僕たちは今駒王学園の近くで生徒会の人たちと集まっていた。
部長が一誠のお仕置きを終えそこで解散し、その日の夜部長に呼ばれ今ここにいる。
「リアス先輩。学園は大きな結界で覆ってます。これでよほどのことがない限り外に被害は出ません」
匙さんが部長さんに現状報告。コカビエルという堕天使の幹部が部長に駒王学園で戦争をしようといかにも戦闘狂の鏡みたいな発言をしたらしい。なんて迷惑で自分勝手なことを……おまけにすごく強いということだ。
部長と会長の話を聞くと生徒会が結界を張り続け被害を最小限にする。そしてオカルト研究部でコカビエル達と戦う。
でも僕たちだけじゃ勝てるはずもない……もっと上の人に頼んで処理してもらった方がいいと思う。話を聞いていると連絡すらしてるかどうか怪しい。
「部長」
「なに?」
「コカビエルは堕天使の幹部で僕たちより桁違いに強いと思います。今からでも魔王さまに助けを求めましょう」
僕の提案に部長は首を横に振る。なんで!?
「すでにサーゼクスさまに打診しましたわ」
僕と部長の会話を遮って朱乃さんは言う。
ありがとうございます! 朱乃さん!
「朱乃!」
非難の声を上げる部長だが、朱乃さんは珍しく怒った表情を浮かべていた。
「リアス、あなたがサーゼクスさまにご迷惑をおかけしたくないのはわかるわ。けれど、誇銅君の言うとおり幹部が来た以上、あなた個人で解決できるレベルを超えているわ。魔王の力を借りましょう」
部長は大きな息を吐き、静かにうなずいた。
でも魔王さまが来るのは一時間後か……時間稼ぎも必死だね……
そして僕たちは正面から堂々と入り込む。一誠は入った瞬間、プロモーションで
逃げて被害を拡大させないためには仕方ないか。
校庭全体に魔方陣が描かれその中心に四本のエクスカリバーとバルパー・ガリレイがいて奴は四本のエクスカリバーを一つにするとおもしろおかしそうに口にした。
「バルパー、あとどれくらいでエクスカリバーは統合する?」
空中から聞こえる声に僕たちは視線を空に向けたとき、空中で椅子に座っている堕天使の姿が。 おそらくあの人がコカビエルなんだろう。
「もうすぐだ、コカビエル」
やっぱり。コカビエルは視線を部長に移し
「サーゼクスは来るのか?それともセラフォルーか?」
「お兄さまとレヴィアタンさまの代わりに私たちが……」
ドォォォオオオオオオオオンッ!
爆音が辺り一帯に爆風とともに広がりその先にあったはずの体育館がなくなっていた。
「つまらん。まあいい。余興にはなるか」
やっぱり強い……ここは守りに徹して決して倒そうと思わずに戦うのが得策かな。
「さて、まずは地獄から連れてきた俺のペットの遊んでもらおう」
コカビエルが指を鳴らすと闇夜の奥から三つ首の犬が現れる。
「ケルベロス!」
部長が忌々しそうに言う。
うう、見た目からしてすごく強そう。
「ケルベロスは地獄の番犬の異名を持つ生物なの本来なら地獄……冥界へ続く門の周辺に住んでいるんだけどまさか人間界に連れてくるなんて」
「危険ですか?」
「やるしかないわね。イッセーはブーステット・ギアでパワーを溜めておいて。私たちが相手するから」
部長は一誠をサポートに回すつもりだね。
それが正解だね。一誠の力は使い方次第で大逆転を生み出せる。
この戦いはいかに一誠を最後まで温存できるかにかかっていると言っても過言じゃないかもね。
『ガルルルウルルルウウルルルッ!!』
ケルベロスが威嚇を向けて戦いの火ぶたが切って落とされた。
ケルベロスが空中の朱乃さんに炎を吐くも、朱乃さんその炎を瞬時に凍らせる。そして、朱乃さんの後ろから飛び出した部長が消滅の魔力を放つ。
その魔力は惜しくもケルベロスの炎に相殺されてしまったが、僕と搭城さんがその隙にケルベロスの右と左から攻撃する。
さらに、朱乃さんが雷を浴びせる。
僕たちはきちんとケルベロスと戦えてる。よし! これなら勝てそうだ! そう思った時、一誠に近づくもう一匹のケルベロスに気づく。
しまった!! くっ! 間に合うか。
「加勢に来たぞ」
駆けつけたゼノヴィアさんがもう一匹のケルベロスの胴体を斬りかかる。
ありがとう、ゼノヴィアさん。
「聖剣の一撃。魔物に無類のダメージを与える」
その瞬間ケルベロスの体は塵芥と化して、宙へ霧散した。
そして、一匹目のケルベロスも木場さんがとどめを刺す。
「ほう。ケルベロスを一撃か、貴様はおもしろそうだ」
コカビエルに興味を持たれたが仕方ない。一誠が無事ならまだチャンスはある。
それに、もうこれ以上悪いことはないよね!
