シンボリルドルフと壊れたトレーナー   作:宮秋

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ルドルフをマックに誘う

シンボリルドルフはトレセン学園の生徒会長、そして俺はルドルフのトレーナー。生徒会室は放課後で仕事終わり、他に言うことは無い、強いて言うなら生徒会室に遊びに行くのは楽しい。

 

 

「もーうーはーなさないー、きみーがーすべてさー、ビーマイベイべー、ビーマイベイベー。アッフゥフン!」ガチャ

 

「やあトレーナー君、生徒会室をノックしないのはおそらく君くらいだよ」

 

 

そこにはいつも通り生徒会室の長机に書類を置き、コーヒーを飲みながらノートパソコンを開いて仕事をしている生徒会長シンボリルドルフの姿があった。

彼女は私を見ると微笑んでくれた、ああ今日も可愛い……好き…… そういえば今って2人っきりなんだよな……まあ緊張なんてしないがな!

 

 

「まあこういう感じで女子更衣室に凸ったこともあったな」

 

「もはや犯罪じゃないか…」

 

 

正直注意書きしていない方が悪い、実際に入った時はウマ娘達に蹴られまくった。

 

 

「ところで何の用だい?と言っても基本的に納得のいく答えは聞けないようだが、どうせ暇つぶしだろう?」

 

「ああ、今回はルドルフに渡したいものがあってだな」

 

 

そう言って俺は紙袋から100万円を取り出し叩きつけた。そしてそれをみたルドルフの反応を見てみる。特に動じては居ないようだ。

 

 

「??」

 

「ちょっとしたプレゼントだ、受け取ってくれ」

 

「い、いきなりなんだ……?」

 

「俺と付き合ってください!」

 

「はっ……え?」

 

「はい!おめでとうございます!!この度シンボリルドルフさんの人権を獲得しました!!こんなんなんぼ貰ってもいいですからね!」

 

「えっ!?」

 

 

最初は動じていなかったがあまりのテンポについていけないルドルフ。やっぱ最高だわ。

 

 

「ちょ…ちょっと待ってくれ!頭が追い付かないんだが?」

 

「だからプレゼントだって言ったじゃん」

 

「そんなことを言われても困るよ……」

 

「大丈夫大丈夫、別に取って食おうとか思ってないから」

 

「そういう問題じゃないと思うのだが……」

 

 

100万入りの紙袋を手渡す前と後では全く違う状況になっていた。ちなみに俺はいつも支離滅裂な発言しているので日常茶飯事だがな!

 

 

「じゃあどういう問題なんですか?」

 

「君はもう少し自分の行動を考えた方がいいんじゃないか?」

 

「だって暇なんだもん」

 

「さっきの『ああ』は肯定の意味も含めていたのか…」

 

「当たり前だろ」

 

 

正直仕事終わりで暇だからと言って生徒会室に突撃するのは俺くらいだろう、逆に言えば俺はいつでも生徒会室で遊べるということ。ただ遊ぶだけではない、一緒に食事をしたり、一緒に勉強したりして過ごしている。

 

 

「それでは駄目だと思うのだけれどね」

 

「それにほら、ルドルフもまんざらでもなさそうだしさ」

 

「私としては普通に断っているつもりなのだが」

 

「またまたぁ〜照れちゃってぇ〜」

 

「その喋り方は止めてくれないか?」

 

 

少し顔の赤いルドルフを煽ると睨まれた。それでも全然怖くないしむしろ愛くるしい。

 

 

「まあルドルフにとってははした金だとは思うしこの程度では気持ちは揺らがないよね」

 

「金額の問題ではないんだけどね……」

 

「だよね、しかもこれ大元はルドルフが稼いだお金だし、これただの返還だよな……」

 

 

トレーナー業には給与形態として基本給+歩合給となっている、ただでさえ基本給は基本的なサラリーマンの月給に相当する、それどころか歩合給はウマ娘が稼いだの賞金の一部などがそれに当たるが金額がえぐい。だがトレーナーは楽な仕事ではないのに何故ここまで待遇が良いかといえばそれは単純にトレセン学園という場所が特別なだけで普通の企業であればまず考えられない程の高額を給料に出せるだけの収益がある。

 

 

「君の金銭感覚にはついていけないよ……」

 

「俺もルドルフの金銭感覚についていけてないけどな」

 

「というか、私は何故これを渡されて喜んでいると思ったんだろうね?」

 

