BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

24 / 92
 お気に入り数と感想がどんどん増えてきているのがとてもうれしいです。
 皆様ありがとうございます。
 絶対終焉まで書きます!


平和のサンプル料理

 夏休みが始まり、僕たちは予定通り冥界へ行くこととなる。みんな前日には準備をしていた。

 恋とフランはおやつをたくさん持っていこうとしていたけどさすがに非常識な量だから止めたよ。

 だってお菓子で旅行カバン4つ埋めるってのはダメでしょう。おやつは現地購入と言うことで300円以内に収めさせることができた。それ以外は特に問題はなく準備は終わる。……準備はね。

 

「誇銅お兄ちゃん、寝られない」

 

 フランがなかなか寝てくれない。出会った当時はよくあったことだが最近ではもうそんなことななかったのに。ということは遠足が楽しみで寝つけない子供と同じだね。

 

「じゃあ一緒に寝ようか?」

「うん♪」

 

 それからもフランが起きている時に僕が寝ると起こされることが何度かあったけど何とか寝てくれたよ。

 今の時間は……2時……とりあえず寝よう。

 

 翌日、僕たちは言われた通り最寄りの駅に設置してあるエレベーターへ向かう。

 そこでリアスさんたちと軽く挨拶をするけど、一誠が盾姉の胸からなかなか視線を外さなかった。

 一誠……君は彼女がいるのにまだ求めるつもりなの? そろそろ落ち着いてもいいんじゃない? あんまりやると失望の対象になるよ?

 

「来たわね。じゃあ、まずは誇銅たちから先に降りるわ」

「お、降りる?」

 

 アレ?このエレベーターって確か上階しかないんじゃなかったっけ。

 僕はそんなことを疑問に思いながら中に入り部長はポッケトからカードを取り出し電子パネルに向けるとピッという音声と同時下へ降りる感覚に襲われる。

 

「……部長。もしかしてこれは悪魔だけの秘密の階層?」

「そうよ。これは悪魔専用ルート。普通の人間は一生たどり着けないわ。

 こんな風にこの町には悪魔専用の領域が結構隠れているのよ?」

 

 初めて知ったよ……悪魔の考えることも意外と人間と変わらないね。

 そして一分ほどで停止し、扉が開くとそこには人工的な空間がありなぜか列車もあった。

 

「全員そろったところで、三番ホームまで歩くわよ」

 

 リアスさんの言われたとおりに歩き出す。僕たちは後から来たオカルト研究部のみんなの後ろをついていく。

 それとこれは最近分かるようになったことだけど、プロシュート兄貴のスタンド、『ザ・グレイトフル・デッド』がどの辺にいるかが何となくわかるようになった。

 そして今、ザ・グレイトフル・デッドは部長の真横を歩いている。

 え? なんで? ……まあ何もなければいいか。

 そんなことがあったが何事もなく僕たちはグレモリー家所有の列車まで到着した。

 僕たちは列車に乗り込み、そして動き出す。

 

「誇銅、ゆっくり話ができるのは久しぶりね」

「そうですね、リアスさん」

「そう言えば戻ってからはずっと私のことを「さん」づけで呼んでるわね。今まで見たいに「部長」と呼んでくれないのかしら?」

「もう僕はオカルト研究部の一員じゃないですからね。リアスさんのことを部長と呼ぶのはおかしいと思いまして」

 

 しばらくしてリアスさんが僕に話しかける。

 僕とリアスさんの間に割って入ろうとする月をプロシュート兄貴が止めてる。

 

「帰ってきたときバイトの面接があるって言ってたけど、お金に困っているのかしら?」

「あはは、あの時は予想外のことで今ある貯金じゃ僕が卒業するまでまかなって行けそうもなかったので…」

「だったら私が援助してあげましょうか? 遠慮することないわ、あなたは今でも私の家族同然なんだから」

 

 リアスさんがそう言った瞬間僕は鋭利な刃物が頬を横切ったかのような感覚に襲われる。冷たく殺気を持ったような視線である。

 その視線が来た方向は僕の後ろの家族たちがいる席。

 僕はちらっと後ろを見ると見えたのは軽く家族内で会話をしてる家族たちと今にも僕に抱き着こうとしてる盾姉の姿。え!?

