春天で心配そうに眺めてたレーンちゃんも5着。面白いなコイツら。
!!ぱかちゅーぶっ!!
!! GⅠ生実況 !!
!! いざドバイ !!
…なうろーでぃんぐ…
…なうろーでぃんぐ…
「……っし、音入れるぜー。よーし!休憩終了だー!!我らがチームJAPANが挑むアルクオーツスプリントまでもうちっとだぜ!!」
「つい先ほどUAEダービーが終わり、この先はGⅠ5連戦だな。もう夜の10時を過ぎるところだが、コメント欄の皆、まだ眠くはないだろうか?ここからが本番だからな」
「さっきまではレース見ながら展開予想とか日本のレースについて語ったりとか今日オニャの歴史見とったが、こっからはガチ解説やで!!エナドリキメて最後まで走り抜けようやぁ!!」
『おかえり』
『おかー』
『ゴルシがパジャマなの芝なんだわ』
『横の二人は普通に制服なのにな…』
『可愛い柄のパジャマですね』
『ルドルフは随分と目つきがギラギラしてますねぇ!』
『会長海外レースに感情移入しがち』
『タマは大丈夫?眠くならない?』
『見た目は幼女だがタマはこれでもJKなんだ』
『なんや』
『今日のオニャンコポンでみんなの笑顔よすぎて目が覚めました』
『控えめに言って最高の一枚』
『こっから眠くなるやついる!?いねぇよなぁ!?』
『俺の目はさっきからギンギンだぜ』
『わかるんだよ』
『ちゃちな”眠気”じゃおさえきれない』
『たたきあげられた……』
『熱いレースの予感がな!!!』
「おう、花のJK捕まえて幼女とはなんや幼女とは」
「タマモクロス、落ち着け。そもそもだが私達学生ウマ娘も夜更かしは本来は推奨されない年齢だ」
「誰もわかんねぇロックマンネタ使いやがって…。まーあれだ、概要欄にも注意書きで書いてるけどよ!この放送は日を跨ぐ深夜まで生放送してっけど、学園とURAにはきちんと配慮と許可をもらってっかんな!!」
「ゴールドシップのいう通りだな。この放送に備えて私達も仮眠をとらせていただいている」
「ウチらのことは心配せんでええからな!!レース見て盛り上がろうや!!あ、勿論なんやが眠い人はちゃんと寝るんやで!!夜更かし自体は体にいいことあらへんからな!」
「ベッドの中で応援したって怒られやしねーぜ!!さーそんじゃドバイGⅠ初戦!!アルクオーツスプリントの解説から入っていくぜぇ!!!」
『心配助かる』
『俺らも仮眠取ってるから問題ない』
『今日の昼寝率すごそう』
『土曜日開催なのが有難いよね』
『明日は大阪杯だけどそれには間に合う時間に起きられるやろ…』
『大阪杯もまたウオダス勝負だから楽しみ』
『阪神レース場ならダスカな気がするなー』
『だがその前の今夜のドバイだ!!』
『解説オネガイシマス!』
「うむ。……アルクオーツスプリント。アルクォンズスプリント、と呼ばれることもあるな。このレースは先ほど解説したドバイワールドカップミーティングで開催される芝1200mの短距離GⅠだ」
「何よりの特徴が1200mの直線コースで行われるってところやな!!日本にも新潟1000直があるんやがあれよりも200m長いで!レース場自体がデッカいやんなぁドバイは」
「ドバイワールドカップデーのレース全部に言えることだけど歴史もかなり新しいぜっ!!2007年に前身のレースが創設されて、そのころはまだ日本で言うOPみたいなもんだったんだけど、2009年にGⅢに昇格。2010年にメイダンレース場に開催場所が移行されて、そこで芝1000mの直線レースになったんだとよ。GⅠになったのは2012年からで、その時はオーストラリアのウマ娘が一着取ってんなー!!んでもって芝1200になったのは2017年からだぜっ!!」
「オーストラリアは日本に比べて短距離GⅠがかなり多いんだ。重賞として開催されるレースのなんと半分以上が1400m以下で行われる。その分、短距離ウマ娘が育つ土壌もできている……というわけだな」
