「……と、いうわけで今日から正式にチームフェリスに新しいメンバーが入りました。自己紹介をどうぞ」
「はいっ!!キタサンブラックですっ!!中等部1年生、今年にメイクデビューしてトゥインクルシリーズに挑みます!夏にもお世話になりましたっ!!先輩方、これからよろしくお願いしますっ!!」
1月中頃、週明けの月曜日のチームフェリスのミーティングで、本日からチームに加入することになったキタサンブラックをチーム内で紹介する。
ソファに座る俺の愛バ3人が、笑顔で拍手をしてキタサンを迎えた。
「これからよろしくお願いしますね、キタちゃん*1」
「キタちゃんよろしくー☆!いやー、それにしても……夏に比べて……大きくなったね?」
「あたしよりも身長高くなってるの。成長すごいのー。ふふ、これから頑張ろうねキタちゃん!」
「ニャー」
三人の返事と共に、俺の肩からオニャンコポンが下りていき、キタサンブラックの肩に飛び乗って頬に頭を摺り寄せ、挨拶を返している。賢い猫だ。
無論だが、こうして正式にチームに加入となる前に、彼女たちは顔合わせを済ませている。
昨日もチームの練習には付き合っていた。加入が遅れたのは書類上の手続きの関係であり特に何かあったわけではない。
SSがメイントレーナーとなり、チームフェリスでこれからキタサンブラックが頑張ることになるわけだ。
キタサンブラック。
先日、彼女と運命的な出会いを果たしたSSは、翌日に俺にその結果を報告し、俺もチーム加入を快諾した。
勿論、彼女自身が才能のあるウマ娘であることは知っている。かつて俺も3年を共に駆けたこともあるからだ。
導かれるようにそんな彼女に出会ったSSの経過を聞いて、俺は苦笑を零しつつ、しかし、運命的な出会いとはそんなものだと腑に落とした。
SSがウマ娘で、かつ、身体的特徴で同じような悩みを抱えていたからこそその場で解決策を打ち出すことが出来て、走りの見本も見せられて……と、パズルのピースがはまる様に、二人は導かれあった。
これからも、さらに絆を深めて、共に夢を駆けていくことだろう。
なおその翌々日に、SSとキタサンとダイヤの3人でキタサンの下着をまとめて買い出しに行ったらしい。
早速仲良くしているようで何よりである。
「ま、夏合宿の時に一緒に練習もしているし、昨日も話したし改めて俺からの紹介は不要だな。キタサンブラック…キタサンは今後、SSが主管になって指導します。けど、基本的にチームの指導方針は二人で決めていくし、練習も一緒にやる事になるからそのつもりでな」
「デビューした後のレースプランとか、練習のプランはアタシが中心になって組むけどなァ。キタはとにかくタフだ。お前ら3人がやる練習にもある程度はついていけるって見込んでる。限界はアタシが見極めるから、これからはしばらくお前らと同じ体幹トレーニングで地固めしていくぜ。キタ、気合入れろよ」
「はいっ!!」
今後の方針についても軽く触れていく。とはいえその内容は他のチームと大きくは変わらない。
チームである以上、わざわざトレーナーが毎回分かれてそれぞれのウマ娘を指導することはない。俺とSSの指導論は似通っている部分もあるため、今後の練習は4人一緒に実施することになる。
デビュー前のキタサンがシニア期に入った他のメンバーの行う体幹トレーニングや併走についてくるのは、普通に考えれば無理だ。というか実際、全部付き合うってのは無理があるだろう。
だが、キタサンは恵まれた体をしている。この世界線では、限界突破して身長も体幹もさらに伸びている。これまでの世界線でも、身長が162cmをキープしていることもあれば、もりもり伸びてヒシアケボノに迫るほどに大きくなった例もある。キタサンは珍しく、成長具合に振れ幅のあるウマ娘だ。
そんな彼女だが、経験からすると体がデカくなったほうが強さが増す。
チームに加入することになり、改めて見せてもらったこの世界線の彼女の体。素晴らしい才能を秘めていると思った。
