今回はスペシャルウィークがタキオンの薬でアゲマセンアゲマセンするはなしです
今回この話をお引越しするとき、というかこれを書いていた時も思ったんですがこれは競走馬のイメージを損なうものに入るんでしょうか、どうなんでしょう、そこら辺の線引きがいまいち分からないので書いている側としては不安でしかありません
いや、不安になるならそもそも書くなと言う話なんでしょうけど
トレーナーと担当ウマ娘が付き合うみたいな話もどうなんでしょうね、あ、突きあうじゃありませんよ、付き合うです、あれってその、なんでしょう、大丈夫なんでしょうか・・・
トレセン学園
「ひぃぃぃぃぃ!!!ステイ!ステイ!おちつけぇぇスペぇぇぇ」
「あげません!!!!」
くっ・・・まずい・・・やはりウマ娘の力にヒトは勝てない・・・
俺はスペシャルウィークのトレーナー、なぜこんなことになっているのか説明しよう
最初はトレーナー室から始まったんだ
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トレーナー室
「失礼するよ、スペシャルウィークのトレーナー君」
トレーナー室に、私の友人の担当であるアグネスタキオンが入ってくる
「ん、君は確かあいつのとこの・・・アグネスタキオンじゃないか、どうした、こんな朝から」
「いや、君にこの薬を預かっててもらいたくてねえ」
「これは・・・?」
タキオンが渡してきたのは、いかにもやばいですみたいな紫色をした液体が入った試験管だった
「おっと、くれぐれも開けないようにしてくれたまえ、嗅ぐだけでも効果が出てしまうかもしれないからね」
「この薬品はなんなんだい?」
「それは『あげませんウイルス』ってところだね」
「あげませんウイルス?変な名前だな」
「変な名前だろうが立派な名前だろうが変わらないさ、それよりも重要なのは効果の方さ」
「どんな効果があるんだ?」
「最初に見た人だったり、自分と親しい人からなんでもかんでも奪おうとする」
「一体全体どういう効果なの・・・」
「ようするに、君がターゲットにされた場合、服でも靴でも手に持ってるものでも、効果が進んで酷くなってくると視覚や聴覚、思考と言った概念的なものまで、本当になんでも奪おうとするんだ、それこそ童・・・いや、なんでもない」
「なんでこんな恐ろしいものが生まれたんだ?」
「入れる薬品を間違えたんだ・・・しかも過剰にね、あまり詳しいことを話しても理解が出来ないと思うから、簡潔にまとめると、薬品と薬品が反発してこれが生まれてしまったんだ・・・」
「へぇ、・・・いや、で、これを俺にどうしろと?」
「最初に言っただろう?預かっておいてほしいんだ、私のトレーナー君は誤ってそれを被ってしまってねぇ・・・それを預けるに値する信頼がある人物は君しかいないんだ、カフェには断られたし・・・」
「あ、触れただけでも効果あるんだ、ちなみにあいつは?」
「研究室の椅子に縛り上げている、私が研究室で解毒剤を作るからそれまで預かっていてほしい」
「あぁ、わかったよ」
「少なくとも今日中には解毒剤が完成するだろうから、そう長くはならない、頼んだよ」ガラガラ
そう言ってアグネスタキオンはトレーナー室から出ていった
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30分後
トレーナー室
「すいませんトレーナーさん!遅れちゃいました!」
「構わないよ、どうせ今日は知識を付けていったりの室内トレだからな、ゆっくりやっていこう」
「はい!」
「さて、まず最初にレース場の効率のいい走り方について、4月から決めた方針で走った君の感想を交えて話し合っていこう」
「分かりました!」
~⏰~
「となるとやはり内ラチ沿いがいいか・・・」
「はい、やっぱりこのレース場はそっちが良いと思います」
俺は話し合いの結果を手帳に記す、ふと時計を見ると、もう2時間近く話し合っていた、スペも笑顔こそ消えてないものの、目に力が無い、だいぶ疲れている様子だ
「ふぅ・・・だいぶ話し合ったな、一旦休憩にするか」
「はい!」
急に目キラキラするじゃん
「ちょっくらコーヒー入れるわ、冷蔵庫なんかジュース入ってたはずだから飲んでいいぞ」
「ありがとうございます!」
「(何が入ってるかな・・・)」
私は冷蔵庫を開けて中を確認する
コーヒー牛乳、ニンジンジュース、・・・ブドウジュースかな・・・?
「今はニンジンジュースの気分じゃないなぁ・・・」
私はブドウジュースを手に取り、飲む
うん、ブドウの風味がおいs
ピッピッ!