「だよね、やっぱプレゼントは気持ちが込もってるかだよね!というわけでこの金でマック行こうぜ!」

 

「何がというわけでなのか分からないのだが……」

 

 

ルドルフとは何度もデートをしている(?)大概誘うのは俺からだが、たまにルドルフからも提案されることがある。

 

 

「俺からの気持ちを込めた気持ちいいプレゼントじゃん」

 

「言い方が露骨過ぎるぞ……」

 

「あれ?なんか嫌だった?」

 

「いや、嫌と言う訳ではないんだが、なんと言えば良いのかな……そもそも私は君と交際する気は無いと言ったはずだよ」

 

「なに!?援助交際だと!?その手があったか!よし、今すぐマック行くぞ!」

 

「話を聞いていないようだね」

 

「聞いているとも、つまり獲物は肥やしてから食べるのが基本って事だよね!」

 

「全然違うが、どうしてそうなったのか説明してもらえるかい?」

 

「まずは餌付けをして警戒心を無くす。そして美味しいものをたくさん食べさせてカロリーを取らせる。その後でトレーニングしてルドルフを鍛えればいいんだよね!(※違います)」

 

「君の頭の中では一体どんなストーリーが出来上がっているんだ……」

 

 

そんな事言いつつも実はルドルフは普通のウマ娘並に食べ盛りではある、これで釣られないはずは無いのだが……

 

 

「という訳で早速マック行こうぜ!」

 

「仕方が無いな、少しだけだよ」

 

「流石会長様、話が分かるぅー」

 

「まったく調子の良い男だ」

 

 

やはりマック、マックは世界を救う。せっかくなのでふと閃いた事をルドルフに提案する。

 

 

「ついでにおぶって?」

 

「何故私がそんな事をしなければならないんだい?」

 

「ほら、トレーニングだと思って!」

 

「ふむ……それは悪く無い提案だね」

 

「やったぜ」

 

 

という訳で俺はルドルフにおぶられながらマックへ向かうことになった。

 

 

 

マックへ向かう道中、俺はウマ娘専用レーンを走るルドルフの背中に揺られながら流れる景色を見ている。

この背の高さ……それにこの柔らかさ……そしてなによりもこの匂い……!これが幸せ……!実はルドルフが俺に振動が伝わらないように配慮して走ってくれていることを知っている。時速は約30キロほど、いつも乗っている原付と比べても風の良さは変わらないくらいだが、ルドルフにこうやって大切にしてもらえるのは嬉しいという他ありはしない。

 

 

「君には振り回されっぱなしだが、たまにはこうやって私がリードするというのも良いものだな」

 

「なるほど…ルドルフにリードか…その手があったか」

 

「変な想像はしないでくれるか?」

 

「これで夜のお供に困らなくて済むよ、ありがとね!」

 

「やはりおぶったのは間違いだったかもしれないな」

 

 

ルドルフはいちいち俺の冗談に乗ってくれる。ちなみに時速30キロの向かい風は洒落にはならない、かなり大きな声で喋ってやっと聞こえるくらいだ。

 

 

「そう言いながらしっかりおんぶしてくれる辺りルドルフ優しいよね」

 

「君がそのまま降りてくれればもっと楽なんだがね」

 

「時速30キロ程出しながら降りたら俺は死ぬが?」

 

「私はそこまで鬼畜では無いのだが……」

 

 

それにしても時速30キロねぇ……俺たちの合計体重は100キロを超える、そこから導き出される運動エネルギーは約5000Jといったところか。ルドルフの全速は70キロ、だとすると約10000J、更に時速あたりの移動ロスを含めてもルドルフは約半分以下の力で走っていることになる、やっぱウマ娘ってやばいな……

 

 

「というかルドルフ軽いな、ちゃんと飯食ってる?」

 

「失礼だな、それなりに食べているさ」

 

「そういえばルドルフって体重どれくらいあるの?前に聞いた時は50kgとか言ってた気がするんだけど」

 

「……女性にそれを聞くのはマナー違反だと思わないか?」

 

「えっ、あっ、ごめんなさい」

 

「謝らなくても良い、私は別に気にしていないからね。しかしそうだな、私の体重は53kgだよ」

 

「へぇ、まぁ知ってたんだけどね」

 

「本当に君はデリカシーに欠けるな」

 

 

