色々なウマ娘短編集   作:りのちゃん

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どうも、私です
今回は私の第二作目、セイウンスカイの話を投稿しました、この話がピクシブで伸びたから私は物書きとして活動を本格的に始めました、この本があったからこそ、今の私があり、かなり思い入れのある作品となっておりますので、あえて何も手を加えずそのまま、原文ママで投稿いたしました、と言いたいところでしたが、ここで追記(4/17/19:50)、台本形式が嫌われているとのことだったので、とりあえず台本形式じゃなくしてみました、ぜひ読んでください


セイウンスカイがトレーナーを騙しちゃう話

練習用グラウンド

 

「・・・・・」

 

俺はトレセン学園に努めるトレーナー、今はただ何もせず練習用のグラウンドに立っている。

なぜただ立っているのかだって?担当はいないのかだって?

まぁ落ち着け、俺は担当ウマ娘もいるし当然ただ立っているのにも理由はある、では何故か、単純明快、簡単な理由である。

俺の担当ウマ娘、セイウンスカイが来ないからである。

もともとスカイは練習をサボる癖が強いウマ娘なのだが、最近は特にひどく、周りのウマ娘やそのトレーナーから教育を放棄していると思われるほどだ。

 

「ネェ アノヒトナンデズットタッテルノ」

「スカイサンキョウモイナイノネ・・・」

「ショクムホウキデース! タイホデース!!」「エル・・・」

 

周りの目が痛い

 

「・・・はぁ、今日も探しに行くか」

 

スカイがサボる時は俺がいつも探しに行く、はたして今日はどこにいるんだ・・・

 

 

屋上

 

俺はトレセン学園の屋上に来た、単純にスカイの昼寝スポットの一つと言うのもあるが、この屋上自体、学園のウマ娘たちが来ることが多いからだ。となればスカイがここにいる可能性は断然高い、尤も、スカイもこちらの思考を読んで昼寝スポットを変えているというのなら話は別だが

 

「ここにいたのか、スカイ」

 

「あらら~、見つかっちゃいましたか~」

 

なんて読まれているかもという心配とは裏腹に、俺はあっさり担当ウマ娘のスカイを見つけた

 

「そりゃまぁスカイがいるところっつったら屋上は定番だしな」

 

「それで~?トレーナーさんはわざわざ私を探して、何のお話でしょうか~?」

 

・・・まさか根本的にトレーニングの日だと言う事を忘れてるんじゃないだろうな

 

「おいおい勘弁してくれよ、今日はトレーニングの日だぞ、だから探してるんだ」

 

「あぁ~そういえばトレーニングの日でしたねぇ・・・」

 

「そうだぞ、さぁスカイ、トレーニングに行くぞ」

 

「・・・♪」

 

スカイが何かを企んだような顔でこちらを見てくる

 

「いやぁ~トレーナーさん、セイちゃん実はずっとここにいて喉が乾いちゃって・・・何か飲み物が無いとトレーニングに行けないかもしれません・・・飲み物・・・買ってきてもらえませんか?」

 

明らかな罠だ、恐らくスカイは俺が飲み物を買った隙にこの場所を動く、となればここで素直に買いに行くわけにはいかない、かといって一緒に買いに行くと言っても動く気はさらさらないだろう、一体どうしたものか。

 

「なら一緒に買いに行こう、そうすれば屋上に戻ってくる時間が短縮できる」

 

「はいは~い♪」

 

・・・ダメ元で言ってみたが、意外にもスカイは素直についてきた、言ってみるもんだな。

 

 

自販機前

 

「トレーナーさん、これこれ、これ買ってください」

 

「はいはい、飲んだらすぐにトレーニングに行くぞ」

 

コチャン・・・ピッ・・・ガシャコンッ!! ピリリリリリリリリ・・・7776

 

うん、まぁ自販機のスロットなんて当たんないよね

 

「ありがとうございます~♪」

 

スカイは感謝の言葉を述べたのち、缶のふたを開けた

 

ブシャッ!!

