シンボリルドルフと壊れたトレーナー   作:宮秋

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ルドルフの寝不足を解消する

放課後の生徒会室でまた暇そうなルドルフ、今回は様子がちょっと違う

 

 

「カーモンベイベールドルフ、トレセンの夜は昼間♪」ガチャ…

 

「やぁ…トレーナー君…」

 

 

今回のルドルフは寝不足気味、いつもの覇気がない

 

 

「せっかくだから毛布持ってきたよ、俺の取っておきのやつ」

 

「ありがとう……」

 

「珍しいな、ルドルフが寝不足だなんて…どったの?」

 

「いや……なんでもないさ」

 

「じゃあなんでそんなに眠そうなんだ?」

 

「うぅん……少しな」

 

「そっか、まぁ無理しない程度に頑張ろうか、というわけで寝ろ、暇でしょ?」

 

「ふふっ、わかったよ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」

 

「膝枕ぐらいしてやるよ」

 

「頼む」

 

 

そう言うとルドルフはソファに座って俺の膝に頭を乗せ毛布を被った。

俺はルドルフの頭を撫でながら読書をする。

しばらくするとルドルフがモゾモゾ動き出した。

 

 

「どうした?トイレか?」

 

「うん……」

 

「よしよし、行ってこい」

 

「あの……」

 

「どったの?」

 

「その……なんだ……1人だと寂しくてね」

 

「じゃあ一緒に行くか」

 

「うん!」

 

 

二人で手を繋いでトイレに向かう、そして用事を済ませて生徒会室に戻ると、またルドルフは俺の隣に来ていた。

 

 

「俺も寝るか」

 

「別に構わないがスペースがないぞ、毛布無しのもうひとつのソファーで寝るのか?」

 

「任せろ」ガタン

 

 

俺はソファーのリクライニングを倒し、シングルサイズのベッドにする

 

 

「このソファーにそんな機能が…」

 

「ほれ、おいで」

 

「ありがとう」

 

 

今度は腕の中にルドルフを収め、抱き締める形になる。

 

 

「温かいな……」

 

「だろ?」

 

「うん……」

 

「まだ時間あるからもうちょい寝るか?」

 

「そうだな……少しだけ休んでもいいだろうか……」

 

「いいぞ、ゆっくり休みなさい」

 

「ありがとう……おやすみ……」

 

「おやすみな」

 

 

数分後、規則正しい寝息を立て始めたルドルフを起こさないように俺は読書の続きをする。

それからしばらくして、俺の腕の中でルドルフが起き上がった。

 

 

「おはよう」

 

「ああ、おはよう」

 

「今何時だい?」

 

「5時半だよ」

 

「結構寝てしまったようだな……」

 

「もう少し寝とくか?」

 

「いや、大丈夫だ、ありがとう」

 

「あー……単刀直入に聞くんだけどさ、なんかあった?」

 

「…………」

 

「言いたくないなら言わなくても良いけどさ」

 

「実は最近夢を見るんだ……」

 

「どんな夢?」

 

「私達ウマ娘がレースで負け続ける夢だ」

 

「負け続けてどうなるんだ?」

 

「そのまま私は学園を去り、君とも離れてしまう」

 

「そっか……」

 

「そこで目が覚める、起きた時に涙が出ていることもよくある、こんな事初めてで正直どうしていいかわからなくてね」

 

「不安なんだな」

 

「あぁ、本当に怖いんだ……自分が壊れてしまいそうで……」ギュッ

 

「ごめんな、もっと早く気がついてあげられれば良かったのに……」ナデナデ

 

「トレーナー君のせいじゃないさ」ギュッ

 

(こいつこんなにも弱い部分隠してたんだ)

 

「もし悪夢見る頻度が高くなったり、内容に変化があったりしたら教えてくれ」

 

「それは構わないのだが……」ギュッ

 

「どうしたの?」

 

「今はこのままで居て欲しいかな……」チラッ…

 

 

うっわめっちゃかわいいじゃん!いつもの皇帝は何処へ!? しかし俺は我慢して頭をポンポンする。

 

 

「よしよーし、お前も大変だな〜よしよし〜」

 

 

すると耳がピクっと反応していた。

 

 

「もしかしてこれ好きなの?撫でられ慣れていないのかしら」ニヤニヤ

 

「そ、そういうわけではないぞ……//」

 

「ほれほ~れ、よしよーし♪」

 

 

モフ……ナデナテ……モフリ……フワッ……モフン……スゥー

 

 

「ん……ふふふ……これは……なかなか……くふふ……♡」

 

(あれ……なんか楽しくなってきた……ヤバいかも?)

