シンボリルドルフと壊れたトレーナー   作:宮秋

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ルドルフとカルメ焼き

生徒会室なのに仕事をしていない?ノンノン!仕事をしていないのではなく仕事がないのです!ホワイト風生徒会長は正直今のところルドルフ以外には務まらない

 

 

「さあ燃え尽きーろ、何処までーも、君をクレイジーにさせたーい♪」ガチャ

 

「トレーナー君、なぜガスバーナーを持ってきたのか理解に苦しむよ、普通はルールが無くとも火気厳禁だとは思わないのかい?あとかっこいい歌を物騒にするんじゃない…」

 

と言いルドルフが頭を抱える。だが俺はそれを意に介さず、今回調理する材料と道具を机の上に広げてある言葉を告げる。

 

「カルメ焼きを作ろうと思ったんだけど…」

 

「食べる!」

 

「理解に苦しむとは一体…」

 

 

……そうくると思ってた。ルドルフってこういう時だけ食いしん坊になるよね……

 

 

「でも今来て気づいたんだけど、生徒会室にガス管なんて通ってたっけ…」

 

「ガス管ならそこに在るだろう?」

 

「よくエアコン使ってるのにね」

 

「旧舎の名残らしい、でも最新式のエアコンの方が電力効率も良くてだな」

 

「あ、でもこの距離じゃあ机まで届かないや…」

 

「元はと言えばガスストーブ用だからな、だからと言って床でやる訳には…」

 

「まあガス無しでもいっか!」

 

「??トレーナー君の言ってる意味がわからないのだが…」

 

「このガスバーナーには特殊能力があってね、これにちょっと特殊な機械を付けて…」パチン

 

カチッ、ボオオ…

 

「点けるとほら、この通り」

 

「!?」

 

「まあ簡単なことさ、これは通称『ウマ娘の炎』と言ってな」

 

「えっ…」

 

「ウマ娘の謎の動力源でもあるウマ娘の細胞の中にある『ウマムスコンドリア』を利用していてだな」

 

「ウマムスコンド……」

 

「その熱エネルギーを利用し、炎を生み出すことができる、ただこの原理を利用しても出力的に火力調整が利かず、また制御しきれないため扱いが非常に難しく危険であるため現在では禁止となっている代物だ」

 

 

その言葉を聞き徐々にルドルフの耳はぺったんこになっていく…

 

 

「まあ扱いとしては、培養液を交換するなど、廃液を特殊な業者に処理してもらうことだけだけどな」

 

「培養…えっ…」

 

「まあ要するに生きてるってこった」

 

「捨ててこい…」

 

「えっ?」

 

「捨ててくるんだ!今すぐ!」

 

「待ってくれ、これはアグネスタキオンからの借り物で…」

 

「そんな物は断じて認めない!今すぐ処分しろ!」

 

「はいはい、基礎部分を抜けばいいかい?せめてガスバーナーとしては返させて欲しい」キュポッ…

 

「ああ、それでいい」

 

「基礎部分やるよ、アグネスタキオンに処理させるのもアレだろ?」

 

「解った、機密に処分しておく」

 

 

あまりの非道さに激怒したルドルフだったがその顔はすっかり青ざめており少し泣き顔になっていた。

 

 

「ちょっと驚かしすぎたか、実はそれただの液化天然ガスだったんだけど……」

 

「……」

 

 

ルドルフは少し硬直し、真っ青だった顔が徐々に真顔になっていく。ガスバーナーと液化ガスが入った容器を交互に見比べている様子はとても可愛い。だがすぐに我に帰ったらしくこちらを見てくる、今度は怒りから来る顔の赤みだろうか?しかしまだ若干青いままだ、かわいい

 

 

「……君と言う奴は……」

 

 

……あれぇ〜?なんだろうなぁ、これぇ……怒っているというより照れているような感じにも見えるな……。なんか俺も恥ずかしくなってきたわ。でもルドルフさんもそういう反応されるの嫌でしょうよ。もうこの話辞め

 

 

グシャッ!