 

「うわわっ!?」

 

瞬間、缶から炭酸ジュースが溢れ、スカイの服にかかってしまう

 

「あらら~・・・制服ビチョビチョになっちゃいましたね・・・」

 

「こりゃずいぶんと盛大にかかったなオイ」

 

スカイの制服はそれはもう大雨の中を歩いてきたのかと言うほどに濡れていた

 

「まぁ・・・どうせジャージに着替えますしね、このままトレーナー室に行っちゃいましょ」

 

「そうだな、風で冷えると悪いから早めに行こう」

 

「は~い」

 

「(トレーナーさん・・・気づいてないみたいだね♪ あの炭酸爆弾はセイちゃんがあらかじめ用意しておいたものです、本当に自販機から出てきたジュースは、トレーナーさんから見えない方のポケットに入ってます、トレーナーさんが自販機のスロットに夢中になってる隙に入れ替えておいたんです♪ これで自然に・・・)」

 

 

トレーナー室前

 

「んじゃ、俺はここで待ってるから、中で着替えてきな」

 

「トレーナーさん、覗かないで下さいよ?」

 

「誰が覗くねん」

 

そんなやり取りをして、スカイはトレーナー室に入って行った

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「トレーナーさん?」

 

「ん、どうした、着替え終わったか」

 

「いや、そういうわけじゃないんですけど~・・・」

 

「?」

 

疑問符を頭に浮かべていると、トレーナー室のドアからスカイの手が出てく・・・る・・・

 

「スカイ・・・?」

 

出てきたスカイの手には先ほどのビショビショな制服が乗っていた

 

「この濡れた制服、私の部屋に置いといてくれませんか~?」

 

「・・・いや、生徒の部屋に入るのはトレーナーとしてまずいだろ・・・」

 

「にゃはは~、冗談ですよ~トレーナーさん♪」

 

「冗談はやめて、畳んで置いておけ・・・寮長には制服が濡れたって話をしておくから・・・」

 

「は~い♪」

 

全く、びっくりした・・・いきなりあんな女子生徒の、ましてや自分と共に歩んできた生徒の脱いだ制服を目の前に出されると、男として、少し意識しない訳にはいかなかった。

・・・濡れた制服一つでこんなに意識してしまう俺はおかしいのだろうか

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ムンムン・・・

 

・・・まずい、さっきの出来事がずっと頭に残って離れない、ただの制服ならまだしも、濡れて少し透けるくらいの制服をみせられて、すぐ後ろにはそれをさっきまで着てた本体がいるんだぞ・・・そんなもん頭から離れる訳ないだろ・・・

スカイがトレーナー室に入ってからかなりの時間が経った、そろそろ着替え終わっただろうか・・・ムンムン

 

「スカイ?その・・・着替え終わったか?」

 

・・・・・・・

 

「・・・ん?スカイ?」

 

かすかに風の音がする、返事は帰ってこない

 

「スカイ・・・まさか!?」ガラガラッ

 

ヒュウウウ

 

やられた、完全にやられた。

トレーナー室の窓は全開になっており、そこには少し前までスカイのジャージがあったであろうロッカーと、畳まれている制服、そして「洗濯よろしくお願いします♪ 愛しのセイちゃんより」と書かれた紙だけがあった

 

「いや、だから・・・トレーナーとしてまずいんだって・・・」

 

そう、窓から逃げられたのである。

普通なら外の音で気づくどころか、窓を開ける音ですぐにわかったであろう、しかしその時俺はスカイの制服の事で頭がいっぱいになっていたのだ、むんむんしてたのが仇になった!もしかしたらこのむんむんまでスカイの計算の内なのかもしれない・・・おのれむんむん!

 

 

 

「ぶぇっくしょん!」

 

「うぉっ、どうしたのタンホイザ」

 

「うう・・・ここ最近冷えるからぁ・・・ネイチャも気を付けてね、むん」

 

 

 

とにかくこうなっては仕方ない、再びスカイを探さなければならない、主に俺の世間体の為にも。

 

【セイウンスカイの「怠け癖」はそのままだ!】

 

 

まず落ち着いて状況を整理しよう、スカイは今ジャージだ、つまり学園の外にいる可能性は低い、はず。

そして再び屋上にいるのはまずあり得ない、屋上はいくら身体能力が優れたウマ娘と言えど、たった一つのドアさえ塞がれてしまえば逃げ道がなくなる、そしてあっちからすれば、今日一度騙した俺がそのキーである扉を塞がない訳がない、しかも無理にどかそうとすれば俺が怪我をする可能性だってある、だから屋上はあり得ない。さらに、スカイは今運動靴を履いていない、隠れるとすればこのトレセン学園の屋内にいる。

こんな時、スカイが隠れる場所・・・?

