【完結】閃光と隼と風神の駆ける夢   作:そとみち

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171 ぱかちゅーぶっ! ドバイワールドC 中編

 

 

 

 

 

「とんでもねぇスタートだぁーっ!!!これはファルコンのヤツやったぞ!!!加速も止まらねぇ!!大逃げだーーーっ!!!ブっ飛んでいきやがったぁ!!!」

 

「…っ、見ろ、タマモクロス……ファルコンの右の肩口……袖が破れている。信じられない事をしたぞ彼女は…!!」

 

「ああ……ゲートに肩を掠めてったんや!開いてくゲートにやぞ!?見てからの反応じゃ絶対無理やわ……とんっでもないもん見せてくれたわ!!だがぶつかっとらん!!加速に陰りはないっ!!そのまま行ってまえファルコンっ!!!」

 

「スタートして200m、もう後ろとは15バ身以上ついてやがるーっ!!行ってくれ!!行ってくれよ!!!……ただ無理だけはすんなよ無理だけは……!!そのまま、無事に最後まで走り抜けろよファルコン……!!」

 

『いけーっ!!ファルコンー!!』

『すっげぇ加速』

『ベルモントステークス以上か?』

『とんでもねぇ速度だ』

『今回は400m短いから行ける!』

『行ってほしい!!』

『肩の服破れてる?』

『うわマジだ』

『袖が飛び散ってる…』

『物理的にゲート擦りした…ってコト!?』

『どうやったら開いていくゲートに肩掠められんの?』

『ぶつかってない?大丈夫』

『ぶつかってたらあの加速は出来んやろ』

『ヤバ…』

『ゴルシが祈っておる』

『ゴルシはスピカだからな…』

『沈黙の日曜日を経験してるから…』

『ああそっか』

『でもファルコンなら行ける!行ってくれ!!』

 

「圧倒的なスタートダッシュですでに20バ身は後続集団と差がついたか……まだ200mと言ったところなのにこれは異常だな!しかしそのちょうど間のあたりにマジェスティックプリンスが位置している…!彼女だけはファルコンとの距離を空けまいという判断か!」

 

「一回逃げ切られてる経験があるもんな、距離は空けたくないところやろマジェプリにとっては…それに、アイツの領域は効果範囲が極大とはいえ、このまま逃げられたら前みたいに範囲外に行かれる可能性もあり…って所……だと思うんやけどな、判断としては。ただあの顔はなんや…?」

 

「ファルコンへ思いっきりガン飛ばしてるぜっ!!流石に全員が狙ってやがんなぁ!!そんでもってまず最初のコーナーに入って行くっ!!ファルコンまだまだ独走状態だー……だあああああああああああ!?!?」

 

「ッ……それを成すかスマートファルコンッ!?私があの後、どれほど練習してもできなかった彼女の走りを!?この土壇場で!?なんという……っ!!恐怖はないのか!?」

 

「ありゃ本家本元のサンデートレーナーの…サンデーサイレンスの走りや!!現役時代の内ラチを削る様なコーナリング!!!ファルコンのヤツ限界までタイムを縮めにいっとんぞぉ!?クッソ、一度あれ見た身としてはマジで震えるなぁあの角度!!頭のネジぶっとんどるで!!!」

 

『マジェプリだけがついていく!』

『ファルコンの強さを誰よりも味わったウマ娘だからな…』

『そりゃ来るってもんよ』

『だがファルコンなら逃げ切ってくれる!』

『うわああああああ?!?!』

『出たァーーーー!!!』

『サンデーサイレンスのコーナーだ!!』

『ひえぇ……コワイ……』

『見てるだけで恐怖だなアレ』

『左の袖も破れちゃった』

『ファン感謝祭のトレーナーズカップで見た』

『何度見ても恐怖しかない』

『頭ぶつけんなよ…ぶつけんなよ…!』

『あの距離で全力疾走っておかしくない?』

『体幹極まるとああなるのか……怖…』

 