願わくば彼女のその才能が、SSの指導と愛により、満開の開花を見せることを期待しよう。
「さて、それじゃああとはチームの今週の予定になります。練習は先週と同じで、体幹トレーニング中心で土曜日には併走です。少しずつ体幹はよくなってきてるからな、この調子だ」
「ふぇ~…☆今週も筋肉痛地獄だぁ……!」
「頑張らないといけませんね。学園内でも、多くの人が体幹トレーニングに取り組んでいるようですから。負けられません」
「キタちゃんはタフだよねぇ……全部ではないとはいえ、今のアタシたちの体幹トレーニングの密度についてこられるんだから」
「以前から体幹トレーニングが重要って聞いてたので、自主トレしてたんです!でも先輩たちもあのメニューをすべてこなすのはすごいですよ、私もいつか…!」
「焦るなよキタ、お前は今の時期はじっくり基礎固めだからなァ。筋肉痛がちゃんと出る程度にはきっちり鍛えるぜ」
まずは今週の練習の予定を示す。体幹トレーニングで筋肉をつけて、筋肉痛が治る時期にはレースの知識や海外に挑む前の予備知識などをつけながらマッサージ、週末には走りを忘れない様に併走。
2月前半まではこの練習ペースで進める予定だ。
彼女たちの体幹は、少しずつ、至高の領域に近づいている。完璧な密度と柔軟性を両立するそれ。SSがその完成系を身に着けているが、彼女たちも徐々にその領域に足を踏み入れている。
これが仕上がれば、走りの安定感が抜群に変わる。2月まで彼女たちが練習に真剣に取り組めば……その後、己からあえて無茶をしない限りは、怪我の心配は殆ど無くなってくれるだろう。
仕上げていきたい。
しかし、今週は練習以外にもそこそこイベントが多いため、予定を改めて目線合わせする必要がある。
俺はホワイトボードに改めてイベントの内容を記す。
「えー、今週は練習の他にもいろいろあります。まず水曜日だけど、練習の後に……URA主催の、URA賞の表彰パーティがあります。うちのチームからは、フラッシュとファルコンが参加になる。二人とも、ドレスは会場で貸し出ししてくれるから基本的には手ぶらでいいけど、準備があればしといてくれ。俺も受賞してるから、当日は俺の方で送迎するからね」
「はい、栄誉なことですね。トレーナーさんも受賞、おめでとうございます」
「うん、ちゃんとお腹減らしていきます!」
「準備ってそういう事じゃないと思うの!?確かにあそこの料理はおいしかったけど…」
「ふわぁ…そうか、3人とも受賞してるんですねぇ。去年はアイネス先輩が最優秀ジュニア級ウマ娘でしたから」
「何言ってんだキタ、お前もいつか受賞するんだぜ?ってか、しろ。アタシをあそこに呼んでくれよな」
はい、頑張ります!とSSの言葉に大きく頷くキタサンに、3人から笑顔がこぼれた。
URA賞。
年度代表ウマ娘、および各世代の代表ウマ娘、そしてダート最優秀、短距離最優秀ウマ娘が毎年選出される、説明不要の授賞式だ。
昨年はアイネスフウジンが最優秀ジュニア級ウマ娘に選出されていた。
そして、今年はうちのチームからは他の2人が選出され、これで全員が何かしらURA賞を受賞した形となった。
今年の受賞者の一覧は以下のとおりである。
【ウマ娘部門】
年度代表ウマ娘
エイシンフラッシュ(主な戦績:クラシック3冠)
最優秀ジュニア級ウマ娘
ベイパートレイル(主な戦績:ホープフルステークス)
最優秀クラシック級ウマ娘
ヴィクトールピスト(主な戦績:有マ記念)
最優秀シニア級ウマ娘
ウオッカ(主な戦績:VM・安田記念・天皇賞秋)
最優秀短距離ウマ娘
サクラバクシンオー(主な戦績:短距離重賞5勝、スプリンターズステークス)
最優秀ダートウマ娘
スマートファルコン(主な戦績:ベルモントステークス 他GⅠ3勝)
最優秀障害部門ウマ娘
ゼウススピード(主な戦績:中山大障害)
URA賞特別賞
ハルウララ(選考理由:最多ファン投票数、地方出身でGⅠ2勝)