 

トレセン学園・体育館

 

ここだ・・・おそらくここにいる、体育館倉庫・・・

ここなら屋上と違い屋外の音が大きく遮られ聴覚が乱されず、俺が近くに来た足音に気付けるし、スカイの小さい体格なら体育器具の陰に隠れることも容易だろう

 

「ここだぁ!!スカイ!!!」ズゴゴガラガラ

 

 

 

結論から言おう

「残念でした★」

こんなことが書かれた紙がでかでかと置いてあって終わりだった、スカイにとっては俺がここに来ることなんてお見通しだったのだ。

 

「ここにはいなかったか・・・」

 

 

 

なんてな

ただ隠れることに集中しすぎて注意が行かなかったのか?、跳び箱から明らかにスカイのしっぽと思われるものが出てきていた

ここで俺は、少しだけスカイを楽しませてやることにした

 

「いやぁ・・・ここにいると思ったんだけどなぁ、残念だなぁ」

 

しっぽが少し動いた、やはりこれは人形のものでもなんでもない、スカイ本人のしっぽだ

 

さてさて、ここまで弄んでくれた借りをどうしてくれようか、いきなりつかんで驚かせるか?それとも息を吹きかけてやろうか。

どちらにしてもトレセン学園に怒られそうなことをしているが、それはスカイも同じだ、俺は悪くねぇ

 

決めた、跳び箱の一番上の台を持ち上げてやろう、跳び箱の近くにはマットもある、万が一落としそうになってもマットの方に投げればスカイに怪我を負わせず、驚かせることができる。

 

スカイのしっぽはあれから動いていない、恐らく油断しているのだろう

 

・・・よし、今だ!

 

「ここにいるのはわかってるぞ!!スカィ・・・うわぁぁぁああああ!?!?」

 

いきなり叫んでしまってすまない、でも仕方ないと思うんだ、だって跳び箱を開けたら出てきたのは

 

2匹ほどの害虫(ゴキちゃん)だったからだ。

そして害虫(ゴキちゃん)が去って行った跡地には、スカイのしっぽを模したものと思われる毛の束があった

 

「クソッ!これまで予測済みなのか!にしても虫を入れておくなんて趣味悪いぞ・・・」

 

「(ほんとは私ボールかごに隠れて尻尾もどきを置いていただけなんですけどね、まぁ虫がうまく動かしてくれたおかげで本物に見えたみたいですし、結果オーライですね~♪)」

 

カサカサッ

 

「・・・え?」

 

カサカサカサカサッ!!

 

「う”に”ゃ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!”!”」

 

「!?」

 

体育館倉庫を出ようとしたその瞬間、背後からスカイの悲鳴が聞こえた

振り返った瞬間スカイが飛び出てきた!

 

「勝機!」

 

はっきり言って全力で走ってるウマ娘を捕まえようとするのは無茶だったが、走るフォームがガタガタであれば多少は捕まえるのが楽だった、即座に腕を横に広げてわし掴んだだけで足がもつれ、こけそうになったところを怪我が無いように支える。

スカイの顔を見ると、何があったのかは知らないが大分青ざめていた

 

「やっと捕まえたぞ・・・トレーニングに行くぞ、スカイ」

 

「はい・・・」

 

スカイはただ一言だけ返事をして立ち上がった

 

【セイウンスカイのやる気が下がった】

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

トレーナー室

 

俺はあの後スカイに事情を聞いた、ジュースを入れ替えたこと、ボールかごに最初からいたこと、虫が真横にいたこと、・・・疑似しっぽはアグネスタキオンに依頼して作ってもらった事

 

「スカイ・・・スカイがもともとサボる癖があるのはわかっている、だが最近は特に酷くないか?何かあったのなら俺に話してくれないか」

 

「・・・言っても、引いたりしません?」

 

スカイはうつむいたまま言う

 

「ん?お、おう」

 

するとスカイがこちらを向き、少し心配そうに眼を見開いて話す

 

「本当の・・・ホントに?」

 

「ああ、スカイにはすでに散々振り回されてるからな、もう慣れっこだ」

 

そう即答した後、スカイは深呼吸をして口を開いた

 

「私、トレーナーさんに探されるのが楽しくなっちゃって・・・」

 

スカイから出た回答は、だいぶ予想の斜め上の回答であった。

いや、さしづめ本当にめんどくさかったからとか、もう俺のこと自体が嫌になったとか、そういうのを予想していたんだよ

 

「トレーナーさんが一生懸命になって私を探してくれてると思うと・・・ちょっとドキドキしちゃって・・・それにからかうのも楽しくて・・・トレーナーさんを困らせる手段もたくさん考えたりして・・・実は今日も、アクシデントが無ければあの後夕方まで困らせる予定だったりして・・・」ダラダラ

 

