【完結】閃光と隼と風神の駆ける夢   作:そとみち

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68 ぱかちゅーぶっ! ベルモントS

 

 

 

!!ぱかちゅーぶっ!!

 

!! GⅠ生実況 !!

 

!!  特別編  !!

 

 

…なうろーでぃんぐ…

 

…なうろーでぃんぐ…

 

 

 

 

 

「ぴすぴーす!!トレセン学園の宣伝担当ゴルシちゃんだぞーっ!よー、画面の向こうのお前らーっ!今日も元気してっかー!?」

 

『ぴすぴーす』

『ぴすぴーす!』

『ぴすぴーす!』

『piece to piece』

『外人ニキおって芝』

 

「おーっす!!今日はなんと!!特別編!!アメリカ三冠、ベルモントステークス生実況!やっていくぜぇー--っ!!時差の都合で朝7時だってのにお前らめっちゃいるじゃねぇかーっ!!!」

 

『そら(フェリスが出るなら)そうよ』

『そら(フェリスのウマッターでリツイされたら)そうよ』

『楽しみにしてたぞ…』

『昨日から寝てないゾ』

『早朝ってほどでもないゾ』

『good morning!』

『結構海外ニキもおる』

 

「いやーこの時間だから人少ねぇかなって思ってたけど流石だぜお前ら!海外の視聴者もあんがとなー、アメリカだろ?あー…Welcome to this live broadcast!!Please enjoy yourself!!」

 

『!?』

『ゴルシ!?』

『お前英語できたんか!?』

『thank you!It's a good live broadcast!』

『結構ウマ娘英語できる子多いゾ』

『ゴルシだからな』

『何喋れても驚かない』

『いや驚くでしょ』

『す、スズカもできるし…』

 

「はっはっは!!ゴルシ様が英語できねぇと思ったかー!ペラッペラだからよ!いつだってパリにも行けるぜぇー!!つっても今日はフツーに日本語メインで行くけどなー。向こうの放送で言ってることは大体わかるぜー」

 

『パリは芝』

『凱旋門出るつもりかお前』

『パリはフランス語なんだよなぁ…』

『今日はアメリカでしょ!』

『ベルモントステークスってよく知らん』

 

「おー、レースの紹介もしねぇとな!だがその前に今日のゲストの紹介だぁ!!朝一番からやってきてくれたぜぇ!!お前ら誰だと思うー?今日は勝ちウマ娘いねーからなー、わっかるっかな~♪」

 

『マジで言ってる?』

『丸わかりなんだよなぁ…』

『ウマッターのつぶやきで一発ゾ』

『生放送準備画面でネタバレしてて芝』

『あの孤独なシルエットは…!?』

『(黒塗りウマ娘)<ベルモントステークスで述べる問答(モンドー)

『絶対7冠ウマ娘ゾ』

 

「ははは!やっぱバレてたか!そんじゃ出て来てもらおうっ!!今日のゲストはこちらっ!!」

 

「ぴすぴーす。やぁ、トレセン学園生徒会会長、チームリギルに所属している7冠ウマ娘、シンボリルドルフだ。おはよう、諸君」

 

『ほら来た(確信)』

『知ってた』

『うおー!ルドルフー!』

『ルドルフだああああああ!!』

『カイチョー!@帝王』

『会長自らが…!?』

『テイオーもようみとる』

『会長に敵うウマ娘などあるわけが…』

『オットウマ娘最強議論はNGゾ』

『どえらい豪華ゲストだ』

 

「へっへっへ。海外行ったウマ娘でとりあえず声掛けっかーってぶらついてたら最初にばったり出会っちまってなー!快く了承してくれたぜっ!」

 

「ふふ、むしろ私からお願いしようかと思っていたところだよ。アメリカの地には色々と苦い思い出もあるしね。スマートファルコンが敵を討ってくれないか、と思わなくもない」

 

「おー、海外遠征大変だったもんなー会長は。けど今回渡米したやつらは随分いい環境みたいだぜ?」

 

「の、ようだね。タイキからもLANEが来てて、充実しているという話だ。羨ましく無いと言えば嘘になるな」

 

『カイチョー…』

『海外挑戦大変だったもんな…』

『あれはノーカンだから』

『まだ遠征のノウハウもないころやんな…』

『語りたくなる敗北の内一番語りたくない敗北』

『ルドルフ…お前が一番つよいウマ娘だと信じてるぞ…』

 