ちなみにトレーナーにはトレセン学園のデータベースがあり、そこには基本的なウマ娘の身体情報が載っている、ましてや担当ウマ娘となれば身長体重スリーサイズから適正、能力値、健康情報など、ありとあらゆる情報が提供される。

 

 

「全く、何故知っているのに聞いてきたんだか……」

 

「ほら、税務署だって答えを知ってて敢えて質問とかして相手を試したりするじゃん?それと同じだよ」

 

「君はよく変なものに影響されるようだね」

 

「ちなみに嘘をついていたら厳しめの身体調査に入るつもりだった」

 

「君は私をなんだと思っているんだ……」

 

「あーあ、あと少しでルドルフにあんなことやこんなことを…ぐへへ」

 

「君の性欲の強さは底無しだね」

 

「だってルドルフ可愛いんだもん」

 

「あまりそういう事は言わないでくれ……」

 

 

今、露骨に速度が落ちたような……

 

 

「えっ、照れてる?ねぇ今照れた?」

 

「うるさい」

 

「照れるルドルフ可愛いなぁ」

 

「もういい加減にしてくれないか」

 

 

ルドルフは可愛いがそれを直接本人に言う人はほぼ居ないのだろう……それすら煽りにしてしまう俺の性格はえぐいのかもしれない。

 

 

「話を戻すけどこんな歌を知っているかい?」

 

「唐突過ぎやしないか」

 

「身長-体重=110が標準体型らしい……セーフ♪」

 

「君も私もセーフという事だな」

 

「一番の問題はルドルフの身長が俺より上な事なんだよね……」

 

「それはどうしようもないよ」

 

 

俺の身長は160で体重は50だ、ちなみにルドルフの身長は165だ。解せぬ……だが俺は諦めない!

 

 

「でも俺もいつかはルドルフに追いつく予定だから安心してね!」

 

「そうだね、その日が来ることを願うばかりだよ」

 

「俺頑張るから!」

 

「あぁ、期待しているよ」

 

「俺の年齢が21歳を超えていることを除けばかっこよかったんだが…やっぱり世の中ってクソだわ……」

 

「そんなに嘆くことはないだろう」

 

 

この歳で身長を伸ばすなんて無理ゲーすぎる、裏技を使えば伸ばせなくはないが骨折を利用する危険なものや、関節を伸ばすストレッチなどもあるが、俺のお眼鏡に叶うものは無い。

 

 

「この世は理不尽が多すぎるんだよ。なんでルドルフの胸は大きいのに俺の胸は小さいんだ?神様は不公平過ぎるよ!」

 

「君は何を言っているんだ?」

 

「というわけでルドルフさん、ちょっと胸触らせて下さい」

 

「駄目だ」

 

「即答!?」

 

「当たり前じゃないか」

 

「じゃあ耳!」

 

「もっとダメだ」

 

「なんで?」

 

「バランスを崩したら一巻の終わりだぞ?」

 

「うぅん……ルドルフがそこまで言うなら仕方が無いな。分かった、諦めよう」

 

「分かってくれたようで何よりだ」

 

 

いくら俺でも命懸けのセクハラをするほどの根性はない、するとふとコンビニの横を通りかかる。

 

 

「おいやべぇって、あそこのコンビニ、ポテト半額だってよ!行こーぜ!」

 

「なに?それは本当か?」

 

「いや、言ってみただけだけど?」

 

「……」ゲシッゲシッ

 

「痛いっ、器用に後ろ足で蹴らないでルドルフさん!」

 

「早く行くぞ」

 

「はい……」

 

 

そう言いルドルフは速度を戻し、そのままマックへと向かう。

 

 

 

マック到着、混雑時では無いのですぐに注文できる状況なのでレジの後ろの方でスマホアプリのクーポン画面を開きながらルドルフと相談する。

 

 

「ルドルフは何にする?」

 

「私はビッグマックセットにしようかな」

 

「じゃあ俺はダブルチーズバーガーセットにしようっと。ドリンクはどっちにします?」

 

「そうだな、コーヒーにしておくよ」

 

「了解です」

 

 

そのままスムーズに店員にオーダーし会計をする。

 

 

「あ、ポイントで!」

 

「あの100万円は何のために用意したのか……」

 

「なんか携帯料金で何故か溜まっていたのを思い出してさ、正直ここでしか使う場所がないなって思って……」

 

『こちらはレシートになります、今お作りしますのでしばらくお待ちください』

 