メジロライアン(選考理由:クラシック期に宝塚記念勝利)
【チーム部門】
最優秀チーム賞
カノープス(選考理由:チームGⅠ初勝利、メンバー全員の活躍)
【トレーナー部門】
最優秀トレーナー賞
立華 勝人(選考理由:年間でGⅠ9勝、T-S論文の発表)
「今回の受賞はファンの間では激論になってるみたいだけどね。ファン投票による部分以外はURAによる選出が主だから。栄誉なことだと胸は張りつつ、選出されなくても別に走りが評価されてないわけじゃないから、あまり気にしない様にしよう。……これ去年もみんなに言ったな」
「はい。こういった受賞は枠を広げすぎるわけにもいかず、しかし決めないわけにもいかず……大変な所もあるものだとは理解しています」
「アイネスさんが入ってないのって、去年受賞したからー、ってところが大きいよね、たぶん」
「なの。実際途中でスランプもあったし全然気にしてないの。あの美味しい料理が食べられない事だけ不満なの」
「受賞するのは栄誉なことは間違いねぇけど、面倒もあるからなァ。2つ一気に受賞した経験のあるアタシが言うんだから間違いねェ。あん時どんだけゴアと比べられてめんどくせー話に絡まれたか……」
「あはは……このチーム、話のレベルが高い……!」
今年、アイネスフウジンが受賞しなかったことについては……まぁ、まったく意識していない、と言うわけではないが、俺たちチームの中では去年受賞した分、URAの配慮があったのだろうな、と理解を落としている。
実際、GⅠ勝利数で言えばチームの中では少ない点もある。
ただ、無論の事その実力は本物であり、以前も言ったが、チーム内で領域無しでよーいドンしたら一番勝利に近いのは彼女だ。安定したフィジカルと言う面ではチームメンバーの中でも半歩進んでいる。
だからこそ、俺も彼女が求めた短距離から長距離と言う無茶なローテーションでも走り切れる、勝ちきれる走りが出来ると判断している。
無論の事、フラッシュだって天皇賞春には挑むし、二人の練習の密度に差をつけることはない。どちらも、勝ちきれるような実力を。そして、最高のレースを見せてくれるのを期待する。
では、授賞式の事は目線合わせを終えた。
最後に、今週末、日曜日のイベントについてだ。
「で、土曜日の併走練習の後……日曜日だな。この日はレース観戦です。ドリームリーグが行われるからな。それをチームのみんなで見に行こう。ドリームリーグを走るウマ娘は全員が世代を作った優駿たちだ。実力がついた今だからこそ、参考に出来る走りが多い。楽しんでもらうのも大切だが、観戦は真剣にな」
「はい。楽しみですね…ドバイに挑むにあたり、先達の走りから学ばせていただきましょう」
「ねー、今年はドリームに移籍した人も多かったもんね☆あれ、でも12月末でトゥインクルシリーズ引退した人って…」
「確か1月のレースはまだ出走できないの。スペちゃんやマックイーンちゃんたちは8月のドリームから参加していくんじゃないかな?」
「に、なるな。この間の12月に引退してドリームリーグに行った子たちは次回開催から参戦になるよ」
そう、今週の日曜日にはドリームリーグが開催される。
トゥインクルシリーズで優秀な成績を残したウマ娘が移籍できる、夢の続きを描くレース。
1日を通して行われるそれは、興行と言う面も強く、レース場もその周辺も、世間も大いに盛り上がるイベントとなっている。
だが、レースはガチだ。そこにはトゥインクルシリーズで彼女ら優駿が刻んだ己の誇りをぶつけ合う修羅の空間だ。
シニア期に入った今だからこそ気付ける技術、戦略がある。
たとえ走りのピークは過ぎていたとしても、伝説たちが織り成すレースを見ないという選択肢はない。
なお、去年の12月末で、特にチームスピカから、多くのメンバーがドリームリーグ入りを発表している。
スペシャルウィーク。メジロマックイーン。ゴールドシップ。
また、有マ記念に参加したウマ娘で言えばセイウンスカイとグラスワンダーもドリームリーグ入りを発表した。