「へいへいへーい!!暗い話になるのはNGデース!!これからそのアメリカに日本の隼が挑戦するってんだぜー!盛り上がっていこうぜぇー!!」

 

「ああ、その通りだな。今日は一人のウマ娘として、彼女の挑戦を応援するつもりだ。コメントの皆もスマートファルコンを応援してやってくれ」

 

『うおー!』

『モチのロンですよ』

『芝での敗北はあれど砂の上ではレコードしか叩き出してないからなファル子』

『ハヤブサは砂の上にて最強…』

『アメリカ3冠の一つを奪っていくゥ!』

 

「よしよしいい流れだぜー!さぁてそんじゃとりまレースの解説だな!えー…カンペカンペ…っと、ベルモントステークスはアメリカのクラシック三冠の最終戦だぜ!日本でいう菊花賞みてーなもんだがアメリカはスパンが短くて6月に開催されるんだー!」

 

「アメリカのダートコース、距離は三冠の中でも最長の2414m。三戦目ということもあり極めて過酷なレースであることから『テスト・オブ・チャンピオン』という異名を持っている。創立は確か1867年だったかな」

 

「おー、ギリッギリ中距離レースってところだな。日本ダービー並みの長さを誇る、まぁしんどいレースってことだ!」

 

『ほえーすっごい歴史』

『150年前からあるんか…』

『2400ダートってすげぇな』

『アメリカはダートレースのほうが盛んだからのー』

『距離えぐい上に三冠レースの間が短くてアメリカは三冠ウマ娘が出にくいと聞くね』

 

「おー、コメ欄でも色々調べてやがったなー?そーなんだよ、アメリカは二冠ウマ娘は結構出るんだけどなー、三冠がなかなかでねーって書いてあるわ」

 

「それだけ過酷な日程ということだね。勿論、出走するウマ娘はその過酷さを覚悟の上でレースに臨んでいる。一人たりとも侮れないだろう」

 

「ってわけで解説はこんなもんだ!次は出走するウマ娘の紹介をしていくぜぇーっ!!まずは勿論こいつからだぁ!日本から海外挑戦を発表したスマートファルコンッ!!」

 

「この放送を見ていて知らないものはいないだろう。デビュー戦から現在まで5戦4勝、阪神ジュベナイルフィリーズを勝利しGⅠの冠も持っている…そして、彼女の走ったダートのレースではすべてレコード。素晴らしい実力の持ち主だ」

 

『ファル子ー!!』

『勝ってくれー!!!』

『今のクラシックで最強のダートウマ娘(確信)』

『結果が証明してるので反論できんわ』

『逃げがえぐい』

『スタートがえぐい』

『中盤の領域がえぐい』

『オット最終コーナーからの加速もあるゾ!』

『全方位えぐいやん』

『おつよぉい…』

『勝てると信じてるぞ…』

 

「ははは、コメントのやつらもよくわかってやがるぜぇ!皐月賞では芝適性の都合で惜しくも3着だったがそれでもつんえー走りを見せた!」

 

「その後ダート専門になると宣言をしてから、初めてのレースということになるな。そしてその彼女を指導しているのはチームフェリスの若き天才、立華トレーナー。期待してしまうね」

 

「なー、やっぱトレセンの生徒に勝ってほしい所はあるわ。…だが!そんなファル子に立ちはだかる分厚い壁!今度は今回のレースの一番人気!本命のウマ娘について紹介していくぜぇー!!」

 

「勿論今回出走するすべてのウマ娘が侮れないが、このウマ娘だけは別格だ。紹介しよう、アメリカの今年のクラシックの二冠を無敗で達成したウマ娘。マジェスティックプリンスだ」

 

『知らん子』

『アメリカのレース見ないしな』

『しかし無敗の二冠か…』

『ボクトオンナジー@帝王』

『テイオーさん…』

『名前長いな』

『外国のウマ娘は現地の綴りだから長い子多いのよ』

『名前かっこよ』

『銀河機攻隊?』

『それとは別な』

 

「コメはのんきしてっけどよー、コイツマジでつえーんだわ。何より怖いのはその領域だぜ!こいつの領域を簡単に表した図を書いてきてやったぜ!!ハイドーン!!」

 

