!!ぱかちゅーぶっ!!
!! GⅠ生実況 !!
!! ゴルシ抜き !!
…なうろーでぃんぐ…
…なうろーでぃんぐ…
「…ん、始まったかな」
「そのようですね」
「挨拶から入るんじゃないか?」
『いきなりの生徒会メンバー』
『唐突ゥ!!』
『急にスイとレジェンドウマ娘が出てくる』
『あ、こっちか ゴルシのチャンネル見てたわ』
『ウマッターで通知されてたでしょー』
『今日はトレセン学園のチャンネルでやるんだ』
『◆知らなかったのか────────?』
「こほん。…ぴすぴーす。トレセン学園の生徒会長にして7冠ウマ娘、シンボリルドルフだ。画面の向こうの諸君、久しぶりだな。息災だろうか?」
「ぴすぴーす。トレセン学園副会長のエアグルーヴだ」
「ぴすぴーす。同じく副会長、ナリタブライアンだ」
『ぴすぴーす!』
『ぴすぴーす』
『真顔でぴすぴーすしてて芝』
『ぴすぴーす!!』
『こんなにテンション大人しいぴすぴーす初めて見た』
『ぴすぴーす』
『ぴすぴーす』
『スマイル足りてないですよ!』
「む、スマイル不足だったかな?すまないな。私は二度目だというのに雰囲気をつかみ切れていなかったかもな…笑顔、笑顔か。ふふ…ではみんなで笑顔になれそうなジョークでも───」
「時間も押しているので話を進めましょう会長」
「今日は紹介するウマ娘が多いからタイムスケジュールが押してるんだ。とっとと進めるぞ」
「……………………うむ……」
『芝』
『クッソ芝』
『しょんぼりルドルフ可愛い』
『ガチ凹みで芝』
『開始1分で机に塞ぎ込む皇帝がいるらしい』
『部下二人の辛辣さで芝』
『気安い関係やん…こういうのすこ』
「えー…今日は有マ記念になる。言わずと知れた年末大一番のグランプリレースだな。今日のぱかちゅーぶは特別編となり、私達生徒会3名で進行する」
「ゴールドシップが出走していることでアイツのチャンネルで生放送が出来なかったからな。URAとゴールドシップのほうで協議があって、人気番組であるぱかちゅーぶはなんとか放送できないかと言う話になり、生徒会が一肌脱ぐことになった」
「……うん、まぁそういうことだ……」
「そんなに引きずらないでください会長」
「アンタの考えたジョークは後で聞いてやる…エアグルーヴがな」
「Σ(゚Д゚)!?」
『芝』
『芝』
『なんだ?今日のゲストは芸人だったか?』
『息の合いすぎる掛け合いに芝』
『アドリブでここまでやれればすげぇよ生徒会…』
『っぱこの3人よ』
『ルドルフの思わぬ方向にウケてるの芝』
「続けるぞ。まず本日のレースである有マ記念について説明する。有マ記念の歴史は古い。1959年に当時のURA理事長であった有マ氏が『暮れの中山レース場で日本ダービーに匹敵する大レースを開催しよう』と提案し、中山グランプリという名で創設されている。だが翌年、有マ氏が急逝。彼の功績を讃え、名称を『有マ記念』と改称し、それ以来一年を締めくくる一大グランプリとして12月下旬に開かれ続けている」
「1995年からは地方ウマ娘からも出走が可能になった。海外のウマ娘の出走も2000年から枠が作られ、国際レースにもなっている。賞金も日本で開催されるGⅠで最高額に設定されており、レースの格も現在の世界のGⅠ格付けランキングで6位タイだな。極めて評価の高いレースだ。ご存じの通り、出走ウマ娘はファン投票によって決定されることが多い。その他、URAの推薦枠などもあるがな」
「……私が解説する必要ないな?これ私いるかな?帰っていいかな?」
『解説助かる』
『ちょうどエアグルーヴの解説切らしてたんで助かる』
『ブライアンの真面目な説明すこ』
『カイチョー…』
『会長はそこにいるだけでいいのです』
『芝生える』
『レースになったらアンタの解説が必要なんじゃい!』
「会長、レースの時には頼りにさせてもらいますから。…では次に今日の本命ウマ娘達の紹介と行こう」
「なにせ人数が多いからな。それぞれがウマ娘にコメントしていく形にする。人気順に行くぞ…まず一番人気、エイシンフラッシュだ」
