BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

13 / 92
停止教室のヴァンパイア
魔王とプールとついでに事故!?


 僕はその後、様子見で一日入院して家に帰った。久しぶりに家に帰ったよ。やっぱり自分の家が落ち着けるよ。

 これで僕の帰りを待ってくれている人がいれば最高だね。まあ無理な話だけど。

 ドアを開けて中に入ると、僕の顔にモモンガが飛びついてきた。

 

「うぷっ! ぷは~。ごめんね、長い間一人にして」

 

 飛びついてきたのは僕の使い魔のモモンガ。名前はももたろう。

 性格はかまってちゃんで家の中では大体僕の近くにいる。スキあらばあそんであそんでとじゃれ付いてくる。と~ってもかわいい子なんだよ~。

 

「よしよし」

 

 僕はももたろうを軽く引きはがし、肩の上に乗せる。

 人差し指で顎をクイクイとなでると気持ちよさそうにじゃれ付く。

 

「そうだね、僕には君がいたね」

 

 誇銅はそう言い、一誠から借りたノートを写すために自室に行く。

 

「プクプク」

「……も~しょうがないな~」

 

 その間ももたろうのあそんで攻撃に何度も屈した僕である。

 それとこれはももたろうを飼いはじめてから知ったことだけど、モモンガって意外と鳴き声の種類があるんだよね。甘える時にだって「プクプツ」と鳴いたり、さみしい時は「アンアン」って仔犬みたいに鳴いたりする。

 ももたろうは出会い頭から人懐っこかったから聞いたことないけど威嚇するときは「ジージー」って鳴くらしい。

 

「プクプク」

「あ~ほんとかわいい。ももたろうのかわいさにもう僕はメロメロだよ」

 

 ももたろうが来てから勉強がもうはかどらないはかどらない。でも幸せ♪

 

 

    ***

 

 

 

「冗談じゃないわ」

 

 な、なに!? 部長、どうしたの!?

 今回は早めにオカルト研究部部室に来たからわけのわからない事態は防げたと思ったのに。

 なに!? 話題に乗り遅れないためにはこれでも遅いというのか!?

 

「確かに三大勢力の会談がこの町で執り行われるとはいえ、突然堕天使の総督が私たちの縄張りで営業妨害していたなんて……」

 

 あ、これ多分僕が寝ていた時の話だ。そりゃ無理だ。あきらめよ。

 

「しかも私のかわいいイッセーに手を出そうなんて、万死に値するわ! アザゼルは神器に強い興味を持つと聞くわ」

 

 え!? じゃあもしかして僕の神器のこともわかるかも。

 僕はまだ見ぬアザゼルに少し期待を寄せる。

 

「……やっぱり、俺の神器を狙ってるのかな」

 

 一誠……。

 

「確かにアザゼルは神器に造詣が深いと聞くね。

 そして、有能な神器所有者を集めているとも聞く。でも大丈夫だよ。僕が守るからね」

 

 木場さん……あなたと一誠の噂に根と葉がついてしまいますよ。

 ……もう手遅れか。

 

「いや、あの、う、うれしいけどさ……」

 

 ほら、一誠も困ってる。

 

「ふふ、それだけ一誠はみんなに愛されてるんだよ。よかったね♪」

 

 本当に最近の一誠はまるで主人公だね。性格も力も状況も。

 ……やっぱりちょっぴり羨ましいな。

 

「アザゼルは昔からああいう男だよ、リアス」

 

 突然知らない声が聞こえる。全員が声の方向へ視線を移す。そこには部長と同じ色の髪の男性が微笑んでいた。

 最近言うことが増えたけど……誰?

 すると僕と一誠が入る前のメンバーが跪いた。 え!? 偉い人?

 

「お、お、お、お兄様」

 

 部長は立ち上がり驚愕の声を出していた。

 あ、ご家族の方ですか。

 

「くつろいでくれたまえ。今日はプライベートで来ている」

 

 手をあげて、僕たちにかしこまらなくていいと促している。

 僕は一誠に小声で聞く。

 

「どちら様、偉い人っぽいけど(ボソ)」

「この人は部長のお兄さんで、そんでもって魔王様だ」

 

 なるほど。もうこの程度で驚くまい。

 

 

「お初にお目にかかります。

 僕はリアス・グレモリー様の『戦車(ルーク)』をしております。日鳥 誇銅と申します。」

 

 挨拶は重要だからね。偉い人にはなおさら。

 それから魔王さまも挨拶を返してくださった。

 

「お兄さま、ど、どうして、ここへ?」

 

 部長がそう訊くと魔王さまは部長の授業参観に来たらしい。それとこの学校で三すくみの会談を行うと聞き驚いた。

 ……授業参観……ハァー……

 

「っ! ここで? 本当に?」

 

 部長も目を見開き、再度訊いている

 

「ああ。この学園とはどうやら何かしらの縁があるようだ。魔王サーゼクス・ルシファーの妹であるお前と、伝説の赤龍帝、聖魔剣使い、聖剣デュランダル使い、魔王セラフォルー・レヴィアタンの妹が所属し、コカビエルと白龍皇が襲来してきた。

 これは偶然で片付けれない事象だ。様々な力が入り混じり、うねりとなっているのだろう。そのうねりを加速度的に増しているのが兵藤一誠くん、赤龍帝だとは思うのだが」

「あなたが魔王か、初めまして、ゼノヴィアだ」

 

 ゼノヴィアさんが会話に介入した。

 

「ごきげんよう、ゼノヴィア。私はサーゼクス・ルシファー。

 聖剣デュランダルの使い手が悪魔に転生して妹の眷属になってくれるなんて……最初は耳を疑ったよ」

「私も悪魔になるとは思ってなかったよ」

 

 ここら辺の話は僕にはもうよくわからない。

 今日は何だか疲れたよ。

 

 

 

 

 

    ***

 

 

 

 

 

 

 今日は生徒会からプールの掃除を任され、最初に使っていいという条件に部長は快諾し、今日はオカルト研究部の貸し切りになっている。

 そして今、僕は学校へ向かう。うん、これなら余裕で間に合うな。

 

「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

 どこからか鳴き声が聞こえてくる。どっかの家の子供が泣いてるのかな?