「スペ?冷蔵庫あけっぱだぞ」
「・・・・・」
「スペ~?あれ?いるよな?」グルンッ
俺は振り向く、するとスペが片手にタキオンから預かった試験管を持っていた・・・わずかに空の状態で・・・
「えっ・・・それ飲んだのか!?スペ!?」ダッ
バァン
俺はスペの方に向かい冷蔵庫を閉めた
「・・・・・」
「スペ!大丈夫か!どこも悪くないか!?」
「・・・・・」
「スペ・・・?大丈夫だよな・・・?」
目に生気はある、恐らく死ぬようなことにはなっていない、効果が表れるのはどのタイミングだ・・・?
「スペ・・・とりあえず、その試験管を渡してくれないか・・・?」
「あげません・・・」
「え?」
「あげませんっっ!!」
「ええぇぇぇ!?」
スペが急に叫ぶ、やべぇ!効果が出たっぽい!てかあげませんウイルスってそういうことかオイ!名前のまんまじゃねぇか!
「わかった・・・試験管は取らないから・・・」
「あげません・・・」
「だからとらないって」
ブクブク・・・
「おっと、やべ」
コーヒーを沸かしているのをすっかり忘れていた、俺はコーヒーを取りに台所に行く
「コーヒーもあげませんっっ!!!」バシャァァン!! ズダダダ
「うおぁっっ!!??」
スペが手に持っていた試験管を地面に落とし、急に後ろから走りだしてきた、俺は間一髪で避けたがぶつかっていたらやばかっただろう
それにしても、ここまで過剰にあげたがらなくなるのか・・・
「んんんん・・・困ったなぁ」
ここまで過剰になっているんだとしたら、恐らく一緒にいると何もできなくなる、かといって一人にしていると何をしでかすかわからない状態だ。
はやく解毒剤完成してくれないかなぁ・・・
ふと思い俺は携帯を手にする、スペの分の解毒剤も頼まなくては
プルルルルル・・・
「どうしたんだい?解毒剤はまだできてないよ?」
「いや実はうちのスペが飲んじゃってな・・・」
「何!?飲んだだって!?効果は!?」
「まだ特に重症ではないと思う、だからスペの分の解毒剤もおねが「あげませんっっ!!!
俺は強引に携帯をとられる、というか取る力強すぎてヒビ入ってません?
「あげません・・・あげません・・・」
まぁ恐らくタキオンには解毒剤の件が伝わったであろうから、とりあえずは完成を待とう
~~~~~~~~~~
研究室
まずいまずいまずいぞ!非常にまずいぞ!
私はアグネスタキオン、トレセンの生徒兼研究者だなんて自己紹介をしている余裕がないくらいまずいぞ!!
モルモット君の友人に渡したウイルスは、飲んだ量により時間をかけてステージが進んでいく、大量に飲まなければ段階は進まないし、大量に飲めば最初は安心だがだんだん危険になる、そして彼に渡した量はすべて飲めば私が現時点で確認している最高ステージに十二分に到達する量なのだ
そして私が確認している現時点での最高ステージと言うのが・・・
「あげません!!あげま・・あががが・・・あげません!!!」
「私は何も持ってないんだがねぇ・・・」
私のモルモット君は私のことを血眼で見ている、おそらくこのあげませんは私の事を言っているのだろう
そう、現時点で確認している最高ステージは、身の回りなんて言う軽い次元ではない、存在そのものだ
「そんなステージをはるかに超える量を飲んだとなれば・・・」
しかも彼にそのことを伝える前に携帯を取られてしまったようだ、携帯をターゲットにしているなら恐らくまだステージはそんなに進んでいないだろう、はやく解毒剤を完成させなくては・・・
~~~~~~~~~~
トレーナー室
「あげません!!」
「うぉう、ソファまで」
あれからスペは俺が何か物を持つたびに奪いに来る、これでは何もできないな・・・
「あげません・・・」
・・・なぜスペは俺の方を見ているんだ・・・俺は何も持っていないぞ?
「あげません!!!!!!!!」ガバア
「へ?」
ドン
スペが俺に覆いかぶさってきた
「え?なんで?スペさん?」
「・・・・・・くは・・・・」
「なんやて?」
「服はあげませんっっ!!!!」スペーーーッ
「何を言っているんだお前は!?いやぁぁぁやめてぇぇ服を脱がそうとしないで!」
「あげません・・・・あげません・・・・」ググググ
「ひぃぃぃぃぃ!!!ステイ!ステイ!おちつけぇぇスペぇぇぇ」
「あげません!!!!」
くっ・・・まずい・・・やはりウマ娘の力にヒトは勝てない・・・
ブチッ
「うげぇ」
俺の服が若干破けた、これじゃあ服を脱がされるのも時間の問題だ・・・!