「その辺はオーストラリアは効率ええなーって思うわ。短距離レースならウマ娘の脚にたまる疲労も長距離とか走るよりは大きくならんし、その分レースの回転率も上がる。ウマ娘達もそっちで競い合うのも多くなるやろなー」
「実際歴史的に見ても、オーストラリア出身で世界で短距離取ってるウマ娘は多いぜ。メッカ、って感じだなー!まっ、今日はそんな奴らが相手なんだけどよ!!オーストラリアからの参加は3人いるぜー!!」
『ほえーアルクオーツスプリントってそんなに最近なんだ』
『そもそもドバイワールドカップデーが1996年開催のドバイワールドカップから始まる歴史だからな』
『メイダンレース場できたの2010年やぞ』
『10年近く前か…』
『けいおんの第二期がアニメでやってたころかぁ』
『やめて』
『やめろ!』
『嘘だろ…?けいおんって2,3年前じゃ…?二期…?』
『現実から目を逸らしてはなりません』
『オーストラリアって短距離レース多いんだ』
『日本は脚の負担とか考えてジュニア期とかOPは短い距離多いイメージだけどね』
『地方はだいたいダート短距離だしな』
『けど主要な重賞やGⅠって言うと確かにマイル中距離に偏ってるな日本』
『なしてー?』
『考えるな感じろ』
『つまりそんな修羅の国からやってくるウマ娘にアイネスは挑むのね……』
『頑張れねーちゃん!』
「おー、そんじゃ続いて有力ウマ娘の紹介に行くか!!まずは我らがチームJAPANより一番槍っ!!アイネスフウジンだぜー!!」
「アイネス!……ダービーの後に風神雷神コンビ作ろうやって誘ったのに『まだ風神には至ってないから謹んで遠慮させてください』って真顔で言われたの忘れとらんかんな」
「……すまない、少しばかり爆笑させてもらっていいかなタマモクロス。片腹が大激痛なんだ」
「ルドルフも最近ゆるくなっとるなぁ!?笑え笑え!!このレースで勝ったらまたコンビ申し込んでウチのうまちゅーぶチャンネルで番組企画しとるからな!!それ見て笑えや!!」
「……いやタマちゃんパイセンよー、世界に挑む後輩なんだしまずはちゃんと解説して応援してやろーぜ?」
「あ、スマンな。ボケから入ってもうた。……ってかゴルシに真顔で言われると割とヘコむが!?」
『芝』
『芝3200m天皇賞春勝者』
『目の前の3人全員やろがい!』
『タマは関西人だからな ボケないと死んでしまう病にかかっているんだ』
『難儀やな』
『ゴルシがこの生放送だと割と真人間モード入る事多いよな』
『URAに監視されてるからな』
『やらかしたらたづなさんが入ってくるからな…』
「さて改めてアイネスの話だが……ここまでの戦績は今日の生放送の最初の方で、チームJAPANのみんなを説明したから改めての解説は不要だよな?みんなもバッチリ見てるだろうしよ!」
「メイクデビューから数えて12戦10勝。GⅠ3勝、敗北したレースもほぼハナ差クビ差レベルの2着か3着。レコードタイムを6回も叩き出している。その活躍はまさに疾風怒濤と言ったところか」
「同チームのファルコンやフラッシュに比べると総合力が高い、って印象やな。フラッシュの末脚やファルコンのスタート~中盤みたいに物凄い武器はないけど、あらゆる所で平均的に高レベルにまとまっとる。……って評価は、ジャパンカップの前までや」
「ああ。タマモクロスの言う通り……あのジャパンカップの最後200mに見せた鬼の末脚。世界最速の1ハロン。あれがもし今も武器として使えるようになっていれば……短距離レースだろうとわからんぞ」
「アイネスが短距離レース走ったのはジュニア期の2戦だけなんだよなー、両方勝ってるけど。マイルから中距離が本来の適正距離だとは前に猫トレも言ってたけどよ、本人の希望で全距離のGⅠレース制するつもりらしくって、その初戦がここアルクオーツスプリントってわけだ!!……いや、その理由でまず世界最高峰のレースに挑もうってんだから歌舞いてやがるぜぇ!そういうのアタシは好きだな!!」
『アイネスのレース見てない奴いる!?』
『いねぇよなぁ!?』
『なんならCMでよーく見るし』
『何度CM流れても口あんぐりしちゃうあのジャパンカップ』