キングヘイローとエルコンドルパサーも同時期に発表があったため、これで黄金世代が全員ドリームリーグに所属したことになる。
一つの世代の終焉。それは、新しい世代が台頭する裏にある、一つの夢の終わりだ。
彼女たちのこれまでの戦いに心から敬意を表するとともに、ドリームリーグでの好走も期待したい。
なにせラストランである有マ記念でレコードを取った猛者たちが多数だ。ドリームリーグも一層の賑わいを見せるだろう。
「それぞれの集合時間とかも伝えたとおりだ。LANEでも前日に通知するから、時間とかには遅れないようにね。じゃ……これで今日のミーティングを終わります。お疲れ様です。これから練習に入るよ」
「はい、お疲れさまでした。今日も頑張っていきましょう」
「よぉし…ドバイに向けて頑張るぞー!!」
「おー!!キタちゃんもメイクデビューに向けて頑張ろうね!」
「はいっ!!改めてこれからよろしくお願いしますっ!!」
「っしゃ、気合入れていくぜェ。キタ、体の変化があったら全部アタシに教えろよ。胸のことみてェに、変に遠慮するなよ。お前の体、全部を把握すんのがアタシの仕事だからな」
「はい!……サンデートレーナーには、私も遠慮なく言えますから。私の全部、知ってくださいね?」
「おォよ」
「…………トレーナーさん。私も体の全てを貴方に教えた方が……いいですか?」
「ファル子の体も知りたく……ない☆?」
「トレーナーになら、全部知ってもらいたいの……どう?」
「謹んで遠慮しておきます」
そうして軽いジョークを交わしながらも、俺たちは今日も練習に取り組むのだった。
────────────────
────────────────
週末。
ドリームリーグ、当日。
人々は、夢の果ての先に、奇跡を目撃した。
『─────来たっ、来た、来た来た来たーーー!!!タイキシャトルがバ場の外目をついて上がってくるッ!!残り200を通過!!外からタイキシャトル!!タイキシャトルが捉えたッ!!タイキシャトルが先頭ッッ!!速い速い速いッッ!!これが世界を圧巻した走りだ!!これがタイキシャトルだッ!!今ッ!!先頭でゴーーーーーーールッッ!!強いッ!!今日のタイキシャトルは圧倒的だ!!これが元祖海外GⅠ覇者!!素晴らしいレースで────────なっ、なッ、何と!?レコードだ!?ドリームリーグ記録、その短距離1400mのレコードを記録していますッ!!!これはすごいッ!!数年ぶりの更新となりますッ!!今日のタイキシャトルは無敵だーーーッッ!!』
『─────先頭はサイレンススズカ!!スタートから続くマルゼンスキーとのデッドヒートも残すところあと400m!!フジキセキも追い上げてくる!!だがまだだ!!まだ先頭サイレンススズカ!!粘る粘る!!逃げて差す彼女の真骨頂がここドリームの舞台に戻ってきた!!残り200!!さらに加速ッ!?凄まじいスピード!!マルゼンスキーもねばりましたがこれはスズカだ!!サイレンススズカだ!!見たかッ!!これが元祖大逃げだッッ!!サイレンススズカが一着でゴーーーーールッッ!!!凄まじい、異次元の逃亡者はいまだ健在ッ!!マルゼンスキーもフジキセキもその差を詰めましたがしかし逃げ切ったのはサイレンススズカ!!!────────これはッ、何と!?1800mでもレコードだ!!ドリームレコードです!!何があったドリームリーグ!?日本の革命が、革命の波がドリームリーグにも及んだか!?サイレンススズカ、レコードで一着ですッ!!』
