「あの~みなさん」
誇銅はこの日、オカルト研究部へ訪れる。
「昨晩……今朝のことのお話で来たんですけど今大丈夫ですか?」
「大丈夫よ」
明らかに機嫌の悪そうなリアスを見て誇銅は今すぐにでもこの場を立ち去りたい気持ちでいっぱいになる。
「誇銅、あの二人は何者なの?」
「その辺のことも後でお話ししますよ。まずはこの転移用簡易魔法陣で昨日の廃墟へ行きましょう。そこで二人が待っています」
「……わかったわ」
とりあえず温厚な対応をしてもらったことに安堵する誇銅。
だが味方のいないこの場所から逃げ出したい気持ちはずっと残っている。
だが話を仲介する自分がいなくなるわけにはいかないので誇銅は胃にチクチクとダメージを追いながらも我慢する。
オカルト研究部にいた全員が簡易魔法陣で廃墟へ転移される。そこには昨日の吸血鬼が待っていた。
「やっと来たか」
「お兄ちゃ~ん♪」
吸血鬼の幼女が誇銅をお兄ちゃんと呼んで誇銅に抱き着く。それを受けた誇銅も笑顔で吸血鬼を抱きかかえる。
オカルト研究部のメンバーは昨日の危ない吸血鬼が誇銅に年相応の少女のように甘える意味が分からない。
「ご紹介します。この子の名前はフランドール・スカーレット。僕の新しい妹です。
それと昨晩の話は聞きました。フランと部長がはぐれ悪魔の取り合いになったことが事の発端でよね」
「違うもん! あいつがフランの獲物取ったんだもん!」
「ここはグレモリーの領土で私たちは依頼されて…」
「部長、落ち着いてください。それとフラン、あいつとか言っちゃダメだよ」
先が思いやられると心に思う誇銅。
誇銅の静止によって二人は落ち着きを取り戻す。
「まあ今回はお互いに落ち度があったみたいなので、お互い謝罪する形で解決しませんか?」
部長がフランの獲物を横取りしようとしたことが発端らしいけど、フランも過剰防衛で部長たちに危害を加えたみたいだしこれが落としどころかなと誇銅は考え二人にそう提案するが
「いやよ」
「(プイ)」
二人は全く納得していない様子。
「部長、お願いします。もうこんなことはないようにしますから。
フランも悪いことをしたんだからちゃんと謝りなさい」
誇銅は短い間とはいえお世話になったリアス・グレモリーに恩を感じている。そんな人と波風を立てたくないというのが誇銅の思い。
何とか穏便に済ませようと誠心誠意お願いする。
「……わかったわ。まあ、子供相手にこっちもむきになりすぎたわ」
「……はーい……」
誇銅の必死の説得により何とか二人はしぶしぶだが了承する。
その姿を見た誇銅の表情は明るくなりホッと胸をなでおろす。
「ごめんなさい」
「こちらこそごめんなさいね」
「よし!これで今回のことは水に流しましょう!」
一件落着といった感じで帰ろうとする誇銅たちだったが、アザゼルがそれと止める。
「ちょっと待ってくれ。いくつか聞きたいことがある。
昨日はどうやってあの場所からいなくなったんだ?
お前の家族は他にどんなやつがいるんだ?」
「そこまでだ堕天使!」
アザゼルがここぞとばかりに誇銅に質問する。
しかし、突然ここにいないはずの声が響く。すると空間に人一人分ほどの穴が開き声の主が姿を現す。
それは昨日フランを連れて行った白髪の男だった。
「ここに来たのは互いに謝罪するためだけのはずであろう。
余計な詮索をいれるな。
それとも余計なことを知って死にたいのか」
白髪の男は光を放ちそのシルエットはどんどん大きくなってゆく。
そして光が収まると白髪の男の姿は全く別の形に変わっていた。
その姿は細くしなやかな純白の身体、宝石のようなパーツが埋め込まれた金属的な質感の装飾状部位にたてがみ状のパーツが頭部にある神々しい気配を放つ白馬のような姿。
「我が名はアルセウス。日鳥誇銅とその家族の守り神である。
これ以上我らの領域に踏み込むのであればその存在を抹消してくれるぞ!」
アルセウスはリアスたちに強く警告を言い放つとフランと誇銅を守るように両者の間に立ちふさがる。
「す、すさまじい聖の力」
「なんだこりゃ! 聖書の神クラスじゃねーか」
「くっ……」
あまりの聖の力にアザゼルは驚愕し、リアスたちは耐えるのがやっとである。
「お前ら逃げろ、聖の力にあてられるとまずい。最悪消滅するぞ!」
「心配はいらぬ、我の力は直接当てない限り害はない。
お前たちが感じているのはただの力量差だ、聖の波動によるものなどではない。
そんなに苦しいならお前たちの力に変えてやろう」
するとアルセウスの聖なる力は消え、代わりに悪魔のような魔力に変わる。
「いったいどうなっているんだ!?」
アザゼルは驚愕している。
さっきまで神々しい聖の波動だったものが、神々しくとも悪魔の気配とっているのだから。
「貴様らに教える気などさらさらない。
よいか、誇銅や家族達に手を出せば我は黙っていないぞ。
用件は終わった帰るぞフラン、誇銅。もうここに用はない」
「うん。帰ろうアルセウス」
「ちょ! あ、みなさん今日はお時間ありがとうございました。
お帰りの際はここに来た時の簡易魔法陣で帰ることができます。では失礼します」
フラン嬉しそうな表情を浮かべアルセウスの背中に乗り誇銅はアルセウスのサイコキネシスで背中に乗せてもらう。
アルセウスは何もない空間へ走りだすとその空間に吸い込まれるように消えた。
アルセウスが消えたその場所に何の変化もなかった。
「外史の董卓と呂布、異常な吸血鬼に創造神。あいつらだけででもう一つの勢力だな。
しかもまだ他にも仲間がいるみたいだったな、くそっ、上には報告しといた方がよさそうなことが増えた。メンドクセー、こんな厄介事は長の時たくさんだ」
アザゼルはひとり言のようにぐちぐちとつぶやく。
誇銅はアルセウスの背中に乗って帰宅してあることを思い出す。
「あ、お姉ちゃんに帰りにペンキ買ってきて言われたの忘れてた」
誇銅は別に急ぎじゃないから覚えてたらでいいとも言われていたことを忘れたままペンキを買いに行くのであった。
ポケットモンスターから アルセウス
このアルセウスは映画版の方です。17全てのプレートを持っている設定ですが、チートではありません。してたまるか。
聖の波動(せいれいプレート) 悪魔の気配(こわもてプレート)
人型の理由と瞬間移動はへんしんとテレポートです。ゲームでは覚えませんが映画版ということで納得していただけたら幸いです。