『風激電駭────』
『あの走りは奇跡だってインタビューの時の猫トレ言ってたけど武器になってんのか?』
『脚に負担凄そうだけどな』
『でも猫トレだぞ?』
『やってる(確信)』
『それにしても全距離GⅠ制覇目指すってのは大きく出たよな』
『めちゃくちゃ応援はしてるしこのアルクオーツスプリントも勝ってほしいけど実際厳しいイメージがある』
『固定観念に囚われてはいけない』
『オッサンであるほど全距離GⅠは無理だって脳裏に刻まれてるからなぁ…重賞ならワンチャンだけど』
『重賞ありならタケシバオーが最初か?』
『ナリタブライアンが高松宮記念で勝ってたらワンチャンだった』
『グラスワンダーが短距離1400mのGⅡ京王杯SC~有マ記念まで勝ってるから重賞ってくくりで見ればごくわずかにいるよね』
『だがGⅠは誰もやってない』
『革命は果たせるのか!?』
『とりあえずこのGⅠは他に日本のウマ娘いないし勝ってほしいと心から願う所』
「ふむ……コメントの皆も中々博識だな。実際、全距離のGⅠ制覇と言うのは極めて困難な道程であることは間違いないのだ。レースを走る我々だからこそ身に染みてわかる部分だな…」
「短距離も長距離も速く走るってのはフッツーに考えてありえないんよなぁ。猫トレは距離適性克服させる指導が得意ってんならわからんけども」
「短距離とかアタシらが走ったらまずもって加速に乗る前に死ぬだろーからな」
「追込みだとなおの事だろうな…。……っと、話が逸れてきてしまっている。海外の有力ウマ娘の紹介に移ろう」
「お、せやな。えー…まぁウチら独自での調査によるものなんやけど、一人だけダンチのウマ娘が走るんや。こいつを紹介していくでー」
「では画面にドン!!こいつはオーストラリア出身のウマ娘!!ブラックベルーガだぁ!!本日一番人気!」
『ブラックベルーガchang!』
『ブラックベルーガだあああああああ!!!!』
『これ無理ゾ』
『え、知らん誰?』
『海外のレースまで見ないからな…』
『いやこの子はマジでヤバい 名前で調べればわかる』
『海外の子ぱかちゅーぶで知ること多いよね マジェプリとかもそうだし』
『知ると愛着わくんだけどな マジェプリも今月の今日オニャに何回か写ってたね』
『こいつは……やばい……』
『今ググった……は?』
『こいつヤバい』
『目を疑った』
「ブラックベルーガ。シニア級2年目のウマ娘で、オーストラリアでのレースは21戦21勝……無敗だ。なお、すべて短距離のレースに出走しており、その中でGⅠは11勝となっている」
「何度聞いても頭おかしくなる成績や……さっきルドルフが言ったとおりオーストラリアは短距離レースが多くて、スパン空けないで走れるってのを加味しても異常やな。短距離レースやぞ?」
「短距離は一個のミスで取り返しつかなくなるからなー。その中で無敗ってのはもうレベルが違うんだろーな。実際、オーストラリアじゃもう短距離に敵なし!って感じだぜー。そんな奴が今回、このアルクオーツスプリントにやってくるってわけだー!!」
「アイネスこらかなり厳しいな、風神雷神コンビの結成は夢だったか…残念や……」
「いや、そもそもアイネスが勝利してもタマモとコンビを組むかどうかは別問題だろう?」
「冷静にツッコまんでくれや!!現実逃避しとるのに!!」
「現実逃避したくなるのもわかるぜー。ちなみにこのウマ娘、領域は残り600mあたりから発動するタイプだぜー。距離だけで言えばフラッシュとかライアンとか、中距離長距離走るウマ娘ならそんくらいで出すやつなんだけど、タイプとしてはどちらかっつーと……アタシに近いか?」
「だな。600mと言えば1200mレースの半分の距離だ。その長さを、ゴールまで止まらない加速で駆け抜けるのが彼女の領域だ」
「短距離やから当然末脚は全員振り絞るんやけどな、過去のレース映像見るとその速度差がはっきりしとるで。先行の位置からぶっ飛んでって、残り200m地点で差を空けて先頭をキープしながら駆け抜けるレースが多いなぁ」