『─────デッドヒートだ!!ナリタブライアンとシンボリルドルフが譲りませんッ!!前を逃げるエアグルーヴが苦しい表情!!トレセン生徒会が!!リギルの猛者が火花を散らしあっているッッ!!伸びるブライアン!!伸びるルドルフッ!!エアグルーヴ苦しいか!?交わした交わしたッ!!残り200!!一歩も譲らない!!三冠ウマ娘同士が譲らない!!皇帝が!!シャドーロールの怪物が譲らないッッ!!どっちだ!?!?どっちだ!?!?どちらも譲らぬままゴーーーーーーーールッッ!!!…凄まじい!!凄まじいレースとなりました!!!三着は1バ身差でエアグルーヴ!!これがトレセン生徒会だ!!これがリギルだ!!シンボリルドルフとナリタブライアンは写真判定です!!……出ましたやはりレコード!!どこまでタイムを更新するんだ今年のドリームリーグ!!!勢いが違うッ!!そして判定の結果はシンボリルドルフッ!!シンボリルドルフが一着ですッッ!!絶対の皇帝がここに復活ーーーーーっっ!!』
『─────3000mも残すところあと400mッッ!!そしてここで先頭はスーパークリークに変わったッ!!無限のスタミナ!!菊花賞と天皇賞春を制したウマ娘がここで伸びて────いやっ!?独走を許さない!!その後ろからぶっ飛んできたのは葦毛の伝説!!風か!?光か!?タマモクロスだッ!!!紫電を纏うような末脚でスーパークリークに襲い掛かるッッ!!これは際どいッ!!残り200!!並ぶか!?並ぶか並ぶか!?並んだ!!タマモクロスが僅かに───ここで再度伸びたぞスーパークリークゥ!!!どこにそんな体力が残っていたのかァ!!差し返すか!?執念の表情!!差し返す!!!僅かに差し返してそのままゴーーーーーーーールッッッ!!!永年三強が!!天皇賞春秋制覇ウマ娘同士の戦いを制しました!!勝ったのは聖母スーパークリークッッ!!……来たァ!!長距離もなんとレコードです!!なんだこれは!?ドリームリーグも革命が起きているのかッ!?ワケが分からないッ!!しかしこれがドリームリーグです!!奇跡の体現者たちの織り成すレース!!その長距離、今回のステイヤーの頂上決戦はスーパークリークですッッ!!』
『─────ダートに土煙が舞うッ!!とんでもないレースになりました!!全員がッッ!!全員が譲らないぞッ!?最終コーナーを回ってほぼ横一線!!!全員が!!まるで誰かに見せつけるかのように最高の走りで譲らないッッ!!しかしここでひとり来た!!抜け出したのはイナリワン!!イナリワンが魂を燃やす走りを見せて先頭へ!!残り200、このまま駆け抜けられるのかッッ!?……否ッ!!やはりここで来たぞ!!このウマ娘が来た来た来た来た!!!オグリキャップが来たーーーーッッ!!オグリキャップが来た!!!伝説の一騎打ちの再現か!?毎日王冠の再現かッ!?オグリキャップか!?イナリワンか!?イナリワンが突っ込んだ!!大外からオグリキャップ!!大外オグリキャップとイナリワンの競り合いだッ!!!並んでゴールインッッ!!!これは際どくなりましたッッ!!かつての伝説が再現されたかのようなレースとなりましたッ!!結果は────────オグリだ!!オグリ一着ッ!!オグリ一着ッッ!!スーパーウマ娘です!!ダートでもその奇跡の末脚は衰えることはないッッ!!時を経ても、彼女の伝説は失われることはないのですッ!!だからこそ!!掲示板に光るレコードの文字は必然なのでしょうッ!!彼女たちの伝説は、まだ終わらないッッ!!!ドリームリーグにも革命の嵐!!!ドリームリーグの全距離全バ場の記録が、今日一日で一新されました!!!』
伝説を見た。
夢を見た。
奇跡を見た。
トゥインクルシリーズで、あらゆる伝説を、奇跡のレースを走り抜けた優駿たちは。
ドリームリーグでも、その矜持を、誇りをもって。
人々に、夢を魅せ続けていた。
今日一日のレースで起きた奇跡の理由。
それは、勝利後インタビューでシンボリルドルフが述べたこの一言に集約されるだろう。
「────去年は、後進達があれほどのレースを見せてくれたのだ。あんなものを見せつけられて、先達である私達が奮わないはずがないのさ。私達ウマ娘は、いつだって……勝ちたいのだ。己の走りで勝ちたいのだ。だからこそ、レースには絶対がなく……その代わりに、夢が、ドラマがあるのだろう?いつでもドリームに上がってくるといい。私たちは、牙を研ぎ澄ませて待っている」