「ちくしょー頭おかしくなるぜぇっ!!あれは後ろから見てると本気で怖いんだよ!!頼むから転ぶなよ!!んでもって後続もコーナーに……ウワーーーーーっ!!マジェプリまでやりやがったぁ!!!」

 

「君もやるのか…いや、やるか!!確かにベルモントステークスでもジャパンカップでもフェリスコーナリングを見せてはいたが、ここに来てファルコンに負けまいと決死の覚悟で飛び込んでいったっ!!コーナーは互角!!」

 

「距離が開きもせんが詰まりもせんわ!!コーナーを前二人がぶっ飛ばしていくで!!後続は相当距離が作られた…二人の大逃げになるか!?……でもって500m地点!!マジェプリの領域が来るッ……な、なんやアレ!?!?」

 

「うおおおお!?!?マジェプリの野郎、領域が進化してやがるッ!!ドーム状じゃない、幾つもの赤い翼が背中から生えてきやがったッッ!!とんでもねぇ圧を感じるぜ……!!」

 

「領域の密度を高めて来たのか!?16枚の羽根…が、自在に伸びて動くっ!!すべてのウマ娘を取り込むつもりか、マジェスティックプリンス!!あれは抵抗が厳しい!!何という常識外れな領域だよ…!!」

 

『マジェプリも突っ込んでったー!!』

『お前までやるのかよぉ!?』

『ファルコンに出来て自分にできないことはない……ってコト!?』

『元々SSの教え子だからできるのか…』

『いや教え子云々で出来る技術じゃないでしょ』

『クソ度胸…』

『え』

『あ?』

『うわ何か……ぼんやり翼見える何あれコワイ』

『これが領域…?』

『こんなものを見ながらウマ娘は走ってたのか!?』

『誰の目にも映る領域なのか…』

『ブラックベルーガちゃんとかブロワイエとかファルコンの領域もちらっと見えてた』

『世界最強格のウマ娘の領域は眼に見える』

『シンザンの大ナタを思い出すな…』

『翼がすっげぇ動く!!』

『後続が取り込まれてる……えぐい!!』

『これが王子のやることかよぉ!?』

 

「こーれ後方集団は全員やられとるわ!!なんつー重さや……あれに抵抗するのはかなりきつい!!ぐっと脚色衰えたで……!」

 

「これは……気力すら奪っている!速度もスタミナもだが、牽制が打てなくなるか…?そうなればスマートファルコンには有利にも働くぞ!!集団からの牽制が弱まる!!だがファルコン自身にも領域が……っ、何たる抵抗力だスマートファルコン!!」

 

「とんでもねぇぞファルコン!?あの領域を引き千切りやがったー!!!速度か圧か…もう見てる側も信じらんねーぜ!!そして1000mを今通過!!ファルコンも領域に突入してっ………57秒3だとぉ!?」

 

「っ……凄まじいタイムや!!!かつて、スズカが芝の天皇賞で見せたタイムを超えとるっ!!ダートやぞ!?頭おかしくなるで!!そしてファルコンがさらに領域でぶっ飛んでいく!!!まだまだいけるでっ!!」

 

「ああ…ダート1000mのレースの日本記録が確か56秒9だ、それに迫るほどの速度で……しかし残り1000mを走り抜けられるのか……行けるかファルコン!?行ってくれるか!?後続からの牽制は来ない!!」

 

「最終コーナーに向かっていくところでなんとマジェプリが一気に加速して仕掛けてきやがったぁ!!!こりゃ領域で奪った速度も乗ってやがるぞ!?領域で加速したファルコンと距離を詰めるほどぶっ飛んできやがるっ!!」

 