「…まぁ、ブライアンに描かせるよりはマシか。そうだな、ゴールドシップが示した図のように…500m地点でこのような、ドーム状の領域を広げる。そうしてその中にいるウマ娘の速度を奪う…と、表現しようか」

 

『領域って何(宇宙)』

『考えるな感じろ』

『えげつねぇな…』

『アイネスねーちゃんやヘリオスがマイルレースで見せるようなあれか』

『おっとマンカフェも後ろから奪うゾ』

『それが領域で来るわけね…』

 

「あー、ちなみにこの領域、だいたい半径50mあっかんな」

 

「しかも500m地点からおおよそ1500m地点まで持続する。その間ずっと周囲のウマ娘から速度を奪い続けるわけだ」

 

『マ?』

『は?』

『バケモンじゃん』

『ママー!50mって何バ身ー!?』

『だいたい20バ身くらいです~@超小川』

『マッマ!』

『クリークもようみとる』

『まって20バ身て』

『走るウマ娘全員やん』

『1000m速度を奪い続けるのか…』

『チーターや!こんなんチーターやんか!』

『チーターじゃなくてウマ娘なんだよなぁ…』

 

「そーなんだよなぁー!正直アタシはあれとやりたくねぇわ。会長ならあれ、どう攻略するよ?」

 

「そうだな…隙はある。中盤にマジェスティックプリンスは領域を広げるわけだが…その間、実はあまり加速をしない。周囲のウマ娘も速度をじわじわ奪われるため、結構なスローペースになる。私なら領域に抵抗しながらも、思い切り牽制と圧をかけて彼女自身のスタミナを削りつつ足を溜める…か、もしくは500m地点の寸前に思い切り牽制を叩き込んでゾーン自体を潰すか、かな。あとは…スマートファルコンのような逃げウマ娘が戦うなら、走りながら後方にトリックを仕掛けて掛からせるか集中を切らせて、最終コーナーで思い切り逃げるのが最適解かと思う。砂か芝かという話をしなければ、恐らくセイウンスカイなどは相性がいい相手かもしれないな」

 

「ほーん。…会長、どうやって勝つかだいぶ前から考えてたろ?」

 

「当然だろう。…それと、もう一つ手段があるとすれば大逃げだ。サイレンススズカの様に500mに到達する前に領域範囲から逃れ切れれば勝機はある。今回、遠征には彼女もついていっているんだろう?」

 

「ああ、そーなんよ。スズカのヤツ前にアメリカ遠征してたろ?そん時の経験があるからって猫トレにスカウトされてたぜー」

 

「なるほどな…で、あれば立華トレーナーがどちらの作戦を取るかだな。大逃げをファルコンに覚えさせているか、それとも後方へのトリックを仕掛けるか…」

 

『話の…話のレベルが高い…!』

『会長だぞ?』

『参考になる』

『でもファル子どちらかと言えばあんま後方にトリック仕掛けないよな』

『猫トレが作戦伝えたりしてるけどな』

『大逃げできるのか?』

『それな』

『スタート速いから行けるような気もする』

 

「むー、どーなっかだなそのへんは。……あ!!そういや猫トレで思いだした!まだ今日のオニャンコポンみてねーわ!」

 

「ん、ああ…私も放送の準備で忘れていたな。確かアメリカに行ってからは『today's onyankopon』でツイートされていたね。どれどれ…」

 

「ほー……お!!あーこりゃいいな!!全員集合!!」

 

「いい顔だ、スマートファルコンも気合が入っている様だ……ん、この横にいるのは…オベイユアマスターか?」

 

『俺も見てないや』

『今見た』

『ファル子がオニャンコポン抱えて周りにみんなおる』

『これはSR+++++』

『フラッシュとアイネスとスズカとタイキがおる』

『その横のウマ娘誰よ?』

『デッカ…(身長)』

『オベイユアマスターな、だいぶ前のJCでオグタマに勝ってる』

『オベやんか!おったんかアンタ!@稲妻』

『タマもようみとる』

『タマ、事前に私から連絡を入れて立華トレーナーたちの案内をお願いしたんだ@オグリ』

『オグリもようみとる』

『名前そのまんまかい!@稲妻』

『ダメか?@オグリ』

『ネットではコテハンを使いましょうね~@超小川』

『ちょいちょいちょーい!!』

『コメ欄で永年優駿が集まっとるやろがい!』

『チャット欄になってて芝』

『イナリワンどこ…ここ…?』

『いるぜ!!@お稲荷』

『生えてきて芝』

『ウマ娘達もよう見とる』

 