『無敗のウマ娘(21戦)』
『GⅠ11勝ってマ?日本の誰よりも多いやん』
『短距離でスパンが短いってのもあるけどそれにしたってこれは……』
『ってことはここ2~3年はオーストラリアの短距離GⅠはこの子しか勝ってない……ってコト!?』
『いやオーストラリアの短距離GⅠはまだまだ数あるからそうでもない』
『そんなに』
『それにしたってヤバすぎる……』
『納得の一番人気』
『領域もタマの説明聞く限りはシンプルに強い感じか』
『短距離で600m全力疾走できるのはもうヤバいのよ』
『普通のウマ娘は2~300mが限界』
『他のウマ娘の倍のスパート距離ってことか…』
『怪物(モンスター)……』
『アイネス勝てる……のか?』
『頑張れねーちゃーん!!』
『あのジャパンカップの末脚が出れば…!』
「コメント欄も随分と暗いモードになっちまったがアイネスだってあのチームフェリスだぜ!革命世代としてきっと勝ってくれる!!アタシはそう信じているっ!!」
「同感だ。立華さんならきっと、勝てるように仕上げているだろう。見守ろう、祈る様に」
「ウチも茶化しはしたが風神雷神コンビの結成は全く諦めとらんからな。そのためにも勝てやアイネス!」
「みんなで応援してやろうぜー!!さて……ドバイの映像をURAが訳してくれながら放送してるのミラーでここでも流してるけど、どうやらゲート前にウマ娘達が集まってきたみたいだぜ!」
「ん、そのようだな……向こうはもうすぐ18時と言ったところか。夕暮の中のレースになるな」
「……お、アイネスが出てきたで!!……お、お、……お?これは期待できそうやぞ?」
「おー……まず、脚の仕上がりがいいな。日本にいた時と比べて一回りトモが太くなってやがらぁ。短距離に脚を仕上げてきたな……短距離走れるウマ娘はパワー必須だから脚が太くなっからなー」
「それが悩みになるウマ娘も多いがね。だが……間違いなく、仕上がっている。流石だ。そして何より……表情がいい。挑戦的な笑顔だ…まるで子供のような」
「ウチがオグリとやりあったときとかあんな顔やったな。とっとと白黒つけたくてたまらないって顔やな」
『アイネス出てきた!』
『アイネス!アイネス!!』
『俺らのねーちゃんは海外ウマ娘に負けない!!』
『世界を革命してくれぇ…』
『脚太くなったか?わからん』
『逞しくはなった……のか?わからん』
『正直ウマ娘の筋肉ってライアンとかイージーゴアとかブロワイエレベルじゃないとよくわからん』
『しかし画面の向こうの3人は絶賛ゾ』
『この子達何気に全員サブトレーナー資格持ちだからな』
『プロやな────────』
『でも表情は抜群にいい!!』
『日本ダービーの時に同じような顔だったね』
『頑張れー!!世界最速の1ハロンを刻めー!!』
『ん、声掛けに行った』
『ブラックベルーガやろがい!!』
「おー、アイネスのやろーブラックベルーガに声掛けに行ったぜ……勇気あるなぁ」
「……いや、逆だな。ブラックベルーガが先ほどからアイネスフウジンの様子を観察していた、それに応えたのだろう。彼女もアイネスフウジンは注意すべきウマ娘と見たか」
「どーやろなぁ。ウチらと同じようにどの国のウマ娘も他の走者の情報集めるやろ?で、たぶん一番なんだこいつ?ってなるのがアイネスやで。専門距離やないんやからな。その上で2400mレースで最速1ハロンキメとんのやから、どちらかっつーと珍獣を見る目やないか?」
「タマちゃんパイセンの意見もありよりのありだなー、一番短距離の実力がわからねーのってアイネスだろうし。他のウマ娘は当然、全員が短距離専門だからな」
「例えてしまえば大穴ウマ娘、と言う所だろう。実際、今日のアイネスは世界の人気順だと7番人気だ。これまでのレース戦歴からすればもっと低くても仕方ないところではあるが、7番に入っているのがその未知数への期待だろうな」
「ついでにラッキーセブンで1着ブチ抜いたったれやアイネス!!行けるで!!」
