「見給えトレーナー君! まるで世界にボクたちしかいないみたいな感覚にならないかい!?」
「そうだな、オペラオー」
テイエムオペラオー。
世紀末覇王とまで呼ばれ、URAファイナルズの王者。
そんな彼女は今、慰安旅行として自身の担当トレーナーとURAが運営する温泉旅館へやって来ている。
今宵はまだ寝るにはもったいない。
なので二人は近くの浜辺へやって来た。
真夜中なのもあって、二人以外の人影はなく、ただ満天の星空と静かな海が広がっている。
「トレーナー君、もっとボクの側へ来給えよ」
「では失礼して……」
トレーナーは彼女の要望通りに距離を詰め、彼女の肩を抱き寄せた。
そうすれば、テイエムオペラオーはいつもの世紀末覇王の仮面が剥がれ落ち、一人のウマ娘に戻る。
「ああ……素晴らしいね、トレーナー君♡ 流石はボクの伴侶だ♡」
「そりゃどうも」
「ふふっ、君の瞳にボクだけしか映っていないね♡ レースで勝つよりも最高の気分だよ♡」
「そんなに見詰めないでくれ。こういうのは恥ずかしいんだ」
「頬を染める君も愛らしいね♡ ああ! 人を愛するのは……伴侶を得るというのは、こんなにも世界が変わるものなんだね、トレーナー君!♡」
「相変わらず大袈裟だな」
冷めた言葉を返すトレーナーだが、テイエムオペラオーは自身の肩を抱く彼の手に力がこもるのをしっかりと確かめていた。
故に更に彼への想いが募っていく。
するとテイエムオペラオーの身体は自然とトレーナーの方へとしなだれていった。
「オペラオーは軽いな」
「ならもっと君に委ねてもいいかな?」
「全てを委ねてもらって構わない」
「っ……ははは、君も言うようになったじゃないか!」
愉快痛快と言ったように笑うテイエムオペラオー。
「はぁ……好きだよ、トレーナー君♡ ボクはもう君がいない世界では生きてはいけない体になってしまった♡」
「可愛い世紀末覇王だな」
「そんなことを言うのは君だけだよ♡」
「俺だけで十分だろう?」
真顔でそんな言葉を返されると、流石のテイエムオペラオーでも胸がキューンと高鳴って、頬が急激に熱くなっていくの感じた。
「…………好き♡」
「ああ、ありがとう」
「好きだ!♡」
「ありがとうありがとう」
「ああ、もう! 好き好き好き好き!♡」
普段の彼女から掛け離れた年相応に歳上の恋人に甘える仕草をこれでもかと爆発させ、そんな彼女をトレーナーは優しく受け止める。
「トレーナー君からもボクへの愛を囁いてくれないか?♡ もう我慢出来そうにないんだ……♡」
「……好きだよ、オペラオー」
彼女のおねだりに応え、耳元でそっと囁くトレーナー。
するとテイエムオペラオーは頬がふにゃふにゃになり、耳がピコンピコンと跳ねた。
「君はボクの全てだよ、トレーナー君♡ 大好きだ♡」
「ああ、俺もだよ」
その後も二人は日の出まで好き好き言い合っていたそう。
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