「コメ欄でチャットすんのはやめろォ!!あんまよくねーから!…でもまーそーゆーことか、現地の案内で呼んだってわけだ」

 

「彼女は日本語も達者だった覚えがある。適任だろうな…今は引退しているから何か仕掛けてくるわけでもないだろう」

 

「レース前で迷子になったり混乱したりしたらワケねーからなー。万全で臨めてることを祈るぜ!…っと、そんな話をしてるうちに出走の時間だな!!」

 

「ゲート前にウマ娘が集まりだしたな。…出てきた、マジェスティックプリンスだ。っと、すごい歓声だな…」

 

『もうコールしてるやん』

『高笑いしてる?』

『若干のテイエムあじを検出』

『顔がいい(確信)』

『なるほどプリンス…』

『まぁ久しぶりの三冠期待となればそうね』

『アメリカっていつぶりの二冠ウマ娘出走になるんだっけ』

『前がサンデーサイレンスだったと記憶』

『SSという名のバケモン』

『知らん名前だ…』

『SSもクッソ速かったゾ』

 

「おー、続いて出てきたのがファルコンだー!…おー、落ち着いて…っか?尻尾を見る限り」

 

「かかったり、焦ったりしている表情ではないな。…相当集中しているようだ。流石は立華トレーナーといったところか」

 

「ん、マジェプリとなんか話してるな。なんだ?宣戦布告か?」

 

『そこだ!ファルコン☆パンチ!』

『反則ゾ』

『すげえ気迫』

『頑張ってくれ…!』

『絶対に応援諦めねぇからよ…』

 

「…二言程度で終わったようだ。…スマートファルコンは英語は得意ではなかったと記憶している、会話というほどでもなかったか?」

 

「ジャパンカップんときのスペを思い出すな。まぁでも落ち着いてら…お、このタイミングでファンファーレか」

 

『ペペペー』

『ペペー?』

『ペッペッペー』

『音程が…音程が分からない!』

 

「ははは、ベルモントステークスではファンファーレはそんなに強調してないんだ。それよりもむしろ、その後の…これだな。このレースの名物だ」

 

「おー、ホントに観客が大合唱してるぜー!!ニューヨーク・ニューヨークを歌うんだよなー!こういうのも文化の違いで面白れぇな!」

 

『はえーすっごい』

『こういうのいいね』

『観客も絶対楽しいゾ』

『日本でもこれやろうぜ』

『歌うか…君が代!』

『盛り上がらないッス 忌憚ない意見ってヤツッス』

『君が代はわびさびだから…』

 

「さて…ゲートインが始まって…特に問題は起きていないようだ。順調にゲート入りしていく」

 

「アメリカってもっと気性が荒いウマ娘が多いイメージあったんだけどなー。またアタシがコメ欄に擦られるじゃねーか」

 

『その発言結構際どいゾ』

『アメリカにだっていろんなウマ娘がいるから』

『ゴルシみたいなやつもおるんか』

『いると思う?』

『三冠レースでゲート入りでウケを狙うようなウマ娘か…』

『夜に影を探すようなモノです』

『いないと同義』

『ゴルシ…お前がオンリーワンだ!』

 

「今日はコメ欄が比較的優しかったわ。さてそんじゃ各ウマ娘ゲートイン完了!!ベルモントステークス……スタートだぁ!!」

 

「ッ、素晴らしい反応速度…そしてファルコンが行った!彼女は大逃げを選択したようだ!」

 

『うっわ』

『スタートからヤッバ』

『これまでで最速(確信)』

『他のウマとスタート時点で5バ身差着いたぞ』

『伸びていきますねぇ!!』

『大逃げだーーーーー!!』

『スズカを彷彿とさせる走り!!』

『逃げ切れー!!ファル子ー!!』

 

「うおーぶっとばしてやがる!!完っ全にスズカのお株を奪うような大逃げだぜぇ!!こりゃいいペースだぞ!」

 

「ああ、彼女がこれでスズカの様に最後まで走り切れれば…ある!500m地点までに50m以上は離れる!」

 