「ドバイワールドカップデーにはファンファーレがない。今、ウマ娘達がゲートに収まっていく……入り終わったらスタートだ」
「流石にみんな集中してやがらぁなー。ゲート入りも順調だぜ!!世界ともなると違ぇなー!」
『ペー?』
『ペペれないのは悲しい』
『その代わりレースの間に花火上がるから…』
『花火マ?』
『夜になったらすごいよ』
『ゲート入りだ!』
『ゴルシじゃないからみんな素直にゲートに入っていく』
『急げ!ゲート擦りで縁起を高めろ!』
『世界だろうが日本だろうがお前はゲート入らないだろ』
『甘えるな』
『ドリームに行ってもちゃんとゲート入れ』
『お前のゲート入りはおかしい』
『アイネスを見ろッ!!やる気満々でゲートに入っていくぞッ!』
『もうゴルシのヘッドホンは外してよろしい』
『えッ!』
『ただ頭のアレ外した姿見たいだけじゃねーか』
「おうおうこれでアイネスが勝てるんだったらいくらでも擦りやがれッ!!さぁ全員ゲートに収まった!!」
「始まるな……1分10秒の攻防だ、刮目しよう!……スタートッ!!!全員が凄まじいスタートダッシュだ!」
「…よしっ!!アイネスの位置は悪くないで!!流石にハナはとれんかったが前目の3番手や!!」
『はじまた!』
『うわー!!アイネス頑張れー!!』
『直線レースだから映像がすごい!!』
『カメラもメイダンレース場はめっちゃ意識してるから見やすいのよ』
『併走カーさん頑張ってんな…』
『アイネス悪く無い位置か!?』
『今3番手くらい?』
『このままいけー!!ねーちゃーん!!!』
「…アイネスに取っちゃ普段のレースからハイペース作ってたのが功を奏したって所だな!!普通の中距離レース走るウマ娘だったらこの時点で最後尾に位置してもおかしくねぇ!!」
「ああ、彼女は既にジュニア期に1000mを56秒台で走っている…スタートからの加速では短距離ウマ娘にも負けん!」
「しっかし他のウマ娘も流石短距離専門、世界の優駿や!!そんなアイネスに難なくついて行っとるで!むしろアイネスが少し厳しいか!?」
「もう300m通過…!アイネスの後ろからブラックベルーガが狙ってやがる…!!」
「コーナーもないからひたすらに展開が早いのだ!一度堕ちたら厳しいだろう……残り半分を切った!!」
「来るで……ブラックベルーガッ!!領域に入られた!!こっからやぞアイネスぅ!!」
『うわー展開が速い!!』
『位置取りもめまぐるしい変化が!!』
『アイネスまだ前目だけど左右に集団分かれてるからどうなるかわからん!』
『もう半分!?』
『うわ来た!!』
『ブラックベルーガが領域入った?!』
『なんか今画面暗くならなかった?』
『領域発動時の心象風景(なお常人は見えない模様)』
『超有力ウマ娘の領域は常人の視野にすら浮かぶと聞く』
『ファルコンのやつだけちょっと見えてたけどこのブラックベルーガのもなんか…黒い!』
『それほどの威力の領域と言う事なのか!?』
『うっわ速い!!』
『明らかに周りと比べて速ぁい!!』
『ねーちゃーん!!耐えろおおお!!!』
「アイネスも位置を下げねーで頑張ってたが……がっ!!ダメか!!くそっ、抜かれちまった!!」
「あの領域による加速、牽制で潰し切れるようなものではないか…!ブラックベルーガ本人が何より牽制への抵抗力が強い!流石はオーストラリア無敗のウマ娘か……だがまだだ!!残り400m!!」
「こっからやろがアイネスゥ!!根性見せんかい根性ォーー!!!」
「行けーアイネス!!まだ距離残ってるぞ!!差し返してやれ!!」
「君なら行ける!立華さんが鍛え上げた君ならば……行け、アイネス!!行ってくれ!!」
『うわーーーねえちゃーん!!』
『抜かれた!!』
『まだだ!!』
『まだだな!!』
『アイネスはこっからだ!!』
『いけえええええええええええええええ!!!!』
『アイネスフウジンならここから行ける!!』
『行ってくれえええ!!』
『ジャパンカップの奇跡をもう一度…!!!』
『アイネスならここから行ける!!』
『負けんなアイネス!!』
