以前に一日早く投稿してたから帳尻合わせで許して♥(土下座)
『ナイストゥミーチュー!!イージーゴアよ、よろしくね!!チームJAPANの皆さま!!』
「ドーモ、マジェスティックプリンスです。コンゴトモヨロシク!」
「オベイユアマスターだ。急な話に応じてもらって感謝する。今日は本当に、裏も何もなく純粋な練習のお誘いだからね、邪推はしないでほしい」
アメリカ組の3人が来て、チームJAPANの面々と改めて挨拶を交わす。
それなりに経験の深いトレーナーが集っており、ウマ娘達も特段癖のある子はいない。フェリスの面々は既に関係が出来ていることもあり、温和な雰囲気で受け入れられていた。
『初めまして、チーム『レグルス』の小内と申します。イージーゴアさんですね。お噂はかねがね……』
『………!!??!?!?!??!!!!!あっ、はい!!イージーゴアです!!は、初めまして!!』
その中で、小内トレーナーが名刺を差し出して英語を用いてイージーゴアと挨拶を交わしたときに、なんだかとても珍しく彼女が狼狽している様子が見られた。
なんだなんだ……と思ったが、しかし、二人が並んで立つ姿を見て、俺はその理由に思い至る。
イージーゴアにとっては、恐らくは極めて珍しいのだろう。自分より一回り
かつてオベイユアマスターと共にジャパンカップを走ったミシェルマイベイビーが確か身長195cmで、イージーゴアはそれに並ぶ巨躯だ。オベイユアマスターが182cmほど、マジェスティックプリンスも173cmはあり、3人並ぶと日本勢との身長差がすんごい。
しかし日本勢の中でも我らが誇る小内先輩は身長208cmの巨体。ああして背を丸めていてもなおイージーゴアを見下ろすほどのビッグな男だ。黒と黒でSSと色が被るかと思っていたがタキオンのせいでたまに虹色に光るので割と見分けがつく。
『…………っはぁ~………っっ』
『クソデカため息。急にどうしたのSS』
急にため息を零すSSに俺は思わず小声で聞いた。
『いや、ゴアのヤツ、前に言ってたのよね。『自分より身長が高くてガタイのいい男がタイプ』って。……コウチがもしかして突き刺さったのかも…』
『知りたくなかったな……そうか……』
そうか。小内パイセンに春が来てしまうのかもしれないな。本人にその気はないだろうけど。
しかし万が一その恋路が成就してしまったら、日本に戻った所でタキオンが暴走するかもしれない。そうなったら全霊を持って止めなければなるまい。
さて、そうしてマジェスティックプリンスもイージーゴアも準備を終え、併走の時間となった。
既にこのレース場に来るまでの道中で軽く走ってウォームアップはしてきたらしい。
そういえば彼女たちは3人ともウマ娘だもんな。ウマ娘レーンも完備しているこのドバイ市街であれば、走って移動するのも選択肢の一つになる。便利だな。
『えー、では2000mダート右回りで走ります。タイム計測はオベイユアマスターとネイチャ。スタートは初咲さんと沖野先輩、ゴールは小内先輩がお願いします。走るのはファルコン、ウララ、マジェスティックプリンス、スズカ、イージーゴア、SSになる』
『おォよ』
『サンデーと走るの、随分と……本当に随分と久しぶりになるわね。フフ、良いわね、アガるわね!』
『負けない…!たとえ伝説が相手でも、先頭の景色は譲らない…!』
『ハーッハッハッハ!!凄まじいメンバーが集まったものだね、ファルコン!!楽しませてもらうよ、たとえ80%の走りだとしてもね!!』
「うんうん☆何言ってるかわかんねーや!って感じかな☆」
「ぽぁーん……ぽけー……いんぐりーっしゅ……」
「ウララー!!惑わされるなー!!普通に走り抜ければいいからな!!中距離じゃちょっと分が悪すぎる相手しかいないからホント無理すんなよ!?」
周囲に英語が飛び交う中でデバフを食らったウララに初咲さんが檄の声を飛ばしているのを横目に見ながら、俺は今から始まる併走、その余りにも伝説的なメンバーの集まり具合に冷や汗をかいていた。
いや、気軽に併走を受けてしまったが、これ、金取れるぞ?