 

と言われしばらく待っている間にルドルフと雑談をする。

 

 

「それにしてもマック値上がりしたね」

 

「確かに前来た時より値段が高くなった気がするな」

 

「特に俺が好んでるチーズ系も全滅してるぞ」

 

 

ちなみに値段は20~30円程値上がりしてしまっている。

 

 

「そうだな、やはり時代の流れというものなのかもしれないな」

 

「やはりここは『連邦に反省を促すダンス』を踊るしか…!」

 

 

『連邦に反省を促すダンス』とは最近人気な動画の一つで、その名の通り、あるカボチャを被った全身黒タイツの人が映画タイトルを背景にひたすら踊り続けるという内容なのだが、あまりにも長いために一部の人間にしか受けていないらしい……だが俺は好きだぞ。

 

 

「ちなみにトレーナー君、マクドナルドの値上げとウク〇イナ情勢は関係ないらしいぞ?」

 

「なに?」

 

「ウク〇イナ侵攻の1週間後に値上げを示唆したことを見る限りこれらを結びつけるには相当苦しい」

 

「じゃあダンスは取りやめか…」

 

「だからと言ってその波がまだ来てないだけで、強いて言うなら終戦後に値上がりするのではないかという目星がある」

 

「やはり『連邦に反省を促すダンス』を踊るしか…」

 

「やめたまえ……」

 

 

せっかく店をバックにダンスを踊ろうとした所を止められる。仕方ない、次値上がりした時にルドルフを巻き込んで踊るとするか。

 

 

『216番でお待ちのお客様!』

 

「という訳で会長様も運ぶのお願いしまーす」

 

「はいはい、仰せのままに」

 

 

トレーを持って席まで移動し、向かい合って座る。周りの客は「シンボリルドルフさんだ……」「反対の人は彼氏さんかな?」と少しざわつく。ルドルフもかなり人気になったものだ、まあルドルフの方はあまり動じない。

 

 

「「いただきます」」

 

 

早速食べ始める2人、特に会話もなく黙々と食べる時間が続くわけでもなく……

 

 

「ふむ、やはり美味いな」

 

「うん、美味しいね。ただいつもの味って感じ」

 

「そうか、私はこれが一番好きだな」

 

「まあ人気な食べ物が必ずしも世界一美味しいってなるとは限らんけどな」

 

「そうなったら君との食事は毎回違う物を食べることになるな」

 

「そうだね、新しい発見があるかも」

 

「しかし、たまにはこういうジャンクフードも悪くはないな」

 

「偶にだから良いんだよ」

 

「まあ、確かにそうだな」

 

 

そんな他愛のない話を続けながらもルドルフの手はどんどん進む。あっと言う間に半分ぐらい無くなったビッグマックを見て思う、こいつ結構食いしん坊だよなぁ……いや可愛いんだけどさ?

 

 

「あっ、ルドルフ」

 

「なんだい?」

 

「口元についてるよ」

 

「どこだ?」

 

「ここだよ」

 

 

指で掬って自分の口に持っていく。そして舌を出して舐め取る。

 

 

「ありがとう」

 

「いえいえ」

 

「……」

 

「どうかした?」

 

「別に何もないさ……」

 

「えっ、何かあったでしょ」

 

「君の気のせいでは?」

 

「なんか顔赤くなってるけど」

 

「それはきっと暖房が効いているせいだろうね」

 

 

それにしてもマックねぇ、正直アスリートには毒なんだよな……

 

 

「そうだ、物理の話をしよう。」

 

「唐突だな……」

 

「ルドルフは運動エネルギーって分かる?」

 

「あぁ、もちろん知っているよ」

 

「じゃあさルドルフが筋力をそのままで体重を2割減らしたら速度はどうなるか分かる?」

 

「それは……分からないが」

 

「答えは約1.1倍だ、ついでに道のりが変わらなけれ所要時間は9%減るという訳だ」

 

 

これは高校物理の範囲だ、解説するとU=1/2mv^2よりUを固定し、mを4/5にしてvを求めれば良い、結局やることは逆数を取りその平方根を出すだけ、つまり√1.25≒1.1となる、ちなみに所要時間はそれの逆数をとるだけでいい。

 

 

「何が言いたいんだ君は」

 

「続けて速さが1.1倍に上がった時の空気抵抗は何倍かな?」

 

「えっ……?」

 

「おぉ、流石ルドルフ。計算速いね!」

 

