【完結】閃光と隼と風神の駆ける夢   作:そとみち

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37 朝日杯フューチュリティステークス

「すぅー……はぁー………」

 

 俺は控室で深呼吸して気持ちを落ち着けているアイネスフウジンを見守っていた。

 これなんか前も見たことない?

 彼女も例にもれずオニャンコポンに顔をうずめている。

 GⅠに出走するたびにオニャンコポン吸いするのが我がチームの習慣になってしまいそうだ。

 オニャンコポン。頼んだぞ。

 

「……大丈夫か?」

 

「うん、問題ないの。先週はファル子ちゃんが見事に決めたからね…あたしも続くの!」

 

「応援してるからね、アイネスさん!」

 

「自信をもって、走り抜けて来てください」

 

 オニャンコポンから顔を上げて、自信にあふれた瞳で笑顔を返してくる我が愛バ。

 当然この日を迎えるにあたりコンディションは絶好調に仕上げてきている。

 レースの作戦についても事前に伝えてある。

 とはいえ、前回のように芝適性の兼ね合いでしっかりとした作戦を積み立てたファルコンに対して、アイネスは得意距離の得意なバ場。そこまで心配はしていなかった。

 一番心配した点としては、むしろ相手側が何をしてくるか。

 

 なので俺は、事前に考えられる「相手がやってきたら面倒な作戦」についてアイネスに伝えていた。

 そしてそれを破る策も。

 

「よし、なら行ってこい。続いてくれよな、ファルコンに」

 

「うん!きっちりフラッシュちゃんにバトンを渡すの!見ててね、トレーナー!」

 

 俺とアイネスは拳を突き合わせて檄を入れあう。

 そうして、俺たち3人は控室からレース場に向かうアイネスを見送ったのだった。

 

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────────────────

 

 ゲート入り前、ゲートの前には出走するウマ娘達が集まっていた。

 一番人気のアイネスフウジンが出てきたところで、観客席から大きな歓声が飛ぶ。

 それに応えるように手を振っていると、見知った後輩たちがアイネスに声をかけてきた。

 

「今日はよろしくお願いします、アイネス先輩!今回は絶対に負けませんよ!」

 

「ササちゃんだけじゃなくて、僕も忘れないでくださいね。前回のリベンジの為に仕上げてきましたから」

 

「ササヤキちゃん、イルイルちゃん…うん!こっちも、前のあたしとは違うところ見せてやるの!」

 

 お互いに言葉を交わし、これから始まるレースに向けた意気込みをぶつけあう。

 かつて、選抜レースで戦った3人。

 その時は、アイネスの脚は調整不足により不調の状態で、しかし立華トレーナーの立案した作戦の下に二人をなんとか下した。

 改めてあのレースを思いだせば、作戦を受けていなければこの二人には負けていただろう。

 それほど自分はまだ磨かれていなかったし、それほど、この二人は強い。

 改めてそれを思い出し、一切の油断を捨てて、勝ち切るために。

 アイネスフウジンは、もう一度大きく深呼吸をした。

 

「……ふぅー………」

 

 試合前の集中はとても大切である。特に、逃げを戦法とするウマ娘にとっては死活問題。

 スマートファルコンほどではなくとも、アイネスフウジンもスタートには自信があった。

 しかし、今回相手となるサクラノササヤキもまた好スタートを武器とする逃げウマ娘。

 勝負はスタート直後から始まる。

 

「─────────勝つ」

 

 しかし、アイネスフウジンはこれまでトレーナーと積み上げてきた確かな練習と勝利を自信に変えて。

 自分のため、家族のため、そしてトレーナーの為に。

 勝つために。

 ゆっくりと、ゲートに入っていった。

 

『……今、最後のウマ娘がゲートインしました。朝日杯フューチュリティステークス……スタートですっっ!!!』

 

────────────────

────────────────

 

(…っし!いいスタート切れたぁ!)

 

 サクラノササヤキは自分でも得心の行くゲートへの反応を見せ、スタート直後に飛び出した。

 最内枠からのスタートとなった彼女は、スタートをミスって他のウマ娘にハナを取られることを嫌い、ここ一番の集中力をもってスタートに臨み、見事それを成した。

 横目にちらり、と他のウマ娘を見れば、アイネスフウジンを含めて、自分よりもまだわずかに後方。

 レースの主導権を掴むために、ハナを走って進む。

 

(いける…ここからペース走法に切り替えて、あとは作戦通り…に…!?)

 

 しかしそんなサクラノササヤキに、またしても左後方から響く足音が聞こえてきた。

 その足音、振り返らずともわかる。

 こんな仕掛けをしてくるのは、あの人しかいない。

 

(アイネス先輩…!また、仕掛けてくる…!?)