日本からは、まず世界レコード保持者のファルコン。
異次元の逃亡者、アメリカのダートでも暴れまわったサイレンススズカ。
元気一番、実力も確かな頑張る一等星ハルウララ。
対フェリス以外は無敗の王子マジェスティックプリンス。
エクリプス賞W受賞、アメリカを蹂躙したサンデーサイレンス。
そしてそのサンデーサイレンスの一番のライバル、GⅠ9勝のイージーゴア。
なんだぁ?国を越えたドリームリーグの舞台かここは?
『……何度も言うけど、併走だから無理しないでね。80%、それを意識して走りましょう』
「………」
「スズカ。そこは頼むよマジで」
「沖野トレーナー…はい。大丈夫です、無理はしませんから」
スタート前に改めて今回の併走では80%での走りに抑えることを説明する。
これを言わないと全員が全力で走ってしまって怪我とか体力消耗とかがヤバそうだからだ。
練習である。無理はよくない。イイネ?
さて、くじ引きで枠順を決めてもらってスタート地点に並んでもらう。
既に、この時点で走るウマ娘達全員が意識を切り替え始めた。
併走とはいえ、レースに近い形のそれ。先ほどまでの穏やかな雰囲気は吹き飛び、そこにいるのは6頭の獣。
トレーナーである2名までそんな雰囲気になっているのが若干気になるが、まぁ気を抜いて走られても困るしな。俺は何も言わず、スタートの準備を整える。
「アイネスさん、誰が勝つと思いますか?」
「んー……やっぱりファルコンちゃんに一票なの!キタちゃんは?」
「私はサンデートレーナーに一票です!頑張れー!サンデートレーナー!!」
「真面目に考えれば……マジェプリちゃんかな?ファル子ちゃんもサンデートレーナーもさっきまで併走してたしね」
「でもライアン先輩、プリンスさんもイージーゴアさんも、今これから併走に入るところです。体の解れ具合で言えば、ファルコン先輩たちの方が上ですよ」
「ウララちゃんを応援したいところもあるんだけどねぇ……2000mだとちょっと厳しいかなぁ!?!?」
「かも、ね。でも、ウララちゃんだって革命世代さ。この併走を無駄なものにはしないはずだよ、ササちゃん」
芝を走る他の面々も、休憩がてらこの併走を見に来ていた。
それはそうだ。この併走は見逃せない世紀の一戦だ。必ずや見学するウマ娘達の参考になる事だろう。見事なレース展開が作られるはず。
スタート紐を初咲さんと沖野先輩が彼女らの脚元に張り終えた。
俺はスタート地点に並ぶ皆の後ろから、スタート係の二人に向けてハンドサインによるカウントダウンを始める。
3。
2。
1。
『……ッスタート!!!』
スタート紐が上げられ、併走が始まった。
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「ッ……!ファルコン先輩…!」
「…砂の上では、譲らないっ…!」
まず、世界最高峰のスタートを決めた二人による夢の共演が果たされた。
サイレンススズカとスマートファルコン。この二人が、共にロケットスタートを決めたのだ。
だが、分があったのはスマートファルコンだ。スタートの直後は同時であったものの、その後の加速に差が出る。砂の上では、隼に軍配が上がる。
位置取りはスマートファルコンが先頭、そのすぐ後ろをサイレンススズカが追走する形となった。
勿論、お互いに80%という上限をしっかり守っている。守ったうえで、その限界をスタート直後から出しただけだ。
開始直後からマックスに至れるからこそのスタート巧者。まず砂の隼と異次元の逃亡者の先頭争いが発生した。
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『ああ……昂ってしまうね。その背中を、この半年間、夢にまで見たよ……ファルコン!!』
そしてその後ろ、こちらも好スタートを切っていたマジェスティックプリンスが続く。
彼女のまなざしの先は、スマートファルコンの背中。
ベルモントステークスの悪夢で30バ身以上の差をつけられた、余りにも遠い背中。
それに、どれほど近づいたか。このドバイワールドカップで、試したい。
あの砂の隼、愛するライバルへたどり着きたい。
……彼女が先月、マイルのダートレースで敗北を喫したことを当然、マジェスティックプリンスは知っていた。
あのレースの勝者、フジマサマーチ。
彼女の持つ執念の深さ、想いの強さはマジェスティックプリンスも画面越しながら存分に感じ取っており、その意志の強さには敬意を持っている。足の故障はあったが、彼女の走りは素晴らしい物であった。あのレースの決着に貶めるようなものはない。
だが、スマートファルコンの砂上の初めての敗北を己以外のものに取られたことは、いささか業腹であった。
あの絶対の砂の隼は、己がいつか堕とすのだと決めていたのに。
その悔しさのぶつける先は、しかし、やはり砂の隼しかいないのだろう。
(中距離戦こそがファルコンの真価……そこで私は君に勝ちたい!このドバイで、30バ身差の屈辱を晴らさせてもらおうとも!!)
