シンボリルドルフと壊れたトレーナー   作:宮秋

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ルドルフに弄ばれる

ゴールデンウィークの最終日、明日からは本格的なトレーニングが始まって、ルドルフの増えてしまった体重も何とかなるだろうと思っている今日この頃。トレーナーは今日は生徒会室に行かず、ただひたすらゴロゴロしていた。

アニメ視聴、放置ゲー、アクションゲーム、その全てをスマホ1つでこなせるようになったことにはスマホ性能の向上に他ならない。

 

 

(ふぅ……今日はこの辺にしておくか)

 

「んっ」

 

 

と伸びをして、凝り固まった体をほぐす。時刻は既に午後6時を過ぎており、今日は食事を一切食べていないことに気づいた。しかし、今から食べる気にもならず、また作るのが面倒くさい。そこで俺はカップラーメンを食べようと思い立った。

 

 

(確かこの辺にあったはず……お、あった!)

 

「ほう、トレーナー君の休日はさぞ不健康なことだろう、生活習慣病になっても知らないぞ?」

 

「ん?」

 

 

キッチン下の収納スペースを漁っていると、いつの間にか後ろに立っていたルドルフに声をかけられた。

一応ルドルフに合鍵を預けているので何も問題は無いのだが、いきなり足音を立てずに後ろに立つのはやめてもらいたい、心臓に悪い。

 

 

「君、料理できるんじゃなかったのか?インスタント食品ばかりだと体に悪いぞ」

 

「あーうん、まぁそうだね……」

 

 

確かに言われてみればそうかもしれないけど……。でも仕方ないじゃん、面倒くさいし。それに俺、別に毎日自炊してるわけじゃないし、だいたい食堂だし。

 

 

「では私が作ろう。何が良いんだい?」

 

「じゃあ何でもいいです」

 

「それが一番困るんだよ」

 

「じゃあどうでもいいです」

 

「それなら聞く必要は無かったじゃないか!」

 

 

ルドルフはそう言って少し頬を膨らませる。かわいい。

そんなこんなで結局、彼女がご飯を作ってくれることになった。ルドルフの手料理は何度かご馳走になったことがあり、味はかなりの物だったので期待はできる。

 

 

「うむ、出来たよ」

 

 

それから約15分後、彼女は完成した夕食を持ってリビングへやって来た。テーブルに置かれたそれを見て、俺は思わず声を上げる。

 

 

「おお!美味そう!!」

 

「ふふ、口に合うといいのだが」

 

 

彼女の作った料理は肉野菜炒めだった。見た目も匂いもとても食欲を刺激するもので、これなら文句無しだ。早速箸を手に取り、まずは一口食べる。

 

 

「ど、どうかな?」

 

 

不安そうな表情を浮かべながら聞いてくるルドルフ。

 

 

「うん!めちゃくちゃ美味しい!!これは本当に美味い!!!マジ最高だよ!ありがとね、ルドルフさんやい」

 

 

すると、先程までの曇った表情はどこかへと吹き飛び、まるで子供のように顔をパァッと明るくする彼女を見て思わずニヤけてしまう俺であった。

 

 

 

「ふう、ご馳走様!片付けは俺がやるよ」

 

「それくらいなら私だけでも十分だが?」

 

「ルドルフに任せてばかりだと良くないからな」

 

「そ、そうか……」

 

 

彼女は俺の気遣いを感じ取ったのか、嬉しそうに目を細める。こうして2人で一緒に何かをするというのはやはり良いものだ。誰かが居ないとできない楽しさというものがあるからな。それにこうやって洗い物をしたり、ゴミをまとめたりする時間というのもなかなか楽しいものである。一人暮らしだとこういうことも疎かにしがちになる。だから誰かと一緒に暮らすということは大切であるということを改めて思い知った気がした。

 

 

 

『お風呂が湧きました』

 

「お風呂が沸いたようだ、トレーナー君が先に入っていてくれ。私は一旦帰るとするよ」

 

「んお?そうだな……」

 

 

食事の片付けが終わり、歯磨きを終わらせた頃に、ルドルフはそう切り出した。時計を見ると針は7時を回っていた。

もうこんな時間に……ん?