 

 以前の選抜レースと同じ状況だ。

 ここから刻むであろうペース走法を崩すために、アイネスフウジンがまた仕掛けてきた。

 けん制を仕掛けて、こちらのペースを崩すつもりなのだろう。

 しかし、サクラノササヤキもこのジュニア期を何の成長もなく潜り抜けてきたわけではない。

 

(無駄ですよ先輩!私はもう、自分のペースを見失いはしない…!)

 

 たとえ他のウマ娘が迫ってきていても、足音が聞こえたとしても。

 自分の絶対的な時間感覚に更なる磨きをかけて。

 サクラノササヤキは、今回のレースで守り切るタイムを零さぬよう、集中を高めて走る。

 

 そうして、以前のように左の視界にアイネスフウジンが映る。

 甘い。

 もう惑わされない。そうやって、何度も左にチラチラ見えたからと言って、自分は走るペースを崩したりは────────

 

(……!?アイネス先輩が、止まらない…!このまま、抜いていくつもりだ!)

 

 そう、アイネスフウジンがとった走りは、以前のように視界に何度も映りながらのスリップストリームではなかった。

 相対速度をじわじわと上げて、そのままサクラノササヤキを追い抜かそうという位置取り争い。

 これに対して、サクラノササヤキはこのまま先頭を維持するために加速すべきか、先頭を譲るべきか一瞬悩んだ。

 悩んで、答えはすぐに出る。

 これは、南坂トレーナーが考えてくれたレース展開の一つであり、こうなったときの作戦は考えていた。

 

(私を抜かしてハナを取って、そこで私のペースを前から崩そうって言うんでしょう!?でも、そうはなりませんからね!!)

 

 この先アイネスフウジンがとるであろう作戦について、彼女のチームトレーナーである南坂と打ち合わせを済ませていた。

 前よりもアイネスフウジンは走れるようになっており、もしかすれば先頭争いの結果、自分が2着に落ち着く可能性がある。

 それを無理に抜かそうとしてペースを崩し、スタミナを消費するよりも…むしろ、そうなれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()、と。

 

(選抜レースでやられた、スリップストリームと牽制…!今度は私がアイネス先輩に!)

 

 そう、今度は立場が逆転する。

 あれをやられた時のダメージは、なにより自分がよく知っている。

 自分を追い越し、先頭に立ったアイネスの後ろに今度はつくようにして、風よけに使いながら、時折彼女の視界に映るようにして牽制を行う。

 これをすることによる心理的なマージンも大きい。なにせ前のレースではこれをやられた側なのだ。

 自分が有利なポジションに着いたことの自覚もあり、やりかえしてやるという子供らしい負けん気も出てきた。

 サクラノササヤキは悪戯する前の子供のようなワクワク感をもって、前を走るアイネスフウジンに仕掛けようとする。

 

 しかし。

 

(……え、嘘)

 

 アイネスフウジンの加速が、止まらない。

 

(ちょっと待って、先輩。待って、その速さだと)

 

 じわじわと、距離が広がっていく。

 

(待って、先輩!そんな速度で走ったら!!)

 

 サクラノササヤキは、その持ち前の時計感覚で理解する。

 このまま、アイネスフウジンが加速してしまったら。

 そして走り抜けてしまったら、あるいは。

 

(────────レコードペースになるんですけどぉ!?)

 

 マルゼンスキーがここ阪神に刻んだ、『不滅』と称されるレコードタイムに並ぶ。

 いや、もしかすればそれ以上。

 

(ウソでしょ!?先輩、本気で、それで行けるの…!?)

 

 途中で落ちる。

 絶対、こんなペースでは途中で落ちるはずだ。

 サクラノササヤキはそう考える。

 だから、ここまで来てしまえば無理にアイネスフウジンについていかずに、ペースを守って走ることが大切。

 最後に絶対落ちてくる、はずなのだから。

 

 ああ、だが、しかし。

 ()()()()()()()()()()()彼女を、もう知ってしまっていた。

 

(…っ、畜生!!やってやる!!私だって、負けてられないんですよ、先輩ッ!!)

 

 ペース走法を捨てて、サクラノササヤキは前の加速するアイネスフウジンについていくことを選んだ。

 彼女の本来の性格は、目立ちたがりの負けず嫌い。

 このまま自分がペースを守り、走り切って…アイネスフウジンが落ちてこなかったら、それは自分を許せない。

 たとえその先に消耗戦という名の地獄が待っていたとしても、絶対に負けたくない。

 

(スリップで少しでも体力を稼げば、いける…!先輩、負けませんからね!!)

