シンボリルドルフと壊れたトレーナー   作:宮秋

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ルドルフで運試し

今回はせっかくなのでアグネスタキオンの研究室に向かう事にした。理由?理由なんて『面白そう』だけで十分だ。

 

 

「おーいタキオーン!何か面白いもん作ってない?」ガラガラ

 

「おー、シンボリルドルフのトレーナーか、面白い物かい?」ガタッ!

 

「うお!?」ビクッ!

 

 

うっ、急に立ち上がるからちょっとビックリしちゃったじゃないですか・・・。

 

 

「まあいいです。で?何か面白そうな物はあるんですか?それならそれを教えて下さいよ。」

 

 

俺はワクワクを胸に秘めながら聞いたのだが返ってきた答えは全く想像もしていなかったものだった。

 

 

「はっはっは、君はまだ若いんだ。これからもっと色々なものを見ていけばいいだろ。それに私だってこの歳になってまだ自分の研究に満足などしていないんだよ?」ニコッ

 

(・・・え?)

 

 

なるほど、これがタキオンの笑顔なのか、なんだろう?少しゾワッときた。だがしかしここで引いてなるものか、俺は食い下がるぞぉ!!!(某熱血テニスプレイヤー感)

そうやって俺が粘っているとタキオンは渋々ながら受け入れてくれたのか一つの薬を出してきた。

 

 

「まあ、試作品でも良いのであれば止めはしない、これだ」

 

(なんじゃそりゃ?毒にしか見えねーぞ。これ飲ませるつもりじゃ無いよな?)

 

「これをどうするんで?」

 

(おい待てまさか・・・飲むわけじゃねえよなぁ?流石にそんなの飲まないぜ?)

 

「ああこれは飲む為のものさ、勿論君の体に影響はないよ。だから遠慮なく飲んでくれ給え。ほら早く」

 

「待ってくれ!せめて説明だけでも!」

 

「ふむ、仕方がないな、しっかり説明するからよーく聞くんだぞ?」

 

 

と言ってタキオンはカプセルを放り込んでこようとするのを辞める。

 

 

「これは端的に言えば『運を良くする薬』だ、文字通り飲んだ本人の運が良くなる」

 

「なんかとんでもない薬だな、副作用は無いのか?」

 

「ある、強いて言うなら効果が切れた後に運が良くなった反動が来る、つまり効果が切れると運が悪くなる」

 

「なんか大雑把だな、ちなみに材料は?」

 

「正直聞かない方がいいと思うのだが……」

 

 

と言って俺の方を見てくる。

いや怖えってばマジで怖いんだけど何言ってんだコイツみたいな顔すんのやめてくれません?結構傷付くんですよ!?(心の声)

そして恐る恐るタキオンの出したカプセルを見るが、中身は見えないので尚更怖くなる。

 

 

「なんかゲテモノでも入っているのか?」

 

「いや逆だ、希少物と言ってもいい、例えば、運が良くなる原因としては縁起が良い物などが考えられる、おせちの具材などがだいたいそうだ」

 

「なーんだ、食べ物なら問題ないな、もしまた『三女神の像の粉』なんか言ったらはっ倒そうかと……」

 

「という訳で混ぜたものが『日本ダービー優勝レイ』だ」

 

「はっ倒すぞ!食べ物じゃねぇじゃねぇか!」

 

 

優勝レイを材料にするとかどんだけだよ!流石の俺も引くわ!もうドン引きだわ。そう言えばタキオンさんさり気に日本ダービー優勝してましたね!実質コストオフですね!?あとこれ作った奴絶対に頭イカれてるでしょ。そもそもダービーに勝つ事自体が狂っているのに、さらにそこに優勝レイを渡すとかもう意味分かんねぇ……。

 

 

「説明は済んだだろう?さっさと飲むがいい!」

 

「待ってくれ、副作用があるんだろう?俺は飲まないぞ?」

 