 

「ご心配なく、家の金銭面はあたしが全部解決しちゃったから」

 

 盾姉が僕を後ろから抱きしめ突然会話に割って入ってくる。

 

「そう言えは盾姉が金銭面は解決するって言ってたけどいったい何をしてるの?」

「……」

 

 盾姉は僕を離して僕から顔をそむける。

 

「え?……もしかして……」

「犯罪はしてない」

 

 盾姉は僕の思ってる可能性を即座に否定する。

 だが顔はまだそむけている。

 

「じゃあ何を……」

「解決する過程で借金しちゃったけどプロシュートが返済してくれた」

 

 盾姉は話を強引に変えるかのように兄貴を指さして言う。

 

「お前俺を売りやがったな!」

「プロシュートにとってマジ絶望、でもそんなプロシュートあたしにとってマジ希望」

 

 盾姉はプロシュート兄貴に丸投げしてその輪から離脱。

 

「プロシュート兄貴はどうやって借金を返したの?」

 

 プロシュート兄貴も僕から顔をそむける。

 兄貴も!?

 

「え……もしかして兄貴……」

「法に触れるようなことはしてねえ!」

 

 兄貴も盾姉と同じように即座に否定してくれる。

 僕は家族たちを信用してるし何となくだけど嘘は言ってない気がする。

 でも盾姉と同じように顔は僕からそむけてる。

 

「じゃあなにを」

「「大丈夫! 俺(私)たちにまかかせろ(まかせなさい)!」」

「……はい……」

 

 僕の追求にプロシュート兄貴と盾姉は声をそろえて押し込める。

 二人の気迫に押され僕はこれ以上追及できなかった。

 そこまでして隠したいの? 何をしてるか知らないけど僕は二人を信用するよ。

 ちょっと後ろ暗い過去を持ってる二人ってことは知ってるからある程度のことなら僕は何も言わないよ。でも危ないことはしないでね。

 

 その後は両者必要以上にかかわることもなく無事グレモリー本邸に到着した。

 

『リアスお嬢さま、おかえりなさいませっ!』

 

 怒号の声に花火、楽隊らしき人達の音楽、突然のことに僕は驚いた。

 僕だけじゃなく一誠もアーシアさん、ゼノヴィアさんも驚いている。でも、僕の家族は驚いていない。……まあみんなの経歴から考えると別に驚くことじゃないかもね。

 でも、たかが帰るだけでここまでするの!? 庶民の僕には想像もつかないよ。

 

「お嬢さま、おかえりなさいませ。お早いお着きでしたね。道中、ご無事で何よりです。さあ、眷属の皆さまも馬車へお乗りください。本邸までこれで移動しますので」

 

 僕たちはグレイフィアさんの誘導され、馬車に乗ると本邸に着くと赤いカーペットが城まで伸びていてでかい城門が開かれていく。

 

「お嬢さま、そしてお連れの皆さま。どうぞ、お進みください」

 

 グレイフィアさんに言われ歩き出そうとしたとき、小さな影がリアスさんのほうへ駆け込んでいく。

 

「リアスお姉さま! おかえりなさい!」

 

 紅髪の少年が部長に抱き着いてきた。

 

「ミリキャス! ただいま。大きくなったわね」

 

 部長も愛しそうに抱きしめ俺たちに紹介してくれる。

 

「この子はミリキャス・グレモリー。お兄さま、サーゼクス・ルシファーさまの子供なの。私の甥ということになるわね」

「ミリキャス・グレモリーです。初めまして」

「わざわざご丁寧にありがとうございます。リアス・グレモリーさんの『戦車(ルーク)』をしておりました日鳥誇銅です」

 

 僕はミリキャスさまに挨拶を返す。挨拶はしっかりしないとね。

 

「あら、リアス。帰ってきたのね」

 

 声のする方を見るとドレスを着たリアスさんに似ている女性がいる。

 でも髪の色が亜麻色だ。

 誰だろう? 若いし部長のお姉さんかな?