 

 

「一旦!?先に!?」

 

 

は?一旦とはどういうことですか??えっ……?まさかまた来るつもりですか!?

 

 

「寝巻きとタオルを取ってこようと思ってね、なに、今日はトレーナー君の部屋に泊まるつもりだ!」

 

「あのさあ、トレーナーと担当が一緒に寝るのっておかしいと思わない?」

 

「何を言うか、今更恥ずかしいなどと言っている場合ではあるまいに」

 

「まあ確かに」

 

 

ルドルフは今日も俺のベッドに入ってくるのだろうか……。いやしかしよく考えてみろ、この前はただ添い寝してるだけだ。でも今回は違うんだ。同じ布団で寝ることになるわけで……あかんやつやん。

しかし、俺は今年で22にもなるいい大人。高校生に手を出すようなことをするべきではない。ここはしっかりと断ろう。

俺は玄関に行き、寮に戻ろうと靴を履いているルドルフに話しかける

 

 

「ルドルフさんや」

 

「何だい?」

 

「その……やっぱり男女が同じ部屋で眠るのはよくないことだと思うんですけど」

 

 

俺は敬語で話し始める

 

 

「何を今さら言っているんだ君は」

 

「えっ?」

 

「私達は一心同体だ。お互い信頼し合っている。だからこそこの前も共に眠ったのではないのか?君も同じ気持ちだろう?」

 

 

彼女は顔だけこちらに向けると真剣な表情で言った。俺は言葉に詰まってしまう。確かにその通りなのだが……。確かに一心同体、俺達の仲に壁は無いに等しい。

 

 

「はあ、分かったよ……」

 

 

俺の負けだった。結局押し切られて許可を出してしまった。でも大丈夫、流石に一線を越えたりしないはずだ。そう思っていられる時期が一番危ないのだけれど……。

 

 

 

俺は諦めて先に風呂に入っておくことにした。

やはり1度泊めてしまうとそれを機に2度目3度目と続いてしまうのは如何なものか……などと思いながら、スマホでアニメを観ていると脱衣場の方から衣擦れの音が聞こえてくる。

 

 

「……はあっ!?」

 

バン!

 

 

そして風呂場の扉が勢いよく開けられる。そこにはバスタオル姿のルドルフが立っていた。

 

 

「はぁ……はぁ……失礼するよトレーナー君」

 

「いや…失礼どころじゃないでしょ!?」

 

 

多少息切れをしているところを見るに、多分走って寮に取りに行っていたのだろう、若干ルドルフからも湯気がたっているのが見える。

 

 

「いや、必死すぎない?」

 

 

そんなルドルフに対して俺は呆れたようにツッコミを入れた。すると彼女はムッとした様子を見せる

 

 

「しょうがないじゃないか……楽しみなんだ……」

 

 

頬を染め、少し俯きながら言う彼女の姿を見て俺は一瞬ドキッとしてしまった。俺って案外ちょろいのかな?いやこれは相手が美少女過ぎるからだ。仕方が無い事である。俺は自分に言い聞かせた。

 

 

「入ってくるならせめて俺の分のタオルもください……」

 

 

そう言って俺はルドルフからタオルを受け取り腰に巻く。

 

 

「さあ、そこに座ってくれ。私が背中を流してあげよう」

 

 

……え?マジすか……本当に?ちょっと緊張してきたな……。俺が洗面台の前に座り背を向けると彼女は後ろに立ちボディーソープを手に取る。

 

 

ゴシゴシ……

 

「どうだ、トレーナー君?」

 

「ちょっと強くないかい?」

 

「だがこれくらいはしないと汚れは落ちないぞ」

 

「それもそうですね……」

 

 