 そんなことを思いながら曲がり角を曲がると

 

「ぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええ!!」

 

 声がどんどん近くなる。後ろか!

 

 

 ドガン!!

 

 

 な、なんだ!? ぶつかった? いや、もう轢かれただね。

 僕はぶつかった拍子で宙を舞った。

 

 

 ドカ

 

 

 いててて、僕が戦車(ルーク)じゃなかったら入院してたね。

 ……あれ? うまく立てない。それに意識が……。

 

 

 

    ***

 

 

 

 誇銅はそのまま気負失ってしまい、通行人に発見され病院に。

 この時、誇銅の体はところどころ黒ずんでいた。

 誇銅の体は明らかに異常をきたしていたる。

 人間の病院では原因はわからず、悪魔関係者によって冥界の病院に転移されることになる。

 誇銅の体調は冥界に転移されると同時に正常に戻った。

 しかし、人間界であれほど異常をきたしていたのだから、検査のため一日だけ誇銅を入院させるのであった。

 

「う~ん」

 

 病院のベットで誇銅が目を覚ます。

 

「あれ? ここは?」

「冥界の病院ですわ」

 

 誇銅は何処かで聞いたことのある声に反応する。

 声のした方を向くと誇銅の寝ていたベットの右の椅子にレイヴェル・フェニックスが座っている。

 

「どうして僕は…」

「あなたは人間界で原因不明の重体に陥ってたのよ。人間界で原因がわからなかったから、冥界の病院に運ばれたのよ」

 (確か……誰かにぶつか……轢かれてそれから……ああ、なるほど)

 

「では、レイヴェルさんはなぜここに?」

「わ、私はたまたまあなたのことを聞いて少し様子を見に来ただけですわ。

 別に看病しに来たわけじゃありませんから!」

 

 誇銅はレイヴェル・フェニックスが顔を赤くして何を否定したいのかがわからなかった。

 

「そうですか。

 ありがとうございます。僕なんかのためにわざわざ来てくださって」

「べ、別にかまいませんわ。たまたま暇だっただけですから」

「ふふ、レイヴェルさんは可愛いですね」

「はあっ!?」

 

 誇銅は思ったことをうっかり声に出してしまう。それを聞いたレイヴェルはさらに顔を赤くする。

 

「ば、馬鹿じゃないの! あなたなんかに可愛いと言われても全然うれしくないんだから!」

 

 レイヴェル・フェニックスは逃げるように病室を去った。

 残された誇銅はキョトンとするばかり。

 

「何か失礼なことでも言ってしまったのでしょうか? ……まあ、今更仕方ない。次回お会いした時でも謝りましょう」

 

 そう思いながら誇銅はもう一眠するのである。

 

 次の日の昼ごろに誇銅は人間界に帰してもらった。

 結局原因は何だかわからなかったが、再発の兆しも見られないということで、誇銅の帰宅が認められたのである。

 

 

 

 

      ***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、今回のことについてお前はどう思ってるんだ? 戦車(チャリオッツ)

「はい、誠に申し訳ないと思っております」

 

 真っ白な部屋の中で、戦車(チャリオッツ)と呼ばれる紅髪で短髪の女性正座させられている。

 そして、その目の前で長ランを着たリーゼントの男に木刀でつつかれていた。

 

「トラブルが起きた時に対処するのがテメェの役目だろ?

 トラブル解決する役目のやつがトラブル起こしてんじゃねーよ!」

 

 リーゼントの男は戦車(チャリオッツ)と同じ目線まで屈んで、目を見る。

 その見る目は、イカツイサングラス越しでも睨みつけているのがよくわかる。

 

「しかし、もう解決したのですからそろそろお説教は終わりで…」

「あ゛ぁ」

「すみません」

 

 戦車(チャリオッツ)は頭を下げる。

 

「もうそれぐらいでいいんじゃない?

 彼女も十分反省したみたいだし、僕が泣かせたのも悪かったんだから」

「チッ、わかったよ。

 おい、もう行っていいぞ」

「ありがとうございます。

 誠に申し訳ございませんでした」

 

 戦車(チャリオッツ)は部屋から出て行った。

 

「あいつ本当に反省してんだろうな」

「君は戦車(チャリオッツ)をいじめたいのかい?」

「……チッ」

 

 リーゼントの男は悪びれる様子もなく答える。

 

「今回はありがとね。 手伝ってくれて」

「それが俺たちアルカナの守護者の仕事だからな、しゃーねーよ」

 

 リーゼントの男はそう言うと出口へ歩く。

 

「じゃ~な、死神(デス)

「またね、節制(テンパランス)




戦車 7
 正位置の意味
  勝利、成功、悪い状況の克服、コントロール、など。
 逆位置の意味
  敗北、トラブル、報われない勝利、苦しい状況、など。

死神 13
 正位置の意味
  死、危険、よくない変化、絶交、など。
 逆位置の意味
  危険の回避、死に至らない病気、一時的な失敗や損失、希望が取り戻せる、など。

節制 14
 正位置の意味
  節制、調和をはかる、秘めたる思い、反省、など。
 逆位置の意味
  強情をはる、つよい欲望、不毛、対立、など。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告