『うおー!?何が起きてんだー!?』

『ファルコンが脚色衰えない!』

『もう牽制効かないんじゃないかファル子』

『ヴィイちゃんかライアンみたいでやんした…』

『ファルコンも領域入った!!』

『出たな砂塵の王』

『砂煙がすごい!!』

『ぶっ飛んでったー!!』

『マジェプリもぶっとんでったー!?』

『うわすげぇマジェプリが迫る!!』

『掛かったか!?』

『確信をもった顔ですねぇ!!』

『ここで距離開けられてベルモントステークスでは負けてるからな』

『学んだかマジェプリ』

『砂の隼はゴールまで減速しねぇんだ!』

『うわーでもめっちゃ迫る!!迫る!!』

『後続との差がもう数えきれない…』

『コーナー前でもう相当縮まったか!?』

『ファルコン負けるなーっ!!いけーっ!!!』

 

「最終コーナーに入る…完全に二人のマッチレースとなった!!1バ身程度の差で、コーナーに突っ込んでいく!!またしてもサンデーサイレンスのコーナリングだ!!」

 

「まだお互い速度が落ちねぇぜ!?いつ息入れるんだよお前らぁ!?逆噴射だけはすんなよ!!無事に走り抜けろよ二人とも……!!」

 

「くっ、距離が離れんわ……アカンな、あの位置取りだとマジェプリが上手くファルコンを風よけに使っとる!!スリップストリームや!!これコーナー出口でわからんぞ!?体力が残ってる方が勝つか!?残り─────400mっっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────ゼロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───────ッ来た!!!ファルコンが来たっ!!!あの感覚に至ったッ!!!」

 

「っしゃそのまま行けーっ!!行っちまえファルコンっ!!!」

 

「負けんなやぁ!!意地を見せ──────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────ゼロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───────な、んだとッッ!?マジェスティックプリンスまでもがあの感覚に……ッ!?!?」

 

「んだとぉ!?クッソ鳥肌が止まらねぇ!!!マジェプリも来やがった!!領域を超えた領域同士の戦いだ!!!」

 

「きよったか!!!ファルコンの独走を許してはくれんかマジェプリィ!!!デッドヒートのラストスパートや!!お互い一歩も譲らんっ!!加速し続けとるっ!!!限界バトルや!!!」

 

『うわー!!とんでもねぇことになったー!!』

『なんであのコーナーからさらに加速してるんですかねぇ!?』

『行けーーーーーっ!!ファルコーン!!!』

『ファル子勝てえええええええええ!!!』

『チームJAPANグランドスラム見せてくれえええええええええええ!!!』

『勝ってくれ…!!』

『マジェプリも覚醒した!?』

『今度はマジェプリもついていく!!』

『すげえええええええええええええええええ!!』

『頼む行けーーーーーーーっ!!!』

『激戦だ!!どっちだ!?』

『行けーっ!!砂の隼ーーーーっ!!』

『ファルコン行けえええええええ!!!!』

『逃げ切れえええええええええ』

『頼む!!』

『ウオオオオオオオオオ!!!』

『激熱の展開!!!』

『勝ってくれえええええええええええええええ!!!』

 

「共に止まらんッ!!激走だ!!僅かにファルコンが前だがじわじわと距離が詰まって行く…!!残り300m!!」

 

「行けーーーーーーーーっ!!行ってくれファルコン!!!革命世代の奇跡を見せてくれーーーーっ!!!」

 

「残り200m!!もうほぼほぼ並んどる!!粘れやファルコン!!!もうちっとなんや……頼む!!行け!!抜けろ!!」

 

「ッ……並んだ!!残り100ッ────────ッッ!?!?体勢が崩れたっ!?だが粘るっ!!行ってくれっ!!!スマートファルコン、行けっ……!!」

 

「限界になっちまったか!?でも逆噴射してねぇ!!!フォーム崩れても走って……笑ってやがる!?」

 

「マジェプリもや!!ここに来たらもう意地の張り合いや!!行けっ、行けェーーーーーーーー!!!!勝てェェェェ!!!!!」

 

