空腹をどう満たしたもんか、と俺は己のお腹を撫でながら学園をぶらついていた。
どうするも何もカフェテリアに行けばええやんけ、と思われる方もいるかもしれないが、しかし今日は完全フリーの珍しい一日である。
カフェテリアは俺にとってはもう、本当に、何度も、何度も食べた食事だ。
飽きた、とまではいわないが、どの料理がどんな味で出てくるのかはもうわかっている。
ごく時々、生徒の声とかで新メニューが出た時には必ず食べるようにしているが、今はそういったフェアも行われていないため、なんともという気持ちがあった。
また、今日は何度も言うように暇な日である。
つまり、飯にどれだけ時間をかけても何を言われることもない。やったぜ。
そこで俺が考えたのは外食と言う選択肢だ。
学園を出て、近くの店に行ってそこで飯を食べようと考えていた。
このトレセン学園は公立の学校だが、ウマ娘専門の学校と言うこともあり、校則は通常の中高一貫校とだいぶ違う。
そもそも授業は必ず午前中で終わるし、学生の自由についても相当な便宜が図られている。
お昼の時間はカフェテリアを利用できるほか、学園の外に出て飲食店を使うことが許されているのだ。
「さて…となるとどこに行くかね……オニャンコポンもいるしな」
カフェテリアであればオニャンコポンがいても問題はないが、外出して食事をするとなると事情が変わってくる。
もちろん、俺の顔も学園付近の店ではかなり知られていることもあり、オニャンコポン同伴でも構いませんよとご好意を頂けるお店も相当に多いのだが、それはそれとして気が引ける部分もある。
個室などを借りる時は俺も遠慮なくオニャンコポンを連れて行くが、それはそれ、これはこれだ。
どーしようかなーと俺の肩の上のオニャンコポンを見ていると、どうやら彼女なりに何か察したようで、ひょいっと俺の肩を降りてしまった。
「ん…オニャンコポン、良いんだぞ?そんなに気を遣ってくれなくても」
ニャー。
そうか。そう言ってくれると助かる。悪いな。
さっきの鳴き声は『理事長の猫の所に行ってお話しながら飯食べてくるから気にしなくていいんぬ』という意味合いの鳴き声だ。多分。
俺が外食を考えているのを察してくれていたのだろう。賢い猫である。
オニャンコポンだって常に俺の肩の上にいるわけではない。理事長室に行って理事長の猫と遊んでいることもあるし、リギルのチームハウスに行ってマンボと戯れていることもあるし、昼寝スポットに行ってのんびり昼寝していることもあるのだ。
オニャンコポンが自由にのびのびと過ごせるのが俺の理想だ。相棒としてよい関係を築けていると確信している。
真に信頼しあえる関係とは、お互いに適度に甘えられることを意味すると俺は考えている。
チームメンバー同士もそうだし、さっきの生徒会役員たちもそうだし、俺とオニャンコポンもそうだ。
今日は彼女の気遣いに甘えさせてもらうこととしよう。
「…んじゃ出るか。何食べるかな」
俺はお昼になり教室外に出てきたウマ娘達に挨拶しながら、正門を出て繁華街の方へ向かう。
食事が出来る店が多い方面だ。この辺りの店は完全に記憶しており、おおよその味も理解しているが、今は何が食べたいだろうか俺の胃袋は。
朝からアイネスのマッサージやキレキレのダンスでそれなりに力も使ったし、生徒会の仕事で頭も使ったからな。
んー。
「…ガッツリ行くか。たまにはニンニクラーメン食べたって今日はなんも言われないだろ!」
俺は今日の昼食をラーメンに決定した。
しかもニンニクラーメンだ。トッピングマシマシで頂いてしまおう。
普段であればチームハウス内での匂いを気にするためそういった匂いの強い料理は控えているが、今日はチームハウスは誰も利用する予定はない。午後は適当に生徒たちの練習を見てぶらつくくらいに済ませる予定だ。
匂いケアだってしっかりするつもりだし、行けるだろう。
ふふふ。テンション上がってきた。
俺は久しぶりのニンニクラーメンの味を思い浮かべてワクワクが止まらなくなりながら足早にお気に入りのラーメン屋に向かった。
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そうして店についた。
ここは以前の世界線ではアイネスがバイトしていたり、あとファインモーションが愛用する店でもあった。
ラーメンのバラエティに富んでおり、味も絶品。
穴場の位置にあり、あまり並ぶこともない。お気に入りの店だ。
俺は『ラーメン三ハロン』と書かれた暖簾をくぐって店内に入る。
らっしゃーい、と店員から声をかけられつつ店内を見る…と。
「……え、何でこんなウマ娘がいんの…?」
俺は店内にめちゃくちゃいるウマ娘達にびっくりして思わず声を上げてしまった。
「む…立華トレーナーか。珍しいな、普段はカフェテリアにいるのに」
「おや、猫トレさん!お疲れ様です!」
「オー、タチバナー!!フフッ、応援に来てくれたデスかー?」
まずカウンターに並んで座るオグリキャップ、スペシャルウィーク、タイキシャトルの3人。
それぞれに挨拶を返しつつ、タイキの言葉に首をひねる。応援って?