 

 渾身の力を込めて加速して、前を走るアイネスフウジンの背中に張り付いたのだった。

 

 

────────────────

────────────────

 

 

『さあ先頭の二人が熾烈なポジション争いを繰り広げていく中、レースは中盤!1000mを今通過して…ッ、何とタイムは56秒9!!早い!早すぎるッ!!ジュニア期のウマ娘のタイムではない!!これは先頭、アイネスフウジンが掛かってしまっているのか!?後続との差は5バ身ほどといったところ!超ハイペースなレースになっておりますっ!!』

 

 

 その実況を聞いて、自分でも理解しているこのハイペースなレース展開を見て、後方の先行集団の後ろにつけて差し脚を発揮するタイミングを計るマイルイルネルは内心で嘆息した。

 

(またか…!ササちゃん、挑発に弱すぎる…!)

 

 以前の選抜レースでも同じような展開になっている。

 ただ、今回明確に違うのは、アイネスフウジンがサクラノササヤキを風よけに使わず、先頭を走っている点。

 前の時は調整不足をごまかすためにずっと風よけとして後ろについていたアイネスフウジンが、自信のみなぎる走りと共に先頭を駆け抜けていた。

 

(もう、あの二人が落ちてくるとは思わない…!僕は惑わされないぞ…!)

 

 マイルイルネルは前回の選抜レースと同じように、ハイペースとなったこのレース展開で…前の二人が落ちてくる可能性が高い事を察し、しかし否定した。

 前回はそれで早仕掛けをして、掛かってしまったのだ。

 今回は違う。自分が、自分で出せる最高の位置で加速をして、自分の最高の走りで、最高のタイムでゴールを駆け抜ける。

 そうすることが一番勝利に近づけることを、これまでの実践経験で学んでいた。

 

(落ちてくるとか、落ちてこないとかもう関係ない。僕は僕のペースを守り、差し切る)

 

 ハイペースになったことで掛かりだす周囲のウマ娘達の中で、唯一冷静に足を運ぶマイルイルネル。

 位置取りもこれを見越して早めに上がっており、しかし脚は溜められている状態。

 今、前を走る先行脚質のウマ娘が加速を始めたが、あれでは終盤に失速するのは目に見えている。

 自分は見誤らない。

 

(残り400m…!ここだッ!!)

 

 そうして溜めに溜めた足を、最高の地点から加速し始める。

 その豪脚はジュニア期のウマ娘としては素晴らしい輝き。

 先日の阪神を駆け抜けたメジロライアンにも並ぶ…いや、距離適性の都合でそれを上回るほどの加速をたたき出す。

 先頭を走る二人に向けて、放たれた矢のごとく接近していく。

 

(残り、350…!)

 

 前を行く二人との距離が縮まる。

 サクラノササヤキは相当疲弊をしている様だが、執念でまだアイネスフウジンにくらいついている。

 

(残り、300…!)

 

 サクラノササヤキの脚色が衰え始めた。

 じりしりとアイネスフウジンに放されていくが、その代わりに僕が行く。

 彼女は、僕が差す。

 

(残り、250…!行ける!)

 

 アイネスフウジンの背中が迫ってきた。

 残り200m地点からは、この阪神レース場には()()()がある。

 そこで、アイネスフウジンも減速するはずだ。ここまでこのハイペースを維持してきた以上、それは必然的に起こりえること。

 

(残り、220…!追いつく!行ける!)

 

 アイネスフウジンの背中が目前に迫ってきた。

 行ける。200m地点で並び、坂道に入ればアイネスフウジンの減速も見込んで差し切れる。

 

(僕の勝ちです、先輩!!)

 

 勝利を確信するマイルイルネル。

 油断はなかった。間違いなく、200m地点でアイネスフウジンに迫りかけた。

 その背中に、()()()()()

 

 だが、それが敗因となった。

 

 

 ─────────────遊びは、おしまいっ!!

 

 

 そう、アイネスフウジンから聞こえてきたかのような錯覚を起こす。

 目前にまで迫っていたアイネスフウジンの背中が、残り200m地点のここにきて。

 無慈悲に、()()()()

 

(ッな!?そんな、バカな!?このハイペースで脚を残していた──ッ!?!?)

 

 そして、その加速をまとったまま、()()()()に…いや、前傾姿勢を深めて最早()()()()()()()のように、坂を一気に駆け上っていくアイネスフウジン。

 その背中が、遠くなる。

 マイルイルネルは、勝てると思った瞬間に引き離されたショックと、そして上り坂にちょうど差し掛かってしまった二重の負担により、その末脚が鈍ってしまった。

 

(嘘、だ……!!)

