色々と事情が込み合いましたが、何とか投稿することが出来ますた。
今回ちょっとグロ注意なのでご注意ください。
それではどうぞ!
「……」
「な……なぁ、あんた。俺を信じてくれよぉ……もう流石に騙しはしねぇよ……」
「浩介が、キレている……!?」
「こ、この二人に何があったのでしょうか……!?」
俺の眼下には、革の鎧を纏った丸禿げ頭の男こと『フーテンのパッチ』が僅かに動揺したような表情を見せていた。その足元には箱満杯に収められた金と、紙切れのような物が紐で纏められていた。
そうこのパッチは、俺とユーノの闘いの際に観客に賭けを持ち込んでいたらしく、それが上手くいきぼろ儲けしやがったのだ。
パッチとの出会いは、ディアロスに案内された宿屋に向かう途中の路地裏で聞き覚えのある声がしたから覗いてみた結果、
『へっへっへ……随分と儲けたぜ……ちょろいちょろい』
卑しい表情をしながら儲けたであろう金の総額を数えているパッチを発見したのだ。
『ひ さ し ぶ り(威圧)』
『……や、やぁ……アンタか……ビックリさせねぇでくれよ……』
で、今に至るわけだ。
「……あ、そうだ! アンタの為に良い品物を仕入れてきたんだぜ? 見てってくれよ!」
「話を逸らしやがって……まぁ、良い見せろ」
「「買うんだ……」」
「へへへっ。さぁこれだ!」
そう言って広げられたパッチの品物を見てみる。
「ほう『喪失の戦灰』に『扇投暗器』、『鳥脚の黄金漬け』……他にもあるな」
「で、どうする? 買うかい?」
「通貨は」
「へっへっへ……そりゃ勿論ここの通貨だぜ?」
「むぅ……」
困ったな。ルーンなら腐るほどあるし、即全買いをするんだが……流石は商売をしているだけはあるな。
「しゃあねぇな……ギルドっていう所に行って換金してもらうか……」
「へへっ、まぁアンタならすぐだろうよ」
「良し、善は急げだ。ユエ、シア行くぞ」
「おー」
「はい!」
「待ってろパッチ。後で俺が全部買い取ってやる」
「ヒュー! 相変わらず太っ腹で!」
この後意気揚々とギルドに素材の換金を依頼しに行き、トータスで拾った魔物の素材や狭間の地で拾ったアイテムを換金しようとした所
『こっちの魔物の素材は売れるけど、そっちのアイテムは……ちょっと……うん……』
と言われた。むぅ……『星光の欠片』も『さざれ石』も売れないとは……
そしてなんやかんやあって大量の金をもって再びパッチの下に行き、全部買った。ちなみにこの際ユエとシアがパッチから何かを買っていたが(パッチの顔面は若干恐怖に染まっていた)、特に気にも留めなかった。
それからはディアロスの案内で一際大きい宿屋に泊まることになった。
尚そこでは風呂に突撃されたというか気づいたら背後にいたり(めちゃくそビビった)、夕食の際には明らかに精の付くであろう料理をたらふく食わされたり、「アーン」をしようとしてくるシアとまさかの口移しで食わせようとしてくる二人の間で軽い小競り合いがあった。
で、いざ眠りに着こうとしたら案の定、目をギラギラさせた二人に襲われる数秒前に陥っていた。
今の俺の両手両足は、恐らく昼間パッチから買ったであろう頑丈な紐で拘束されており、夕食の際に盛られていた薬の効果が遅れて効いていたのか身体が熱くなり始めた……やばい(語彙力喪失)
「……救いは」
「「ない♡」」
「そっか……」
「――
◆◆◆
――次の日
「やぁ! 昨日は眠れたか?」
「まぁ……それなりには、な?」
「そうか! ……所であの二人は……?」
「……まだ、正気を取り戻すにはもう少し時間がかかるだろう」
「……聞かなかったことにするとしよう」
ユーノとの死闘やそれに追い打ちをかけるかの如く振舞われた精を付けにきた料理の数々……そしてそこに盛られた薬は、疲れ切った俺を確実に仕留めに来るという気概を感じさせた。
――その結果として、朝起きたて気づいたら凡そ美少女がしてはいけない表情をしたユエとシアが横で突っ伏していた。
「……聞かなかったことにするとは、いっても……何だ、その……せめて匂いはどうにかしてくれないか……?」
ディアロスが申し訳なさそうに俺に話した。
自分でもすんすん。と嗅ぐ。むせかえるような
そうこうしているうちに遅れてユエとシアがやってきた。……最も、そのおぼつかない足取りと若干乱れた服装と、何より荒い息使いに加えて林檎のように真っ赤に染まった顔をしながらだが
「英雄色を好むとはあるが……キミ、本当に何があったんだい……?」
「……まぁ、理解させたと言えばいいか?」
「……私は先にギルドに行っているとしよう。それでは」
逃げるようにディアロスが宿から出ていった。残されたのは俺と、
「はぁー♡、はぁー♡……しゅ、しゅごかった……♡」
「まだ体がガクガクですよぉ♡ あのギラギラした目つき、捕食者だった筈の私達が、逆に食われることになるなんて……♡はぁ……♡」
大分酷いことになっているユエとシアだった。そして背後から感じるその視線に俺は振り向けなかった。昨日のことは断片的にしか覚えていない為、俺がナニをしたのかは想像しにくいが恐らくヤリすぎたんだろう。
ガシッ
(う……動けんッ……! ば……馬鹿な……!?)