「うん。エイシンフラッシュ…今年のクラシック世代で三冠を獲得したウマ娘だな。まさしく時代を創っている、と表現できるだろう。特筆すべきは、その凄まじい切れ味の末脚。またレース中の冷静さ、牽制の上手さだな。同じチーム『フェリス』のアイネスフウジンやスマートファルコンの追いつけないような逃げの脚質ではなく、最終直線で一気に追い上げてくる差しタイプだ」
『フラッシュだー!!』
『フラッシュ!フラッシュ!』
『今年の世代で三冠とかいう化物』
『いつ見てもグッドルッキングウマ娘だ…』
『文句なく強い』
『強いもんは強い』
「チームフェリスはいつも劇的なレース展開をするからな、今日も波乱がある事だろう。では次、二番人気はウオッカだ。こちらも今年レースを見ている者には説明不要だな。シニア1年目のウマ娘で、今年はヴィクトリアマイルで一着、安田記念で一着、宝塚記念では二着。秋の天皇賞ではダイワスカーレットとハナ差の一着。先日のジャパンカップではアイネス、ダイワスカーレットに続く三着となっている。そして、このうち3つはレコードだ。クラシック世代の代表がフラッシュならば、シニア1年目世代の代表はウオッカといえよう」
「昨年の有マ記念にも出走していて、三着だった。長距離は苦手としているという風評もあるが、今日は去年以上に仕上げているだろうな」
「とはいえ、今日は一筋縄ではいくまいね。なにせ出走メンバーがメンバーだ」
『ウオッカも今年バリッバリだったからなぁ』
『天皇賞すこすこのすこ…』
『差し切る姿カッケーよなぁ』
『ウマ娘だけどウオッカちゃんすこ…』
『女子人気はライアンに並んで突出してますね』
「続くぞ。…人気順と言ったが、時間がヤバそうなんで少しまとめよう。先ほどチームスピカのウオッカを紹介したから同じくスピカのウマ娘を紹介する。他にも4人出走しているな……ゴールドシップ、ヴィクトールピスト、メジロマックイーン、スペシャルウィークだ」
「それぞれの戦歴を語っているだけで1時間はかかりそうなメンバーだな。この放送を見ている者ならゴールドシップとヴィクトールピストは知っていよう。スペシャルウィークとメジロマックイーンは最近は余りレースへの出走が無かったが、彼女たちもその蹄跡を歴史に刻んだレジェンドウマ娘と言えるだろう。この二人とゴールドシップは今回の有マ記念がトゥインクルシリーズでの引退レースになるのでは…という噂もあるようだ」
「現役が長いからな…トゥインクルシリーズ引退後は、是非ともドリームリーグに参加してほしいところだ。そうすれば私達3人で存分にお相手できるだろうからな」
『チームスピカの5人!』
『スペちゃんとマックイーンのレースを見てねぇやついる!?』
『いねぇよなぁ!?』
『マックイーンの圧倒的強者っぷりを忘れるわけねぇだろ』
『スペちゃん世代を見てないやつはモグリ』
『主語が大きいがおおむね同意なんだよなぁ…』
『とにかく強かった』
『今日はどうなるか…』
『ゴルシも今日に向けて徐々に脚仕上げてきてたからな』
『ヴィイちゃんこれが今年最後のGⅠか』
『ヴィックちゃん間違いなく強いんだけどまだ今年GⅠ勝ってないからな』
『頑張ってほしいがライバルがつよつよすぎんよ』
『スピカ箱推しです』
『スピカはフェリス並みにどこで奇跡を起こしてくるかわかんねぇからな』
「次の紹介は…チーム『カノープス』の二人で行くか。有マ記念の常連、今年は小倉記念でレコード一着を記録したナイスネイチャと、同じくオールカマーで逃げ切りを決めて一着を取っているツインターボだ。重賞勝利数で言えば他のウマ娘に負けない物を持っているが、GⅠ勝利には恵まれていない」
「ああ…だが、彼女たちも実力はピカ一だ。ツインターボが逆噴射せずに逃げ切るか、ナイスネイチャが伏兵たる実力の真価を発揮するか…会長はどう思われます?」
「そうだな…実は私は今日のレース、ナイスネイチャが台風の目になると思っている。先日、学園のトレーナーズカップで共に走る機会があったが…あのレース、一番恐ろしかったのはサンデートレーナーだが、一番驚かされたのはナイスネイチャだ。あの視野の広さ、それがなお磨き上げられていれば、レースが荒れるだろうな」