勿論、今は併走である。80%で皆が走っている中で、自分だけ100%を出してぶち抜くような走りなどするつもりもない。
己の脚の調子やスマートファルコンの走りの観察などをしながら、徐々にギアを上げていく。
領域である【王の箱庭】も500m地点で展開するが、正直な所、今走るこのメンバーには効果はほとんどないだろう。
先頭を走る二人、そしてすぐ後ろを走るSSと2バ身後ろのイージーゴア。少なくともこの4人には意味をなさない。
ハルウララだけは分からないが、まぁ、そもそも走るレンジが違うと先ほど話もあった。彼女は短距離からマイルがメインとのことなので、今回の併走では先頭に食い込みはしないだろう。いつか実戦のレースで共に走る事があれば、その時は本気で試してみたいものだ。
(練習とはいえ……当然、諦めるつもりは毛頭ないとも!一度の敗北で牙が抜けてしまうほど、隼は弱くはないと私に思い知らせてくれたまえ!)
さらに脚に力を籠めて、マジェスティックプリンスが領域を展開した。
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「っ…!これが、プリンスちゃんの…!!」
マジェスティックプリンスを中心とした赤いドーム状の領域が展開され、その中に取り込まれるハルウララ。
おおよそ2バ身ほどの差を持って、最後尾をハルウララが走っていた。
そのすぐ前には、大きな体を存分に回して走るイージーゴアの姿がある。
ハルウララは、マジェスティックプリンスのその領域、数多のウマ娘達が取り込まれ堕ちていったその王の箱庭に捉えられても……根性で、耐えきった。
影響がゼロとは言わない。しかし、今の、激戦を潜り抜けてきたハルウララにとって、この領域は決して抵抗できないものではなかった。完全にやられてしまうほどのものでは、ない。
何故なら、ハルウララもまた見てきたからだ。
牽制に抵抗をし続ける、絶対たるスマートファルコンの背中を。
そんなスマートファルコンすら落とした、フジマサマーチの執念の牽制を。
他にも、ノルンエースといった牽制を得意とするウマ娘、そんな子らと併走を続けてきた。
つぼみであった桜の花は既に満開となり、一流ウマ娘達が集うこの併走にあっても、決して絶望的な差は開いていなかった。
ポツンと一人なんて言わせない。
しかし、それでも距離適性の差は間違いなく存在する。
無茶をしても勝ちきれない、残り1500mの距離で追い抜くのは難しい。
それはハルウララもわかっている。バカではないのだ。初咲トレーナーがレース前に言っていた通り、この併走はハルウララにとっては、着順を見るものではない。
「ah……ウララ、
「んー!おー!ふぃーるおーらい!!まっするまっするー!!」
「アハッ……okay、nice fight!!」
前を行くイージーゴアがちらりと振り向き、しんどそうに走る自分を労わる言葉?を恐らくかけてくれたのだろうが、しかし心配はいらない、と何となく英語で返してみた。
そんなやり取りにお互いに苦笑を零し、しかしハルウララの瞳に燃える炎を感じたイージーゴアは、心配はいらないことを察し、己の走りを果たすために加速する。
いい目をしていた。
この併走で、距離適性の違いはあれど、己のできることをすべて成そうという決意の目。
たとえ並び立てなくとも、前を走るウマ娘達から、少しでも強さを吸収してやろうと言わんばかりの集中力。
イージーゴアは、内心でハルウララの評価を改める。
体も小さく、笑顔は可愛らしいがその体に圧倒的な才能を感じるようなものはなかった。マジェスティックプリンスやスマートファルコンに感じるようなものは、無いと感じていた。
しかし違う。この小さな体にも、確かに熱があり、想いがあり、それを力に変えている。