「また……今日も、ね?」
「何なら……今ここでも……♡」
「さ……流石にやることがあるので……今日は勘弁……」
「「えー」」
「もうやだこの娘たち!」
一方そのころ
ゴシャア!
「こ、光輝ちゃん!? どうしたんですか!? 急に鉱石を握り潰して!?」
「……浩介に新たなメスがすり寄った……気がする」
「あわわわわわわ……落ち着いてください!? ひえぇええええええ! 紫電があちこち飛び散ってますぅううう!?」
この他のヤンデレsも、何かを察知したのかある者は銃を魔物に向けてひたすら乱射して肉の塊にしたり、またある者は勢い余って魔物ごと地面に亀裂を生じさせるほどに刀を振り下ろしたり、ある者はうっかり雷を降らせたり、ある者は死の怨霊をばらまいたり等をしていた。彼女達に共通しているのは自分の大切な何かにすり寄るどころか一線を越えた、という確信だった。
そして……ある者は
パリン
「ユ、ユッキー!? グラスが!?」
「……あいつが何かやらかした気がする。俺の胃がそう告げている。絶対ぶちのめす。というかあいつは死んでも復活すると聞いた。なら一回くらいは誤差だろう。うん、そうだな」
「待って待って待って!? それ以上いけない!」
一人の人物を愛する者たちの暴走とその元凶が何かをやらかしたことを察知した清水は、全身から黒炎を滾らせながら砕け散ったグラスをさらにドロドロに溶かした。――徹夜三日目の出来事である。
◆◆◆
「それで……ここがストームヴィル城なわけだが……何か、思ったより樹が侵食してないか……?」
俺はあの後、ディアロス達に見送られてからトレントに乗ってストームヴィル城にやってきた。
しかしストームヴィル城の正門前についた俺が目にしたのは、樹の根が壁や床に侵食しているという異常極まりない光景だった。
「それに……何だこの死体の山は……! どれもこれも、手や足を失ってやがる……!」
また正門の近くに両手両足……果ては両眼さえも失った帝国兵や魔獣、魔人族の死体が無造作に転がっていた。
不気味だったのはこの死体から血の匂いがしないことと、やはりその死体の多さだ。
「うっ……これは酷い……」
「何が……起こっているの……」
シアとユエも思わず顔を顰める。辺り一面に打ち捨てられた死体の有様に周りにほとんど興味が無いユエと言えど、流石に目に余るようだ。
「……ゴドリック……まさか」
恐らくこいつらは、ゴドリックの『接ぎ』の材料にされたんだろう。だが前回と違うところは、血や内臓すらも抜き取られていることだ。
狭間の地でのゴドリックの姿は異形そのものだったが、今はどうなっているかも想像がつかなかった。
「……ここでたちどまっても仕方ない。行くぞ……」
「……うん」
「……はい」
俺たちは既に開けられた正門をくぐりながら、中に入っていった。
中に入った俺たちを待っていたのは、異形の生物の群れだった。
かつてのストームヴィル城にいた兵士たちはおらず、代わりにトータスの魔物の腕や顔が無理やり接合されたような獅子が俺達に立ちはだかった。
「――シッ!」
「〝緋槍〟」
「このッ!」
俺とシアが獅子の部位を切り落としたり、叩き潰し、ユエの魔法で止めを刺しているが、如何せん数が多く中にはもはや生物と呼んでいいのか怪しいフォルムをしたドロドロのスライムもいた。
どう考えてもブラボの世界から来たとしか考えられない奴らだが、接ぎを行った影響によるものなのか生命力が高く、魔法を行使する奴も所々見受けられたのでかつてのストームヴィル城の面影は完全に消え失せたと言っても過言ではないだろう。
『『『グゥオオオオオオオオオ!!』』』
「数が……多いッ!」
「『アステールメテオ』」
虚空から呼び出された小隕石が次々と異形の生命体を破壊していくが…………それでも数が減らない
「〝天灼〟」
複数の雷の弾を敵の上空に出現させ、範囲内の奴に雷を浴びせる雷属性の最上級魔法を放ったユエ。その範囲攻撃の効果も相まって大分削れた。
シアも獣爪の大槌を振るいながら時には叩き潰し、時には切り裂いていった。
……これ俺が強化してなかったら大分ヤバかったんじゃあ……
そんなことを考えていると、漸くゴドリックの待つ広場へ通じる通路が見えてきた。そしてその通路の脇には、失地騎士の鎧を纏った壮年の男……エドガーがいた。
