シンボリルドルフと壊れたトレーナー   作:宮秋

12 / 31
ルドルフが俺のスマホを見てくる

また放課後の生徒会室、基本的にはトレーナー室で仕事をしたいとは思っているが1人では寂しかったのが本音。

 

 

「魂は静かに眠りにつくように形を変え空へと羽ばたく♪」

 

「おやトレーナー君、この生徒会室に来るのに仕事を持ち込むとは君らしくない」

 

「まだ仮加入だけど一気に4人に増えたからな、トレセン学園のデータベースを見るだけでも一苦労だ」

 

 

前回ルドルフ主催のハンデあり選抜レースで逃げきれたのはちょうど3人のみだった。ミスターシービーとトウカイテイオーとシリウスシンボリだ、3人曰くルドルフのプレッシャーは半端なかったらしい、俺は走る側では無いので気持ちはわからんが。

とりあえずその場で仮加入届けを書いてもらった、ちなみに俺はその後一時間は埋まったままだった。

 

 

「まあ今日はタイム測定と言ったくらいかな、明日以降のスケジュールは今から考える」

 

「全く、君は生徒会室をなんだと思ってるんだ」

 

「金と女」

 

 

その瞬間目の前にあったペン立てが飛んできた。しかし俺には通じぬ!何故なら! 俺は椅子の影に隠れたからだ!!!そしてペン立ては俺の真横を通っていき壁に激突した、痛そうだね、うん……でもそんなんで俺の心は折れたりしないよ!

 

 

「そう言えばデータベースを見て思ったことがあるんだけど」

 

「……聞くだけ聞いておこう」

 

「ルドルフが一番ウエスト大きい」

 

ボ!!

 

 

今度はペンが飛んできた!俺は間髪入れずに椅子の裏で伏せてかわした!ペンは椅子を貫通しまた壁に突き刺さった!一体時速何キロ出てるんですかねぇ!?

 

 

「ま、別に贅肉がついてなけりゃ体幹が付いてるルドルフの方がいいって訳なんすよ!?」

 

「トレーナー君のデリカシーの無さはほとほと呆れたよ、私は生徒会室にいなくていいんじゃないかな?ん?」

 

「待って!ごめん!本当に待って!悪かったから!お願いだからここにいて!」

 

「ふん!まあいいだろう、ただ次にセクハラ紛いな発言をしてみろ、その時にはどうなるかわかっているな?」

 

「ちょっと何言ってるか分からない」

 

「トレーナー君がホモでロリコンな事を晒す」

 

「風評被害だって!?そんなはずは……」

 

「それはどうかな?胸が小さい方が好きだの、男の尻がいいだの、掘られたことがあるだの、ロリルドルフの方が好きだの、ロリコンに抱かれたいなど言っているじゃないか!」

 

「めちゃめちゃ言ってますやん!」

 

 

俺はもう泣きそうだった……確かに心当たりしかないのだ…… しかし!この場で引く訳にはいかない!! 俺は男として戦わねばいけないときがあるのだ!!!

 

 

「発言のみだろ?物的証拠はない!」

 

「では私が嘘を着いていると?では『私はホモでもロリコンでもありません』と言ってみろ!」

 

「くっ!?卑怯なっ!!」

 

「……」

 

 

いやあルドルフの反応は一々面白いですねえ。

とは思っていたもののルドルフの致命的な欠陥に気付く。

 

 

「でもそれでも物的証拠にならないのでは?」

 

「ああ言えばそう言う……なら君の私用のスマホでも見せてもらおうか!」

 

「むっ…………いいだろう…」

 

 

正直多少の懸念はあるがまあ問題ないだろうと思いポケットからスマホを取り出すと即座にルドルフに奪い取られる。

 

 

「あっ……」

 

「……」

 

 

ルドルフは慣れた手つきで画面を操作しロックを解除して画像ファイルを開く。

 

 

「今サラリと流したけどなんで俺のパス知ってんの?」

 

「気にするでない」

 

「いや無理です」

 

 

パスワードも毎回変えてるしなんなら誕生日とかもバレているのだが……怖すぎて何も言えん……。

 

 

「どれどれ……?」

 

「ちょっ……!待ってくれ……それは……!」

 

 

そこに表示されていたのは適当な面白画像のスクショとルドルフの写真のみ。

 

 

「ふぅ……やはりそういうことなのだな、全く、心配して損をしたではないか、こんなので私の心を弄ぶつもりだったのか君は」

 

 

はぁ〜と大きなため息をついて安堵しているようであった。

 

 

「じゃあ検索履歴ならどうだ?」

 

「あのさぁ……」

 

 

再び俺のスマホを奪い取り操作し始めた。俺はもう何も言えない。とある罠を踏むのを待つしかない。

 

 

「……特に怪しいものは無いな、君がわざわざ履歴を消すとは思えないし……」

 

「ま、物的証拠は無いってこった」

 

「じゃあ君はどうやって処理しているんだ?」

 

「セクハラをするなって言ったのはどっちだっけ?」

 

「もしかして私の写真で……?」

 

「うーん……もうそれでいいよ」

 

「トレーナー君っていっつもそうですよね!担当ウマ娘をなんだと思ってるんだい!?」

 

「なんでちょっと嬉しそうなの……」

 

 

ルドルフの尻尾はフリフリと揺れていた。なんかキャラが変わっているような気がするが今は触れない方がいいのだろうか……でもちょっと撫でたい衝動に駆られる。というか多分これくらいなら許されるんだねえ、一応ルドルフで試した事があるがイケた。

ちなみに本当は別のブラウザアプリで見ていて、そこではガッツリとロリコン用の画像が揃っている。他にもキーボードの履歴を見られたり動画ファイルのかなり下の方を見られたら詰んでた。

せっかくなのでそこの額縁に飾ってあるスクールモットーを指差す。

 

 

「ほら、お前だってよく言うじゃないか、『唯一抜きん出て並ぶもの無し』って、俺にはルドルフしかいないんだ!」

 

「な、なななな……!!何を言ってるんだ君は!?」

 

 

顔を真っ赤にして手で顔を覆うルドルフ、なんだ?恥ずかしがっているのか?まあ可愛いからよしとしよう。

だが今のルドルフには勘違いしていることがある。

 

 

「今のセリフ渾身のド下ネタのつもりだったんだけど……」

 

「………………はあ、トレーナー君、歯を食いしばるんだ……」

 

 

俺が最後に見た光景は、耳を引き絞ったルドルフに握りしめられた拳のみだった。

 

 

 

今回の敗因:スクールモットーを馬鹿にしてはいけない(戒め)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。