あらすじに書きましたが、ヒロインになるウマ娘はルーレットアプリで決めてます。
一発目はアドマイヤベガさんからです。
日差しが優しく降り注ぎ、ベンチに座る男女を照らす。
アドマイヤベガとその担当トレーナーは、学園内にある噴水のある中庭のベンチに肩を並べて座っていた。
アドマイヤベガは心を許しているトレーナーの肩にそっと頭を預け、
「…………好き♡」
とつぶやくように囁いた。
トレーナーは普段こんなことを言わない彼女の言葉に目を見開くが、すぐに彼女の腰に手を回し、自分の元へ引き寄せる。
そして、
「俺も好きだよ」
彼女の耳にそっと囁いた。
ブルリと彼女の肩が揺れる。
しかしそれは拒否反応ではない。
寧ろ、もっと言ってとばかりに耳は彼の口元に寄せられている。
「好き……好きだよ、アヤベ」
「〜〜……好き♡」
「好きだよ」
「好き♡ 好き好き♡」
互いに相手へ好意を伝え合う。
たったそれだけなのに、二人の表情からはこの上ない幸福感が溢れ出す。
「好き♡」
「好きだよ」
「好きぃ♡」
「好きだ」
この短時間で何度同じ言葉を囁いているのだろう。
しかし彼らにとってそんなことはどうでもいい話。
今は、今だけは二人だけの世界なのだから。
「…………らしくなかったわね」
やっと我に返るアドマイヤベガ。
しかしそれでもトレーナーの肩から離れようとしない。
寧ろトレーナーは彼女を離すまいと、空いていた手で彼女の頭を押さえていた。
「離して」
「嫌だと言ったら?」
「仕方ないから、このままでいるわ」
「嫌だ一択だね」
「……そう」
「好きだよ、アヤベ」
「……もう十分伝わったわ」
「君から言ってくれて嬉しかった」
「…………」
「嬉しかったなぁ」
「はぁ、もう……好き♡」
「俺も好きだよ」
「好きって言うと、止まらなくなるの……どうしてかしら?」
「どうしてだろうね。でも幸せならいいんじゃないかな?」
「……そうね。はぁ、好き♡ 好き好き好き♡」
「俺も好きだ」
「もっと言って……私ももっと言うから♡ あなたの声で沢山聞きたいの♡」
「いくらでも言えるよ。好き。好きだ。アヤベが大好きだ」
「〜〜……私も大好き♡」
トレーナーから好きだと言われる度、愛が伝わる度、アドマイヤベガの肩はピクンピクンと跳ね上がり、尻尾もふわりくるりと揺れる。
微笑む彼女の表情は一等星のような輝きに見え、トレーナーは思わず愛おしそうに目を細めた。
「好きよ、大好き♡」
「大好きだよ、アヤベ」
二人は時間が許す限り、互いに愛の言葉を囁き続けた。
それだけ二人の世界に浸っていたのもあるが、アドマイヤベガは教室でクラスメイトたちに『ラブラブだったねー』とからかわれた。
しかしからかわれた本人はどこ吹く風で、
「いいでしょ? 私たちが相思相愛で?」
なんて微笑んで返すものだから、みんなは茶化すことなどそれ以上出来なかったという。
こんな感じのただ好き好き言ってるだけのお話です。
軽い砂糖補給にでもなれば幸いです(^^)
読んで頂き本当にありがとうございました!