好き放題してた市長ですが、気が付いたらイカダで漂流していました   作:ひいちゃ

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漂流7日目

 さて、ワニに食べられた元市長です、こんにちは。この通り、チートで復活して戻ってきました。

 いやー、もうやられるのにも慣れ……ってこんなのに慣れたくないわ! 前に言ったような気がするけど!

 

 さて、そんなことを言ってる場合ではない。俺が死んだあそこには、いろいろなグッズも置いてきてしまったんだ。あれも回収しないと……。

 

 俺は素っ裸のまま、仮の拠点を飛び出して、死んだ現場へと走っていった!

 

 ……。

 ………。

 …………。

 

「よし、あったあった。よかったー」

 

 艱難辛苦を(再び)乗り越え、俺がやられた場所に行ってみると、そこには俺が落とした、革で作ったバックパックが。

 質素も質素、ドが256個憑きそうなほどお粗末なそのバックパックに近寄り、中を開けてみる。

 

「よかった、まだ手を付けられてないな」

 

 ほっと一安心。だが俺はしくじった。

 一安心しすぎて、周囲への警戒を忘れていたのだ。

 

 とたん、背中に痛みが走った!

 

「やばい!」

 

 何がやばいのかわからないが、やばいというのは俺の直感からわかる。

 後ろを振り向くと、やはり巨大な蛇が俺を襲っていた!

 

「やばいやばい!」

 

 そう言っている間にも、再び蛇の攻撃! すっげぇ痛い!! これはめっちゃやばい!

 

「うわぁ、ダメだこりゃ、回収できん! わははは……」

 

 それが俺の、今回の生での最期のセリフだった。あまりのひどさに笑いをこぼしながら。

 ……って、この世界、あまりにも厳しすぎるぞ!

 

* * * * *

 

 そして俺は再び、仮拠点の小屋の中でよみがえった。……すべてを失って。

 

 再び石や枝を拾って……。こりゃ、作れるもの全部作ってから出かけよう。でないと無理だこれ。

 

「原始人から邪馬台国の人間になる位まで頑張ろう。そうでないと勝てない、奴らに」

 

 そう言いながら、半日かけて収集したりものを作ったりして……。

 

 ついにできた! 今までは布の服だったのが、革の服になったぞ! わはははは!

 ルーキーからベテランになったような感じがあるぞ!

 

 でもこれだけでは不足なんだよな……。あとは奴らを撃退できるだけの武器が必要なんだが……。

 

「マシンガンみたいなのねぇのか?」

 

 ……って、あるわけないんだよな。イカダ時代に神様からもらった知識の中にもないし、そもそも作れる材料がない。

 弓なら作れそうだが……悠長に弓なんか撃っている場合か? そもそもすぐに追いつけれそうだからな……ないよりはましだけど。

 

 あとは、強そうな恐竜がほしいんだよな。あそこに歩いてるトリケラトプスなんか結構強そうじゃね?

 

 えーと、捕まえるために使えるものは何かないかな……?

 興奮剤……こういうのも作れるのかよ!? びっくりだ……。って、興奮させてどうするんだよ。むしろ鎮静剤必要だろ……。

 

 ともあれ、なんとしてもトリケラトプスをゲットするぞー!

 と、いろいろやってみるが、うまくいかず……とげ突きの柵で囲おうとしてもうまくいかないし、ポーラでからめとることもできないし……。

 

 仕方ない。殴ろう! もしかして、さっきの柵で瀕死になってるかも!

 

 そう考えて殴りかかるが……。

 

 ドカァン!!

 

 やべぇ、すっごい吹っ飛ばされるし痛い……。でも、なんか叩いているうちに、奴の動きも鈍ってきたような……?

 

「お、お?」

 

 そんなことを考えながら、続けて殴りかかるも……。

 

 ドコーン!!

 

 いてぇ、痛すぎる!! でも負けるもんかー!

 

 と、トリケラトプスと死闘を繰り広げて数時間……。

 

「なんかやれそうな気がする!」

 

 奴がふらふらになってきたぞ! もう少しだ、そう俺の直感が叫んでる!

