BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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聖剣破壊の企て

 僕は木場さんの殺気にあてられて正気に戻った。

 怒りで判断力を失ってアーシアさんと緑メッシュの女性の間に立ちふさがったことは後悔していない。今の状態でも同じことをした。 

 でも、僕がエクスカリバー勝てるわけがない。木場さんだって決して楽な相手じゃない。『僕は復讐のために生きている。聖剣エクスカリバー、それを破壊するのが僕の戦う意味だ』そんな事を言っていた木場さんの前で相手を挑発する言葉を選ぶのは間違いだった。

 正直これは失策だったかもしれない、もっと穏便に済ませるか口論で押し込めたかもしれないのに。

 とにかく冷静になった僕がすることはこの場を穏便に変えるか被害を最小限にとどめること。

 

 

「では、そちらも二人ということで一対一で試合形式で勝負しましょう。

 二対二では混戦で急所を突いてしまうこともありますし、いざというとき外野が止めにくいでしょう。そちらもここで無駄に悪魔を敵に回したくはないでしょう」

「いいだろう」

「ありがとうございます。では、広いところに移動しましょう」

 

 よし! これなら命の危険もなくなったし、周りの人もいざっていうとき止めやすくなった。

 本当は戦闘自体止めたかったけど木場さんが止まってくれそうもなかったから。

 

「木場さん、僕が先に行っていいですか? 発端としては最初にでないとかっこ悪いですから」

「……しかたない」

「ありがとうございます♪」

 

 よし! これで木場さんに相手の動きを見てもらうことで少しでも有利になってもらえる。

 あわよくば発端の僕が倒れることで相手の怒りを鎮めることができるかもしれない。

 

「最初は私よ」

 

 初戦は栗毛の女性の方ですか。たしか彼女の聖剣は擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)という様々な形になれる聖剣でしたね。

 

「お手柔らかにお願いします」

 

 試合では当然勝てるわけがなかった。今回は怪我をしないようにと木場さんに見てもらうため回避中心で戦った。僕は自慢の動体視力で避けても相手の剣が変化して間合いが変わってしまうので厄介だ。

 挑発した身として攻撃の意図がないというのも相手の怒りを募らせるだけなので攻撃しようとするときに間合いが変わるのがきついね。

 そんな理由で僕は多少無茶な攻撃で隙を作ってせめてカウンターをもらおうとしたのはよかった。

 ただ、鈍器に変えられて殴られるとは思ってなかったよ。

 大きな隙が不自然に思われないように全力で踏み込んだのでびっくりさせちゃったのかな? 僕は気を失った。

 

 

 

     

 

 

 

 

 気がついたとき傍にアーシアさんがいた。どうやら気絶した僕を介抱してくれていたらしい。 うれしい。

 あ~僕って見捨てられてなかったんだ、よかった~。

 僕が目を覚ました時は一誠と栗毛の女性が戦っている。話を聞くと木場さんは緑メッシュの女性と戦い負けたみたいだ。

 その後一誠が僕の代わりにリベンジということで戦ってくれている。僕はうれしさを胸に一誠の戦いを見たが、すぐに胸に広がる感情は変わったが……。

 

 

 

 

 

      ***

 

 

 

 

 

洋服崩壊(ドレスブレイク)

「きゃあ!」

 

 よっしゃ――――! 誇銅の仇をうったぞ―――――! それと目の前に広がるお……ハッ!

 俺は突然どえらい視線を感じ後ろを振り向く。

 すると誇銅が目をさましこっちを見ている。その眼はまるで窓の外からどこぞの底王の痴態を見るかのような憐れむともとれるような屑を見る目。

 俺はその目に従うがようにその場から立ち去った。

 

 

 

 

     ***

 

 

 

 

 

 

 戦いが終わって数日後、僕は一誠にファミレスに呼ばれた。何の用だろ?

 ファミレスに行くとそこには一誠と搭城さん、匙さんと木場さん、そして食事をガツガツ食べている緑メッシュと栗毛のお二人さん。

 どうやらまた話が進んでみたい。でも今回は僕だけ置いてけぼりじゃないみたいだからいいか。

 

「お、誇銅! 悪いな急に来てもらって」

「別に大丈夫だけど、何の集まりなの?」

「これから話すよ」

 

 僕は席に着き飲み物を注文すると一誠が本題に入る

 

「エクスカリバーの破壊に協力したい」

 

 一誠の告白に僕と教会のお二人さんは驚いたが緑メッシュの人は、

 

「……しかたない、少しぐらい任せてもいいだろう。ただし、そちらの正体がバレないようにしてくれ。こちらもそつらと関わりを持っているように上にも敵にも思われたくはない」

 

 結構あっさり許可してもらえたみたいだけど、何したの?