「なら会長にでも飲ますかい?どうせ返り討ちにされるのが関の山さ、なら最初から君に飲ませた方が手間も減って楽じゃないか?」

 

「分かんないじゃん?」

 

「分からないかもしれないが分かりきったことだ、君には悪いが、君がこのカプセルを飲むまでこの研究室を出ることは出来ないだろうね、なんせここは学園の中だ、逃げ場など無いに等しい、それでも君はこの研究室から出るか?」

 

 

確かにタキオンの言葉の通りだ、逃げるにしてもここしか道がない、タキオンはこの薬を渡した後、すぐに扉の前に移動しているから、俺が部屋から出た瞬間、捕まえられて実験台になるだけだ、だがこの薬が安全であるとは限らない、タキオンの薬だから危険が無いとは思うが……(はぁ〜仕方ないか、覚悟を決めよう。)

 

 

「分かった。その薬は頂こう、それでこの薬を飲んで運が良くなれば俺もタキオンの役に立つ事が出来るし一石二鳥だからな、それにタキオンにも得しかないだろう?」

 

 

俺は少し皮肉気味になってしまったが一応納得したと言う意味で受け取って貰えたようだ。

 

 

「ふむ、やはり君を選んだのは正解だったようだ。だが安心してくれ給え。君の期待を裏切るつもりなど無い。私もこの薬の効果について知りたくてしょうがないのさ」

 

 

こうして俺はこの薬を飲むことを決意した。

 

 

(なんで俺なんだ?他に良い奴なんていっぱいいるだろ。俺よりも才能のある奴なんて探せば腐るほど居るだろうに、なのにどうしてこんなマッドサイエンティストが俺を選ぶのか、本当に分からん)

 

 

俺はタキオンから受け取った薬の飲み込み水を用意する。正直薬はクソ不味いだろうなと思いながらも口に放り込んだがカプセルだったので特に味はなかった。カプセルを歯で割りたくは無いのでさっさと飲み込む。

 

 

「うーん、特に変わったところはないが……」

 

「なあに、実際に運試しをしてみれば分かるさ、試しにこのサイコロを振ってみたまえ」

 

 

と手渡されたのはどこにでもある普通の6面ダイス2つ、これで何をしろと言うのだろうか。

俺がそう思ってるとタキオンに急かされてしまったので適当に振る事にした、そして結果は(6,6)だった。

ゾロ目を出す確率は17%だとしても6のみに限っては3%をも切る。

つまりは偶然でも出ないくらいだ、しかし出た以上、この結果から何かしらの結果が出ているはずだ。

 

 

(まさか本当に効果が有って運が良くなってるのか?)

 

「流石だトレーナー君、景品として試作品をもう少し渡しておこう、君が飲んだのと同じやつだ」

 

「これはどういう原理で……」

 

「原理かい?強いて言うなら理想パラレルワールドを選べるような物さ」

 

「大規模過ぎないか?」

 

「世界を丸ごと変えるとしたら話は別だ、しかし、選んだのはあくまでダイスの目のみだ、もう少し研究をすれば更に様々なことが出来るだろう」

 

 

もう俺が理解出来ない領域に入って来たので考える事を止めた(これ以上考えてたら発狂すると思った)

それにしても運がいいとは…と思いふと閃いたことを言う。

 

 

「ラッキースケベは入りますか?」

 

「あくまで君が私に手を出したとして、私の思考を改竄する程の幸運は期待しない方がいい、無駄に運が使い果たされて蹴られて不幸になるのがオチだ、要求以上に到達しない運はロスしてしまうので注意が必要だ」

 

 

それならまあいいか……、でも確かにラッキーがあれば嬉しいよな。タキオンみたいな美少女と一緒にお風呂とか入ったりするんだぜ?最高じゃん!それに何気に俺のラッキーが結構高くなった気がするし。よし今度からラッキーを探すようにしよう。

 

 

「そう言えば見返りは求めないの?正直言ってこの薬かなりの物だよ?」

 

