退する。その様子を全員驚いた様子で見ている。そうして後退した涼翔はクラウチングの構えをとる。そんな無防備な涼翔にバーテックスはとても巨大な水球を作り出して涼翔へ向かって押し付ける。
「有坂くん!!」
須美が叫ぶ、しかし涼翔は未だに動こうとしない。そんな涼翔に水球が衝突する直前。
「……先頭の景色は……譲らない!!」
ビュンッ
先程にもあった緑色の閃光が水球を貫き、バーテックスをも貫いた。バーテックスは巨大な穴が空いた体で撤退をしていく。やがてバーテックスが結界の外へ出ていくのを確認した。勇者達四人に課せられているお役目はバーテックスの撃破ではなく撃退であった。つまり、お役目達成である。
「「「やったー!!!」」」
抱き合う須美、銀、園子の三人。そして少し離れた場所にいた涼翔は
「……本当だ、確かにソーダから烏龍茶に」
そう呟いていたのだった。
<銀side>
戦闘終了後、街は樹海から戻り、日常を取り戻していた。アタシ達勇者は学校の保険室で検査を受けていた。特にバーテックスの水球を飲んだアタシと水球に突っ込んでいってその際に水球を口にしたスズカは時間がかかった。戦闘終了後に
「確かに、ソーダから烏龍茶だったよ」
そう言ってサムズアップする涼翔には驚いたものだ。そこから、鷲尾さんのお説教を二人してくらったのであった。こうしてアタシ達二人の検査は放課後まで続いたのであった。そうして検査が終わり、保健室から出ていく。
「三ノ輪さんお役目ご苦労様、よく頑張ったわね」
そう言って安芸先生が送り出してくれる。
「ありがとうございます、安芸先生」
そうして辺りを見回す、ん?
「……あれ?そう言えば、先生」
「ん?どうしたの?」
「スズカは?」
アタシと同じく検査をしていたスズカがこの場にはいなかった。
「スズカ……あぁ、有坂くんのことね……彼は……
「お役目ご苦労様、有坂くん」
「ありがとうございます……安芸先生でしたよね」
「えぇ、そうよ。転校してきたばかりでクラスが違うのによく覚えてくれてたわね」
「えぇ、流石に全員は無理ですけど覚えられる範囲は覚えようと考えているので」
「フフフ、いい心掛けね」
「そう言ってもらえると嬉しいです。ところで安芸先生、今って何時ですか?」
「今?……そうね貴方と三ノ輪さんの検査は長引いたから……丁度放課後ね」
「放課後!?……すみません安芸先生、自分はこれで失礼します!!」
「え、ちょっと有坂く……って早っ!?」
みたいな感じで走って行ったわよ」
「……そうすか」
何やっているんだアイツは?
「どう?有坂くんの印象は」
「……そうっすね」
有坂涼翔の印象……戦闘だけでいえば、最後の走り以外でいえば、初めてやったような何処か覚束ない素人ような感じであった。まるで戦ったのが初めてかのような。それで何処か……
「……
「あら?それはどうして?」
「なんだろう、アタシはバカだから上手くは言えないんですけど、こうなんだろう?困っている人がほっとけないとか?」
駄目だ、アタシの語彙力では言い表せない。なんだろうな本当に。でもわかる、アタシとスズカは
「ごめんなさい、初対面の人の印象なんて難しいわよね」
「全然良いですよ……あ!あともう一つありました」
「ん?それは何?」
「アイツ、なんか幼いというか弟みたいですね」
「弟みたい?」
「はい、スズカを見ていると何だろうな……ほうっておいたらどっかに行っちゃって帰ってこないというか……目を離したらいけないみたいな感じが……」
何を言ってるのだろうと途中でアタシも思ったが、安芸先生を黙って聞いてくれた。
「……成る程ね、弟みたい。放っておいたらどっかに行っちゃうってね……あながち間違っては無いわね」
「ん?どういうことですか?」
「……実は彼ね、前の学校の遠足のときに迷子になったそうよ」
「そうなんですか!?」
スズカとは会って数時間であるが納得できた。彼ならあり得そうだと。
「そう、それで6時間後に教職員達や親御さん、警察までもが総動員して捜索した結果、15km離れた海岸で寝ていたそうよ」
「マジですか!?」
何をやっているのだろうアイツは?そしてそれを聞いて尚更、放っておけないとそう改めて考えた。そうして話し終わった後、アタシは家へと帰ったのであった。
<涼翔side>
「それで……何か言うことは」
「遅れてすみませんでした」
現在、俺は遅れたことをしずくに叱られていたのだった。なんか今日はよく叱られている気がする。
「……遅れたのは減点……でも約束は覚えてくれてた……だから許す」
「……ありがとう」
減点とは言われたが、どうやら許して貰えたようだ。そうして俺達はイネスのジェラート店へと向かった。そこで俺はイチゴ味のジェラートをしずくは徳島ラーメン味(なにそれ?)を食べていた。
「……それって美味しいの?」
「……うん……食べる?」
「いや、大丈夫」
「……美味しいのに」
俺は難聴系主人公ではないので勿論聞こえてる。いくら何でも徳島ラーメン味という地雷満載な味を食べる訳にはいかない。メニューを見ると普通のジェラートも勿論あるのだが、【醤油味】、【徳島ラーメン味】、【讃岐うどん味】……何を思もって店主はこれを作ったのであろう。するとしずくがこちらを見ている。じっとこちらを見ている。仲間にしてほしそうにこちらを……違うな俺じゃないジェラートだ。イチゴ味のジェラートを見ている。
「しずく、一口食べる?」
「!……いいの?」
「いいよ」
可愛いしずくさんの為だ、それに元々はしずくのお母さんがこのジェラート店のクーポン券を貰ってきてくれたからである。
「はい、どうぞ」
そうして俺はジェラートを手渡す。完璧だな。
「………」
おや?どうやらしずくさんは少しご機嫌斜めだぞ、どうしたんだ一体?訳もわからず、しずくにジェラートが突き返される。
「……しずく?ジェラート溶けるよ?」
「……食べさせて」
ん?今何て言った?
「……しずく?」
「……だから食べさせて」
おやおや、どうやら家のお姫様はあ~んをご所望のようだ。全く、困ったお姫様だぜ。ここは余裕な大人の対応で……
「あ、あ~ん」
「あ~ん」
しずくは差し出された。イチゴのジェラートを食べる。何だろうな何か負けた気がする。
「ヒューヒュー、やるねスッズー」
「そ、そんなあ~んなんて……は、破廉恥な///」
「「ん?」」
(今、隣で知っている声が……)
そうして隣を向くとそこにはこちらを向いて楽しそうに笑っている園子とこちらを見て、顔を赤くしてその顔を手覆っていてるが指の隙間から見えるポーズをやっている須美がいた。
「ヤッホー!スッズー」
「……涼翔……どういうこと?」
あぁ神樹様、頼みますからこの定規を何とかしてください。
はい、仲間外れの銀ちゃんを残して今回はここまでです。次回もまだ、日常かな?(鷲尾須美は勇者であるをまだ、完全には読みきってない)まぁとりあえずまた次回にお会いしましょう。