 聖剣破壊の参加理由は木場さんだと思うけど……なんでそこまで聖剣を憎んでるんだろう?

 

「ねえ、一誠。このこと部長には言ってるの?」

 

 多分言ってないと思うけど一応。

 

「頼む! 誇銅! このことは部長には言わないでくれ!」

 

 やっぱり。でも言うつもりはないよ、だってきっと木場さんの“大切”な何かのためなんでしょ

 

「言わないよ、ただし!」

 

ダメ押しに

 

「もし、部長さんにバレたら説明は一誠がしてよね」

「ああ!わかった! お仕置きだって部長のお仕置きなら喜んで受ける!」

 

 うん、引く。喜んで受けるという部分に正直引いた。

 

「……ありがとう」

 

 木場さんは嘆息しながらコーヒーを口につける。

 

「やっぱり。『聖剣計画』のことで根に持っているの? 木場君」

「あたり前だよ」

 

 木場さんは即答した。聖剣計画?

 

「その事件は、私たちの間でも最大級に嫌悪されたものだ。処分を決定した当時の責任者は信仰に問題があるとされて異端の烙印を押された。いまでは堕天使側の住人さ」

「堕天使側に?その者の名は?」

「ハルバー・ガリレイ。『皆殺しの大司教』と呼ばれた男だ」

 

 僕は前提の話を知らないからわからないけどその人が木場さんのこの怒りに関係してるとみた

 

「……堕天使を追えば、その者にたどり着くのかな」

 

 木場さんは決意の眼差しをしていた。そして木場さんも情報を提供したフリードがエクスカリバーを持っていたという、あの人まだこの近くにいたんだ。

 そしてお互い電話番号を交換し二人は去った。その時僕は初めて二人の女性と自己紹介した。 イリナさんとゼノヴィアさんと言うんだね。

 

「……イッセーくん。どうして、こんなことを」

 

 木場さんは一誠に訊いていた。木場さんからしてみれば不思議なんだろうな、自分の怨恨を手助けしてくれるのが。

 僕としては聖剣計画について知りたいけど、木場さんがここまで怒りを表すことを木場さんの前で聞くのは気が引ける。

 

「ま、仲間だし。眷属だしさ。それにお前にも助けられたことがあったからな。借りを返すってわけじゃないけど、今回はおまえの力になろうと思ってさ」

 

 一誠のの続いて僕も木場さんに言った

 

「僕らは家族だよ、家族が助け合わないと」

「……祐斗先輩。私は先輩がいなくなるのは……寂しいです」

 

 寂しげな表情を浮かべている搭城さん。

 

「……お手伝いします……だから、いなくならないで」

 

 搭城さんの必死の訴え……搭城さんは仲間想いなんだな。

 

「ははは。まいったね。小猫ちゃんにそこまで言われたら、僕も無茶はできないよ。今回は皆の好意に甘えさせてもらうよ」

 

 うん、この笑顔好き♪

 

「よし! 俺らエクスカリバー破壊団結成だ! がんばって、奪われたエクスカリバーとフリードのクソ野郎をぶっ飛ばすぞ!」

 

 そして僕たちは一致団結でエクスカリバーを破壊するようになった。

 

 

 

 

 

 

     ***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真っ白な部屋にテーブルと椅子が二つ、そこには10歳くらいの少年と紅髪の騎士のような女性がいた。

 

「そろそろ次の選択が始まるね。誇銅君はいったいどんな選択肢を選ぶのかな?」

「次の選択などあってないようなものだろ。だが、ここで終わるような選択だけはしてほしくないものだ」

「ところで君は暇なの?」

「な! それを言ったら貴様などいつもここにいるではないか!」

「ここが僕の持ち場だからね」

「……グス、きざまにわがるかあるじのためになにもでぎないぐりじざが~(大泣)」

「ご、ごめん! 君が動くのは最初かとっても困ったときだけだもんね! 戦車(チャリオッツ)

死神(デス)なんか大っ嫌いだ―――――――――――――!!」

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