今回はテイエムオペラオーがライバラたちに感謝を告げて、トレーナーにも感謝を伝えようとするが...?な話です
ぶっちゃけ最後のほうタキオンになってしまった感が否めませんが、まぁ、うん、すいませんでした
トレーナー室
ビュウウウウ・・・・
「・・・・・ばちこりに冷えるな、そろそろ来るか」
俺はトレセンに務めるトレーナーだ、担当は
バァン!!
「外に舞う吹雪の中、トレーナー室に・・・このボク、テイエムオペラオーが華麗に登場さっ!!」
先に自己紹介をされたな、そう、俺の担当はテイエムオペラオーである
オペラオーはある1年間を無敗で制覇したことがあり、世間には「世紀末覇王」なんて呼ばれているウマ娘だ、自慢の担当である
未だにびっくりするのはこのテンションだがな、まぁ割とノリの悪い俺は気合で乗り切っている、慣れると可愛いもんだ
「いらっしゃい、オペラオー ・・・上旬とはいえ3月だってのに、今日はやけにふぶいてるな、今日は室内でトレーニングするか」
「ボクはどこでも構わないよ・・・どんな舞台でも輝くのが真の覇王というものだろう?君」
オペラオーがそんな調子らしいので、俺はトレーニング場へ行こうと思い、パソコンのトレーニング場貸出状況を見る、すると屋内トレーニング場が全部貸出状態になっていた
「・・・すまん、オペラオー、トレーニング場、全部貸し出されてるみたいだ」
「ふっ・・・それじゃあっ、僕の覇王伝説を4時間にわたって朗読してあげようか?」
オペラオーの覇王伝説朗読は過去に1回だけ聞いたことがあるのだが、途中から当然眠気が襲ってくる、だが少しでも眠そうな態度を取ると、俺をソファに寝かせてまるで眠りに誘うように声質を変えて朗読を始めるのだ、しかも俺の顔の前に顔を近づけて朗読し始めるため、大変に絵面が大変で本当に大変な事になる、それだけは勘弁願いたい、なにか回避策はないかとカレンダーを見ると、今日はすこし前に何かの本で見た記念日だという事を思い出した
「そういえば今日は3月9日だな、確か・・・ありがとうの日だったか、お世話になった人にありがとうでも言いに行くか?」
「積極的に感謝の気持ちを伝える日だったかい?そうだな・・・確かにボクは、ボクの周りに蔓延るライバルたちのおかげで覇王の称号が際立ったんだ、では・・・皆に感謝をしに行こうじゃないか!」
そう言ってオペラオーは早速と言った様子で、トレーナー室のドアを開けてこちらを待っていた、俺もすぐに立ち上がってその後ろに続く、どうやらオペラオーの覇王伝説朗読は避けられたようだ
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食堂
「もぐ・・・」シャクシャク
「やぁ!ドトウ!」
「ングッ!?ふぁいっ!?ふぅ~・・・オペラオーさんでしたかぁぁ・・・どうしたのですぅ?」
「急に話しかけて悪いな、3月9日はありがとうの日といってな、それでオペラオーと特に深く関わった人達に感謝を伝えているんだ」
彼女はメイショウドトウ、オペラオーとは何度も敵対したライバルだ
実は普段の自信の無い態度から想像もつかないほど泥臭い性格で、俺はオペラオーと言う担当がいながらも、彼女こそが誰よりも熱い魂を持っていると感じている。
最近はなにやらレース関係について落ち着いているようで、何時間もひたすら食堂でレタスを咀嚼している光景しか見かけない
「私は感謝されるほどのことはしてないですぅぅ・・・むしろ私が感謝したいくらいですよぉ、オペラオーさんのおかげで、私も、がんばれましたからぁ~・・・」
そう言ってメイショウドトウはうるうるとした瞳でオペラオーの事を見つめる、するとオペラオーは目を瞑り一呼吸置いた後、鮮やかに鼻で笑い、左手を胸に当て、右手をドトウに伸ばす、そしていつものオペラトーンで
「何を言っているんだドトウ、ボクの覇王伝説にも君が欠かせないものだった!君がいてくれたからこそ、ボクも全身全霊、全力を出してレースと言う舞台に挑めたんだ!だから今こそ感謝を伝えさせてくれ!ありがとう、ドトウ! だから、君に負けた宝塚記念は覚えているだろう?あの時のドトウのままでいてくれたまえよっ!」
「あわわわわぁ・・・あんまり直接言われるとはずかしいですぅぅ・・・」
メイショウドトウは顔に手を当てて恥ずかしがっている、なんだか見ているこっちがも恥ずかしくなってくるぜ、でもなんだかこういうのも悪くはないな、彼女たちはいいライバルだし、これによってもっと親睦を深められたらなによりだ
