スカイ「朝起きたらちっちゃくなってたんだけど」   作:アメざいく

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#5 臆病フラワーの葛藤

 

「―――スカイさん・・・」

 

・・・ダメだ。もう涙が止まらない。ぽろぽろとあふれ出てきた涙は、彼女の表情を濡らしてしまう。

 

「フラ、ワー・・・?」

 

彼女の困惑する表情が目に飛び込んでくる。・・・当然だ。私に急に押し倒されたと思ったら、こんな状況になっているのだから。

 

「私、ずっと・・・スカイさんに言わなきゃいけないことがあって・・・!!」

 

この言葉を言ったら、彼女に嫌われてしまうかもしれない。・・・もう、私たちの関係は終わってしまうのかもしれない。

 

でも・・・言わなきゃ。彼女に。・・・いつも無条件で私を信じてくれるスカイさんに。

 

「実は、私――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい?タンホイザ。あたしは今から知り合いを当たって情報収集してみるから、あんたはあそこで待機ね。・・・わかった?」

「いやあそこで待機って・・・あそこタキオンのラボのすごい近くじゃん!!」

 

私―――マチカネタンホイザにそう言ってネイチャが指さしたエリアは、ちょうど階段の関係で影にこそなっているがラボは目と鼻の先・・・そんなエリアだった。・・・いやばれるって。

 

「あんたはラボに動きがないか、ここで見張ってること。誰かがラボに入っていったら、それが誰なのかをあたしに随時報告すること。

・・・あ、これお昼ご飯の代わりに食べて」

「これから10時間くらいぶっ通しで見張りさせるつもり!?」

 

私のそんな悲痛の叫び(?)も聞かず、ネイチャはおにぎりか何かが入っているのであろうタッパーを投げ渡してくる。・・・はいはい、わかりました。やればいんでしょ―――ん?

 

(これ―――・・・)

 

タッパーの中に入っていた4つのおにぎりたちは、どれも形がばらばらだった。きっと中身の区別のためにあえて変えてあるのだろう。・・・海苔でデフォルメされた猫の顔が書いてあるものもあった。・・・可愛い。

 

「もしかして・・・手作り?」

「・・・ま、そんなとこ」

 

ネイチャは終止表情を変えずにそう言い、そのままどこかへと出かけて行ってしまった。・・・ほんのりと顔が紅潮していたのは気のせいではないだろう。

 

「―――よーし、こっちも、頑張るぞー!!えい、えい、むんっ!!」

 

 

 

 

 

 

「―――全部、私のせいなんです。私の、わがままで・・・」

 

ちょっとした好奇心に負けて、スカイさんに年齢退行の薬を飲ませたのも。タキオンさんに無茶を言って、その薬を作ってもらったのも、全部。・・・私。ニシノフラワーなのだ。

 

「・・・許してほしいなんて思ってないです。

でも、・・・私、本当にスカイさんのこと―――」

 

もういっそのこと、自分の感情全部を吐き出してしまおうと思った。・・・どうせここで、私の・・・スカイさんとの繋がりは完全に断ち切れてしまうのだ。だったら、もう―――

 

―――でも、その言葉はスカイさんによって遮られてしまった。

 

「ふぁっ・・・?」

 

スカイさんのお日様のような香りが、ふわっと鼻孔をくすぐる。・・・あれ、私・・・スカイさんに抱きしめられてる、のか・・・?

 

「・・・なん、で・・・?」

 

―――あぁ。なんでこのウマ娘は、こんな私をいまだに優しく接してくれるのだろうか。・・・もういっそのこと、怒って、嫌って、軽蔑して、・・・私の事なんか捨ててくれればいいのに。

 

「確かに、私の体がこうなっちゃったことについては、いろいろと文句を言いたいところではあるけど・・・

 

―――やっぱり、信じてるから。フラワーのこと。」

 

(あっ・・・)

 

「スカイ、さん・・・っ」

 

心の中がじんわりと暖かくなっていくのが分かる。・・・我ながら単純だな、私。

泣きはらした目で再び彼女を見上げる。きっと今の私はひどい表情をしているのだろう。

 

「・・・あっでも、私がこうなってることについては、しっかりと責任取ってよね?

―――ネイチャたちには内緒にしておくから、さ?」

 

え、

 

(え――――!?)

 

 

 

 

 

 

 

「―――そ~いえば、これ多分、さっきフラワーちゃんが落としたやつだよね・・・」

 

彼女が所持していたのであろう水色の薬品の入った試験管を、私―――マチカネタンホイザ派訝しげに見つめる。

 

―――私とネイチャがスカイの部屋を出た時、フラワーちゃんは部屋の目の前にいた。・・・よく考えればなんだか様子もおかしかった気がする。ただびっくりしてるとか、そんな感じじゃなくて・・・その・・・

 

「・・・まさか―――」

 

 

 

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