 

 

そう思いつつも、俺は手を止めずルドルフを愛で続けた。

 

 

「なあトレーナー君」

 

「なんだい?」

 

「せめて今晩は一緒に寝てくれないかと思うのは私のわがままだろうか…」

 

「まあ我儘だろうね、でもまあ可能なら乗らないわけでもない」

 

「可能だ、外泊届の出先は誤魔化すことになるが」

 

「でも俺の寮部屋はベッド一台しか用意していないのだが、来客なんて想定してないし」

 

「そんなの答えは簡単だ、一緒に寝ればいい」

 

「同衾ってやつだぞ?正気か?掛かってると言っても過言じゃないぞ?」

 

「私が君と一緒に寝たいと言ってるだけだぞ?それともトレーナー君は嫌なのか?」ウルウル

 

 

あっ泣き落とししてきた!反則技!卑怯者!!

 

 

「わかったわかった、今日だけだからな!」ハァ……

 

「やった!では今晩よろしく頼む!」ニコニコ

 

「ああ…」

 

「これで寝不足になった甲斐もあるというものだな!」

 

「え?なんの話だ?」

 

「だってそうだろう、こうして二人で夜を共に出来る機会を得られたのだからね!」ウキウキ

 

 

そういえばルドルフは意外と寂しがり屋だったことを忘れていた、それに甘えさせてあげたいしね。

 

 

というわけで今俺の部屋にはルドルフがいる、一緒にご飯を食べ、風呂に入り、寝間着を着て、そして俺とルドルフは同じ布団に入っている。

電気を消しているため真っ暗である。

 

 

「ねぇ……トレーナーくん……」

 

「どしたの?」

 

「その……ちょっとお願いがあって……」

 

「言ってみろ、なんでも聞いてやるぞ」

 

「じゃあさ……」

 

 

ルドルフの声音が少し変わったことに気がつき俺は息を飲む。ルドルフはそのまま俺を抱きしめ、上から覆い被されている状態になる。

暗闇のせいで顔は確認出来ないがかろうじて輪郭が見えるくらい。

 

 

「ルドルフ、お前今どんな顔しているんだ?」

 

「それは内緒だよ、恥ずかしいからね」

 

「じゃあそのままでもいいよ」

 

「ありがとう」

 

 

……沈黙が訪れる ルドルフは俺を抱き締めたまま何も言わない。俺の方からも話すことはなく、そのまま無言が続く。俺は何を思ってか分からないが、ただ彼女の頭をゆっくりと撫で続けていた。そうしてしばらく時間が経ったあと彼女は語り始めた。

 

 

「トレーナー君にこうやって甘えることが出来て嬉しい」

 

 

俺は撫でながら話を聞いていた

 

 

「いつも君の事を頼りにしているからさ、本当は君に頼ってばかりだと申し訳なく思っている」

 

「そんなこと気にしなくていいぞ、いつもはルドルフの事を揶揄ったりもするが、今回ばかりは看病だと思って誠心誠意君に尽くすよ」

 

「ならば恋の病だと言えば君は私に一生尽くしてくれるという事かい?」

 

「ヒモにしてくれるのなら考えないでもない」

 

「フフッ、やはりトレーナー君の考えている事は良くわからないな」クスクス

 

(でもこんな時なのに冗談を言い合えるのが楽しいんだ、私はこの時間がずっと続けばいいと思っている、願わくば死ぬまで彼と共に居たいとすら思う、それはいけない感情だとわかっていても)

 

「トレーナー君の身体……温かいな……落ち着くよ……」

 

(さっきまで不安だったのが嘘のようだ、本当に不思議な人だ……君に出会えて良かった……)

 

 

そうしてルドルフが眠りに落ちていく。

俺も目を瞑り微睡の中に沈んでいった。

ちなみに布団の中は暑かったので足だけ出して寝た

 

今回の敗因︰添い寝を許してしまった為

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