ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲
ギャグの世界線とはいえ遊びました、許してください、何でもしませんから(あと、ただ、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲で遊びたかっただけです
夕方時
オレンジ色の光が差し込むトレーナー室で部屋の備品である回る椅子に座りトレーニング計画を立てていた最中とあるウマ娘が訪れていた。
「あ、あの、ゴールドシップのトレーナーさん」
「ん?どうしたのか、マックイーン」
椅子を回して扉を開けて中を覗いてきた少し困惑している顔をしている彼女──メジロマックイーンの方を見る。あーこの感じからして多分、ゴルシ関係だろうなぁ……
「また、ゴルシが何かやったんか?」
「はい、また、ゴールドシップが暴れててどうにかして欲しいのですが」
まぁ、そうだよなー知ってた……むしろ、ゴルシ以外の理由で、俺の所に訪れないもんな、お前……
「えっと、それで、今回はどこで何やったんだ?」
「えぇ、競技場で少しばかり口にするのも憚れる様な物を創造していまして……」
マックイーンが口にするのを憚る物って……なんだろうな……
「ちょっと待って、なに、どう言う事だそれ」
「あの、その、ちょっと、そうですね、一緒に競技場に来て貰えますでしょうか?」
「あ、うん、いいよ」
椅子から立ち上がりトレーナー室を後にし、マックイーンに連れられて学園内を抜けて競技場に来る。競技場の観客席に来たマックイーンは足を止めてある方向を指で刺す。
「あれです」
指で刺した先にあったのは競技場の端に芝生で作られているであろうとある像が建てられていた。待って……あれは……
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だ、完成度高いな、オイ」
「え、ちょちょちょっと何ですか、その砲は、それに、今、アームストロング二回言いましたわよね、それにそんな物あるわけありませんよ、あれは、卑猥な物ですよ、何仰っているのですか、ゴールドシップのトレーナーさん!」
「おぉー流石、私のトレーナー、あれの正体も知っているとはな」
聞き覚えのある声が聞こえ振り返ると泥まみれの私がトレーナーを担当しているゴールドシップが立っていた。あーこれは確信犯だね、これは……
「ゴルシ、中々いい、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だな、あれ」
「そうだろそうだろ、私が丹精込めて作ったネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だからな」
首を縦に振ったゴールドシップはドヤ顔をこちらに見せた後、マックイーンの方を見る。
「あと、マックイーン、あれは卑猥な物じゃない、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だ」
「いや、卑猥な物ですし、それ言いたいだけですわよね!?」
「いやいや、きちんとしたソースってのがあってな、あの某有名なギャグ漫画の……」
「そう言う事を話している訳じゃないです!」
説明を開始したゴルシを遮るようにしてマックイーンがツッコミを入れる。そして、言葉を遮られたゴルシは変なポーズを取り少し不服そうな顔になる。
「……っと言うかさ、そんなかっかしなくていいと思うぜ、マックイーン、だって、ここはギャグの世界線だから大丈夫だ、問題ない」
「急にメタいです!」
「そんな装備で大丈夫か?」
思わずネタに反応したこちらが出した手をゴルシが手をガシッと掴む。
「あぁ、問題ない大丈夫だ」
「問題大ありです、後、それ以上のネタは辞めてください、二人共!」
ゴルシと繋いでいた手を離して肩を使って息を整えていたマックイーンの方を見る。
「えーこっちは楽しいんだかぁ……」
言葉を放っていた最中、唐突に後方に殺気を感じ肩を叩かれる。あっ……この感じは……あ、ヤバイかも、あの人来ちゃったかなぁ……
「とれーなぁーさん?」
鬼の気配を感じ恐る恐る後ろを見ると、満面な笑みを浮かべて微動だにしないたづなさんが立っていた。あーなんだろう、この雰囲気、なにか、忘れてるな……まぁいいか、今は兎も角、前の問題をどうにかしないとな……
「あ、た、たづなさん……」
「ゴルシの奇行を止めるのは貴方の役目でしたよね?」
「え、あ、う、うん、そ、それは……」
たづなさんの言葉に言葉を詰まら視線が勝手にそっぽを向いてしまう。それと言うのも、前にも同じようにゴルシが奇行に走ることがあった。例えば、学園内でお弁当を売ったり、芝生を剥いでダートにしようとしたり、一人BBQ始めたりとしていた為、トレーナーである自分がゴルシの奇行を止めると言う事をたづなさんには伝えてはあった。けど、今回止められなかったと言う事はここで、惚けないと多分、たづなさんに殺らはしないけど、説教は待った無しなんだよなぁ。たづなさんの気迫に押されゴルシの方に後退りする。
「え、えっとぉ、お何の話でしたっけ?」
「え、何言ってるのですか、トレーナーさん、忘れたとは言わせませんよ?」
「え、えっと……」
「勿論、言質は取ってありますよ?」
ドスの効いた声と共にたづなさんはポケットの中からボイスレコーダーを取り出す。あ、やばいですね……これは……。頰が勝手に引き攣るのを感じながらもゴルシの方を見る。
「ゴ、ゴルシ、逃げるの手伝ってくれ」
「おう!私を運べ!」
「いや、違うだろ、反対だろ!君がウマ娘なんだからこっちを運んでくれよ!」
「え────」
何処か不服な顔になったゴルシとコントみたいな事をしている内にたづなさんは目を開けて死んだ目でこちらを見ていた。
「弁明は済みましたか?」
あっ、終わった……しょうがない、ゴルシを説得するのは諦めるとして、多分追いつかれるけど、ワンチャン掛けて逃げるしかない!
「逃げるぞ、ゴルシ!」
「アイアイサー!」
ゴルシと共にたづなさんから背を向けて走り始める。
「待ちなさぁぁぁぁぁぁい!」
そんな声が後方聞こえ後ろを見る。鬼の顔になったたづなさんがミニスカートなのに普通の人ではありえない速さで追いかけてきているのが目に入る。あ、そうだ、思い出した鬼○の刃録画してたから家帰って見なきゃ……ってそうじゃない、そうじゃない。
「本当、いつも思うんだけど、なんで、ミニスカートなのにたづなさんはあんな早く走れるんだよ、何者なんだよ!」
視線を前に戻すとかなり前にいるゴルシが目に入る。
「……ってゴルシィィィィィィィィィィィ!」
「じゃーなートレーナー!」
「お前ぇぇぇぇぇぇぇ!ウマ娘だからってぇぇトレーナを置いて、全速力で逃げるなんて、卑怯だろぉぉぉぉぉ!!」
「だって私も捕まりたくないからなー」
どんどん距離が離れていくゴルシにそう返されると共にガシッと肩を掴まれる。あぁ、終わった、やっぱり駄目だったか、俺の人生、一生の悔いなし……って悔いしかないわ!
「捕まえましたよ、トレーナーさん?」
「あ、あんまりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そんな声がトレセン学園の空に反響するのだった。