「待ってくれ、そんなの無理に決まっているだろう」

 

「まぁ約1.25倍って所かな?」

 

 

解説をさせていただくと速度の二乗に対しに対し抵抗が比例すると考え、二乗しただけだが……

 

 

「そもそも君はどうしてそんな事を知っているんだ……?」

 

「だって俺理系だし」

 

「君という奴は……」

 

「まあまあ、そんな怒らないでよ」

 

「怒ってはいないが、呆れてはいるよ」

 

 

結局俺が言ったことは痩せて速く走っても、空気抵抗のせいでそこまで速く走れない事を言っただけだ。

 

 

「まぁ何を言いたいのかって言うと俺はルドルフにマックを食わせたことを少し後悔しているってことなんだよな」

 

「何故だい?」

 

「筋力を減らさずに体重を減らすのは体脂肪を減らす他ない、無駄に筋力を減らすのもリスクでしかない、つまりルドルフのマックイーンしたカロリーは迅速に消費しないといけない。」

 

「な、なんの話をしているんだ……」

 

 

ちなみにカロリーが余ってしまい脂肪になるまでは約3日は掛かる、実はカロリー過剰は簡単に取り戻すことが出来る。

 

 

「筋力を落とさず体重を落とす方法ね……いや待てよ?」

 

「今度は一体何を思いついたんだい……」

 

「ルドルフの胸を削けばワンチャン……?」

 

「やめてくれ、頼むからやめてくれないか?」

 

「冗談だって」

 

「君の場合本当になりかねないので怖いんだよ」

 

 

ルドルフが顔を真っ青にしながらわなわなと訴える、まさか本当にそんな事をすると思っているのか?そんな事してバレたらあらゆるところ刺客が来て血一滴すら残さず消されるだろう。

 

 

「失礼な、俺はちゃんと相手のことを考えているぞ」

 

「例えば?」

 

「まず1回目は腹筋100回して貰うとか」

 

「やらせていただきます」

 

「次に2回目は腕立て伏せ100回」

 

「喜んで」

 

「んで3回目はスクワット100回って感じで徐々に負荷を増やしていく」

 

「その程度なら全然大丈夫だ」

 

「そして移動時は俺を背負って運ぶこと」

 

「問題無い」

 

「じゃあ今日のメニューに追加ね」

 

「ああ、楽しみにしているよ」

 

 

なんか脅迫めいた感じになってしまっているようで周りから怪訝目で見られる。

 

 

「それでは次は私の番かな?」

 

「おう、いいぜ」

 

「私が君に勝っている部分はいくつあると思う?」

 

「えーっと、身長と足の速さくらい?」

 

「ふむ、それも確かだがそれだけではないはずだ」

 

「じゃあ何?」

 

「私は料理ができる」

 

「ほぅ……?」

 

「更に掃除洗濯、家事全般なんでもござれだ」

 

「ほう……?」

 

「つまり私は君より女子力が高いということだ」

 

「まあそれはそうかもしれないな」

 

「君にできないことが私にはできる。どうだい?惚れ直してくれたかい?」

 

 

ルドルフがドヤ顔をしている所を俺の適当な発言で崩す。

 

 

「つまり、今の俺の手持ちの100万でルドルフを買い叩けってこと?」

 

「君のその発想はどこから来ているんだ……?」

 

「1万円まで値切れませんか?」

 

「買い叩くにも程があるよ……」

 

 

そう言いルドルフは呆れながらも食べ終わる。それにしてもこのウマ娘、よく食べるなあ……速度に関しては俺も似たようなものだが……

 

 

「ご馳走様、それじゃあ学園に戻ろっか!ルドルフは分かってるよね?」

 

「もちろんだ、君を背負っていくのだろう?」

 

「そういう事!」

 

 

俺達は食ったものを片付け、トレセン学園へ戻るのであった。




簡単な人物紹介

トレーナー︰シンボリルドルフのトレーナーを3年間務めており、現在4年目。タイトルでいう壊れている部分は言動ではなく他の部分であり、それをルドルフに隠している。

シンボリルドルフ︰トレセン学園の生徒会長、3年間で16戦13勝、G1を7勝している生きる伝説。あまりにも強すぎるため周りに避けられていたところをトレーナーが煽ったのが初めての出会い。トレーナーにルナ呼びを許可している滅多に呼ばれないことを悲しく思っている。
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