色々なウマ娘短編集   作:りのちゃん

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どうも、私です
今回は胸が無いコンプレックスを治す話です
別に胸が無い人を馬鹿にしているわけではありませんのであしからず


サイレンススズカが胸を大きくしたかった話

トレーナー室 前

 

「ふぅ・・・疲れたな」

 

俺はトレセン学園に務めているトレーナー、担当ウマ娘はサイレンススズカと言う子だ、彼女は強靭な逃げ足を持っており、レース中一切の減速を見せない、まさに加速と言う二文字しか持っていないウマ娘だ、最近はアイドル活動も始めたようで、充実した学園生活を送れているようで何よりだ。

俺はと言うと、仕事を押し付けられて・・・というより、仕事を受け継がずにはいられない状況になったので、わざわざ出向いて仕事を終わらせてきたのだ

 

「まさかスペのトレーナーがスペに襲われかけてるとはね・・・意識ないとはいえタキオンの薬は恐ろしいもんだな・・・」

 

とりあえず仕事で疲れた体を癒すためにトレーナー室のソファで休むとしよう・・・そう思ってトレーナー室のドアを開けた先にいたのは

 

ガチャ

 

「むしゃ・・シャクシャクシャクシャクシャクむしゃバリぷちっぷちっ」

 

「・・・え?」

 

俺はトレーナー室に入り驚愕した、なんと俺の担当、サイレンススズカが、なんか、リンゴやらブドウやらキャベツやらを口の中に無理やり詰め込んで咀嚼していたのだ、え、いや、何してるの?まだリンゴやブドウならわかるよ?なんでキャベツまでぶち込んでるの?甘味を楽しむならキャベツは要らないと思うんだ。

しかも無理やり詰め込んでるからすごい女の子がしていい顔してないよ、君のほっぺとアゴってそこまで稼働するんだね。

 

「ングッ・・・んっ、ん”ん”っ・・・ゴクッ、・・・ふぅ、こんにちは、トレーナーさん」パァァ

 

「いや、そんな満面の笑みでこんにちはって言われても・・・口に沢山キャベツついてるし・・・」

 

「ハッ・・・はしたないところを見られてしまいましたね・・・」

 

「別にいいんだけどさ・・・何してるの?」

 

単純な疑問だった、なんでそんなに大量のリンゴやらブドウやらを口に詰め込んでいたのか、先ほども述べたとおり、甘味、それも果物を楽しむと仮定するならキャベツは要らない、だが今スズカは果物と一緒に詰め込んでいた、詰め込んでハムスターみたいになっていた。俺は果物を楽しむ以外の仮定が思いつかないので聞くしかなかった

 

「・・・胸を大きくしたいからです!!!」

 

再び俺は驚愕した、まさにとんでもない理由でスズカはハムスターみたいな顔して食べ物を口に放り込んでいたのだ、しかしなんでリンゴキャベツに繋がるんだ?

 

「・・・・・・で、なんでそれがリンゴとかキャベツを食べることに繋がるの?」

 

「私が食べているものには『ボロン』という胸が大きくなる栄養素が入っています!!それで大量に摂取して私も胸をボロンしたいんです!!!!」

 

俺は思いっきり後ろにのけぞり、おでこに右手を当てて唸った

いや、スズカが前から胸のコンプレックスを抱えていたのは知っていた、だけどまさかこんなに急激に、しかもだいぶ無理やり克服しようとするとは思っていなかった

確かに、リンゴ、ブドウ、キャベツにはボロンと言う栄養素が入っている、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を活性化させ、乳腺細胞を増殖させる効果が期待でき、さらに発達した乳腺に脂肪をつける効果もある、ボロンを摂取する事で理想のバストアップへと導いてくれるのだ、胸の脂肪だけを増やす、まさに胸を大きくする食材だ、だが習慣で食べるから大きくなるのであって、大量に食べれば胸が大きくなるわけではない

 

「・・・スズカ、ボロンを急速に摂取しても急激に胸は大きくならないし、それと胸をボロンしたいはやめろ」

 

「えっ・・・大きくならないんですか・・・」

 

その事実をスズカに伝えると、スズカはまるでこれから世界が終わるんじゃないだろうかというような顔でこちらを見つめてくる

 

「そうだ、あくまで習慣で摂取するから大きくなる、量の問題じゃないんだ」

 

「でも・・・急速に摂取すれば大きくなるって・・・」

 

「ソースは?」

 

「ゴールドシップさん・・・」

 

あのバ鹿・・・うちのスズカに変な入れ知恵しおって・・・しかも真に受けてるし・・・

 

「それと一つツッコみたかったんだけど、なんで勝負服着てるの?」

 

「私の貧乳と言うステータスと戦っているからです、勝負服を着れば多少はやる気も上がって勝率が上がるかと・・・」

 