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体育館
「外に舞う吹雪の
「オペラオーのセリフは中略させてもらう、今日はありがとうの日らしくてな、いろんな人に感謝を伝えさせてもらってる」
「・・・それで、私のところに来たの、オペラオー」
なんだこいつらという目で俺たちを見てくるこの子はアドマイヤベガ、少々暗い子だが、この子も間違いなくレースに熱い情熱、というより何かしらの執念を持っている
ちなみにメイショウドトウと同じくオペラオーと競い合った仲だ
「そうさ!アヤベさんのような実力者がボクと同じレースで走ってくれたからこそ、ボクの魅力が最大限にまで引き出された!!魅力を引き出してくれたアヤベさんには頭が上がらないさっ!」ヴァッ
「・・・それ、言い方によっては煽ってるようにしか聞こえないわよ・・・それに頭上がらないどころかポージングで反り返ってるけど・・・」
「気にしないでやってくれ」
アヤベさんははぁ・・・とため息をつき、片手で頭を抱えた後、体育館で遊ぶウマ娘達を見つめ喋り始めた
「そもそも、そんな記念日本当にあるの・・・?あなたたちが勝手にそう言ってるだけじゃないのかしら」
「これを見てくれ」
そういって俺は自分のウマホを手渡す、ウマホにはありがとうの日に関して書かれた記事を表示しておいたから、恐らくこれで分かってもらえるだろう
「(嘘・・・本当にこんな記念日あったんだ・・・)」
「納得してくれたか?」
「こうかい?それともこうかいっ?」
オペラオーはさっきから俺の後ろで一番感謝の気持ちが伝わるポーズを考えている、アヤベさんはただ黙りこくっていたが、しばらくしてウマホをかえしてくれた
「・・・そう、ならその気持ち受け取っておくわ」
「この麗しき覇王、テイエムオペラオーの感謝を記憶に焼き付けたまえっ!!」
「はいはい、それじゃあ他の人のところにでも行くぞ」
「・・・・・・ありがと」
「ん?何か言ったか?」
「・・・なんでもないわ」
「・・・・ふっ・・・」ミミピコピコ
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空き教室
「ボクさっ!!!!」バァン
「うわぁ!?」
「バン開けしてから大声で突撃するのどうなの?」
いやぁ、やっと見つけた
いま俺たちの目の前にいる子はナリタトップロード、もうここまで来たらさすがにわかると思うが、彼女もドトウやアヤベさんと同じくオペラオーと競い合った仲だ、文武両道なトレセン学園に置いてかなりの優等生で、割とまともな子・・・なのかな
「びっくりしましたよ!いやもう・・・びっくりしましたよ!!」
「なんてことだ・・・ボクの圧倒的なオーラに驚いてしまったのかい?トップロードッッ!!」
「そりゃもう・・・びっくりです!!!」
トップロードは時折語彙力をどこかに置いてきてしまうようだ、その後もひたすらびっくりしましたとつぶやいていた
「トップロードが落ち着いたところで本題に入ろうか、今日はこのボク、テイエムオペラオーが皆に感謝を伝える記念日なのさっ!!」
「えぇ・・・なんですかその記念日」
「えっとな、こういうことだトップロード」ウマホォォォォ
~⏰~
「なるほど・・・ありがとうの日というものがあるんですね、確かに前に何かの本で見たような・・・、それで私にありがとうを言いに来たわけですか、私もオペラオーさんにはお世話になりましたからね、ありがとうございます ・・・って言って感謝を伝える日なんですよね?」
「順応速くて助かるわ」
「君と接戦を繰り広げたあの菊花賞・・・ボクは忘れもしないっ!ボクに黒星をつけた君をボクは一生ライバルとして敵視するだろう!!だがしかし・・・ライバルがいてくれたからこそボクは今この時代を駆け抜けるボクになれたんだ!!ありがとうトップロード!ボクのライバルでいてくれてっっ!!」
オペラオーは先ほどアヤベさんにありがとうの日を説明しているときに模索していた感謝のポーズをトップロードに向かって華麗にキメた、紙ふぶきを散らしたくなるようなポージングだ
「ええ・・・まだオペラオーさんの方が勝った数が多いですが、いつか必ず追い越して見せます!!」
「とりあえずオペラオーにライバルとして関わっていた人たちには感謝を伝えたかな」
俺は一息ついて空き教室の椅子に座る、するとトップロードがこちらを見てぼけっとしていた