「……ああ、貴公か」
「エドガーか……壺たちは?」
「彼らなら心配いらない。この先の通路で私が保護している」
「……ゴドリックは」
そういうとエドガーはうつむいた。
「……ゴドリック様は……もう、正気を失ってしまわれた。私が誰かすらも判別が出来ないようだ」
「そうか……」
「……ゴドリック様はこの先の広場にてお待ちだ。……どうか、あの狂ってしまったゴドリック様を……頼む」
「……行こうかユエ、シア」
「……うん」
「……はい!」
俺は厳重に掛けられた扉を押し開け、中に入っていった。そこに待っていたのは衝撃的な光景だった。
「これは……大樹……?」
かつてゴドリックと対峙した際は空が見える吹き抜けの空間だったが、今や空を覆い隠すほどに巨大な大樹のような物が蠢いていた。
「……これ、本当に樹なの……?」
「何と言うか……不気味ですぅ……」
「……ゴドリックは……?」
その時だった。
ズル、ぐちゃ ズル、ぐちゃ
「待っておったぞ……褪せ人」
「「「!!?」」」
声のする方に視線を向けるとそこには――凡そこの世の物ではない異形がいた。
「我は……もう……負けぬ……負けるはずなどない……!」
ぐちゃ ぐちゃ
その図体はもはや人型を為していなかった。
前あった時よりも一回りも二回りも大きなその巨躯には、まるでケンタウロスのような下半身……正確には腕や脚、そして魔物の胴体で出来た接ぎはぎが、歪ながらもその機能を果たしゴドリックの脚となっていた。さらに尾にあたる部分にはこちらを睨みつけるように狼や蛇の魔物の首が幾つも備わっており、今も俺たちに向かって口を開けて威嚇している。
そして蹄にあたる部分は、ぱっと見普通に見えた。――否、四本の脚全てが文字通り『脚』で構成されており歪に絡みあってそう見えていただけだった。
「我は貴様を……倒し、その力を……もらい受ける……!」
胴体には
そして右手にはそれぞれ見覚えのある戦斧の他に長剣や長槍が握られており、それが一層不気味さを醸し出していた。
「さあ……我に寄越せ……お前の……その力を……!」
背中を丸めたかのような動作をして大きく雄叫びを上げたかと思えば、まるでクジャクの羽のようなナニカが背中に展開された。……よく見るとそれも大量の腕がひしめき、枝分かれしていただけという悪夢のような光景だった。
それぞれの手にはボウガンやクロスボウ、そして杖が接着されており、それに装填された矢らしきものが人間や魔物の骨であることにも気づいてしまった。もはや面影があるのはゴドリックの頭部だけとなっていた。
「あ……え……?」
「え…………」
ユエもシアも言葉が出ないようだった。はっきり言ってしまえば俺も言葉を失って呆然としている。
そしてゴドリックは黄金の戦斧を地面に叩きつけると……
「我こそは……黄金の君主……黄金の君主なりィイイイイイ!!」
身体に接げられた魔物や竜が雄叫びを上げ、同時にゴドリックの胴体に無数の眼を一つに纏めたような大きな眼が開眼した。
それぞれが虫の複眼のように視線をキョロキョロさせていると――やがて全ての視線が一斉に俺に向けられた。
「マジかよ……お前……」
「さぁ……我が力の糧になるが良いッ!!」
そういってゴドリックは歪な蹄の音を鳴らしながら俺たちに襲い掛かってきた。
――【
接ぎのゴドリックを簡単に説明すると
・馬の下半身(ただし全部腕や脚、胴体で構成)
・尻尾(狼や蛇などの魔物で構成)
・クジャクのような羽(ただしry)
・新たに四本の腕
が通常のゴドリックにくっつけられたというイメージです。
……グロイですね()
閲覧ありがとうございました!
オリジナル侵入者(出るのはだいぶ後又は予定)を出しても良いですか?
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良いですよ
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うーん
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ここにラニ様の「神殿」を建てよう