・・・ゴールドシップの嘘を信じたり、勝率(?)を上げるために勝負服を着ていたりと色々とダメ出しをしたかったが、今はやめておくことにしよう

 

「とりあえず、ボロンは大量摂取しても胸は大きくならない、いいな?」

 

「はい・・・」

 

それだけ返事してスズカは机の上の食材から手を離した、というか喋ってる最中もずっと食っていたのだ。でもとりあえず分かってもらえたようで何よりだ、これでスズカの極端な行動が収まればいいんだが

 

 

 

 

 

 

後日

 

収まってくれたらよかったんだが・・・

 

「ズゾゾゾゾはぐっ・・・じゅるじゅる・・・シャクシャクズズズズズんぐっ!?ごはっ・・げほっ・・げほっ・・ジュズゾゾゾゾゾゾゴクッ・・・ゴクッ・・・ゴクッ・・・んぷはぁ・・・」

 

「・・・・」

 

スズカは、また暴食をしていた、今度はメニューが変わってるぞ、なにかな

 

納豆、豆腐、豆乳、きなこ、味噌汁、もやし

 

・・・絶対大豆イソフラボンの効能を調べて大量摂取してるねぇ!!

イソフラボン、ボロンの話をしたときにも出てきた女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする栄養素で、乳腺細胞を増やしバストの形成を促してくれる。二回名前が出てきたのでいい加減説明するが、エストロゲンとは女の人の卵巣でつくられる女性ホルモンで卵胞ホルモンと呼ばれるものだ、肌をつやつやにし、髪の毛が豊かになる効果もあるし、胸にハリがでるなど、身体を女性らしくするサポートをしてくれる栄養素だ、大豆イソフラボンも、ボロンも、この効果が得られるのだ

 

「シャクシャクシャクシャクおはようございます、トレーナーさんシャクシャクシャクシャク」

 

昨日に続き勝負服を着て、静かな部屋でひたすらにもやしを口いっぱいに詰め込んでシャクシャク言わせながら、こっちに挨拶をするスズカの姿は、数年面倒を見てきた俺でもシュールに感じる絵面だった

 

「・・・何を言いたいかは、わかるな?スズカ」

 

「シャクシャクシャクシャク・・・あっ・・・ンゴクッ・・・すいませんトレーナーさん・・・口に食べ物を含みながら会話なんて恥ずかしいですよね・・・」

 

「ちがう、そうじゃない」

 

俺はスズカにまた色々と話した、そもそもの話栄養素は大量に摂取してもすぐに効果が出る訳でもないし、その分効果が上がるわけではないと、日々のトレーニングと同じように、習慣で食べてこそ効果があるのだと言う事も伝えた、中略するが、またこの世界が終わるような顔をしていた

 

「そんな・・・じゃあ私はどうすればいいんですか・・・このまな板の呪縛からどうやって逃れればいいんですか・・・」

 

「なぁスズカ・・・そんなにすぐに胸が大きくならなくても別に・・・」

 

「私の異名は異次元の逃亡者です!!まな板の呪縛から逃れられなくて何が逃亡者ですか!!逃亡者の名折れです!!私はこの壁をエベレストレベルまで成長させてみんなに私は走りだけじゃなくて胸もあることを証明したいんです!!ハロン棒くらい大きくするんです!!!」

 

・・・昨日の時点で気づくべきだったかもしれないが、うちのスズカは重症かもしれない

 

「スズカ・・・いいか?お前は別に胸が無くたって魅力はいくらでもあるじゃないか、だから気にする必要はないぞ?」

 

「魅力・・・胸意外に魅力があると言うんですか・・・?」

 

「あぁ、あるさ」

 

「私の胸に誓ってですか・・・・?」

 

それは文字面的にどうなのだろうと思ったが、ここで悩むとあとがめんどくさそうなので即答しておいた

 

「そうですか・・・じゃあ、私もうすこしだけ我慢して見ます、私だけの魅力を見つけてみます」

 

「あぁ、そうしてみるといい、まぁなんだ、それでもわからないようだったら俺に連絡しろ、一緒に魅力探ししてやる」

 

「ありがとうございます、トレーナーさんシャクシャク」

 

とりあえずスズカが納得してくれたようで何よりだった

 

何よりのはずだったんだがな・・・

 

次の日、走りながら豆乳をがぶがぶ飲むスズカがグラウンドにいたそうで、俺が駆け付けてからスズカが最初に言った言葉が

 

「私の方が誰よりも脚が速いですし、胸を大きくしつつもっと脚が速いと言う魅力を伸ばそうかと・・・」

 

「脚が速いのは別にいいんだが豆乳を飲みながら走るのは走り方として大問題だ・・・って胸にまだ未練残ってんじゃねぇか!!!」

 

スズカのコンプレックスはまだ治らなさそうだ・・・

 

・・・ここ最近、暴食を繰り返したから、まさしく『太り気味』獲得、だな・・・

 

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