<涼翔side>
俺は内心で恐怖していた。その理由とは現在目の前にいるピンク髪(赤じゃね?)の少女のせいだ。
(見たらわかるこの人、絶対主人公やん!!)
ピンク髪が出てくる魔法少女世界は鬱だって相場が決まっているとAくんも言っていた。それに、【結城友奈】という少女をみた瞬間俺は謎の力を感じ取った。しかしそう考えると一つ疑問ができた。
(ん?……じゃあ俺達のポジションはなんなんだ?)
この友奈という少女が主人公だとして主人公は大体最初からメンバーにいるものだ。それなのに俺は神樹館でこの少女を見たことがない。それに勇者は銀と鷲尾さん、乃木さんと俺だといっている。ならば無関係、あるいは……
(
そう、俺達四人は常に死ぬ可能性のある戦いをしている。当然誰かが死んでしまう可能性だってある。というかその可能性の方が遥かに高い。……ならば、せめて
「……誰かが死ぬなら俺が」
自分でも気づかない内に声に出していた。智久さんには聞こえなかったようだ。それに安堵してため息をつく。しかし、俺は
智久さんは格闘の基本となることを教えてくれた。この体は幼いからこそ、物事の覚えが早かった。そのお陰ですぐに基本から応用へと入れた。
(……それにしても)
「えいっ!!」
友奈が拳を放つ。それが俺が着けているミットに当たる。
(同年代の女子でこの重さ!!)
友奈とは彼女の人柄のお陰かすぐに仲良くなることができた。そして彼女と俺が同じ歳なのがわかった。そんな少女のパンチだがそこら辺の少年の拳よりかは遥かに重い。彼女は小柄で力も弱い、しかしそれを補う速度と技術である。そんなこんなで俺も着実と格闘技を身に付けていった。
それから合同訓練が始まってのことだった。
「ごめんごめん、お待たせ!」
銀は8分遅刻をして来ていた。
「重役出勤とは偉くなったものね、銀」
「そう言ってる有坂くんも五分の重役出勤よ」
ふざけた口調で俺は言う。それに対して鷲尾さんがジト目でツッコミを入れてくる。
「それで、銀。どうして遅れたのかしら」
今の鷲尾さんに何故か角が生えて怒っているイメージが見えてくる。これは相当キレてらっしゃる。ちなみに俺は銀がくるまで説教を受けていました。
「え、ええと……や、何を言おうが遅れたのは自分のミスだし……ごめん、気を付けるよ!」
銀は遅れたさいにいつもこう言って謝るだけで理由を言おうとしない。ちなみに俺は寝坊やら寄り道やらが遅れる原因である。それを聞くと鷲尾さんは説教の時間は伸びる。
「全く、勇者としての自覚を持たないと。私達はこの国を守るべく……」
(あ、これ長くなるパターンだ)
俺はこっそりこの場を離れようとする。すると肩をがっしり捕まれる。
「有坂くん、言っとくけどあなたにも言っているのよ……それなのに何処にいこうとしてたのかしら?」
「すみませんでした!!」
こうして俺と銀は一緒に説教を受けたのであった。
【今日の園子】
「……Zzz……スッズーそれうどんやない……バーテックスや」
(……何を食っているんだ俺は?)
<須美side>
銀がどうして遅れるのかその原因をなんとかしなければならない。
「というわけで協力して貰うわよ、有坂くん」
「……どいうわけ?」
「だから、銀が遅刻する理由を調査するのよ。そのっちには了承を得たは」
そうして私は手でそのっちの方を示す。そのっちはこくり、こくりとしてくれている。
「……了承ではないのでは?」
「次に文句を言うのであれば柱に張り付けに…「有坂涼翔、微力ながら力添えさせていただきます」
有坂くんの了承も得たことだし早速行動に移そう。
休日
私とそのっちと有坂くんは銀の家の前に来ていた。
「……それで有坂くん、その格好は?」
「今日の占いで頭上注意、ラッキーアイテムはヘルメットだったから」
有坂くんはなんかヘルメットをしていた。ヘルメットから緑色のリボンが飛び出して耳のように見える。まあその奇抜な格好はおいといて三ノ輪家の方を見る。周囲を散策して見れば小学生の子供二人がうろうろと遊んでいるだけである。
「私の家とは全然違うわね」
「私も~」
「私の家とは似てるところが多いね」
どうやら乃木家と鷲尾家は豪邸のようで三ノ輪家と有坂家は日本家屋のようだ。
「見て~、わっしー、スッズー。あれあれ」
そうして園子が指を指す。そこには銀が赤ん坊をあやしている姿があった。
(弟がいるとは聞いていたけど、ここまで幼いとは)
「……弟の世話をしていたのね、銀は」
「……あの子何処かで見たような?」
その後、銀は家事を手伝いを行ってお使いへと向かうようだ。
「働き者だわ……お使いも、ついて行ってみましょう」
そこで更に私達は更に驚く光景を目撃した。銀の目の前で自転車の子供が転んでしまいそれを彼女が助けた。その後に銀の目の前にお婆さんが腰痛で座り込んだ。
「こ、これはいわゆるトラブル体質~?」
「遅刻の理由が判明したわね……」
「それはそうとして手伝わないと」
そうして私達は銀とお婆さんのもとへ向かった。
「お~い、ミノさ~ん!」
「ん、って園子!?須美にスズ……何そのヘルメット?」
そうして私達はお婆さんを無事家まで送った。有坂くんがお婆さんをおんぶしていたので意外と力はあるのかと考えていた。
「じゃあ三人とも最初から見てたの?わぁ恥ずかしいなぁソレ」
「むしろ誇るべきことじゃない人を助けて遅刻なんて」
「そうだよ、偉いよ~」
「遅れるのはこういう理由があったからなのね」
「まぁ……ね」
「だったら言ってくれればいいのに~」
「いやぁ……それはなんか、弟や道行くお婆さんのせいにしてるみたいで……何があろうと遅れたのは、自分の責任なんだしさ」
「そうね、理由が何であれ、遅れていいわけではないわ」
「トホホ……ごもっともです、ハイ」
そうして四人で並んで話していると
「危ない!!」
大きな声が上から聞こえてくる。すると上から金槌が落ちてくる。その軌道上、落ちてくるのは
(私の位置に!?)
恐怖を感じる。あんなものが頭に当たれば確実に怪我をするし、もしかしたら死んでしまうかもしれない。そんな恐怖に震えていると。
「鷲尾さんごめん!」
「キャッ!」
有坂くんのそんな声がしたあと、彼は私を突き飛ばす。そして私がいた位置に今は有坂くんがいる。
「「スズカ(スッズー)!!」
私は思わず目を瞑る。激しい音がしたあと金槌が地面に落ちた音がする。
「鷲尾さん怪我はない?ごめん、ちょっと力強く押しすぎたかも」
「私は大丈夫だけど……それよりもあなたは!?」
「私はヘルメットをしてたから大丈夫、それよりも鷲尾さん何処か怪我をしたなら手当てを……」
大丈夫なわけがない。ヘルメットととは防弾服と同じで衝撃が防げるわけではない。あれだけ激しい音がしたのだから衝撃も相当なものである。しかし、有坂くんは自分より先に
、私の心配をしてきた。そこで私はどこか【
今回はここまでです。涼翔の異常性が少し見えてきましたね。それでは見ていただきありがとうございました。次回もお楽しみに