「・・・そういえばオペラオーさん、トレーナーさんには感謝を伝えたんですか?」
「・・・そういえば忘れていたね」
「あっ、私模擬レースがこれからあるんでした、ちょっといってきますね」
トップロードはそう言って空き教室から抜け出してしまった、俺とオペラオーは空き教室に残されて気まずい空気が流れる
「・・・はっ・・・ハッハッハッ!!覇王にも忘れることがあるというものさ!!それでは君に改めて感謝を贈ろうじゃないか!!」
「お、おう、そうか」
オペラオーは俺の前に仁王立ちし、深呼吸をして目を見開いた
「トレーナー君!!君はボクの側近として3年間立派に動いてくれた!!思い返せば懐かしい出来事が旋律となって流れるようだよ・・・」
・・・何やらオペラオーの様子がおかしい気がする、先ほどまで仁王立ちをキメていたのに今はちょっと足の間隔が閉じて、背中も丸まっている、目もあらぬ方向を向いていてまるでメイショウドトウのようになっていた、尤も、ドトウですらちゃんと目を合わせてくれるのだが
「だから・・・その・・・なんだ、トレーニングメニューを考えてくれたからこそボクは覇王として君臨できたのであって・・・ボクのオペラもいっつも聞いてくれるし・・・」
・・・・・俺は何を見ているのだろうか、俺の目の前には3年間見たことないオペラオーの姿があった
先ほど述べたとおりのポーズで、腰に手を当ててちょっとだけ下を向き、追加で頭の王冠で少しだけ顔を隠していた、まぁマチカネタンホイザのような帽子ならまだしも王冠で顔を隠すなんてできないのだが
「スゥゥゥ・・・だからっ!!あ・・・あり・・・」
「あり?」
「あり・・あ・・・ありが・・・///」
「?????」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」バチコォン!!
「えぇぇぇぇぇぇ・・・・・」
オペラオーは空き教室のドアをバチコォンと蹴破り、どこかに走り去ってしまった、結局その日はオペラオーと再開することもなく、次の日になってしまった
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トレーナー室
「・・・ま~たふぶいてるよ、時間的にも、演出のセリフが練れるくらいの吹雪にはなってるな、そろそろ来るか」
俺は昨日の出来事なんてとっくのとうに忘れ、トレーナー室でオペラオーを待っていた
シィィィィン・・・
だが、オペラオーは一向にトレーナー室に来ない、俺は仮にも3年間オペラオーのトレーナーをやってきたのだ、どこのタイミングで入ってくるかどうかくらい分かる、ましてオペラオーは神出鬼没だから、たとえ俺の位置とオペラオーの位置が大きく離れていたとしてもその予想が外れたことがない
「・・・・あっ・・・」
なんてことを考えていたら、俺はあることに気付いた
ドアの隙間からオペラオー・・・・のようなものが見えている、いやオペラオーだ、冠についてる宝石の光の反射で気づいた
あいつ何やってんだあんなところで
「オペラオー?入ってきていいぞ?」
「」ビクゥゥッ
めちゃくちゃビックリするやん
ガラ・・・ガラ・・・
「や・・・やぁトレーナー君」
静かにドアを開けた後、廊下の方から少し悲しむような顔をして、プラス申し訳ないといった感じの表情をしたオペラオーが入ってきた
「どうしたんだ?昨日は凄い絶好調って感じだったのに、今絶不調って感じじゃないか」
「いや・・・君に昨日感謝を伝えられなかったのが心残りでね・・・君が不快になったのではないかと心配だったんだ・・・」
なんだそんな事かと思いながら俺はオペラオーに微笑む
「俺は別に全然気にしてないぞ、それよりオペラオーが絶不調なのが気にする、いつものオペラオーを見してくれよ?覇王の威厳が台無しだぞ?」
「そ・・・そうだ!!ボクは覇王なんだ!覇王に活気が無くてはいけないな!!美しいボクの美貌が台無しになってしまうな!!」
一言言葉をかけてあげただけだけど、オペラオーが元気になってくれたようでよかった、それはそうと、昨日から気になっていたことがあったのを思い出した
「ところでオペラオー、昨日は何で蹴破って出て行っちまったんだ?」
「カハッ・・・・」ピタッ
・・・・・・・・・・
「い・・・・・・・いやぁ・・・・・・『届かぬ愛』というテーマでのオペラの練習をしようと思ってね・・・・それであのような態度をとったんだが・・・ちょっと派手になってしまってね・・・」