「ほう…?アンタがそこまで言うほどか。なら…私はツインターボを推すか。かつて有マ記念で一緒に走ったことがあるからな。あの時は、まさか逃げ切るのか、という不安を覚えたものだ。結果的には逆噴射したから最終コーナーで捉えたが、道中であそこまで差を広げられた時は流石に内心震えたよ。あり得ない状況だったからな。今日はどこまでアイツが逃げるか、楽しみだ」
『カノープスの二人!』
『ネイチャがいないと有マ始まらんところある』
『なお過去に三着三回の模様』
『今年こそ一着よ!』
『ルドルフがそこまで評価してんの珍しいな』
『今日のネイチャは一味違う…?』
『ターボも一味ちがうもん!』
『ターボは逆噴射装置が故障してれば勝てるから…』
『こないだのオールカマーじゃ終始故障してたゾ』
『装置が直ってないといいのですが』
『とにかくターボは逃げに見栄えがある』
『今年は逃げウマ娘強かったイメージある』
『それだいたいフェリスのせいでは?』
「他の優駿たちを紹介しよう。今年、日本で初めてクラシック級で宝塚記念を勝利したメジロライアン。グランプリ連覇に期待がかかるところだ。2500mの距離が彼女にとってどのように作用するか、といったところだな」
「シニア級からはセイウンスカイとグラスワンダーも出走している。二人とも説明不要の黄金世代だ。セイウンスカイは3000mの菊花賞で世界レコードを叩き出した長距離の鬼。グラスワンダーは有マ記念勝利の経験もある。スペシャルウィークと併せてこの3人もまた他のウマ娘にとっては恐ろしい脅威となるだろう」
『ライアン!ライアン!』
『ライアンはなんか有マやってくれそうな感じある』
『最終直線でぶち抜いた宝塚を再現してくれぇ…』
『セイちゃんとグラスが参加するのヤバいな』
『ヤバい(錯乱)』
『錯乱するのは一緒に走るウマ娘なんだよなぁ…』
『トリックスターの幻惑と刺し殺すような圧を感じながら走るのか…』
『おっと私もいますよ(フラッシュ)』
『先輩だけに任せられませんよ(ヴィイちゃん)』
『おなじみ三着~(おなじみ三着)』
『なんだぁこのレースは 地獄か?』
「本当に、名前を挙げるだけでも期待してしまう夢のようなレースだな。ああ、私もあそこで走ってみたかったな…心からそう思う」
「アンタもか……私もだ。今日、ここにいることに違和感すら覚えるよ。……今からならまだ間に合うか?」
「…行くか?ブライアン」
「たわけ、間に合うか!会長も落ち着かれてください!そもそも私たちはドリームリーグ所属ですから出走できません!」
「ダメか?」
「ダメか?」
「駄目だッ!!」
『芝』
『これは芝』
『いつから生徒会は芸人トリオになったんです?』
『副会長のたわけ頂きました!』
『ルドルフが随分肩の力抜けてる感じある』
『誰の影響なんですかねぇ…』
『ルドルフとブライアンが(´・ω・`)って顔してて芝』
『七冠ウマ娘と五冠ウマ娘の姿か?これが…』
「…まったく。続けますよ!この後はゲート前に集まるウマ娘達の解説……だが、まだちらほらといった具合ですね」
「タイムキープが完璧な証拠だな。ふむ……ああ、そうか。こういう時のためにゴールドシップはこの時間を取っていたのか」
「ん?なぜウマホを……ああ、今日のオニャンコポンか。確かに見るならこのタイミングだな。どれ……今日のアイツはどんな写真を撮ったのやら」
『空いた時間を埋めるならオニャンコポンよ』
『今日はフラッシュも出てるしな』
『今日はちょっとエモぞ』
『レアリティはNRだが去年を知ってると感慨深い』
『ゴール前の写真だっけ?』
『ゴール前のラチの上で尻尾ぴーん!ってしてるオニャンコポンの写真』
『去年と絡めてくるやん…』
『去年のホープフルで同じ中山レース場でスタート地点で撮ってたからな』
『今年はゴールか』
『フラッシュが一番に駆け抜けてくる所』
『今日も可愛いオニャンコポン』
「…和みますね、相変らず」