『……ッハ、なるほどね。どこかで見たような気がすると思ったわ…』
イージーゴアは徐々に位置を上げながら、そのかつて見たような姿、才能もなさそうな体で己を3度も破った、最大のライバルにして最愛の親友に近づいていく。
サンデーサイレンス。この子の脚は、体は、まったくもって才能に恵まれていなかった。
しかしそれを、ハルウララとは違う方向ではあれど、想いで、執念で磨き上げ、この私に勝つまでに至っている。
そんな彼女が日本でトレーナーとして花開いたことに喜びもある。
友人として、これからも末永くやっていきたい。
しかし。
それはそれとして。
この目の前の小さいのには、二度と負けたくないのよね。
『…!ゴア、アンタッ……!!』
マジェスティックプリンスの後方半バ身ほどの所で、領域に抵抗しながらもスマートファルコンの領域の発動を見届け、最終コーナーに入り加速しようとサンデーサイレンスが足を踏み込もうとしたところで。
後方から上がってきたイージーゴアが、
いや、そのように表現したが、これは決して反則ではない。
アメリカのレースでは日常的にみられるラフプレーだ。
走っている際に、その腕が相手の体に当たる。ポジションの奪い合いで、体同士が接触する。
その程度はアメリカレースでは毎日のように起こる事であり、アメリカのウマ娘達はそんな接触に慣れていた。
しかし、当たってきたのがイージーゴアである。
たとえそれが彼女にとってライバルに向けた軽いちょっかいだったとしても、普通のウマ娘ならば吹っ飛んでいることであろう。
195cmの巨躯が、60km/hほどの速度で走りながら接触してくるのだ。
そこに生まれる運動エネルギーは計り知れず。
だが。
それを受けたのは、運命にすら噛みついたアメリカ最強のウマ娘である。
『ッ……微動だにしないじゃない。ホント、鍛えてんのね、サンデー!ねぇ、もっとやりましょうよ!!』
『アンタねぇ…!!これは併走だ、って言ってんで……しょっ!!』
『ンはっ♪……ああ、いいわね、懐かしいわ!プリークネスステークス*1を思い出すわねぇ!!』
イージーゴアの接触も意に介すことなく、むしろ逆に体をぶつけ返してやり返してくるサンデーサイレンス。
その瞳はふざけるなという叫びを宿す深い黄金。
サンデーサイレンスは、宿命のライバルであるイージーゴアにちょっかいをかけられたことで、現役時代の気性難が蘇り始めていた。
152cmの小柄な体から繰り出されるラフプレー。しかし横方向への力の伝え方が上手いサンデーサイレンスが、類稀なる体幹から放つことによりイージーゴアですら揺らすに至る。
本気で勝ちに来るときのサンデーサイレンスほど恐ろしいウマ娘はいない。
噛みついてでも抜いてやる、と言わんばかりの執念が、圧が、全方位に向けて放たれ始める。
そしてそれを受けるイージーゴアもまた獰猛な笑顔を見せ、宿命のライバルに向けた全力の走りを繰り出すべく、ばくん、と全身の筋肉をビルドアップさせる。
併走が壊れ始めていた。
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「……っぎゃあ☆!?」
「えっ……!?嘘でしょ…!?」
『ちょっと、待ってくれないか…!!お二人ともいい大人でしょう!?』
「うわ、こわー………」
最終コーナーを曲がり終えて、4人の口から悲鳴とも驚愕とも呆然ともとれる声が漏れた。
併走はラストスパートに入り、スマートファルコンは先頭を維持し最後駆け抜けるために姿勢を落としたところ。
その後ろ、サイレンススズカはここまで何とか2着に食い下がっていたが、今のファルコンに追いつくこと叶わず、少しずつタレ始めていた。
