好き放題してた市長ですが、気が付いたらイカダで漂流していました   作:ひいちゃ

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さて、Ark編2話目ですぞ!

今回はあの出会いと別れのお話です。


漂流6日目

 さて。この恐竜の島に漂着して三日目。元悪役市長の俺は、叢に伏せてあるものを待っていた。

 

 さすがに人類より強大な巨大恐竜が闊歩しているこの島で、俺一人だけで生き抜くのは不可能だ。そこで、適当な恐竜を手なずけて彼と共に行動しようと思ったのだ。

 

 ふふふ、完璧なプランだ。

 

 さすがに狂暴な肉食恐竜を手なずけるのは無理だが、大人しい草食恐竜ならなんとかなるはず!

 

 そんなわけで俺が叢に身を伏せ、獲物……もとい、パートナー候補を待ち受けていると、ほどなくして奴はやってきた!

 

「きた!」

 

 この前見かけたパラサウロロプスとかいう草食恐竜だ! 俺は起き上がるとパラサウロに飛び掛かり、こん棒で殴りつけた!

 

 突然の襲撃者に驚いたパラサウロロプスは慌てて逃げ出していった。くそ、逃がさん!!

 

「待て! お前は俺の乗り物になるんだ!」

 

 そう呼び掛けながら追いかけるも、奴は捕まったら食べられると思っているのか、ただ逃げ回るのみ。くそ、なかなか追いつけねぇ……!

 

 そうしていくうちに、奴は川に飛び込んだ。川の中なら安全だと思ってるのか? そうはいかんぞ!

 俺も川の中に飛び込み、奴を追いかける。

 しかし、水中は相手が得意なのか、引き離されるばかり。くそー、逃げられてしまう……!

 

 がぶちょ!

 

「うわぁ!」

 

 突然噛みつかれる感触とともに振り向くと……。

 

「なんだなんだなんだ!?」

 

 なんと巨大なエイみたいな魚が、こちらを攻撃してくるじゃないか! もしや……俺を餌だと思っているのか!?

 こんなに襲われたらひとたまりもないぞ、早く逃げないと!

 

 しかし、もはやどこが岸なのかもわからない。俺はただひたすらに泳いで逃げるが、向こうはさすがというべきか、こちらに追いついて攻撃してくる。

 

「許してくれ! 違う……違うんだ!!」

 

 そう言われても通じるわけなし。奴はおかまいなしに攻撃してくる!

 

「くそー!」

 

 反撃してみるも、やはり水中は勝手が違い、なかなか当たらない。そうしているうちに、エイに左足に食いちぎられた!

 

「だめだ、死ぬ、また死ぬー!」

 

 そう心の中で叫びながら逃げるも……現実は非情であった。

 

「もう嫌だー!!」

 

 その言葉を最後に、心臓に牙が突き刺さり、食い込んでいく感触が俺を襲い……またも俺は死んだ。

 

 なんでマンタがこんなに攻撃的なんだよ!?

 

* * * * *

 

 はい、蘇生チートで復活してきた市長ですこんにちは。もう死ぬのにも慣れて……いや、こんなのに慣れたくないわ!

 

 そして俺はまたも、乗り物をゲットするべく、再び近くの海岸へと脚を運んだ。

 え、またも同じことの繰り返しだって? ふふふ、この俺に二度の失敗はないわ!

 

 前回失敗した原因は、奴の動きを封じてなかったから。ならば、動きを封じればいい! そこでこれだ!

 じゃじゃーん! 即席のポーラだ! これを使ってパラサウロの動きを封じて、それからゆっくりと手なずければいい。なんと見事な作戦だ! さすがに悪徳市長やってたのは伊達じゃないぜ!

 

 そしていつぞやのように草むらに伏せて、パラサウロの奴を待ち受ける。すると少しして、奴はやってきた!

 飛び出すと、やはりこの前のように獲物は逃げ出そうとするが……逃がさん、くらえー!

 

 ポーラを投げつけると、それは見事にパラサウロの脚に絡みついて動きを封じた!

 

「やったー、捕まえたぞ!」

 

 ……そして色々やって、俺はパラサウロロプスのトモダチを手なずけることに成功したのだった!

 

* * * * *

 

 だがトモダチと友達になって、家に帰ろうとしたところで……。

 

 ガサガサッ

 

「!?」

 

 物音がした。そっちのほうを見ると……いかにも獰猛そうなワニが! さらに言うと、俺たちを餌にしようと狙ってる感じがする。

 

「ちょっと待て待て待て! 絶対離れたほうがいい」

 

 そう言って俺とトモダチが踵を返すと同時に……。

 

 ガアアアアア!!

 

「わあ! トモダチ逃げろ! 俺たち狙われてるぞ!!」

 

 そしてダッシュで逃げだす! しかしワニの奴も少し遅いながらも、こちらを執拗に狙ってくる!

 かくして俺たちは、ジャングルを駆け、川を泳いで渡り、必死に逃げた。

 

 さらに大変なのはそれからだった。

 

「絶対敵だこいつ!!」

 

 巨大なヘビに絡まれたり……。

 

「なんだなんだなんだ!? 何が起きてる!?」

 

 別のワニに絡まれたり……。

 

 本当にもう色々ありながらも、なんとか家に帰りついたのだった。

 

* * * * *

 

 だが、俺の災難はまだ終わってなかった!

 

 家の近くを通りすがったトリケラトプスを捕まえようとしたら、俺必殺のポーラが聞かず、トモダチより一回り大きな敵に彼と二人がかりで戦うことに……。

 

「くそー、こうなったらやるしかねー!!」

 

 そして激しい激闘の末、やっと一息つけたのだった。気が付けば俺もトモダチもボロボロに……。

 

「すまねぇ、トモダチ……お前はもうずっと俺の友達だ」

 

 この後、俺がトモダチをシンユウと改名したのは言うまでもない。

 

* * * * *

 

 だが、トモダチ改めシンユウとの別れは唐突にやってきた!

 

 オレが改めてジャングルをシンユウと探検してると……。

 

 ザバァ!!

 

 突然沼地の中から何かが飛び込んできた!

 

「うわぁ、嘘だろ、何だ今の!? 逃げろ逃げろ逃げろ!!」

 

 命の危機を感じた俺は、シンユウと共に脱兎のごとく逃げ出した。

 だが、どこに向かってるわからないまま逃げ出していくうち……!

 

「うわあ!!」

 

 もう、この悲鳴を何度発したかわからない。突然襲い掛かってきたワニに飛び掛かられ、俺はシンユウから振り落とされてしまったのだ! シンユウのほうにも別のワニが!!

 

 しかも! 近くの穴に足がはまって動けない!!

 

「なんだこれ! 動けない! 足がはまって動けない! シンユウ! シンユウーーー!!」

 

 そのシンユウがワニに食べられる光景。それが俺が今回の人生で最後に見た光景だった……。

 

 なんでだよ、おかしいだろ!?

 

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