「そうだなぁ、その効果を会長に試すってのはどうだい?私もドア裏から観察させてもらうよ」

 

「願ってもない事だ、さっさと行くぞ!」

 

 

俺はそう言った後にさっさと生徒会室に向かう。

 

 

「頭の中でー、今夢が、崩れだしたー、なんとかなーれー♪」ガチャ

 

「やあ、トレーナー君、遅かったね」

 

 

そこにはいつも通りルドルフがいた。

 

 

「なあ、賭けをしないか?トランプ持ってきたぜ!」

 

「ほう、珍しいな、君がトランプよりも賭けを前に持ってくるとはな。君はそこまでギャンブラー気質ではないと思っていたのだが……」

 

 

しまった、確実に勝てると思っていたのが裏目に出てしまった、確かに俺は別にギャンブルが好きと言う訳ではない。

 

 

「それで、内容はどういったものなのかな?」

 

「ポーカーでどうだ?チップなんて意味が無い、結局オールインするだけだからな」

 

「ふむ、大した自身だな」

 

 

俺が提案するのは日本で主流なドローポーカーだ、他にも種類はあるが気にしない。

 

 

「それで、トレーナー君は何を賭けるんだい?」

 

「いや、ルドルフが決めていいよ、俺はなんでもいいよ、ただしそれと同じ条件をルドルフも背負うからな?」

 

「ふむ、なら私は……君自身を貰おう」

 

「俺自身……?なんだそりゃ……そもそも俺はルドルフのトレーナーだろうが、これ以上何をしろと?」

 

「いや、そのままの意味さ、もし私に勝ったのならば私の言うことを一つ聞いて貰えるという事で、私が負ければ私のお願いを一つ聞けばいい」

 

「よし、賭け成立だな!」

 

 

俺が負ける事なんてありえない、絶対にな、今の俺の運は最強だ。

カードをシャッフルし、配る、まさかとは思いつつも自分の手札を見てみると……

 

 

「なんだ、揃ってるじゃん!じゃあ俺の勝ちってことで!」

 

「なにっ!?」

 

「ロイヤルストレートフラッシュだ、お疲れさん!」

 

 

俺がカードを見せ付ける、そこにあるのは最強の手札だ。

 

 

「くっ!もう一度だ、今度は私が混ぜる!」

 

 

それから2戦程して結果は俺が全勝だった、内容は全てロイヤルストレートフラッシュだった……うん?

 

 

「「おかしいだろ(う)!?」」

 

 

確率論は何処へ……600000分の1を3回も出したらそれはもう天文学的確率なんよ……

 

 

「君は一体どんなイカサマを使ったんだい!?」

 

「まあ、そうなるよね……」

 

「それは私が説明しよう」

 

 

といいながら扉でスタンバイしていたアグネスタキオンが入って来る。

 

 

「君は……アグネスタキオン?彼女がなにか関係しているのかい?」

 

 

流石にタネは天下の会長さんでも分からないよな……

タキオンがルドルフに全て説明しても、ルドルフは怒るわけではなかった。

この時は気づかなかった、既に俺の運は尽きていたことに……

 

 

「ふむ、事情はわかった。しかし、とんでもない代物だな……」

 

「そう言えば言い忘れていたんだがそこのトレーナー君が運を盾に私を襲おうと計画してきてね」

 

「ほう……」

 

「あっ、いや、その、違うんです……」

 

 

どんどん鋭くなっていくルドルフの目、その隣でくつくつ笑うタキオン、取り乱す俺。謀ったなタキオン!

 

 

「ほう、弁解があるなら聞こう」

 

「言ったけど言ってないんです、俺はただ『ラッキースケベは入りますか』とだけ……」

 

「邪なのには変わりはないな、遺言はそれだけか?」ガシッ

 

「やめろー!死にたくない!死にたくない!死にたくなああぁぁぁい!!」

 

 

 

今回の敗因:ウマ娘は浮気に厳しい

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