『ルドルフもよう興奮しとる』

『そりゃ興奮するでしょうよ』

『会長海外レースに挑戦するウマ娘に感情移入しがち(感涙)』

『こっちももう泣きそうだゾ』

『すっげぇ加速!』

『差が開きまくってる!』

『逃げ切れ!逃げきれ!』

 

「…目算だが60mは離したか!?ここでファルコンが500mを越えて…そうして来やがった!マジェプリの領域が発動したぜ!!」

 

「目に見える者は少ないかもしれないが…私は映像でも見えるな。だがファルコンは逃げ切っているぞ!領域の範囲を越えた!」

 

『見えねぇ!けどすげぇ!!』

『逃げてる!?』

『よっしゃ!!』

『いけるで!!そのままいけー!』

『勝ったな風呂入ってくる』

『こっからやろがい!!』

『大丈夫だ…忘れたのか?ファルコンには中盤での領域がある』

『おおっ!それだ!!』

『いやあの領域は後ろに誰かいないと出ないゾ』

『前にゾーン解説記事で書かれてたゾ』

『えっマジ?』

『おらんやん!』

『大逃げの弊害…!』

 

「あー、コメ欄でも言ってっけど、ファルコンの領域って後ろから追いすがられないと出ないっぽいんだよなー。今回はたぶん厳しいぜー」

 

「ああ、だが中盤で加速するだけならば彼女ならやるだろう、恐らく立華トレーナーもそれを見越して作戦を組んでいるはずだ。そうして今1000mを通過──────ッなんだと!?」

 

「うおー!!ファルコンが新しい領域出してやがる!?第二領域まで目覚めてやがったかぁ!?」

 

「私ですらシニア級で得た第二領域を…既に、か!!すさまじいな彼女は!!」

 

『何だあの加速!?』

『うわ今なんかイメージ見えた』

『砂の王…』

『前以上に中盤でぶっ飛んでいくやん!!』

『これはいける!!』

『80mは離したか!?』

『勝ったぞ!』

『後は走り切れれば…!!』

 

「これはいけるぜぇ!!そうして後ろのマジェプリも1000mを通過してっ、なんだあーーーっ!?」

 

「バカな!?領域を動かせるのか彼女は!?前方にドームが動いて…!!」

 

『何!?何が起きてるのぉ!?』

『見えないよぉ!!』

『前方?』

『ドームがマジェプリ中心じゃなくなっとるわ@稲妻』

『範囲内にいれば自由に動かせるようだ、前に動かしている@オグリ』

『いけませんね…100m先まであの領域の範囲になります@超小川』

『やべーぞファルコン!@お稲荷』

『永年組の熱い解説』

『いやそれヤバすぎん?』

『100mまで範囲内…ってコト!?』

『80m離せば逃げられると思っていたのかぁ?(絶望)』

『絶望しかねぇ!!』

『ファル子ー!!行ってくれー!!』

 

「…いやっ!!ファルコンも気づいてやがる!!ここでさらに加速しちまった!!」

 

「いかん…!!確かに範囲からは逃れたが…あれだと息が入れられない!暴走だ!!」

 

『あれ無理ゾ!?』

『いや加速しすぎィ!!』

『でも加速しないと推定ゾーンに呑まれてたゾ』

『どうしろってんだ!!』

『破滅へ突き進む運命!?』

『行けるって!!走り切れるって!!』

『ターボ師匠!オネガイシマス!!』

『やめろ逆噴射する!!』

『でも素人目に見てもこれはヤバい』

『これ厳しいか?』

『行ってくれええええええ!』

『負けるなぁあああ!!!』

 

「くっ…厳しい展開だぜ!1700…1800…まだ落ちねぇけど!!だけどよぉ!」

 

「っ、マジェスティックプリンスが領域を閉じた…ここから加速してくる!ファルコン…!!」

 

「落ちるなよ…行け…!」

 

「行ってくれ…!」

 

『行けぇぇぇ!!』

『耐えろぉぉぉ!!』

『ファル子!ファル子!!』

『追うしかない!!』

『お前が逃げるから追うしかないんやぞ!!』

『頼むううううう!!!!』

『落ちるなあああああ!!!』

『ぎゃあああ!!』

『マジェプリが来た!!!』

『ヤバイ!!』

『行ってくれたのむ!!!』

 