2人は会話を交わしながらも作業を進めていく。そして、遂にその時が来た。彼女が手にしたシャンプーが泡立てられる

 

 

「では行くよ、覚悟したまえ」

 

 

シャカシャカシャカシャカ…… 頭の上で優しく指先が踊る。まるで髪を撫でられているかのような感覚がする。そしてそれは徐々に頭皮へ伝わっていき心地良いマッサージのような刺激に変わっていく。

 

あーそこそこ……そこ最高……ああ〜、もっとお願いします。俺はうっとりした声をあげる。それに気をよくしたのか彼女の手の動きはさらに激しくなっていく。

 

シュワァァァ……

 

 

「ほら、トレーナー君……終わったぞ。次は君の番だ」

 

「あ……はい、ありがとうございます……。」

 

 

俺は素直に椅子を回転させルドルフへと体を向けお礼を言う。すると目の前に彼女の姿が現れた。先程まで頭に纏っていた布はなく、美しい肢体が露わになっている。

俺は無意識にルドルフに見入ってしまった。綺麗だった。白く滑らかな肩、細いウエスト、女性らしさを強調するかのように張り出していく胸、細く締まり、キュっと上がったヒップ……それらがバランス良く並んでいる。芸術的と言ってもいいだろう。

 

 

「お気に召してくれたようだね」

 

 

そう言って悪戯っぽく微笑む彼女は普段よりさらに魅力的に見えた。俺はつい目をそらしてしまう。

それからというもの、俺たちは何も言葉を交わさずお互いの身体を洗い合った。

 

 

シャァァァ……

 

「それじゃあ湯船に浸かろうか」

 

「じゃあ俺は上がるんで」

 

「こら、逃げるんじゃない」

 

 

俺が立ち上がろうとするも、ルドルフが腕を掴んで離さないため逃げられずそのまま一緒に湯船に入ることになってしまう。

 

 

ちゃぷん……

 

「…………。」

 

しばらくお互い何も言わず狭い湯船に2人肩まで浸かる俺達であったが、正直狭く感じる……。彼女は俺の横にピッタリ寄り添いながらも体育座りをしていた。彼女は俺の顔を見上げる。当然俺の目線の先は豊満な胸にいってしまいそうになるがなんとか視線を上げることで防いだ。

 

 

「トレーナー君、私の身体に見惚れてるのか?」

 

「……ノーコメント」

 

 

バレてたらしい……。まあその通りであるし否定する必要もないと思った。ルドルフはそれを肯定として受け取ったらしく、

 

 

「そうか……」

 

 

というと急に体勢を変え、俺にマウントを取ってきた。俺はいきなりのことに対応しきれず背中が壁に付いてしまった。そのまま覆い被さるようにして彼女は両手を抑えつける。そして至近距離で目が合った……。俺には抵抗する意思はなかった。ルドルフの美しい顔を間近で見ることが出来たからである。こんな機会はそうそう無いし、堪能しなくてどうするというのだ。

 

 

「トレーナー君、キスしてもいいかい?」

 

 

俺はルドルフの言葉に対し無言でコクっと小さく首を振ることしか出来なかった。ルドルフはそのまま顔を近づけ、ゆっくりと唇を重ね合わせてきた。俺はされるがままになっていた。ルドルフはそのまま舌をねじ込み絡めてきて、唾液を流し込んできた。俺はそれを飲み込む。しかし俺は呼吸が出来ず、苦しくなり思わず口を離してしまう。その際にルドルフとの間に銀色の橋がかかった。彼女はとても楽しそうな笑顔を見せていた

 

 

「トレーナー君の反応、初々しくていいな、さあ続きを……」

 

 

再び唇を重ねる彼女。先程とはまた違った深い口づけを交わし、お互いが蕩け合うのを感じると今度はルドルフの方から口を離す。お互いに見つめ合い、どちらともなくもう一度とばかりに顔が近づく。ルドルフは俺が拒否しないとわかると、先程の倍ほどの時間をかけ、濃厚なディープキッスをする。互いの歯をなぞったり、舌に吸い付いたりと様々な刺激に俺は翻弄されていた。