それを追い越すように見事なタイミングで抜け出し準備を始めるマジェスティックプリンス。彼女の技術が光り、砂の隼までたどり着けるかどうか、という具合。
その5バ身ほど後方、ハルウララも適切な位置で末脚を発揮するが、やはり距離適性の壁は大きく差はなかなか縮まらない。しかし、本人はいたって真面目に、最後まで気を抜くことなく走り切ろうと考えていた。
しかし。
そんな学生たちの輝きの、その大外を。
大人気ない二人が、120%の全力疾走で駆け抜けていく。
『────ふざけんじゃないわよゴア!!こうまでして私と決着付けたいって言うの!?BCクラシックでどっちが上かはとっくに理解してるでしょう!?私が上で!!アンタが下よ!!!』
『何言ってんの、あれは後10mあったら私の勝ちだったわ!!*2それにベルモントステークスでは私がぶっちぎりだったでしょうが!!*3』
『あん時は調子悪かったのよ…!!私が3回勝って!アンタが勝ったのは1回だけ!!誰が見てもはっきりしてるでしょうこのデカブツ!!』
『はー!?私はGⅠ9回勝ってるんですけどー!?サンデー何回だったっけー?たった6回だっけー!?チビだからいっぱいレース走る体力ないもんねぇしょうがないわよねー!?』
『はぁ!?気にしてることを言ってくれたわねこの唐変木!!アンタは無駄に図体だけデカくて頭が回らない猪突猛進バカでしょうが!!』
『バカって言う方がバカだって貴女が言ったことなのに忘れちゃったのかしらー!?胸にしか栄養が行ってないから自分が言ったこと忘れちゃうのよねー!!どうせその体でケットシーにも誘惑とかしてるんでしょー!?』
『本気でブッ殺すわよアンタ!!アタシよりも胸小さいくせに!!!』
『やれるもんならやってみなさいよこのチビ!!!』
『
『
その連なるように走る二つの罵倒製造機は、ハルウララを置いてけぼりにし、サイレンススズカすら眼中になく、マジェスティックプリンスを容易に抜き去り、スマートファルコンすら差し切って。
ほとんど並んだままで、そのままゴールに飛び込んでいった。
「…………ええと、一着はイージーゴアさんですね。二着がクビ差でサンデーサイレンスさん。……三着が2バ身差でスマートファルコンさん、四着がハナ差でマジェスティックプリンスさん。……5着が3バ身差くらいでサイレンススズカさん、6着が1バ身差でハルウララさんです」
『ハァ!?コウチ、私の勝ちでしょ!?よく見てなかったの!?』
『アーーーっハッハッハ!!これで2勝になったわ!!次でもう一回勝てばドローになるわねサンデー!!』
『はァ!?このレース前にアタシは何度も併走してんのよ!!それで勝ち誇るとかプライドはないわけゴアさんはぁ!?』
『あらあらあらあら!!サンデーサイレンスさんともあろう方が言い訳なんてはしたないわね!!勝ちは勝ちよ!!これだから────────』
ぐりっ。
『みぎゃあ!?!?』
『ンアーーーッ!?!?』
レースを終えた二人が、それでも醜く言い争っていたところで。
その後ろから近づいて見事に二人の脱力するツボを撃ち抜いてへたりこませる。
二人が叫び声と共に砂に伏して振り返れば、怒り心頭と言った様子の立華勝人と、オベイユアマスターがそこには立っていた。
『────────SS。正座』
『ゴア。アンタもだ』
『『アッ、ハイ……』』
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────────────────
その後、ウマ娘達の併走は改めて実施され、スマートファルコンにとってもマジェスティックプリンスにとっても、勿論ハルウララにとってもとても有意義な練習が果たされ、仲を深めることができた。
そして、大人気ない様をさらした二人は、その間ずっとお仕置きとして砂の上に正座させられ続けたのだった。