「完成だ」
これ以上悪いことおきたっぽい!
バルパーの声に僕は視線をバルパーに向けると四本のエクスカリバーがあり得ないほどに光を発していた。
「四本のエクスカリバーが一本になる」
神々しい光が校庭全域に広がり、その光が終わったとき四本のエクスカリバーが青白いオーラを放つ一本の聖剣になっていた。
「エクスカリバーが一本になった光で、下の術式も完成した。あと二十分もしないうちにこの町が崩壊するだろう。解除するにはコカビエルを倒すしかない」
え――――――――――――! それじゃ魔王さまが来るまで時間稼ぎは最初っから無理だってこと!?
「だったらそれまでにお前を倒すだけだ!」
一誠……うん! 確かにもうそれしかない! 僕も覚悟を決めよう!
「ふん。たかが下級悪魔の分際で私に勝てるものか」
「くらいなさい! コカビエル!」
部長は巨大な魔力の塊をコカビエルに放つ。
でかい! これなら流石に無事ではないだろう。
しかし、コカビエルは片手でその魔力を防ぎ、夜空へ飛ばしてしまった。
な……なんて強さ……
「フリード、相手してやれ」
「はいよ、旦那」
コカビエルがフリードを呼ぶ。
「最後の余興だ。四本の力を得たエクスカリバーで戦って見せろ」
「ヘイヘイ。メンドクセーけど、チョー強くなったエクスカリバーちゃんで悪魔をブッ殺せるなんてサイコー!」
壊れた笑みを見せながら、フリードが校庭のエクスカリバーを手に取る。
ヤバイ。やばい人にヤバイもの持たせちゃダメでしょ!? あ~早く魔王さま来てくれないかな~。
「リアス・グレモリーの
ゼノヴィアが木場に話しかける。
「いいのかい?」
木場の問いにゼノヴィアは不敵に笑う。
「最悪、私はエクスカリバーの核になってるかけらを回収でければ問題ない」
二人のやり取りを笑うバルパー。
「バルパー・ガリレイ。僕は聖剣計画の生き残りだ。いや、正確にはあなたに殺された身だ。
悪魔に転生して生きながらえている」
木場は冷静に告げるが、その瞳には憎悪が渦巻いていた。
「ほう、あの計画の生き残りか」
バルパー・ガリレイは小バカにしたような口調で話す。
「--私はな、聖剣が大好きなのだよ。エクスカリバーの使い手を夢見ていた。だからこそ自分に聖剣使いの適性が無いと知ったときは絶望したさ」
突然語りだすバルパー。
「自分では使えないのなら、聖剣を使える者をこの手で作り上げようと考えた。
そして君たちのおかげで完成できた」
「なに? 完成? 僕たちは失敗作として処分されたんじゃないのか」
僕も一誠がおしおきをされている間に搭城さんから少しだけ聞いたが、木場さんは失敗作として処分されたハズ。
「聖剣を使うのに必要な因子があることに気づいた私は、その因子を持つものを探した。
被験者ほぼ全員に因子はあるものの、どれもこれもエクスカリバーを扱うには足りない。
そこで私は一つの結論に至った。『因子だけを抽出し、集められないのか?』とな。
そして持っている者たちから因子を抜き取り、結晶を作ったのだ」
バルパー・ガリレイが懐から光り輝く球体を取り出した。
「これにより聖剣使いの研究は飛躍的に向上した。
それなのに、協会の者どもは私だけを異端として排除したのだ。研究資料だけ奪ってな。
貴殿を見るに私の研究は誰かに引き継がれているようだ。
ミカエルめ、あれだけ私を断罪しておいて。あの天使のことだ、被験者から因子を抜き出すにしても殺してはいないだろう。その分だけ私よりも人道的と言えるな。くくくくく」
バルパー・ガリレイは愉快そうに笑う。
「同志たちを殺して、因子を抜いたのか?」
木場さんが殺気のこもった口ぶりで聞く。
「そうだ。この球体はそのときのものだ。
三つほどフリードたちに使ったがね。これは最後の一つだ」
「俺以外のやつらは途中で体がついていけなくて死んじまったけどな!」
う~ん。なんでこの人が残っちゃったの?