「まったくだ。立華さ…立華トレーナーには動物の良さを教えられたよ。今は私達のチームにもマンボがいるが、これがまたいいものでな」
「ああ…わかるな。最初は手間がどうなんだとか思っていたが、世話するうちに情が移った。将来は自分も何か飼いたくなるな」
「リギルのウマッターでも今日のマンボをやってみましょうか、来年から………ん、集まってきましたね、ゲート前に」
『わかる なごむ』
『オニャンコポンは学園の癒し』
『散歩してるオニャンコポンに遭遇出来たらその日一日ハッピーなんよ』
『こないだのフェイスダンスは爆笑した』
『何となく動くオニャンコポンに対し後ろでキレッキレで踊る猫トレがズル過ぎるんよ』
『イケメンが顔芸するのはズルい』
『ノリノリでしたねあの映像』
『マンボちゃんもエルのレースの後でよく飛んできてたね』
『マンボも頭いいからな』
『こないだマンボがオニャンコポンの背中に乗って学園内散歩してた』
『天国か?』
『お、出てきたか』
『全員がいい顔だァ…』
『気合が入ってますよクォレハ…』
「…いいな、ああ。全員、気合が入ってピリっとしている。流石、有マ記念に選ばれた優駿たちだ」
「ですね。ゴールドシップもあの表情なら、今日はしっかりとゲートを出てくれそうです」
「スタート直後が見物だな…ターボがブッ飛んでいくだろうが、それにセイウンスカイがどうするか…ん。あれは……」
「……ヴィクトールピストが、いいな。ああ、あれは勝つ者の顔だ……今日の己の勝利を疑っていない」
「…凄まじいですね。あの心境に至るまで私達がどれほど苦労したか…」
「同意見だ。それに相対するフラッシュやライアンも引き締まっている。やはりこの世代、侮れんな」
『なるほど完全に理解した(わかってない)』
『画面の向こうの三傑は全員わかってるんだよなぁ…』
『でもヴィイちゃん調子よさそうなのはわかる』
『自信満々って感じに尻尾揺れてる』
『それを見て笑顔を浮かべられるフラライも随分覚悟決まってんな』
『シニアに負けるかって感じだもんな』
『この世代の名前マジで悩むな』
『こないだのウマッターアンケでも見事に票バラケたしな』
「ゲート前に全員集まったな…さて、ファンファーレだ」
「…ゴールドシップのメモによると『何もしなくても勝手にコメ欄が鳴くから安心しやがれ』と書かれてますが…」
「どれ…ゴールドシップの調教の成果を見せてみろ」
『ペペペペー』
『ペーッペペペー』
『ペペペペー』
『ペペペペー』
『ペペペペッペッペッペッペー』
『ペペペペペッペッペッペッペッペー』
『ペペペペー』
「素敵だな、高らかに響いている…音にブレがない。いい音色だ。今日は陸上自衛隊の音楽隊の皆様方による演奏となる」
「ファンファーレは一発勝負、ミスが許されない上に楽節が短いので最初から全力で吹かねばなりませんからね。想像以上に難しい…と聞き及んでいます」
「有マ記念だ、そのプレッシャーも相当なものだろうな。レース前にそれを聞くことで走る私達も高揚するというものだ。……さて、ゲート入りだな」
『すげぇ…めっちゃ真面目に解説してる…!』
『ファンファーレについてこれまでゴルシあんま触れてこなかったからな』
『プペることもあるけど実際一発勝負の屋外であれはすごい』
『吹奏楽やってると一瞬であそこまで音併せてるのヤバってなる』
『ゲート入りだ!』
『ゲート入りだね』
『ゴルシ…セイちゃん…お前たちはどこで戦っている…』
『レース出てるんだよなぁ…』
『マックイーンも天皇賞でゲート入りやらかした実績解除してるからな』
『ターボもちょっと危うい』
『でも今日は大人しいな』
『みんなすんなり入るじゃねぇか…』
『スンッ』
『波乱はなさそうですねクォレハ…』
「ふむ。しっかりと入っていくな。確かにコメント欄の言うように、今日は若干ゲート難の風評を持つウマ娘が多かったが…問題なさそうだ」
「全員、気合が入っているのだろう。有マ記念だからな……全員収まったな。では、会長」
「ああ。年末最後の大一番、有マ記念………今、スタートだ!!」
あんまり長くなったんで分割。