「あら、猫トレさん?どうしたの、まさか飛び入り参加?」
「ヴェー!?ソウナノー!?猫トレ実は大食漢だったのー!?意っ外ー!」
「いやゴメンただの偶然の極み。…大食い大会やってんのか、なるほどね。頑張れよタイキ」
「任せてくだサーイ!タチバナの応援があれば百人力デース!!」
そして少し離れた席で謎の解説マイクを並べながらファインモーションとトウカイテイオーが座っているのを見て、俺は大体察した。
成程。今カウンターに座っている3人が特盛メニューを頼み、それの早食い大会と言ったところか。
確かに3人とも食事には一家言ある健啖ウマ娘達だ。これは熱い勝負が期待できますよ。
この世界線では一番縁の濃い、アメリカでお世話になったタイキシャトルへ応援の言葉をかけた。随分やる気を出していると見える。相手二人は強敵だが好走が期待できますね。
とはいえ俺はただここにラーメンを食べに来ただけだ。
観戦はさせてもらいながら少し離れた席に座ろうと…したが、そこにも既にウマ娘がいた。
「どんどん食えよなー!ウンス!」
「ふぁい」
珍しい組み合わせだ。ゴールドシップとセイウンスカイが一緒にラーメンを食べている。随分とのんびりした雰囲気だ。
恐らくは先輩にあたるゴールドシップが奢っているという所らしいがセイウンスカイは猫舌である。ふーふーしているウンスがちょっと可愛い。
「んお?猫トレじゃねーかよー!よーっす、なんだー?猫トレもラーメンか?」
「ああ、今日は練習が休みでね。愛バ達に会わないからニンニクラーメンなんか頂いちゃおうかと」
「…ふーふー。いいですねー、愛バの目を盗んでイケない食べ物食べちゃうわけですかー…ふーふー。猫トレさんたらいけないんだー」
「人聞きが悪いなぁ。ま、否定はしないけどね、普段はなかなか食べられないし」
ふーふーしながら突っ込んでくるセイウンスカイに苦笑を零して返事をする。
言われていることを否定はできない。三人の俺の愛バたちと、SSも今はいて、それぞれに俺は信頼と愛情をもって接しているし、間違えても重荷だとは考えてはいないが……まぁ、それはそれとしてずっと彼女たちと一緒に居続けるというわけでもない。
ごくたまに生まれるこういった一人の時間で彼女たちの前ではやれないようなことをやりたくなる、これはもう男のサガと言うものだ。別に怒られるようなことをしているわけでもないしな。
俺は彼女たちのそばのカウンター席に座って、店員に食券を出しながら注文を伝える。
「ニンニクラーメンヤサイマシアブラカラメニンニクマシマシヒトサイズ」
「…っ!通だねお客さん!オーダー入りましたー!」
「猫トレ今なんつった?」
「なんて?」
「秘密」
その注文をテーブル席で聞いていたゴルシとウンスがは?って顔を向けてくる。
彼女たちはまだこの店の裏メニューを知らないらしいな。
食券販売機が入口にあるのでウマ娘達はそれでウマ娘向けサイズのラーメンを注文している様だが、それで満足するのはトーシロだ。
この店の真価は券を出す時に呪文を唱えることでラーメンのグレードがアップすることにある。
ただ、これを知られすぎてもお店の人も困るかもしれないので、俺は少なくともゴルシには教えない様にと思っていたのだが。
「なーなーなー!猫トレー!さっきの呪文みてーなヤツ教えてくれよー!いいだろー!」
「セイちゃんもちょっと気になりますねぇ…こっちの席で一緒にお話しません?レースの事とかも聞きたいですし」
「そうかい?それじゃカウンター席を埋めてもアレだし、ご合席にあずかろうかな…ゴルシには教えないけどね」
「なんでだよー!ケチー!」
俺はそうして、結局昼飯をウマ娘達に囲まれて取ることになったのだった。
なお横で行われていた大食い大会は、何とタイキシャトルが奮戦しオグリと同率一着だったという結果であったことを記しておく。
