とある日の夜。
メジロライアンとその担当トレーナーは、メジロ家が主催する身内だけのプライベートパーティーに参加していた。
メジロカラーで鮮やかに仕立てられたパーティードレス(ハートカットのAライン・ミモレ丈)に身を包み、愛するトレーナーにエスコートされるメジロライアン。
トレーナーに至っては格式高い御家からの招待なので、普段は足を運ばない仕立て屋でしっかりとグレーのスリーピーススーツを用意してそれを着込む。勿論、ネクタイはライアンがプレゼントしたメジロカラーのモノ。
「(トレーナーさん、ちょっと風に当たりに行きましょう)」
パーティーが始まってから、彼女はずっと親戚たちと『トレーナーとの馴れ初め』を根掘り葉掘り訊かれて狼狽していた。
それも落ち着いて来たので、逃げることにしたのだ。
「はぁ〜、変に疲れましたぁ〜。レースでも筋トレでも出ない嫌な汗掻いちゃいましたよぉ〜」
「お疲れ、ライアン。ニンジンジュース貰って来たよ」
「わっ、ありがとうございます!」
ニンジンジュースの注がれたグラスを受け取り、喉を潤すメジロライアン。
「寒くはないけど体を冷やさないように、これ羽織ってて」
「あっ……ありがとうございます♡」
スーツの上着を掛けてもらい、メジロライアンは先程は別の意味で頬を赤らめる。
「なんだか不思議な気持ちです……生まれた時からいる屋敷なのに、トレーナーさんが隣にいるだけで、夢の中にでもいるみたいな感じで……」
「俺はいつもライアンに夢を見せてもらってる。たまに本当に夢なんじゃないかって思って頬を抓る程だ」
「あはは、あたしもたまにしますよ―――」
彼女はそう言うと、ピトッとトレーナーの肩に頭を寄せた。
「―――こんなに素敵な人があたしのパートナーだなんて、幸せ過ぎて、夢で終わりたくないって思って」
「ライアン……」
「あはは、あたしらしくないですよね! でも本当なんです。あたし……あたし、それだけトレーナーさんのこと、好きなんです♡」
真っ直ぐに真剣に、自分の想いをトレーナーに告げるメジロライアン。
そんな彼女が愛おしくて、トレーナーは彼女を正面から抱きしめる。
そして、
「俺もライアンのことが大好きだよ」
自身の口元にある彼女の耳にそっと囁いた。
するとメジロライアンの耳や尻尾がブルリと歓喜に揺れる。
「……好きです、トレーナーさん♡ 好き好き好き好きぃ♡」
「今日は珍しく甘えてくれるね。好きだよ、ライアン」
「あはは、でもこんなあたしでもトレーナーさんは好きですよね?♡」
「勿論。ライアン好き好き」
「はぁ、顔がにやけて戻らなくなりそうです……♡」
「それは良くない。この可愛いライアンは俺だけの宝物だから」
「うぅ……好き、好きですトレーナーさん!♡」
「俺も好きだよ、ライアン!」
こうして二人はパーティーのことなどすっかり忘れ、好き好き言い合い、気が付けばメジロ家当主が感涙しながら拍手していたそう。
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