「スペちゃん・・・!?」
「スズカ!?いつからそこに・・・ってかちょっと助けて!!!」
「スペちゃん!!落ち着いて!!」
スズカがスペを羽交い絞めにして俺から離してくれた、まさに神の情け、助かった・・・
~⏰~
「アゲマセン・・・アゲマセン・・・」
「そんなことが・・・スペちゃん・・・」
「ああ・・・ありがとうな・・・スズカ」
彼女はサイレンススズカ、彼女の脚質は大逃げなのだが、彼女は逃げと言う枠に収まらない驚異的な逃げ足を持つ、詳しく説明すると長くなるが、簡単に言うと彼女の走りは『加速』という二文字しか持っていない
そして今、スズカがスペを抑えてくれたおかげで、スペを拘束する事が出来たのだ、そしてスズカに事情を説明した
タキオンから薬をもらったこと、タキオンの薬のせいでこうなっていること、解毒剤を今作っていること
「それにしても、最初は物だけだったんですよね・・・?私が入った時、なんでトレーナーさんの服を・・・?」
「多分重症化してきたんだろうなぁ、巻き込んですまないな、スズカ」
「いえ・・・スペちゃんが逆ぴょいしてるような誤解を招いてしまう前に止めれてよかったです」
「とりあえず俺はタキオンと連絡が取れないから研究室に行って解毒剤が完成したか見てくるよ、スズカ、みててくれるか?」
「はい、わかりました」
ガチャ
「アゲマセン・・・アゲマセン・・・」
「スペちゃん・・・」
スペちゃんはずっとあげませんあげませんと呟いています、でもさっきのスペちゃん・・・すごく力が強かった・・・
もしかしたらタキオンさんの薬は、力を上げる効果も持っているのかもしれません
「トレーナーさんが帰って来るまで・・・座ってましょうか・・・」
ブチッ
「アゲマセン・・・」
「えっ?」
「あげませんんんんんんんんん!!!!」ブチブチブチブチィ!!
「ウソでしょ!?」
椅子に縛り付けていたスペちゃんが縄を引きちぎっちゃった・・・そんな・・・私でもちぎれなさそうな太い縄なのに・・・
「あげません!!!」ダッ
「ウソでしょ・・・」ダダダッ
スペちゃんがこっちに向かって走ってくる、まずいわ、逃げなきゃ・・・私もスペちゃんのトレーナーさんみたいに服を取られるかもしれない・・・!!
バァン!!
私はトレーナー室のドアを突き破って走り出した、一体どれくらい逃げればいいのでしょう・・・
~~~~~~~~~~
トレセン学園
3000m経過
「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・・」
「アゲマセンアゲマセンアゲマセンアゲマセン・・・」
おかしいわ・・・スペちゃん、もう適正距離の長距離はとっくに過ぎてるのに・・・
私ももう疲れて来たわ・・・スタミナ重視のトレーニングをしていてよかったけど・・・こんな距離いつまでも走っていると・・・
「あっスズカさん!そんなに息が切れてどうしたんですか!?」
走っていると廊下の向こう側にフクキタルが見えてきた、するとフクキタルは水晶玉を手に持っていた、まずい、今のスペちゃんと今のフクキタルが遭遇したら水晶玉を割られてしまうのは目に見えている、私は必死に声を出そうとしたが、こう長距離を走っているとスタミナが切れて声がまともに出せなかった
「フクキタ・・・ダメ・・・近・・・寄っちゃ・・・逃げ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」ブーン
「えっちょ、どこに行くんですかスズカさん!?」
「あげません!!!」ズバババパリーン
「ぎょえええええええ!?私の水晶玉がぁぁぁぁぁ!!!???」
「ウソでしょ・・・」
後ろの方で水晶玉が割れる音がする、私は振り返らずに走り続けた、ごめんなさいフクキタル・・・
~~~~~~~~~~
中庭
3500m経過
「はっ・・・・・はっ・・・・・」
トレセン中を駆け回ってもスペちゃんの薬は抜けなかった、というより、時間経過で薬の効果が消えるのかも怪しい、もう・・・・ダメ・・・・持たな・・・・
「あげません!!」ドサッ
私はスペちゃんに捕まって、切り株の横あたりに押し倒された
「スペちゃ・・・落ちつ・・・待っ・・・」
「あげません!!!!!」ガバッ
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!?」
つい悲鳴を上げてしまったけど、靴を取られただけで服は取られなかった・・・まだ服を取らない理性は残ってたみたいだけど・・・私の靴が・・・
「そんな・・・私の靴を取るなんて・・・お願いだから返してスペちゃん・・・」
「あげません」ニッコリ
「そんなにニッコリ言わなくても!?」
スペちゃんはこれ以上ない笑顔で私の方を向いた、こんなに笑顔のスペちゃんを見るのはいつ振りだろうか、でも今この瞬間においてはとてもうれしくない笑顔です
