ディストピア物で名前だけ出てくる謎国家   作:埼玉臨時政府

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第2話

皆さんどうも、私ことマックス・オリバーです。

 

私は運に恵まれまして、かなり良い学校に行くことが出来ました。

パンノニアの名を冠するこの国の最高学府ですよ!

私の家はそれなりには名を知られた家らしく名家と言えるらしいのです。

 

まぁ中央の学校には劣りますが、また優秀な兄は中央に行ってしまいました

 

何事もなく、二度目ですからそこそこ努力した事もあり首席で卒業出来ました。

 

そして今、私テロリストに捕まっています。

 

学校を出た後に政治家になろうと選挙に出馬したんです

 

ここ、パンノニアの政治は特徴的で、政党の存在が無いのです。

政治主張により主流派、非主流に分けられていますがね

 

表立った政党が存在していない事で、地元で名前が売れている私が有利になり当選確実と思ったんですよ、立候補者は全員無所属となりますから、先程も言った様に私はそれなりに名の知れた家の出身ですからね、地盤、看板、かばんの3つのバンはある、というわけです

 

しかし政治主張でコケましたね

 

主に主流派は、親中央を主張しているので私もそれに乗っかったら国境を超えて来た中央内部のテロリストに拉致されてしまいまして

さすが中央は反政府勢力の一大産地と言われるだけあるなと思いました

 

彼らはの主張は

『今や中央政府は国家を構成する圧倒的多数派たる一般民衆には目を向けず、自らの権力の維持・拡大のみに力を振り向け、格差を始めとする諸問題の解決には至らない………

かの政府はもはや権力が設置された当時の目的を逸れ、不当な目的の為に暴走を始めており、それに一部の私服を肥やさんとする上流層が合流しもはや合法的活動の範囲内に置いて解決は非常に困難なものとなっている………

パンノニア国家は国民を弾圧する中央政府を支持する目的での行動を慎み西方、北方、東方との協調路線を歩まなくてはならない………』

 

演説が非主流派のテンプレ過ぎて呆れてしまいましたね

分かりやすくすると

「中央政府は悪→親中央姿勢は悪」

と言う事ですね、

もう少し詳しくするとまず前提を説明しなくてはなりません

 

中央はまさに世界の中心ですが、内部は超格差社会であり警察国家でもあります。下層民は自由と権利を制限されており、政治は腐敗、権力の独占が起こっていて、技術レベルが20世紀前半レベルな事を除けばまさにSF空想ディストピア

 

諸外国との仲も悪いため隣国全ての兵力の5倍の兵を国境に張り付けています

しかし中央から見て

西方は深い森に覆われている為滅ぼすことが出来ない

北方は谷と雪原に覆われている為滅ぼすことが出来ない

東方は広大な不毛な大地が広がっている為滅ぼすことが出来ない

 

そして南方・パンノニアは山脈に堅固な要塞が築かれている為滅ぼすことが……できます、

兵の質や装備はお世辞を抜きに中央にも劣っていませんが

参謀本部の試算によると、一度要塞線を抜けられると他国と比べ戦略縦深が無く都市部を除けば平原が広がる国土は瞬く間に占領されてしまうと予想されています

 

だから親中央路線を維持する必要があったんですね

 

しかし中央から見ても1方向だけでも、いやだからこそ多少パルチザンが潜んでいようが親中央的である国家、我らがパンノニアは国家戦略上、惜しみない支援を行なってもお釣りがくるほどに非常に価値がある

 

人道に反していようが今日の先進的、多様的、民主主義的パンノニアは中央と地方のパワーバランスの均衡、シーソーゲームの平行の上で平和裏に繁栄を維持できるのです

 

だから親中央派が、市民からは感情的反感を買いながらも彼らはあえて無視、国家利益の名の下にこの国の主流派として位置し続けている訳です

 

しかし相対的に劣位に立たされていようが盲目な正義を好ましく思うのが人間なのか、中央に対立的な主張を持つ非主流派が市民レベルで同情を買い、政治的には主流派な人間も心の奥底では非主流派を好ましく思っていることが多い、そのため

サイレントマジョリティたる主流派

ノイジーマイノリティたる非主流派

という立ち位置であり続けている訳です

 

まぁ私も本音では中央はさっさと崩壊してほしい訳ですが

 

そのせいでおそらく非主流派に(テロリストだとは知らなかった事を願いたいが)匿われたであろうテロリストに拉致されてしまっては世話が無いよというわけで

 

しかしですねー、ちょっと問題がありまして、非常に言い難い、下世話な話なんですが

 

下が催して来まして

 

演説で長舌を振るったせいでトイレに行けて無くてもうそろそろ実と果汁がフレッシュしそうになってしまって、猿轡をされているおかげで言えないんですよね

 

もう賭けに出るしかありませんね………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は娼婦の母から生まれた、らしい

父の顔も母の顔も知らずに物心がついた頃には死体漁りをしていた

あの日、雨粒が路地の隙間から入るネオンの光を反射していた夜

 

死体漁りとして活動する上では対象を『作る』事もよくあること、死体を滅多に人目につかない所で解体していた

 

周辺の人間がまともな物を持っている訳がないがフレッシュな死体からはフレッシュな内臓が採れる

 

特に脳みそは蒸気冷凍機を通せば情報処理機械の重要な部品として高く売れる、ボディーガードにはみんなそれが積んである、ただのブリキの棺桶よりも汁気があった方がいいのかどうか、金持ちはまともな感性をしていない

しかしこいつは此処の人間には似合わない様な素晴らしい物を持っていた

 

外務副大臣特別印書

 

非公式な物で名目上なんの価値もない物だ、しかし実際にはフリーパスで入出国できる様になる魔法の紙だ金に変えれば周辺から少しは中心へ近づくことができるぐらいの価値がある

 

しかしそれよりも南へ出れる事の方が重要だ

 

南方!中心民にとっては対して魅力はないだろうが、周辺民にとってはこれ程魅力的な地方はない、北や東なんかの蛮族とは違い南には先進国家が存在している

 

税金は高いが人並みの暮らしができる場所、金持ちにとっては窮屈だが底辺層にとっては正に楽園と言っていい

 

そうして怪しまれない様になけなしの金で上等な服を買い、素知らぬ顔をして南方に来た

 

しかし生活は楽になったが不満も出て来た、この国の住民は本質的には何も変わらない、俺らの様な奴を無視しているんだ、他国の事だし関心がない事は理解できる

 

しかし街頭演説で聞いた内容は自分を奮い立たせるには足りるものだった

 

『暴虐非道な中央に対し政府は決別を選択しなくてはならない…………』

 

 

 

 

俺は銃を突きつけて親中央派の政治家を脅し、人質にして立て籠った

 

俺が演説している時こいつが顔を真っ赤にしていたのを見て優越感に浸っていた

しかしその直後にこいつは突然逃げ出した、切れた縄と光を反射する尖った何かをその場に残して窓を突き破りやがった

 

3階から飛び降り着地した後警察隊に向けて走り出した

 

俺は慌てて銃口を走者に向けて……




着地のときちょっと漏れたのはナイショ♡
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