『行けーーーーーーっ!!革命世代ーーーーー!!!』
『負けるな!!ブチ抜いてくれー!!』
『アイネスううううううううううう!!!』
「残り距離が短いぜ……ブラックベルーガの加速は止まらねぇ!!残り300mッ!!」
「行けっ!!世界に勝て、アイネスッ!!」
「根性やぁーーーーっ!!!ブチころがした────────」
────────ゼロ
「─────────ッ!?来たッ!!??」
「なっ、これは──────ッ!?」
「ジャパンカップの時と同じ!?風や!!アイネス中心に竜巻が起きとるっ!?まるで乱気流や!!」
『うおおおおおおおおおおおおお!!!』
『アイネス!?』
『何だあれ…』
『行けー!!アイネスーーー!!!』
『何!?何なのぉ!?』
『周りのウマ娘が全員めっちゃびっくりしてる!?』
『すごい顔』
『隣の子ヨレたか!?』
『風が……来る!!』
「とんでもねぇ領域だ!!!アイネスの領域が進化してやがるッ!!周りの風を自分を中心に吸い込むような……!?」
「デバフ……に、特化した領域か!?だがそれではブラックベルーガの脚を止められても越えては──────何だとッ!?」
「出よったーーーッッ!!!ジャパンカップの時の神速の末脚!!!一気にブッ飛んでいくで!!!行けーーーーーッッ!!」
『うわああああああああああああああああああああああ』
『アイネスーーーーーーーーーーーーーーー!!!』
『行けーーー!!突っ込めーーーーー!!!』
『これ行ける!!!』
『ジャパンカップで見た』
『やったれええええええええええええええええ!!!』
『差し返せ!!差し返せ!!』
『撫で切れっ!!!』
『すげえええええええええ!!!!』
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお』
『映像ブレてる…』
『すげぇ!!撮影カーが追い付いてねぇ!!!』
『並べ!!』
『あとちょい!!』
『残り50m!!』
『並んだ!!』
『並んだァ!!』
『いっけええええええええええええええええ!!!』
『勝てええええええええええええええっ!!!』
『ブラックベルーガも!?』
『いや勝った!!』
『抜いた!!』
「今ッ!!ゴォーーーーーーーールッッッッ!!!!……勝った!!勝ったろ!?勝ったよな!!」
「ああ……!!間違いなく勝った!!アタマ差はついていただろう!首の上げ下げでどうにかなる差ではない!アイネスフウジンの勝利だ!!」
「いィよっしゃーーーーーーー!!!まずはチームJAPAN一勝やああああああああああああ!!!」
『っしゃあああああああああああああ!!!!』
『いやったああああああああ!!』
『アイネスおめでとー!!!』
『すんげぇ走りだったな最後…』
『撮影カーから見切れそうになるくらいの速度はマジヤバ』
『撮影スタッフ後で怒られるなあれ……』
『ブラックベルーガもあの速度でよく最後まで走ったな……』
『流石にレコードはなしか』
『アイネスの専門外の距離だからな』
『専門外(世界最速1ハロン記録)』
『専門外(国際GⅠレース勝利経験)』
『チームJAPAN一勝!!めでたい!!』
『タマの渾身のガッツポーズで芝』
『画面の前の俺らもガッツポーズしてるから同じやな!』
『俺はタマだった…?』
『うぬぼれるな』
『あんなん喜んじゃうよ……』
『現在学生寮大盛り上がり@中央ウマ娘』
『日本全体が大盛り上がりだよこんなん』
『世界に革命来たな…』
『こっからだぞこっから』
「いやー……すげぇレースだったな。ホント、アイネスのやつは魅せるレースやってくれるぜ」
「あそこからあの差を縮めるのだから…… 最後まで信じていたとはいえ、心臓に悪いな。革命世代ならでは、だな」
「あの末脚、モノにしとったんやなぁ……ホレ見てみぃ、レース後のクールダウンでもアイネスの脚がブレてへん。鍛え上げた証拠や」
「マジ?マジだ。……すげぇな。ジャパンカップの時はその後結構ダメージ入ってたっぽいけどな……」
