好き放題してた市長ですが、気が付いたらイカダで漂流していました   作:ひいちゃ

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漂流3日目

 さて、それからまた数日が経った。

 せっかく作った煮沸浄水器をにっくき鮫に食べられるという悲劇こそあったものの、それから気力を振り絞り、なんとか浄水器を作り直し、さらに魚や肉を焼くためのグリルも作った。ふぅ、元市長とはいえよく頑張ったぞ俺。というか、グリルをそこらへんの素材で作るなんて、ちょっとやそっとの知識じゃできるものじゃないと思うんだが。

 

 そして、釣り上げた魚を焼いたりして、食料と水をどうにかして数日。

 

「よし、いいよ~!」

 

 今度は簡単な農業をするための畑を作ることができた。といっても、木箱に土を敷き詰めただけの簡単なものだが。それでも、定期的に食料を確保できるようになった分、少しか楽になる……はず。

 

 さっそく、ここに先ほど拾った木箱に入っていたジャガイモを植えることにしよう。埋めてやって、煮沸して真水にした水をかけてあげて……。

 

「それにしても、イカダの上で農業なんて、正気かよと思うんだが……」

 

 しかも、市長だった俺がなんでこんなことを……(涙

 くそう、俺をイカダで流した奴を見つけたらしばいてやる! 懲役1000年じゃー!

 

 何はともあれ、芋の栽培を済ませた俺は、再び即席の釣り竿で釣りをはじめた。

 その近くに、あの忌々しい鮫がうろついている。むむむ……。

 

「あいつ釣り上げたいけどなぁ。大きいから食いではありそうだよな……」

 

 そうつぶやきながら黙々と釣りを続ける。しかし、その時!

 鳥の鳴き声がすぐ近くで聞こえる。え?

 

「ちょっ、待て! おおおおぉぉぉい!」

 

 せっかく俺が作った簡易畑を、鳥がつついているではないか! 俺がせっかく植えた芋を食べるつもりか!? 待て待て待て!

 

 俺が槍を持って構えると、鳥は殺気を感じたのか飛び去って行った。

 

 まったく、こういうのは鮫だけで十分だろ? そこまでする!? 俺が何をしたっていうんだ。

 

* * * * *

 

 そしてジャガイモが実った。そのことに俺は感動してしまう。市長だった時にはこんなことなかったなぁ。

 

「これはすごくいいかも。未来を感じる!」

 

 こんな簡単な農業で、未来も何もないかもしれんが。でも本当に自分でジャガイモを植えて収穫できたことには感動だ。

 さっそく、俺が手塩にかけて育てた芋、さっそく食べてみよう。グリルで焼いて……いただきます。

 

 ……うん。

 

「あんまりおなか膨らまないな。ちょっと待って」

 

 おいしいにはおいしいんだが、やはり芋一個では、そんなに空腹は満たされない感じ。

 ……これは、まだ釣りのお世話にならなきゃいけないかも。

 

* * * * *

 

 そうこうしていくうちに、さらにイカダが大きくなった。これで、グリルと浄水器が鮫に食べられる可能性も低くなっただろう。さすがにこの二つは何があっても守らないとな。これをやられたらおしまいだ。

 

 そして数日。資材がたまってきて、今度は寝床が作られるようになった。

 これで少しは人間らしい生活を取り戻せた……と思ったんだけど。

 

「いやいやいや、不安しかないってこんなの! 寝てられねぇよ」

 

 付近には鮫がうろついているんだぞ。気が付いたら鮫の胃の中でした、なんて洒落にもならん。寝返りで海にドボン、という可能性もあるしな。俺が安眠をとれるようになるには、まだ時間がかかりそうだ。

 

 というか……。

 

「鮫も俺にどれだけ執着してるんだよ。俺じゃなくて他の魚を食べに行きなよ」

 

 あの鮫、どうして俺をこんなに狙ってるんだ? 何か食欲以外の何かがあるとしか思えないんだが。鮫に恨まれる覚えなんかないぞ!

 

 そしてさらに数日。少しずつイカダ生活が充実してきた中、一つの転機が!

 

 目の前に島が現れたのだ!!

 

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