神様、チェンジお願いしたいんですけど。
「……バルパー・ガリレイ。そうやって人の命をもてあそんだのか」
木場の手が震える。
「ふん、だったらこの因子は貴様にくれてやる。
環境が整えばあとで量産できる段階まで研究はきている。
まずはこの町を破壊して、世界各地で保管されている聖剣をかけ集めよう。
そして聖剣使いを量産し、統合されたエクスカリバーを用いて、戦争を仕掛けてくれる。
私を断罪した愚かな天使どもと信者どもに私の研究を見せつけてやるのだよ」
それが今回の理由か。僕は最初この人はかわそうな人だと思った。けど違う。
この人は狂っている。あまりにも犠牲を出しすぎた。誰かが止めないと。
バルパーは因子の結晶を放り投げ、地面を転がり木場の足元で止まる。
木場は静かに屈み込んで、それを手に取った。
「……皆……」
木場の頬を涙が伝っていく。その表情は悲哀と憤怒に満ちている。
その時、結晶は淡い光を放ち、その光は少年少女の形となり木場を囲む。木場は結晶を、両手で強く握り締める。
光からは聖歌が聞こえてくる。
『聖剣を、受け入れよう』『一人で足りなくても』『みんなで心を合わせれば』
木場の周りにいた光が木場の中に入っていく。
その中で、木場は魔剣を作る。
「これがみんなの託してくれた力! 禁手化*『
あれ? フリードは?」
木場さん、よかったね。
これで木場さんは過去と決別して前を向いて生きていける。
それとみなさんそろそろ気づいてほしいよ……
「ヒャッハー! いつまで生きていられるかな~♪」
僕さっきからずっとフリードと戦ってるんですけどーーーーーーー!!
なになにこの人! あのおじいさんが話してる最中に
「オマエは何度も俺の邪魔してくれたな。先にぶっ殺してやんよ!」
「え? ちょっと待ってよ。みん…」
「喋ってる暇なんてねえよ」
「!?」
そして現在、少し離れた場所で死闘をする羽目になった。
向こうの話が結構耳に入ってきちゃって何回かくらっちゃったよ!
何回かあの刀身に触れたりしてるけど、触れるだけで痛い。
「テメェに攻撃された剣、あれ以来調子が悪くて使いもんになんねーんだよ。
黒いのもいまだにとれねーし」
……あっ、話し終わったみたい。
「誇銅!」
一誠、気づいてくれてありがとう。
できればもっと早い段階で気づいてほしかった……
「テメェはここで俺に殺されるんだよ!」
確かにフリードの言うとおり、僕はもう避ける力があまり残ってない。
さっきから刀身をそらすために手で触っているからもうボロボロだよ。
「死ね」
だめだ、足が動かない。
その時、フリードのエクスカリバーが震えだす。
「ん!? なんだ!?」
すると次の瞬間、エクスカリバーが統合される前の四本に戻った。
四本のエクスカリバーの刀身は所々黒ずんでいる。
「な、なんだ!? おい! バルパーの爺!」
「そんなバカな!? 統合が解けるなんてありえない!」
フリードとバルパーは困惑の表情を浮かべる。何だか知らないけど助かった。
でもまだ終わりじゃない。
「みんなー、次はコカビエ……グハッ!」
「俺はまだ終わってないぜ」
しまった! 統合された聖剣を破壊したことで完全にフリードから目線を外してしていた。
フリードに聖剣で腹を刺されてた。だめだ…………もう意識が……(バタ)
***
目が覚めると知らない天井……ではなく前に一度見た天井。目が覚めると皆が……てなこともなかった。別に期待してないもん……グス。
その後部屋で二度寝しようとしたとこで一誠とアーシアさんが入って来て、僕に駆け寄ってくれた。うれしい。
一誠の話では僕は五日間眠っていたらしい。
僕が倒れた後、木場さんがフリードを軽くたおせたらしい。よかった。
問題のコカビエルはみんな苦戦していたけど、白龍皇というのが現れて、コカビエルを倒して連れて帰ったらしい。また僕がいない間に新展開!? まあ今回は仕方ないけどね。
それといろいろあってゼノヴィアさんが仲間になったとか。なんで? まあもういいか。どうでも。
あと神様はもういないんだって。
ふ~ん…………あれ? 今さらっとすごい真実教えられなかった?