 

 そして……ついにその時がきた!

 

 俺のこん棒の一撃をもらったトリケラトプスは、ついにその身体を横たえ、昏倒したのだ!

 

* * * * *

 

 そして、いろいろと餌付けして、トリケラトプスは起き上がり、速攻でなついてくれた。

 

 ……しかし、あれだけ追い回して、こん棒で殴りまくったのに、よく従ってくれるよな。……力で従属させてるのか?

 だとしたら、全然友達じゃないな。

 

 さて、このトリケラトプスはどれだけの力があるんだ? ちょっとそこの小型の恐竜をけしかけてみるか。

 

 そして、その恐竜を攻撃しろと命令してみると……。

 

 強(つよ)っ!? 一撃で、その恐竜はさっきの俺のように吹き飛ばされて、そして絶命してしまった。

 本当に強いなお前!?

 

 俺がこいつを、『本当のトモダチ』に改名したことは言うまでもない。

 パラサウロロプスなんて弱い奴を友達にした俺が間違ってた! シンユウなんて弱い奴はいらねぇんだ。やっぱりこれからはトリケラトプスだよな!

 

 あー、あー、『薄情者』とか『掌返しすぎる』なんて批判は聞こえなーい。

 

* * * * *

 

 だが、その決心も少しぐらついてきた。

 

 こいつ、強いには強いのだが、足がかなり遅いのだ。……こいつは本当の友達じゃないかも。まいったなぁ……。

 

 でも、成長すれば変わるかもしれんしな。そう思ってると、俺たちの前を亀が通りがかった。

 よし! この亀で経験を積ませよう。いけ、本当のトモダチ!

 

 かくして亀と激しいバトルを繰り広げる本当のトモダチ。でも、かなりてこずってるな。大丈夫か?

 

 ……いや、俺は手を貸さない! ここでやられるようなら、お前はそこまでの……。

 

 突然、本当のトモダチが倒れ、絶命した。

 

 ……男……だ……え?

 待て待て待て、一体なにがあった? って、あ!! 本当のトモダチにピラニアっぽい魚が群がってる! こいつにやられたのか!

 

 ……やっぱり、こいつも本当のトモダチじゃなかった。結構苦労したのになー……。

 でもこれじゃ、次の友達は大変だぞ。

 

 そう思いながら、トリケラトプスを肉と革に解体している俺の前を、小型の恐竜が通り過ぎた。

 

 むむ、こいつは小さいけど、もしかしたら強いんじゃないのか? 曲がりなりにも肉食っぽいしな。

 

* * * * *

 

 ……かくして、俺の前には、さっき捕まえた奴と同種の恐竜、ティロフォサウルスたちが勢ぞろいしていた。

 

 数は力だと思った俺は、彼らを片っ端から捕まえ、しもべにしたのだ。

 名付けて……『少年〇偵団!!』。なお、小学館とは何の関係もありません……。ごめんなさい。

 

 だが、俺はこの少年探〇団をあっけなく失うことになるのだった! そう、俺がある欲望を抱いたことがきっかけに……。

 

* * * * *

 

 拠点の近くの湖をぐるっと探検していたところ。とても大きな、山のような背びれが特徴の恐竜と出会ったのだ。

 

 こいつが仲間になればすごいだろうなー、と思った俺は、『意外とポーラが効くかも?』と淡い期待とともに、奴に挑んだ。だが、それが失敗だったのだ!

 

 やはりというべきか、ポーラは効かず、奴は俺に飛び掛かってきた! その俺を助けようと、少年〇偵団たちが恐竜に飛び掛かる!

 

 だが、奴は強すぎる! 瞬く間に、二匹の探〇団が蹴散らされ、絶命した。

 

 そして……。

 

 一番強い探偵団が尻尾の一撃で肉塊になるのと同時に、奴の牙が俺に突き刺さり、俺は死んだ……。

 

 ちょっと待て、強すぎるだろコイツ!?

 

 それが今回の生で俺が最期に思ったことだった……。

 

 

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