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昼食を終えて学園に戻ってきた。
暇だ暇だ、とさっきから言ってはいるが、一応業務中であるからして家に帰れるはずもないし、午後も学園にいる必要があった。
とはいえチームでの練習活動は今日はない。SSも1日通しての研修になっているし、愛バ達には休みを指示しているし、またしても俺は手持ち無沙汰になってしまった。
もう一度生徒会の業務でも手伝いに行くか…とも思ったが、しかし先ほど勢いでニンニクラーメンを食べ終えたばかりである。
もちろんその後すぐに歯を磨いて口臭ケアはきっちり行ってはいるが、ウマ娘の嗅覚をごまかし切るには至らない。屋外で会うだけならともかく、室内などの狭い空間でしばらく過ごせば匂いを指摘されるだろう。
今日は屋内にはいかない方がいいだろうな。生徒会のみんなだって午後からはそれぞれ練習などもあるだろうし、また明日手伝いに行くことにしよう。
さて、そうして俺はグラウンドに足を向ける。
今日はトレーナーの研修会があるため、俺の様に不参加のトレーナー以外は恐らくはウマ娘のサブトレーナーが練習の指揮を執っているはずだ。
彼女たち自身も資格を取得したしっかりとした子たちなので不安はないが、だとしてもまだ未成年のウマ娘達だ。
万が一何かあったときに、大人である自分が近くにいればサポートしやすいだろう。
全体の練習風景を監督するような気持ちで今日はいようか。練習をしているウマ娘には、踏み込み過ぎない程度にアドバイスをしてもいいかもな。
「……お、やってるやってる」
グラウンド、色んなバ場のレーンが広がるそこで、何人ものウマ娘が併走練習しているのを眺める。
大手のチームはサブトレーナーであるウマ娘も所属しているため、やはりというか、そういった子たちが監督をしながら練習に取り組んでいるのが見えた。
いいものだ。やっぱもっとウマ娘のトレーナー増えてくれないかな。
俺たち人間がトレーナーを務めることが多く、トレーナー業への強い熱意を持たないウマ娘が多いことは事実だが、それでもSSのように共に走って教えることが出来るし、気持ちだって人間よりも理解できるところも多いだろう。
先日のトレーナーズカップの様な、トレーナーという仕事に興味が湧くイベントとかもっとやってくれないだろうか。
「…ん。カサマツの皆と………お?」
そんな練習中のウマ娘達を観察していると、見知ったメンバーを見つけた。
チームカサマツの面々だ。
先程までラーメン屋で大食い大会に挑んで優勝していたオグリキャップの他、フジマサマーチとカサマツ三人組。
それを、ベルノライトが監督しながらダートで併走を行っている。そこまではいい。
だが、その中に俺はもう一人、メンツが追加されているのを見た。
「…ウララも一緒なのか。なんで?」
カサマツの面々の中に、桃色の髪が揺れているのを見た。ハルウララだ。
今日は彼女の専属トレーナーである初咲さんは研修会に参加しているため、練習が休みか、もしくは自主トレになっていると思っていたが。
俺は彼女らの様子が気になり、見に行くことにした。グラウンドに降りていく。
「精が出るね、ベルノ。お疲れ様」
「…あ、立華トレーナー。お疲れ様です。今日はどうしたんですか?練習は?」
「メンバー全員が疲労抜きで脚を休めててね。SSも研修会だし今日は暇なんだ。…ウララも一緒なんだな」
「はい。北原トレーナーが初咲トレーナーからお願いされて、今日一日は私達のチームの練習に参加することになってたんですよ」
「あー…成程ね。ダートの精鋭で集まっての練習ってわけか…」
ウララが参加している件についてそれとなく聞いてみたところ、成程、トレーナー同士で既に話が通っていたらしい。