言いたくないけど、切り出してしまった以上どんどん出てきてしまうのか、スカイは冷や汗を沢山流しながら立て板に水のごとく話し続けている

 

「あ~・・・つまりスカイは、俺に探してほしくてサボっていたと?」

 

「はい・・・」

 

おいおいおいおい、担当ウマ娘が特殊な癖に目覚めてるとか俺はどうすればいいんだ

こんな事例俺のトレーナー人生にもないし、知り合いのトレーナーにもいないぞ。

 

「いやぁ、スカ「ごめんなさいっ!!」

 

ほえ?何が起こったのか、俺が「別にいいけどさ」なんて言おうと思っていたらスカイのセリフにさえぎられてしまった

 

「本当にごめんなさいトレーナーさん!だから・・・だから契約解除だけはしないでください・・・」

 

言い終わってすぐにスカイは土下座をしてきた。いや、トレーナーが担当に土下座させてるこの絵面も大分やばいから頭上げてちょうだい?

 

「スカイ、契約解除はしない、大丈夫だ」

 

「っ!!」ガバッ

 

スカイは瞬間的な速度で言えば走ってるウマ娘と同じくらいの速度で頭を上げて、目をキラキラさせながら涙を浮かべ、驚いた顔をしていた

 

「本当に・・・?こんなダメダメでめんどくさいウマ娘だよ?本当に契約解除しないの・・・?」

 

「ああ、だから言っただろ、スカイに振り回されるのは慣れっこだって。それに、スカイは強いウマ娘だ、強いウマ娘をさらに強くするためなら、俺は何回でもスカイを探しだして、トレーニング場に連れ戻すさ。

 

スカイ自身、契約解除されるかも、と言う心配があったのに、正直に話してくれてありがとう」

 

「トレーナーさん・・・トレーナーさん・・・!!」

 

その後スカイは静かに泣いていた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

時が流れ、京都競馬場

 

「セイウンスカイが逃げ切った!

まさに今日の京都レース場の上空とおんなじ!

京都のレース場今日は青空だ!」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

トレセン学園屋上

 

「いやぁトレーナーさん、セイちゃんのわがままに付き合ってもらっちゃって悪いですね~」

 

「ホント何回目だよこのわがまま、俺も甘くなったよなぁ」

 

俺とスカイは屋上で寝転がっていた、あれ以来スカイがサボることは格段に少なくなった、サボることがあっても、スカイが本当に疲れている時だ。

そういう時、スカイを探し出して俺も一緒にサボることにしているのだ

 

「少し前、トレーナーさんに全部話した日も、屋上からでしたよね~」

 

「そうだったな、ご丁寧に炭酸爆弾まで用意しやがって、あん時は騙されたぞ」

 

「にゃはは~・・・」

 

スカイはサボりを少なくした後、トレーニングに打ち込んだ、そのおかげか、スカイは菊花賞に勝つことができた、しかも3分3秒2のレコードをたたき出し、同世代のスペシャルウィークに3と2分の1バ身差を付けて勝利した。

 

「トレーナーさん、あの時私を契約解除しないでくれてありがとうございます」

 

「なんだ改まって、怖い」

 

「怖いってなんですか、私の事なんだと思ってるんですか」

 

「だって屋上で一回騙されたから」

 

「うっ、それを言われると何も言えません」

 

「・・・言っただろ、強いウマ娘をさらに強くするためなら、俺はいくらでも探し出す、スカイが迷惑に思わない限りな」

 

「迷惑だなんて、とんでもないですよ、トレーナーさん

 

さ、日向ぼっこも終わりましたし、トレーニング行きましょ?トレーナーさん」

 

「ん、めずらしい、サボりからトレーニングに発展するなんて」

 

「今日はセイちゃんなんだかトレーニングしたい気分なんですよね~、でも喉が乾いちゃって・・・」

 

「おい」

 

「冗談ですってば♪」

 

「やれやれ・・・」

 

ニャー

 

「む?ネコちゃん」

 

「これまためずらしい、こんなところに猫が」

 

「・・・トレーナーさん、やっぱりトレーニングなしにして、今日はサボり~な~んて・・・」

 

「はぁ・・・仕方ないな」

 

「ありがとうございます~♪」

 

結局俺はスカイと、夕方まで猫を撫でていた・・・

怠け癖が強いウマ娘、セイウンスカイ、俺はこの娘のためにこれからも、トゥインクル・シリーズを駆け抜ける手伝いをする、いつか笑える、最高の舞台を目指して。

 

 

【セイウンスカイの「怠け癖」はそのままだ!】

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