「1900m…厳しいか!表情がもう…見てらんないぜ!!最終コーナーを曲がって……」

 

「……2000m!く、駄目か!脚色がおち────────」

 

 

 

 

 

 

 

────────0

 

 

 

 

 

 

 

 

「────────は?」

 

「────────なん、だと?」

 

『は?』

『嘘?』

『加速ゥ!?』

『嘘。@帝王』

『そこから!?』

『なんやアレ…@稲妻』

『すげええええええええええ!!!!』

『やべぇえ!??!?!?!?!』

『今のは…@オグリ』

『行けーっ!!行けェーーーーーーっ!?』

『何?@超小川』

『行けるううううううううう!!!』

『マジェプリ引き離したあああああああああ!!!』

『走れええええええええええ!!!!』

『あと300!!あと300!!!』

『加速止まらねぇ!!!!』

『信じらんねぇ@お稲荷』

『何バ身!?』

 

「嘘だろオイファルコンが止まらねぇぞ!!!……行け!!そのまま行けェーーーーッ!!負けるなーーーっ!!!エデンをアタシに見せてくれーーーーッッ!!!!」

 

「行け…!!そのまま、止まるな!!行け、行けっ!!!」

 

『止まらねえ!!行け!!!』

『行っちまえええええ!!!』

『ファル子ーーーーーーー!!!!』

『お前がナンバーワンだああああ!!!』

『行ける!!!勝った!!!!』

『走れえええええええええ!!!』

『残り100!!!!』

『止まらねぇ!!!止まらないよ!!!』

『行った!!!』

『決まった!!!!』

『やったあああああああああああああああああああああ』

『うわあああああああああああああああああああ!!!』

『ああああああああああああああああ!!!』

『勝ったあああああ!!!!』

『ああsk直英thjgあおいえいおtjうぇいお』

『ぎゃあああああああああ!!!!!すげえええええええ!!!』

『おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』

『大差一着ゥーーーーーーーーーッ!!!』

『強い!!!ただ強いッ!!』

『奇跡かよこれ』

『やったああああああ!!!!!』

『涙止まらない…』

『すげぇよ…!』

『ハヤブサが砂を舞った…!!』

 

「……は、っはー!一着だー!!ファルコンのヤツやりやがったー!!!ベルモントステークス、超っ超!大差の一着で勝ちやがったーーー!!」

 

「やった…!!勝った、勝ったぞ!!素晴らしい、まさに奇跡の走りだ…!あそこから加速するなんて…!!」

 

『もう顔面涙まみれゾ』

『信じらんねぇ』

『とんでもないもんを見た…』

『2000mからの加速何だったんだアレマジで…』

『涙が止まりませんね…』

『すげー一着だよ…アメリカ三冠で…マジかよ…』

『今のレコードじゃない?』

『ファル子ーーーーー!!』

『レコードってマ?』

『追うしかなーい!!王!!』

『マ?』

 

「え、何?レコード?…嘘だろ?」

 

「…!?ベルモントステークスだぞ!?…いや、しかしこのペースは…!?」

 

『いやベルモントステークスのレコードは無理ゾ』

『セクレタリアトだぞ』

『いや時間計ってたけどギリいけてないこれ?』

『マ?』

『あ』

『電光掲示板来た!』

『は!?!?!?』

『キタ────────!!!』

『うおおおおおおおおお』

『レコード!!』

『レコード!!!』

『セクレタリアト超えたああああああああ!!!』

『うおおおおおおお!!!』

『マジかよ!!やりやがったあいつ!!やりやがった!!』

『』

『』

『』

『』

『』

 

「うわレコードだ!!レコードだぞオイ!!会長!!ファルコンのヤツ世界レコード叩き出しやがったあ!!!」

 

「……っ!!間違い、ないな…!ああ、確かにレコードの文字がある…!!そんな、っ…!!」

 

「ちくしょー涙が止まらねぇぜ!!…って、あ、コメント欄落ちてら……書き込み多かったかぁ…へっ、へへ、駄目だ、笑いも零れてきやがる…あはははは!!」

 

「……ああ、ネットが落ちてしまったか?コメントのみんなには見えてないか?ああ、ああ……!まさか、ベルモントステークスでレコードだと…!っ、日本の、トレセン学園のウマ娘が、だぞ…!!セクレタリアトを、超えたんだぞっ……!!ああ…っ私、会長、やってて……よかった……ぐすっ…!!」