「……距離、と言うのもあるかもしれないな。1200mのレースだ、普段は2400mレースを走れるアイネスフウジンにとってはスタミナを使い切れるほどのそれではない。そしてその溜まったスタミナを、一息で吐き出し切る走り…を、領域でやった、と見るのが妥当ではないかな。あの速度を出せるのは短距離レースだけだとみるべきだろう」
「あんな速度で長距離まで走られたらウチらはやってられへんわ。この辺は日本戻ってきたらインタビューとかで零してくれるやろ。……ん、ブラックベルーガが話しかけに行ったか?」
「おー、ホントだ。まぁ初めての敗北だからなぁー……っと、いい顔だなあっちも」
「ふむ。……ああ、何となくだが分かるな、彼女の気持ちが。きっと、嬉しいのだろう。ライバルを見つけられたことが」
「ルドルフが言うと説得力強いなぁ。ウチもまぁオグリ見つけてあんな顔しとったかもな…。……ん、ハイタッチして……勝ち名乗りや!!うおー!!アイネス!!ようやったぞーーー!!」
『あの速度出しても無事なのマジですごい』
『最強のウマ娘では?』
『会長の言う通り脚が溜まってたから出せたんやろなって…』
『そうじゃなかったらヤバすぎる』
『猫トレがどこまで仕上げたかやな…』
『お、ブラックベルーガちゃんが声掛けに行った』
『負けてもなお笑顔なのてぇてぇ』
『さわやかなやり取りで終わったね』
『レースの後はノーサイドなのホント最高。ファンになります』
『こうして海外ウマ娘の推しが増えていく…』
『うおーアイネス!!』
『人差し指を天につき上げた!!』
『アイネス!!アイネス!!』
『1勝目……ってコト!?』
『アイネス!!アイネス!!』
『アイネス!!アイネス!!』
『アイネス!!アイネス!!』
『アイネス!!アイネス!!』
「ははは、コメ欄もアイネスコールで一杯だー!!現地もすげーな、ホント沸かせるやつだぜぇ!!」
「革命世代は皆、華があるからな。これは次からのレースも楽しみになってきたぞ」
「ホンマやな、勢いに乗ってこのまま全部ぶち抜いたったれや!!……っと、インタビュー始まるか?」
「おー、そうっぽいな。ドバイワールドカップデーのインタビューは屋内に呼ばれてそこでトロフィーの受け渡しと一緒にやるんだよなー確か」
「ああ。そして世界の大舞台だから、家族を呼んでいたりするケースも多いのだが……ああ、やはりきていたか。双子たちは見た顔だな」
「おー!アイネスのご両親さんもご一緒しとるんか!ええなぁ、家族をインタビュー席に呼べるのって!ウチも現役時代にやりたかったなぁ……」
『インタビューまる』
『お』
『スーちゃんとルーちゃんだ!』
『猫トレがご家族連れてきたな』
『タマのそれはちょっと重い』
『タマ…君は立派にやり遂げたんだ』
『祝福してやろうぜ』
『アイネスのご両親号泣しとる』
『記者「アイネス見事な一着。今のお気持ちは?」→アイネス「世界最高峰のレースで、己の出せる全てを出し切って、最強のウマ娘に勝てたことが何よりもうれしい」→猫トレ「今日の彼女は最高の走りをした。勝ってくれたことが本当に嬉しい」』
『文字起しニキの英語翻訳助かる』
『猫トレのイケメン力がとうとう全世界に広まっちまう』
『アイネスもいい笑顔やなぁ…』
『双子が少し緊張してるのか縮こまってて芝』
『オニャンコポンが癒しに行って芝』
「んー、流石に世界一番になったインタビューじゃあ妹さん達も緊張するよなー。いい経験だろうけどよ!」
「間違いなく、一生忘れられない思い出になるだろうな」
「ええなぁ………こういうの。あったかくて最高や……」
『タマが優しい眼差しで見守ってるの芝』
『笑顔になるって意味で芝』
『優しい』
『記者「最後の1ハロン、恐ろしい末脚だった。あれは奇跡の走りなのか?実力なのか?」→アイネス「トレーナーどうする?答えてもいいの?」→猫トレ「俺から答えるよ。……アイネスの末脚はジャパンカップで目覚めたものだが、それをモノにするために今日までチームで磨き上げてきた。領域としていつでも出せるが、どこでも出せるわけではない。答えられるのはそこまでです」』
