お昼休みを迎えたトレセン学園。
いつものように担当トレーナーから渡された必要摂取カロリーと、栄養素のバランスが絶妙なトレーナーお手製弁当を平らげたミホノブルボン。
よく噛み、飲み込み、米一粒残さず食べ終える。
それからトイレにある鏡で身だしなみを整え、口の中もチェックをし終えれば、怒られない程度の早歩きでトレーナーがいるトレーナー室のある東棟へ向かった。
◇
「失礼します。マスター」
「ブルボンか。もう昼飯は食べたのか?」
「はい。ですので、宜しいでしょうか?」
「……ちょっと待ってろ」
トレーナーはそう言うとデスクから立ち上がり、室内に設置した二人掛けソファーに移る。
それから彼が「よし」と言えば、その言葉を待っていたとばかりにミホノブルボンは彼と向かい合わせになるよう膝上に鎮座した。
「すっかり甘えん坊になっちまったな」
「マスター……マスター……♡」
トレーナーのぼやきには反応せず、一心不乱に大好きな彼の胸板に頭を押し付けるミホノブルボン。
「おい、痛え……というか熱い」
「すみません、マスター……」
「ミホノドリルはキツいんだよ……もっと加減しろって言ってるだろ」
「はい……」
注意されたことと大好きな彼を傷つけてしまったことで、しょんぼりと耳がヘタるミホノブルボン。
「しょげるくらいなら学習しろ」
しかしトレーナーはそんな言葉を掛けながら、彼女の頭をポムポムと軽く叩くように撫でる。
そうすれば彼女の耳はピンと復活し、尻尾もブルブルボンボンと好調に戻った。
「マスター……好きです♡」
「分かった分かった」
「好き♡ 好きです、マスター♡」
「おう」
好き好きと何度も繰り返し告げ、トレーナーの首筋やら顎の下やらに頭を擦り付けていくミホノブルボン。
そんな彼女にトレーナーは素っ気ない言葉を返すが、手ではしっかりと彼女の背中を優しく支え、もう片方の手は未だに彼女の頭を優しく撫でている。
言葉は無くとも、ミホノブルボンにとってはそれだけで幸せなのだ。
「マスター、好き……大好きです♡」
「分かったって」
「何度言っても足りません♡ 寧ろ、言えば言うほどマスターへの想いが強くなります♡ 恋愛とは不思議な感情ですね♡」
「そうだな」
「ああ、マスター……♡ 好き……好きぃ♡」
担当して4年。半年前まで恋愛の「れ」の字も理解していなかったミホノブルボンが、こうも変わるものなのかと毎回驚いてしまうトレーナー。
それでも彼女からの好意にはしっかりと態度で示しているし、これからもそうする。
「ほら、もっとこっちに来い。落っこちちまうぞ」
「ぁ……マスター♡」
彼の声色と手から最上級の愛情を感じ、思わず声が震えるミホノブルボン。
「好きです、マスター♡」
「おう」
こうして今日も二人は誰にも邪魔されず、愛を育んでいく。
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