『止まらない加速!!』

『どっちも限界超えてる!!』

『うわあああああああああ頼むううううううううう!!』

『行ける!!粘れ!!』

『ファルコン行けえええええええ!!!』

『!?』

『限界!?』

『いけええええええええええええええ!!』

『うおおおおおおお!!!』

『勝て!!』

『マジェプリも一瞬脚止まった!?』

『必死だ!!』

『勝てええええええええええええ!!』

『頼むお願い!!』

『走れええええええええええええええ!!!』

『負けるなあああああああああ』

『いけええええええええええ』

『行けえええええ!!!』

『勝ってくれえええええええええええええ!!!』

『いっけぇーーーーーー!!!』

『走れええええ!!』

『ファルコオオオオオオオオオオオオオオオン!!!』

『うわああああああああああああ』

『あああああああああああああああああああああああああ』

『おおおおおおおおおおおおお!!!』

『勝て!!!』

『行けーーーーーーっ!!!』

『行けええええええええええええええええええええ!!!』

 

 

「……今っ、ゴーーーーールッッ!!!二人がほぼ揃ってゴールを越え……っとぉ!?ぶっ倒れやがったぜ!?限界超えてねーか!?」

 

「なんたる走り…全てを絞り出したか!!間違いなく踏み込んではいけないところまで踏み込んでしまっていた……!!くっ、ゴールしてから心配するのも遅いが、脚は大丈夫か!?折れているなよ……!?」

 

「倒れ方がもう、力が入らないって感じの脱力した感じやで……呼吸は出来とるが、脚……平気か?二人とも……」

 

「……カメラもうちっと寄れ!くっ、ここからみりゃ明らかな骨折とかはなさそうだけどよ……わからねぇぜ……とりあえず後続に踏まれることなく今全員がゴールしたぜ」

 

「………立華さんが、来ていない。あの人が骨折などの大きな怪我を見逃すものか。もしどちらかの脚に故障でもあれば、全員がゴールしたこの瞬間に飛び込んできているだろう。緊急事態以外は、着順の確定が出るまではコースに誰も入ってはいけないからな。特に今回は世界の祭典の、最終戦だ……順位が確定するまでは見守るしかない……」

 

「無事であってくれやマジで…ファルコンもマジェプリも……」

 

『決着!!』

『ゴールした!!』

『くあーーーーどっちだ今の!?』

『マジで並んでたな…』

『ドバイターフ並みの接戦だった』

『どっちも最後の100m意地で走ってたな……』

『何度も転びそうになりながらがむしゃらって感じだったね…』

『とにかく前に進んで速度を落とさなかったな……』

『脚無事…?』

『スタートからゴールまで減速しないで駆け抜けたレースはじめて見た』

『猫トレが来てないなら無事だな!ヨシ!!』

『そう信じたい…』

『マーチの時は着順確定前でもヤバいから飛び込んできてたしね』

『猫トレ……お前の眼を信じてるぞ…』

『どっちが勝った……?』

『マジでこれどっちだ…?』

『二人ともラチに体擦ってきたからぼろぼろだな……』

『全てを振り絞った熱戦だった』

『タイムやばない?』

『これでレコードじゃなかったら嘘だよ』

 

「流石に……興奮しすぎて、タイムは正確には分からなかったな……しかし、すぐに出るはずだ。計測機器は我々のようにテンションは上がらないからな」

 

「おー……勝敗はどう考えても写真判定だろうな……いやマジで勝っててほしいぜここまで来たら…!!」

 

「だーぁ………マジで、見てる方も疲れたわ。3000m走った方がまだマシやぞこの疲労感………お!!掲示板にタイムが────────は?」

 

「────────あ?」

 

「────────何、だと?」

 

『ドキドキの瞬間』

『またしても世界を超えてしまうのか』

『あの走りでやれないはずがあるものか…』

『お』

『出た!!』

『うおー!!レコード』

『は?』

『え?』

『これ世界レコードだ!!』

『うおおおおおおおおおおお!?!?!』

『は!?!?』

『マジかよ!?芝2000mの世界レコードタイ!?』

『は!?1??!!』

『あだsだs!?_』

『嘘だろ!?!?!?!』

『うおおおおお?!?!?!?』

『はぁ!?1?!?!!??』

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