「ただいま、私のトレーナーさん♡」
「おかえり。俺のフジキセキ」
フジキセキとその担当トレーナー(元)は、彼女がトレセン学園を卒業したと同時に同棲生活を始めた。
本当ならばフジキセキは卒業と同時に入籍したかったが、彼女の両親が長期の海外公演で日本を留守にしているため、入籍という大事なことはまだしていない。
彼女は今はウマ娘レースの解説者やウマ娘レース専門チャンネルの司会役等、タレント業を営んでいる。
今日はトレーナーも今担当しているウマ娘たちに休みを取らせたため、早くに仕事を切り上げてフジキセキの帰りを待っていた。
「ふふ、帰ってくるとトレーナーさんがいるっていうのは毎度のことながら幸せで涙が出そうになるよ♡」
居間へ移り、彼をソファーに座らせ、自分は自分の特等席である彼の膝上に横向きで腰を下ろす。
うんと彼の首筋に頭を寄せ、大好きな彼の匂いを堪能。
そんな彼女をトレーナーは優しく受け入れる。
「相変わらず甘えん坊だな、フジは」
「私をこんなに甘えん坊にしたのはトレーナーさんでしょ? 責任取ってくれないと困るよ♡」
「一生を持って責任を取るよ」
「ふふっ、幸せ過ぎる♡」
ゆらりふわりと尻尾が揺れ、自然と頬もほころぶフジキセキ。
「あ、そうだった。トレーナーさんに今日は特別なキセキを見せようと思ってたんだ」
思い出したかのように言うフジキセキに、トレーナーは「おお、それは楽しみだな」と笑顔で返す。
「実はもう仕込んであるんだよ。じゃあトレーナーさん、私の身体に宝物を隠したよ♪ どこにあると思う?」
「うーん……目か? 宝石のように綺麗だから」
「とっても嬉しいけど、ぶぶー♡ ハズレ♡」
「なら脚? その名の通り奇跡を起こすから」
「残念だけど、ぶぶー♡」
「難しいな。だったら耳はどうだ? ピコピコしていつも可愛いから」
「ぶっぶー♡」
トレーナーの答えにフジキセキはニヤニヤしながら不正解だと告げた。
なのでトレーナーが「降参だ」と白旗を揚げると、
「正解はお腹の中、だよ♡」
なんて言って彼の手を取って自身の下腹部を触らせる。
つまりそういうことだ。
「え、本当に?」
「妄想じゃないよ♡ ちゃんと検査してもらったんだからね♡」
「……だから今日はいつもより早くに帰ってきたのか」
「そ♡ ふふっ、サプライズ成功だね♡」
「そうだな」
二人は笑みを深め、抱きしめ合う。
いつかこうなることは分かっていた。
なのでいざそうなって、トレーナーはよりフジキセキへの愛が溢れてくる。
「好きだよ、フジ……幸せにするし、君もこれから産まれてくる子も俺が守る」
「私もトレーナーさんが大好きだよ♡ 家族みんなで幸せになろうね♡」
「ああ、そうだな」
「両親も来週には帰国するから、いい報告が出来るね♡」
「……まさかそれに合わせた?」
「さぁ、どうかな?♡」
イタズラっぽく返すフジキセキに、トレーナーはお返しとばかりにキスの雨を降らせ、フジキセキは幸せな悲鳴をあげていた。
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