長いようで短いような時間が過ぎていく。ようやく彼女が離れた。名残惜しかったのか、2人とも軽く咳込んだ後、息を整えてからルドルフは呟いた。

 

 

「私はこれから寝巻きに着替えるから君もお風呂から出たら着替えて寝室へ来るんだ。いいね」

 

 

彼女は立ち上がると、脱衣場の方へと戻っていった。俺も体を洗い流そうと立ち上がりシャワーを浴びた。

 

 

 

体を拭き、寝巻きに着替え、寝室に向かうと、入り口付近でルドルフが仁王立ちしていた。部屋に入ると俺の手を引きベッドに寝かせてくる。そして俺の上に跨り、両手を押さえつけた上でルドルフが告げた。

 

 

「ひとつゲームをしよう」

 

「えっ……」

 

 

この状況でできる遊びって一体……

 

 

「この状況から逃げてみろ、出来なければそのまま抱くだけだ」

 

「はっ……えっ!?」

 

 

そんな……まさかこの状態で……?えぇ……無理ゲーでは……?いや、でもウマ娘に人間の筋力は通用しないわけだし、本気で抵抗すればあるいは……。俺は思考を巡らせ始める。

 

 

「おっ、やっと乗り気になったようだな」

 

 

彼女はそう言うが、正直乗り気ではない。無様にもがいてもルドルフの嗜虐心をただただ満たすだけだった。だが俺は諦めなかった。必死にもがき続け、そして遂に……俺は彼女を振りほどいて起き上がった。だが、彼女の力に勝てるはずがなく結局元の体勢に戻されてしまった。

 

 

「ほう、まだ動けるのか……。だがいつまで持つかな?」

 

 

ルドルフは再び俺に跨ると両手を掴み抑えつけて耳元で囁いた。吐息がくすぐったい。ルドルフが体を密着させてきているためか胸が当たる。柔らかく温かい。そしてシャンプーなのか甘い匂いが漂ってくる ううう、まずい……非常にマズイ状況になってしまったぞこれは。俺は抵抗を試みるもののビクともせずなす術がなかった。ルドルフがニヤリとした笑みを浮かべながら言った。

 

 

「もう終わりか、つまらん奴だ。ではこれならどうする?」

 

 

と言うと途端にルドルフが俺の脇の下にグリグリと顔を埋めてきた。

 

 

「あはっ!!あははははは!やめろって!」

 

 

俺はあまりの擽ったさに耐えきれず笑ってしまっていた。ルドルフはなかなか満足せずひたすら擽られた。俺はゼーハーと呼吸を荒げながら涙目になりつつ、体力を奪われ、完全に無抵抗になってしまうまで弄ばれ続けることになった。ルドルフも途中からは楽しくなって来たようで、「もっと耐えてくれ」「我慢してくれ」「頼むよ」などと煽るような言葉を浴びせてきていた。

数分経っただろうか、俺は完全にまな板の上の鯉となっていた。彼女は俺の拘束を解き、馬乗りになってこちらを眺めている。

 

 

「私の勝ち、という事で……。良いんだよな?」

 

 

と聞いてくるが俺にはもはや答える余裕はなく、ぜいぜいと肩を上下させていた。彼女はそれを見て楽しそうに笑い、頬にキスをした。そして再び唇を重ねようとしてきたが俺は咄嵯に顔を逸らして避けてしまう。

 

 

「ふふ……今はそれでいい、そのうち従順になるだろうさ」グイッ

 

「わっ!?」

 

 

するとルドルフは俺を抱き枕にしながら、布団を被って寝た。あっ……抱くってそういう……俺は心の中で盛大にため息をつくのであった。

 

 

ボロボロになった自尊心と体力により、夢の中に落ちるのはそう遅くはなかった。

 

 

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