 

 距離が、詰まらない。

 離れていく。

 すべての点において、彼女が自分を、自分たちを上回っていた。

 

 ────────その走りは、まさしく風神の如く。

 

────────────────

────────────────

 

『残り200m、ッ、なんとここでアイネスフウジンが再加速!!後方から詰め寄っていたマイルイルネルが離されるッ!その勢いのまま坂を駆けのぼる!!何という末脚!!何という速さ!!これはまさに風神の顕現だ!!来たぞ来たぞアイネスが来た!!これは強い!!今ッ!!アイネスフウジン、1着でゴォーーーールッ!!!2バ身離れて2着はマイルイルネル、3着はサクラノササヤキ!最後にもう一伸びを見せましたアイネスフウジン、完勝だ!!GⅠ初勝利です!!』

 

『────おおっと!?レコードのランプが点灯しました!!タイムは1:33:6!!凄いッッ!!『怪物』マルゼンスキーのレースレコードを更新した!この阪神レース場に伝説を刻んだぞ!!誰よりも早く駆け抜けた、その名は風神!!アイネスフウジンだーーーーッッ!!』

 

────────────────

────────────────

 

「………っはーーー!!」

 

 一着でゴール板を駆け抜けたアイネスフウジンが、大きく、大きく息をつく。

 最後の上り坂、アイネスフウジンは己の力を振り絞り加速した。

 かつて彼女がチーム『カサマツ』と並走していた時に、オグリキャップとベルノライトから上り坂を走るテクニックを学び、そして自己流に練り上げていたその走法。

 後続のマイルイルネルが近づいてきたタイミングを計り、残る末脚をすべて振り絞って坂道を走破した。

 だがそれは文字通り勢いに任せたものであるため、坂を上り終えゴール板を駆け抜けた直後に、彼女のスタミナは空になった。

 全身から滝のように汗がこぼれ落ち、肺は貪欲に酸素を求めて呼吸を繰り返す。

 

「……っぜぇー、ぜぇー……心臓に悪いの…!」

 

 レース展開は、事前に立華トレーナーから教えられていたパターンから、大きく外れなかった。

 サクラノササヤキが前にいた時は、ペースを彼女に握られるのはよくないから、抜かす。

 抜かしたら、恐らく前に自分がやったような牽制を後方から仕掛けてくるから、その勢いを維持したまま距離を放す。

 

 ──────だが、結局彼女はついてきた。

 

 

 マイルイルネルは、今度こそ後ろを向いて笑ってもかからないだろう。

 だから、走りで掛からせる。

 ハイペースなレース展開に強いアイネスフウジンだからこそ、それができる。

 1000mを越えるあたりで、自信をもって速度を出して走れ。

 それで、多少は早仕掛けを狙える。

 

 ──────だが、結局彼女は見誤らずに差してきた。

 

 

 …そして、アイネスフウジンは酸素が回り始めた脳で思いだす。

 レース前にトレーナーが言っていたこと。

 

『そこまでやって、もし二人がこちらの策に乗ってこなくても』

 

『彼女たちが成長し、アイネスに競りかけていたとしても、だ』

 

『────君は、それ以上に成長している。だから、そのままぶっちぎってこい』

 

 最終的には、トレーナーのその言葉通り、勢い任せに坂を上り切って勝ち抜いた。

 地力の差の勝利、とでも言おうか。彼とこれまで積み上げてきたトレーニングが、成長が、彼女を勝利へと導いた。 

 

「けど、それにしたって…流石にこのペースはきっついの……!」

 

 クールダウンで脚を緩やかに走らせながら、恨み言の一つでも言ってやろうかとアイネスフウジンは自分のトレーナーを目で探す。

 だが、そんな目つきの悪い彼女に対し、後ろからやってきた後輩二人が、ぱちん!と彼女の安産型のお尻を軽く叩いてきた。

 

「ひゃいんっ!」

 

「先輩っ!!…っぜー…殺す気、ですか!?…っはー!!ついていくときに走マ灯が見えましたよ走マ灯が!!!」

 

「ササちゃん…なんで、そんなに声だせるのさ……?……お疲れ様です、先輩……強すぎでしょう…!!」

 

「お尻はだめなの!もー…でも、やっぱり二人とも強かったの…結構冷や汗だったよ?ほんと」

 

 3人とも、真冬の中でしかし汗だくになりながらも、お互いの健闘を称えあって笑う。

 そして、以前と同じように。マイルイルネルが彼女に指摘をした。

 

「先輩、全力でレースを走り終えた後、結構自分の世界に入りますよね……ほら。()()()()()()()?」

 

「睨むように観客席見てるからどしたんだろって、ね?ほら、待ってますよ、観客が」

 

「…あ、そうだったの」

 

 そうだ、また忘れていた。

 観客席を見れば、いつかのように、すべての視線が自分に集中している。

 それは、勝者へ送られる、最上級の敬意。

 みな、彼女を待っているのだ。

 

 勝ち、誇る。

 その姿を。

 

「……勝ったのーーー!!やったのーーーーー!!!」

 

 アイネスフウジンが、観客席に向けて天高く拳を突き上げる。

 その瞬間、割れるような大歓声が、阪神レース場に鳴り響いたのだった。

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