『有能記者現る』
『まぁ世界最速の走りだから聞きたくもなるだろう』
『そして猫トレがまたあくどい笑みを浮かべておられるぞー!』
『最近あまり見られなかったからなこの顔』
『ジュニア期のころはよく見てたけどね』
『領域として繰り出せるけどどこでも出せるわけじゃないってのはやっぱ距離か?』
「……思わせぶりなことを言うじゃねーか猫トレ。いつでも出せる……つっても、普通に考えればやっぱラスト200mの武器なんだろうけどよ」
「どこでも出せるわけではない……と言うのは、やはり先ほど私が指摘した通り、という意味と捉えていいものかな?短距離レースなら出せるが、マイルを越えて中距離や長距離では、あれ程の加速は望めないとみるべきか……だが、加速を抜きにしても残り300m地点からの100m続くあの乱気流がある。一筋縄では行かないな……どう潰すか……」
「オイルドルフ。獲物を狙うライオンみたいな目になんなや…攻略考えるのは後や後。今日は応援やろがい!」
「……っと、失礼。いかんな、どうしても革命世代のレースは心が昂ってしまうな……うん」
『記者「ご家族の皆様からも一言」→父「娘が世界のレースで勝ったことが本当に誇らしい。自慢の娘です(泣)」→母「私の娘でいてくれて、ありがとうって……言葉にならないですね(泣)」→双子「うわーーーん!うれしい!!(泣)」→アイネス「みんなの応援のおかげなの(泣)」→猫トレ「(泣)」→オニャンコポン(フェイスダンス)』
『これは泣く』
『家族の涙は反則なんよ…』
『アイネス一家は涙もろい(確信)』
『いい家族なんだろうなぁ…あったけぇ』
『そんな湿った雰囲気を晴らすために猫トレの頭の上で必死にフェイスダンスするオニャンコポンで芝』
『海外の記者たち全員オニャンコポンの動きでびっくりしてて芝』
『今日のオニャンコポンヘビーリスナーの俺達にとってはよく見る動き』
『キレが増してきてるんよ』
「あっはっはっは!!やっぱオニャンコポンのやろーただものじゃねーな!!そこで踊りだすかぁ普通!?」
「ふふ……本当に、賢くて優しい猫だな、あの子は。アイネスのご家族も本当に、おめでとう」
「っ………ゴルシ、ティッシュぅ………ずびっ………」
『タマ……泣くな』
『家族ネタはタマ特効なんだ』
『号泣で芝生える』
『勝てたからこその泣き笑いよ』
『絶対に鼻をかんでくれるだろうなという信頼』
『かんだ』
『芝』
『芝』
『JKがよぉ…!』
『でもタマだしな…』
『なんや』
『記者「最後に一言」→アイネス「チームJAPANが私に続いて勝ってくれるって信じてます!!日本のみんなこれからも応援よろしくっ!!」→猫トレ「私はあと2回ここにお邪魔します。記者の皆さまどうぞお見知りおきを」→記者たち「クッソ芝」』
『これは芝』
『猫トレの野郎飛ばしてやがんな!!』
『あと2回(フラッシュとファルコン)』
『記者たちめっちゃウケてる』
『爆笑だわ』
『海外の記者だからそういうジョークがウケるのかもしれん』
『日本でやったらいろいろ言われそうだが海外慣れてんな猫トレ』
『まぁそんくらい強気でいいよ』
『次はあそこに初咲が立つんだぞ』
『ウララ……勝ってくれ……』
「……ん、トロフィーの授与も終わって、インタビューはこれで終わりかねー」
「そのようだな。……いや、しかしアイネスの言う通り……まず一勝、そしてここからも夢を見れるというのが幸せでならない」
「せやな!こっからもチームJAPANがやってくれると信じとるで!!」
『ほんそれ』
『マジでそれ』
『このまま全員勝ち進んでくれぇ……』
『正直世界は広いって見せつけられてもいいって心構えしてたけどねーちゃん勝ったんで全勝期待しちゃう』
『勝ってほしいのはそうだがライバルがとにかく強敵揃いだ』
『世界中からその国の強いウマ娘が集まってるからな…』
『次のレースも見守ろう』
『次はウララだ!!』