 

 

ルドルフの笑顔と共に液化天然ガスが入った容器が一瞬でつぶされた。

 

 

「次やったら、今度はトレーナーくんの番だぞ♡」

 

「ごめんなさい恥ずかしいなんて嘘です、まだ死にたくないですごめんなさい」

 

 

ていうか液化天然ガスをそれ以上圧縮するとか正気かよ、もう実質狂気で凶器だよ。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「まあ気を取り直していきたいところだが…」

 

「ガスバーナーが使えないとなるとなると家庭科室に行くくらいしか」

 

「まあ別にカセットコンロがあるけどなな」カタン

 

「最初から出したまえ!」

 

「いやあ〜それほどでも〜!」

 

「じゃあ何のためにガスバーナーを持って来たんだ…」

 

「いやあ、なんか素手でガスバーナー持ってるとインパクトもあって万が一見つかっても言い訳できるじゃん?」

 

「それは……どうだろう……」

 

 

……実際危ない人だからね俺

 

 

「でもやっぱり生徒会室でやるべきじゃないと思うのだが…」

 

「じゃあべっこう飴でも作るか!」

 

「重曹が有るか無いかの差にしかなっていないぞトレーナー君…」

 

「別にカセットコンロくらい使ったって良いじゃないか!飲食はOKで製作が駄目なわけないだろう!カップラーメン作るみたいなもんだぞ!ルドルフは今まで食べたカップラーメンの数を覚えているのかってこった!」

 

「一理あるが火を扱うからには責任というものがついてまわるぞ?」

 

「もちろんだ、ルドルフを日本一のウマ娘にすることだろ?」

 

「そうなんだけどそうじゃない!あともう既になってる!」

 

 

そんなやり取りをしながら生徒会室で俺は調理を始めた、だがその調理中、ずっと視線を感じる気がしていた、まあ当然だろう、こんな生徒会室でお菓子を作る生徒会長が居ればそりゃ誰だって見る、そしてそれがあのシンボリルドルフであれば尚更であるだろう、まあ、見られても困ることは何もないが。むしろ何かしら理由をつけていただける分には助かる、変な勘繰りをされないという意味ではね。

そしていよいよ出来上がったべっこう飴を見てルドルフの表情が明るくなる、やはり女の子、こういうのには目がないようだ、そしてルドルフ作ったべっこう飴を試食する。ちなみに俺はカルメ焼きを作ろうとしたが結局失敗してべっこう飴になった。

 

 

「味はまあまあ美味しいじゃないか、さすが私だ」

 

「お?じゃあもう一個やるよ!」

 

「おや、いいのかいトレーナー君?」

 

「俺は作るって言っただけだからな、正直俺は飴より砂糖単品の方が好きだ」

 

「ふむ、それではトレーナー君の誕生日プレゼントは大量の上白糖を用意しよう」

 

「はい」

 

「はいじゃないが…」

 

 

ルドルフのツッコミもそこそこに次はどんな悪戯をしかけようと画策していると扉の方から足音が聞こえる。

 

 

コンコン…

 

 

ルドルフの目が鋭くなる、だがすぐにその顔はいつも通りの凛々しい顔つきに戻る。おそらく生徒会に用事があったウマ娘の誰かであろう、

 

 

「大変です!タキオンさんの研究室に泥棒が入ったみたいなんです!」

 

「何!?それは大変だな…」

 

「本人によるとドアはピッキングされており、機材をチェックしたところガスバーナーが無くなっていたと…」

 

「ん?」

 

「それでですね、もしよかったらルドルフ会長の方で調査とかお願いできないかなーなんて……」

 

「ああ…勿論協力しよう」

 

「いやぁ〜!ありがたいです!では私はタキオンさんを連れて来ますんで、また後日よろしくお願いします〜」……バタバタバタッ!

 

「「……」」

 

 

少し気まずくなった俺達はしばらく無言の時間が流れるのであった……。

 

 

 

今回の敗因︰犯人は俺

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