 

「ひっひっひ、会長の眼にも涙ってやつだ!ちくしょー気持ちはわかるぜ!!あーもう放送事故だ放送事故!!ちっくしょー最高だぜぇファルコンよぉ!!お前がチャンピオンだ!!」

 

『』

『』

『』

『』

『』

『もどた?』

『お』

『コメント欄復活したか』

『回線飛んだかな』

『ぶっちゃけ映像は生きてたゾ』

『しーっ!』

『カイチョー!泣かないでカイチョー!@帝王』

『いやええもん見れたわ@稲妻』

『ルドルフ…映像にばっちり君の泣き顔が流れたんだ@オグリ』

『私達も全員ボロ泣きです~@超小川』

『談話室全員泣きまくりでい!@お稲荷』

『ウマ娘達もよう戻ってきよる』

『俺らも号泣よ』

『伝説が生まれたわ』

 

「お、コメント欄も復活!ほれ会長!ハンカチで涙拭え涙!!」

 

「ああっ、もう、皇帝の肩書もたまには邪魔だな…!…………よし。…ふぅ、すまない。取り乱した」

 

「取り乱すだろうよそりゃよ。…改めてスマートファルコン一着!世界レコード更新だぁ!!」

 

「最高だ…!…ああ、カメラの映像もようやく彼女を映したな。……流石にボロボロだな」

 

『お』

『みんなおる』

『フラッシュとアイネスが支えてる』

『酸素ボンベ吸ってる…』

『そらそうよ』

『みんな泣き笑いですわ』

『スズカもタイキもよう笑って居る』

『猫トレどこだ?』

『珍しくおらんな』

『あ、来た』

『ぜーぜーしとる』

『わー!』

『やだ…素敵…』

『最高の笑顔頂きました!』

『抱きしめあってる』

『てぇてぇ…』

『両方とも最高の笑顔なんよ』

 

「おー、猫トレはなんだ、走ってきたか?ゴール前にいなかったんかな?でもいい顔だなあんにゃろー!」

 

「ああ、それは嬉しいだろうさ…素敵だな、明日のアメリカの新聞の一面は今の顔に違いない」

 

『日本の一面は今のルドルフの顔だゾ』

『しーっ!』

『いやもう俺らも全員笑顔だわこんなん』

『最高のレースよ…』

『今日一日ネット掲示板すっげぇ祭りだゾ~コレ』

『ちょっと調べたけどさっきの回線不良どうやらウマチューブが一部回線落ちてたらしい』

『マ?』

『ってことはぐぐるさんの回線落ち?』

『アメリカのほうの回線負担が真っ赤っかだった』

『oh…』

『数億円規模の被害やんけ』

『アメリカでもあらゆるところで書き込みがあったんやろな…』

『大事件になっちゃ~う』

『すでに大事件なんだよなぁ…』

 

「へへ、まったくよぉ!!チーム『フェリス』は事件しか生まねぇなぁ!」

 

「まったくだ。人を驚かせないと気が済まないらしいね、立華トレーナーは…まったく、あの人らしい」

 

「お、そんでファルコンがフラッシュとアイネスに両肩抱えられながら動いたな。どうやらインタビューが始まるみたいだぜぇ!」

 

『英語わかんにゃい!!』

『リスニング力を信じろ』

『(日本語訳)「見事な走り。今のお気持ちは?」→猫トレ「自分が訳します。……最高に、嬉しいと」』

『文字起しニキ有能かよぉ!!』

『天才』

『猫トレも英語できるんか…』

『もはや猫トレだから驚かんわ英語くらい』

 

『「レコードです。セクレタリアトを超えた感想は?」→猫トレ「ファルコンは『ただただ嬉しい』と。自分からは、改めてセクレタリアトの凄さが分かった。今日のファルコンの走りは奇跡。このレースだけに備えてきた彼女が奇跡を起こしてようやく0.1秒縮めた時計を、セクレタリアトは前二冠のレースに出て、かつそれらのレースでもレコードを記録したうえで叩き出している。彼女の伝説は、誇りは失われず、しかし今日のファルコンの起こした奇跡も褒めてやってください」』

