蜘蛛のヒーローアカデミア   作:大同爽

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スパイダーマン~ノー・ウェイ・ホーム~の感動から思わず書きました!
短編で投稿しますがご好評頂けるようだったら連載します!


~プロローグ~

 

「――はい、静かになるまで8秒も掛かりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね…」

 

 ぼさぼさの髪に無精髭の男の言葉に教室の扉の前で話していた三人――緑谷出久・麗日お茶子・飯田天哉の三人はギョッとする。

 そのまま三人がそそくさと自身の席に着き、ざわついていた他の1-Aの生徒達が見つめる中、その男はつかつかと教卓に立ち気だるげに口を開く。

 

「担任の相澤消太だ…よろしくね…」

 

((((((担任ッ!?))))))

 

 男――相澤の言葉に生徒達は驚き、思考をシンクロさせるが誰一人それを口に出すことは無かった。

 そんな生徒達の驚愕の雰囲気を受けながらも相澤は淡々と進める。

 

「じゃ、もろもろの連絡は後でするから、まずは一番大事な連絡だけ……えー、このクラスに新しい生徒が一人転入します…」

 

「「「「「入学初日にッ!?」」」」」

 

 今度の衝撃は我慢できなかったようで生徒達は揃って声を上げる。

 しかし、相澤は生徒達の驚愕には答えず大きくため息をつき

 

「じゃあ、入って来い…」

 

 自身が入ってきた教室の扉に呼びかける。と――

 

「えーっと…先生…ホントにこのまま入るんですか?」

 

 扉がゆっくりと開き、ひょっこりと少年が顔を出す。

 黒髪の短髪に青い瞳の外国人らしいまだ幼さの残る顔立ちの少年は日本語で言いながら苦笑いを浮かべる。

 

「そう言ってるだろ…お前のこと説明するならそれが一番手っ取り早い。いいから、顔だけ出してないでさっさと入ってこい」

 

「………はい」

 

 少年は相澤の言葉に観念した様子で頷き、顔が通る程度だった扉を改めて開いて教室に入ってくる。

 

『ッ!?』

 

 その少年の姿に相澤を除く全員が驚愕に息を飲んだ。

 少年は他の生徒と同じく雄英高校の制服を着ていたが、生徒達の視線を集めたのは少年の両腕を拘束する無骨な手錠だった。

 その圧倒的なまでの存在感を放つ鉄の塊は目の前の柔和な笑みを浮かべる少年とはあまりにも不釣り合いで謎の少年の正体不明の度合いをさらに深めていた。

 注目を集める中教卓の隣に立った少年をちらりと見た相澤は視線を正面に戻し

 

「例年通りなら一クラスの人数は20人だが、うちのクラスに特例で転入することになった。名前は――」

 

「えっと…どうも、僕の名前はピーター・パーカー。両親共アメリカ人だけど国籍も生まれも育ちも日本だからほとんど日本人みたいなものだよ。英語は喋れるけどね。それから――」

 

「無駄話は休み時間にでもゆっくりやれ」

 

 少年――ピーターの言葉を遮って相澤が言い

 

「こいつが転入することになった理由についてだが……」

 

 一度区切ってから改めて席に着く生徒達を見渡し

 

「こいつはヴィジランテとして活動していた。ヒーロー資格無しにヒーロー活動をするのはご法度だが、未成年と言うことと、こいつの功績はそれなりに評価されていたこともあって保護観察って扱いで雄英に入学することになったわけだ」

 

 ヴィジランテ、ヒーロー資格無しにヒーロー活動を行うこと、またその集団のことを指す。ヒーローを志す者なら当然周知の事実であり、この教室にいる人間もみな理解していた。

 

「まあ詳しいことは本人から後から聞け。とりあえず今は――」

 

 言いながら相澤は教卓に屈みこみ

 

「お前ら全員、これ着てグラウンドに出ろ」

 

 体操服を取り出す。

 

「「「「「「???」」」」」」

 

 ポカンとする生徒達に相澤は

 

「個性把握テストだ。お前達も中学のころからやってるだろ?個性使用禁止の体力テスト、今からそれを個性を使用してやってもらう。わかったらさっさと着替えろよ…」

 

「え、入学式は!?ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間無いよ~。それじゃ」

 

 困惑する生徒達をそのままに相澤はひらひらと手を振って教室を出て行こうと歩き出し――

 

「あの…ちょっと待ってください」

 

 そんな相澤をピーターが真剣な声音で呼び止める。

 

「……なんだ?」

 

 相澤は剣呑な雰囲気で振り返る。

 真剣な表情でそんな相澤の視線を受けるピーター。

 

「……相澤先生、一つ忘れてませんか?」

 

「何?」

 

「入学式にもガイダンスにも参加しないのも、個性把握テストするのも別に構いません。僕は何も文句はありません。ただ一つ、どうしても我慢ならないことがあります」

 

「なんだ?言ってみろ。俺の何が我慢ならないって言うんだ?」

 

 半ば睨み合う様に相対する二人の雰囲気に教室中が息を飲む中ピーターは相澤を睨みつけるように見つめ

 

「相澤先生……行くんなら僕の手錠外してからにしてください!!」

 

『ガタッ!』

 

 ピーターの叫びにクラスメイト達は肩透かしにあったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――これは僕が親愛なる隣人に、そして、最高のヒーローになるまでの物語だ。

 

――え?そう言うお前は誰かって?

 

――OK!それじゃあ最初から説明しよう!

 

 

 

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