先日のチャンピオンズカップでの敗着の悔しさを更なる熱意に変えているのだろう。
今ちょうど併走中の彼女たちを見て、その走る佇まいに前以上の熱意が生まれていることを感じ取った。
ファルコンに勝つのだ、という強い意志が見える。
なお、予め断っておくが、たとえライバル同士であっても、彼女たちカサマツ組やウララとファルコンの仲が悪いということはない。
レースの後も健闘を称えあうとともに次こそは、とライバル心もさらに燃やしていた。チーム間のウマ娘の仲がいい事は何よりである。
さて、そうして併走を終えた彼女たちカサマツメンバーとウララを見る。
今回のダート併走はオグリも参加している様だ。彼女もドリームリーグが年明けにあるのでそれに向けて脚を整えているのだろう。芝レースに出走の予定ではあるが。
チーム一丸となってファルコンに挑んできているのがはっきりと見て取れる。素晴らしい事だ。
だが、僅かな懸念点。
俺たちのチームは、先日…3日前にレースを終えた後の脚を休める期間を1週間は取っている。
これは他のチームと比べてもそれなりに長い休憩スパンだ。うちのチームは脚への負担を出来る限り軽減するため、最低でも一週間は休ませるし、ダメージが大きければ更に休養させるのはこれまで行ってきたとおりだ。
しかし、カサマツのダート組とウララは今日の時点で既に練習に入っている。
既に3日経過していることもあり、決して早すぎる練習とは言わない。
また、彼女たちカサマツ組とウララは地方出身のウマ娘で、そういうウマ娘は脚が丈夫であることが多く、彼女らもその例に漏れない。
ウララの脚は当然把握しているとして、この世界線で見せてもらったカサマツ組のみんなの脚も、相当丈夫なことが分かっている。
だからこそ、今日の練習でもそこまで無茶をしているわけではないから止めるほどの物でもないのだが。
「む、立華トレーナー。先ほどラーメン店で見たな…今日はよく会うな」
「やあオグリ。大食いは流石だったね、一着おめでとう」
一番に息を整えてタオルを取りに来たオグリと挨拶を交わす。
ラーメン店を出て行ったときにはまんまるとしていたお腹だが、今はすっきりと細まり女性らしい丸みを見せていた。オグリの常だ。深く考えない方がいいのだろう。
「はぁ、はぁ…ふーっ。…ん、立華トレーナーか」
「おー、猫トレだー!こんにちはー!次はファルコンちゃんに負けないからねー!えいえい!」
「やぁ、精が出るね。…はは、こっちも負けないからな、ウララ。よしよし」
フジマサマーチとウララもやってきて、軽く挨拶を交わす。
ウララは初咲さんから何か吹き込まれていたのか、しゅっしゅっと拳を繰り出す大変可愛らしいムーブで迫ってきたため、その拳が俺のお腹に当たる前に腕を伸ばし、頭をふんわり撫でてやって受け止めた。*1
この世界線では、俺が担当し始める以前の…勝利への渇望が薄い頃の彼女とは随分と変化があるようだ。俺との永劫の時を過ごす中で何とか彼女に持たせられた勝利への欲求を、このウララは見事に備えている。
初咲さんとの相性がいいのか、ファルコンという強いライバルがいるからなのかわからないが……ああ、いい変化だ。彼女の脚はますます輝きを持つだろう。
そして、だからこそ、俺も妥協せずファルコンを仕上げる。そこに一切の情けはない。
彼女たちが走るレースは、真剣勝負でなければ意味がないのだ。
「おー猫トレじゃん。こないだはお疲れさんなー、いやーファルコンちゃん強すぎだわ!今日はどったん?」
「あんだけ仕掛けたのに脚色衰えねーんだもんな、バケモンだわありゃ」
「まーウチらバケモン相手にすんのが趣味みたいなところあるし次こそ負けないかんねー!」