「あげません・・・」
「スペちゃん!?」
笑顔が消えて少し微笑んだ程度の顔になったスペちゃんが、私の3500mを走った靴の中に手を入れようとする、私の靴は3500mを走ったせいで、湯気が立つほどにあったまっていた、しかも競走用の靴ではなく、ただの学園用の靴だ、そんな靴に熱を逃がすような工夫がされているわけもなく、離れている私にまでほんの少しすっぱい匂いが届く
「ウソでしょ・・・スペちゃん・・・それだけはだめよ・・・」
「あげ・・フッ・・・あげまぐふふふっ・・・」
「発見!!セクシャルウィーク!!」
「!!」
声がした先にいたのはスペちゃんのトレーナーさんやタキオンさんだった、よかったあ・・・スペちゃんが危ない事に手を出す前に解毒剤が完成して・・・
「探すのに一苦労さ」
「すまんかった」
「トレーナーさん!早く解毒剤を!」
バシャァァァアァ・・・
~~~~~~~~~~
トレーナー室
「本当にうちのタキオンが申しわけございませんでした」ドゲザァァァァ
「いやちょっと・・・頭を上げてください・・・」アセアセ
あれからスペは元に戻り、今はトレーナー室でタキオンのトレーナーが土下座をしている
「そうだよモルモット君、私だってわざとやったわけじゃないんだ」
「お前はもうちょっと申し訳なさそうにしろ!!タキオン!!」
「いやまぁ・・・べつに大事になったわけじゃないし・・・たづなさんにも事の顛末を話したら理解してくれたしな、それくらいでいいぜタキトレよ」
あのあと騒ぎを聞きつけたたづなさんや理事長が来たのだが、タキオンや俺の証言によってスペは特にお咎め無しで済んだのである、危なく監督不行き届きで俺の首も飛ぶとこだった
「私、おかしくなってたときの記憶がないんですけど、何をしてました?」
「スペちゃんが私の靴を取って手を中に入れようとしたわ・・・私の靴で何をしようとしたの・・・?」
「・・・私何をしでかす所だったんでしょう・・・」
「材料が足りなくて一時はどうなるかと思ったが、君のトレーナー君のおかげで2個の解毒剤を作ることができたよ、本当に君のトレーナーには感謝しかないな」
「全く反対の方向にあるお店に二手に分かれて買いに行ったんだよな、タキオン一人だったらスズカのところに間に合ってなかったぜハッハッハッハ」
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「ふぅ、みんな各々の場所に帰ったな、それにしても大変だったなぁスペ」
「本当にごめんなさいトレーナーさん・・・私トレーナーさんを脱がそうとしたんですよね・・・」
「ああ、それは別に気にしてないからいいよ、脱がされる直前にスズカが来てくれたわけだし」
「携帯も粉々にしてしまって・・・」
「まぁ買い替える予定だったしなぁ、俺としてはとりあえずスペが無事だっただけで万々歳だよ」
「トレーナーざぁん・・・」ウルウル
スペは目に涙を浮かべて泣く寸前になっている、まぁそれもそうか、自分と一緒に走ってきたトレーナーを襲いかけたのだ、そこから湧き上がる罪悪感は、俺にも想像がつきにくい。
「それに冷蔵庫なんかに入れてた俺も悪いしな、お前が悪くないって事に納得できないなら、お互いに悪いってことでいいんじゃないか?」
「いいんですかトレーナーさん・・・許してくれるんですか・・・」
「ああ、許すさ」
「・・・ありがとうございます・・・・・それじゃあトレーナーさん!勉強の続きをしましょうか!」
「うむ、そういえばそうだったな」
「次のレースの相手の分析をしませんか?」
「確かにな、たしか次のジャパンカップって海外からすげえ強いウマ娘が来るんだろ?」
「はい!エルちゃんから聞いたんですけど、ブロワイエって言って、すごく早いみたいなんです!」
「おいあんま喋りながら歩いてると」ステーーン!!
「おい大丈夫か!?・・・あ・・・」
スペは、冷蔵庫の前に転んだ、そこにはまだ、掃除し忘れていた、試験管の中身が池を作っていた
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「最初に言っただろう?預かっておいてほしいんだ、私のトレーナー君は誤ってそれを被ってしまってねぇ・・・それを預けるに値する信頼がある人物は君しかいないんだ、カフェには断られたし・・・」
「あ、
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「・・・・・」
「あの、スペシャルウィークさん」
「あげません!!!!!」
「またかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
終