リポグラムがメインなので短めだし、楽玲強度(造語)は弱めです。
「リポグラム」……特定の文字を使わないという制約のもとに文章を書く、もしくはすでに書かれた文章から特定の文字を抜き去って改作するというもの(Weblio国語辞典)
「玲、リポグラムってわかる?」
「ええと、特定のひらがな等を使わないで文を書く行為……だったかと」
「うーんやるねえ」
「あの、楽郎くん。一体どういう経緯で?」
玲の問いに俺は考え込む。ぶっちゃけ玲にとってはどうでもいい事なので、巻き込む程でもないのだが……。
まあ聞かれたからには答えるべきか。
「いやね、赤鉛筆ウーマンが煽り合いにリポグラムを持ち込んできたもんだから、こっちも慣れておかなくちゃとね」
「赤鉛筆……ああ、天音―――」
「彼の者の名を呼んではならぬ……」
「怪異扱い……?」
もう怪異でも良いだろ人間の心を操ってる所が大いにあるんだから。
あんにゃろとの煽り合いの途中で、突然話題に上げられたリポグラム。「相手の土俵に立ってはならない」のがマウントバトルの基本なのだが、熱くなっていた俺は勢いで乗っちまった訳だ。
結果は見事にボロ負け。あの野郎テメーの持ち込みルールで勝ってよくもまあ、ああも人を煽れるものだ。次はこっちの番だからな。
だが、過程はどうあれ負けを負けのまま置いていては、別口で勝っても鬱憤は晴れない。気持ちよく煽れないのだ。
故に俺が今やるべきことは、何を置いてもリポグラムについて学び、慣れ、煽り合いで勝つ事。反撃の幕を上げる為にも、肩に乗った重荷を擲って顔面にブチ当てるくらいの真似はやってやらねばなるまい。
「というわけで、リポグラムゲームに付き合ってくれない? 幾つか使っちゃダメなやつ決めて、うっかり口から出たら負けってことで」
「な、なるほど。でもお力になれるかどうか……」
「玲だから、頼んでるんだよ」
「っ……! が、頑張りまひゅ!」
「ああ、あまり気負わなくていいからね? これは罰ゲームも無いただのお遊戯―――」
言いかけた口が止まる。待て、俺は何を日和っているのか。
「いや、やっぱり罰ゲームは設けようか。うーん……負けた方は勝ったほうのお願いをなんでも一つ聞くって事でどう?」
「! な、なんでもとは……」
「なんでもはなんでも、だよ」
「!!!」
玲の身体が跳ね上がる。マイハニーの勘所はとっくに分かっているからな……。こちらの都合で動いてもらうのだ、この程度の身は幾らでも切るとも……!
「ほ、本気で……参る!!」
「口調が変わるレベルで……?」
おっと思ったより効いたようだなこれは。口調の方はいつかのデベリオンのように、縁のある誰かのロールプレイなのだろうか。
まあ、何はともあれやる気になってくれたようで何よりだ。だったら前置き不要、とっとと行こう。
レッツ、リポグラム!!
……
…………
普通にやって危うく負けかけたが、話題を俺に変えて玲が狼狽えるよう導いてなんとか勝った。
罰ゲームは某姉が送りつけてきた出来の良い()服を着て戴く運びで一つ。
Twitterに上げた時二箇所サ行を使ってたのを指摘され、修正したやつにもサ行が含まれるという失態を演じました。