「ト・・・トレーナ君?」
「プフッ・・・な~んだ、オペラの練習だったのか、アッハッハッハ!!」
俺はついおかしくなって吹き出してしまった、オペラオーはあっけにとられている
「いやっ、俺はてっきりオペラオーが俺に恋してるんじゃないかと思ってたけど、だけどそうか・・・ブッ・・・オペラの練習だったのかアハハハハ!!まるっきり俺の勘違いだったみたいだな!!」
「そ・・・そうだとも!!この世紀末覇王であるテイエムオペラオーが、恋の感情に惑わされるわけがないだろうっ!!アッハッハッハ!!」
「いやぁ・・・とんでもない勘違いしてたなぁアハハハ・・・まぁそうだよな、担当とトレーナーが恋愛関係になるなんて大事だもんな、変な事言っちまって悪かったな、いやぁ笑った笑った、それじゃあ、今日こそトレーニング場借りれたし、トレーニング行くか!」
「ああいいとも!」
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「・・・・・・」
ボクはなぜあそこでオペラの練習をしていたなどと言い訳をしてしまったのだろうなぁ・・・
ボクは確かに、世紀末覇王と言う名前で称えられるようになってからトレーナー君の事を愛していた・・・
それなのになぜあそこであのような言い訳をしてしまったんだろう・・・
「ん?どうしたオペラオー」
「・・・まさか覇王の側近が色恋の妄想をしているなんてね!!しっかりしてくれたまえよ?」
ちがう、ボクはそんなことが言いたいんじゃない、ボクの感情を隠したいわけじゃない
「おう、今度からは気を付けるよ、悪かった」
やめてくれ、刹那見えたボクの感情の可能性を抹消しないでくれ
「ボクに限って恋愛はあり得ないさ!唯一無二の覇王には伴侶は必要ないものだよ!!」
そんなわけない、今ボクの隣にいるこの男を伴侶にしたくてたまらない、そんな感情で1年ほど葛藤していたはずなのに
せっかく打ち明けるチャンスだったのに・・・
「それにしてもオペラオーは頭の回転が速いんだな、あの場面をオペラの練習に使うなんて、まぁこれから感謝を伝えるって言うのにオペラの練習するのもどうかと思うけど」
頭の回転・・・そうか、頭の回転か
ボクは今までオペラのような演技で振る舞ってきた、必然、予想外の事も起こる、だがそんな時、ボクは培ってきたアドリブ力で華麗に乗り切ってきた
だからこそ、あの場面、トレーナー室で逃げ出した理由を聞かれた時、恥ずかしさを避けるため無意識にアドリブでオペラの練習などとほざいてしまったのか・・・?
・・・嗚呼、憎いよ、このアドリブ力が、瞬発力が
ボクにこれほどまでのスキルが無ければ打ち明けられていたかもしれないのに・・・でもそのスキルが無ければここまで来れない・・・
「すべての人に愛を贈る、それがテイエムオペラオーの定めさ!」
ボクはいつまでもトレーナー君に思いを伝えられずに終わるのだろうか・・・
「でも・・・俺自身オペラオーの側近から成り上がり出来たらいいな、なんて思ってたりして」
「へげぇっ!?」
び、びびびびびっくりした、急にトレーナー君がそんなことを言うからまるで敵役がやられるときのような変な声が出てしまった
「まぁ、トレーニング場だからあんまり大きな声では言えないけど、もし覇王様が成り上がりを認めてくれるならいつでもまってるわ」
「ば・・・馬鹿言うんじゃない、そんな成り上がりがあるわけないだろう」
「まぁそうだろうなぁ(笑)ま、あんまり気にしないでくれ、さ、トレーニングの続きするか」
「・・・・・精々待っておくがいいさ///」
「なんか言った?」
「なんでもないよ」
先ほど、思いを伝えられずに終わるなんて考えていたが、ボクには一条の光明が見えたかもしれない
もし・・・トレーナー君にそのような恋愛感情が本当にあるのなら、ボクも、ボクのアドリブ力や瞬発力を投げ捨て、勇気を出して思いを伝えられるかもしれない・・・
ボクは今だけは覇王などではない・・・一人のウマ娘としていつか、必ず君に思いを伝える・・・待っていてくれ・・・恋とはどんなものかしら、今ボクが確かめよう
「(・・・聞こえてるよ、オペラオー、やっぱり君は俺に恋してたかぁ・・・こりゃあこれからの対応考えないとなぁ)」
「君、ちょっと触れすぎだよ!!腹筋するときの足を抑えるのにそこまで触れる必要はないだろう!////」
「いや・・・いつもと同じ・・・」
「へっ・・・そうだったかい!?」
・・・やはり思いが伝えられるのはまだ先かもしれない