「や。チーム練習が休みでね、ぶらついてたところさ。意図せずに偵察みたいになっちゃったけど」
カサマツ三人組もやってきた。彼女たちもまた、常に勝利を求め邁進している。
これまた地方ウマ娘に多い特徴だが、彼女らカサマツ組は成長曲線が大器晩成型だ。出会ったころよりも彼女たちの脚は磨き研ぎ澄まされ、今もなお成長を続けている。
それはフジマサマーチも同じだ。オグリと言う突然変異に肩を並べるべく…そして今は、ファルコンにたどり着くべく、着々とその体と魂を磨き続けている。
そんな彼女たちを、ああ、ライバルの側に立つ俺ではあるが───心から尊敬し、応援している。
だから、今日くらいは彼女たちを手助けしてもいいだろう。
うちのチームのみんなだって、それを咎めはしないはず。
「……ベルノ、今日の練習はいつごろまでの予定なんだい?」
「えっと…休憩を挟みながら、4時ごろには終了の予定です。日も短いですし、チャンピオンズカップに出走した人たちはまだ無理はさせられませんから」
「そう。…練習が終わった後、よければ脚のマッサージ手伝おうか?…ああ、勿論全力でやらせてもらうつもりだよ。ライバルとはいえ、みんなの脚も心配だしね」
俺は彼女たちに、脚のマッサージを手伝うことを申し出た。
先程の思考にあった、レースとの間隔の問題だ。彼女たちの脚は今見ても故障を心配するほどの物ではないが、しかしそれはそれとしてマッサージはしっかりと施してやるべきだろう。
無論、ベルノライトが練習後にそれぞれマッサージを施すのだろうが、なにせカサマツは人数が多い。彼女の負担も減らしてあげたいところだ。
北原先輩と初咲さんにはたまたま通りがかったのでマッサージ手伝っておいたとLANEしておけば問題ないだろう。多分。
「…………立華トレーナー。気遣いはありがたい…のだが。貴方は本当に、そういう所だと思う」
「私もオグリに同意見だ」
「右に同じ」
「右に同じ」
「右に同じ」
「え?うーん、じゃあウララも右におなじー!!」
「私も右に同じです」
「どうして」
しかし何故だかウマ娘達から思いっきり呆れられたような表情を向けられて、謎の意思統一をされてしまった。
どうして。俺は学園のウマ娘、いやすべてのウマ娘達の助けになりたいと思っているだけなのに。
まぁ、その後の練習は順調に進み、結局マッサージについてはしっかりと手伝ってやり、ベルノにもコツなどを指導できたのでよしとしよう。
後で北原先輩と初咲さんからはお礼の連絡と、詳しくマッサージのやり方教えて、とLANEの返事が来たのでそれも快諾しておいた。
マッサージは積み上げた経験と技術がモノを言う。これも後で論文とかに起こしてもいいかもしれないな。
そんな感じで珍しく暇になった俺の一日は過ぎていった。
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翌日。
「生徒会のお仕事のお手伝いをされていたんですよね。大変でしたね?」
「お昼はラーメン食べたんだ、ふーん。美味しかった?感想を述べよなの」
「へーぇ☆カサマツの先輩たちとウララちゃんの面倒を見てたんだ?トレーナーさんらしいなー」
朝一でチームハウスに集まった愛バ達から何故かトライフォースの構えを受ける俺の姿があった。
俺の予定は逐一LANEで伝えることになっているので、昨日の出来事もLANEで報告だけはしていたのだが。
しかし何故だが彼女たちは昨日の俺の行動に感じるモノがあったらしい。
なんで。俺特に変なことしてないよね!?
「……はーぁ。タチバナお前、ホントそういう所だぞ…いややってることは立派なモンだけどよォ…アタシがいなかったからって自由にやり過ぎだろ……やっぱついてないと駄目かァ…?」
SSにも謎の保護者目線でため息をつかれてしまった。
なんでぇ?