『アッ猫トレ最高…』

『こういうコメント出せるのがマジで大人』

『まぁ今日のファル子はマジで奇跡の走りだった』

『2000mからの加速が説明つかん』

『それを3冠レース全部に出走して出してるセクレタリアトはバケモンかよ』

『バケモンだよ(確信)』

 

「そうだな…確かに、ああ、立華トレーナーの話で落ち着いて考えてみれば、セクレタリアトは3冠全てのレースに出走し、そこでもなおレコードを出している。恐ろしいウマ娘であることは間違いない」

 

「だわなー。…あー、でも2000mからのファルコンの加速はアタシは見覚えあるぜ」

 

「…ふむ?君の言う心当たりとは何かな、ゴールドシップ」

 

「ジャパンカップのスペだ。ブロワイエと戦ったあん時の…限界を超えた走りをしたスペのそれに似てやがった。末脚でも、領域でもない、第三の加速……なんてな。テキトーだけど」

 

『「貴方たちのこれからの挑戦は?」→猫トレ「事前にファルコンと相談したことだが、自分たちの海外挑戦はこれで一旦おしまい。これからは日本に戻りダートレースを走るつもり。王者への挑戦なら日本でいつでも待っている」→記者たち「ヒュー!言うじゃねぇかケットシー!」』

『猫トレキメッキメじゃねぇか!』

『流石猫トレ』

『その傲慢さ誉れ高い』

『さわやかに煽ってくるからタチ悪い』

『顔がいい(確信)』

『ケットシー?』

『猫の妖精って意味やね』

『猫トレ妖精扱いされてて芝』

『オニャンコポン肩に乗せてるからね…』

『アメリカにそんな人おらんやろな』

『あの童顔はアメリカでも絶対受ける』

『イケメェン…』

 

「彼は…アレだね。普段生徒会室で話していても感じるが、何よりもウマ娘達が全力で戦うレースが好きな人なんだ。彼らしいよ」

 

「勝てる楽なレース、ってんじゃなくてウマ娘が走りたいレースを、って前にも言ってたなー。んでもってそこで担当ウマ娘が勝てるように仕上げるって。いいやつだよマジ」

 

『「最後に一言」→ファルコン「応援、ありがとー(Thank you for your support)!!」→猫トレ「今日の奇跡を、一生の誇りとしたい。素晴らしいレースに、それを見せてくれた俺の愛バに感謝と敬意を。そして応援してくれた皆様へ、ありがとうございました!」』

『イケメェン…』

『その笑顔、いかなるメスも拒めない』

『ウマ娘特効(200%)』

『人間にも特効ゾ』

『男ですがホレました』

『性の多様化社会だからね、しょうがないね』

『SSRになるだけある』

『今日はもう猫トレが何やっても許すよ』

『お前がヒーローだ!』

『ファルコンもヒロインだ!』

 

「いやー、外国でもキメッキメだったな!こりゃ戻ってきてから取材が大変だろうなー猫トレ」

 

「そのあたりは私たち生徒会や学園でもフォローをできるようにしておこう。英雄の凱旋に民衆が暴走してはいけないからね。各報道機関や記者への打診はさっそく今日から動こうか」

 

「さっすが会長!そこに痺れる憧れるゥ!…っと、インタビューも終わりだなー。この後ライブは放送でも流れるみてーだけどとりあえず生放送はここまでだぜっ!!」

 

「奇跡のレースだったな。このレースをこうして解説できたことを幸運に想うよ。今日は呼んでくれてありがとう、ゴールドシップ」

 

「気にすんない!そんじゃ〆るぜ!この放送は!ゴルシ様とー!?」

 

「シンボリルドルフでお送りしました」

 

「みんな、まったなー!!」

 

「また会おう」

 

『02!』

『おつー!』

『see you!』

『最高のぱか生だったぜー!!』

『カイチョー!お仕事テツダウ!@帝王』

『おつっとさん!@稲妻』

『おつおつー』

『お疲れ様@オグリ』

『お疲れさまでした~@超小川』

『乙でい!@お稲荷』

『おつー』

『ウマ娘達もよう乙っておる』

『自爆したみたいな言い方ァ!』

『いやーしかしすっげぇレースだった』

『伝説になる(確信)』

『レコードが間違いなく不滅』

『痺れたァ…』

『こういう奇跡があるからレースって素晴らしい』


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