 

「お母さま。ただいま帰りましたわ」

「お、お、お母さまぁぁぁぁああああっ!? だって、どう見ても部長とあまり歳の変わらない女の子じゃあないですか!」

 

 一誠その驚きは共感するよ。にしても若いな~。

 そのあと部長が見た目は魔力で自由に変えることができるみたいで部長のお母さまは部長さんと同じぐらいぐらいの年格好で過ごしていると。納得。

 

「リアス、その方たちが兵藤一誠君ね?」

「お、俺、僕の事をご存じなんですか?」

「ええ、娘の婚約パーティに顔ぐらい覗かせますわ、母親ですもの」

 

 婚約パーティ? ……あ、あのレーティングゲームの後の時のことかな? 僕は後からちょろっと聞いただけだから知らないや。

 

 それから数時間後、リアスさんたちはそのまま、僕たちは別のところへ。

 冥界での僕達の止まるところは別にあるんだって。なんでも、魔王様全員と話をするために別の場所に移るようだ。

 他の悪魔はいない。アルセウスさんは我々だけ別の場所に移して一網打尽にする気ではあるまいなと疑っていたよ。もちろんサーゼクスさんは否定している。

 アルセウスさんは用心のために自分たちで結界を張ることを求めた。サーゼクスさんはかまわないって言ってくれた。アルセウスさんは過去が過去だけにこういうところはすごく用心するからね。

 魔王様たちもそろい、魔王様たちとの会談が始まる。

 僕たちの側は代表としてアルセウスさんとプロシュート兄貴と盾姉。そしてついでの僕の4人。

 僕いらなくない? って言ったら、「「「絶対必要」」」と言われちゃったよ。僕がいても特に何も変わらないのに。

 でもそう思っていたらいざ始まるとなると3人はほぼじっと黙って僕ばかりに話させる。

 ちょ、僕一人じゃこんなお偉いさんたちを前に荷が重すぎるよ!

 

「君たちに我々三大勢力と敵対する意思はないと言うことでいいんだね?」

「はい。僕たちはただ平穏の幸せを求めているだけですよ」

「僕としては君が妹の眷属に戻ってくれれば安心なんだけどな~」

「すいません。勘弁してください」

「はは、それは残念」

 

 サーゼクスさんは笑顔を絶やさずに話しかけてくれる。ちょっと安心できるんだよね~これが。

 それから話は続くが結局現在まで3人は助言をちょろっとくれたり、僕が喋りすぎないようにさりげなく静止させてくれるだけだった。

 

「誇銅君、僕たちはお互いを信頼し合うということでまずお互いに”協力関係”を結びたいと思っている。どうだい?」

「え、あの、それは……」

 

 僕はチラッと3人の方を見る。

 すると3人は一瞬目をつむり

 

「悪いがそれはお断りさせてもらう」

 

 プロシュートさんがまず口を開く。

 

「ど、どうして!?」

「協力関係ってことはお互いに面倒事を分け合うって言えば聞こえはいいけど、実際はあたしたちが一方的に巻き込まれるようなもんだからね。

 誇銅が言ったようにあたしたちは普通の人間の家族として生きたいの。

 人外の面倒事に巻き込まれたくないってわけ」

 

 魔王様の疑問に盾姉が答える。

 え~とあの人は……アスモディウスさんだっけ?

 

「しかしそれでは君たちは無所属で野放し状態となってしまう。

 協力関係君たちを狙う危険な奴から君たちを守ってやれる。

 それに悲しいことだがこちらから君たちを危険因子として排除しようとする輩が出るかもしれん。だが協力関係ならその心配はない」

「協力関係だからと言って安心と言うわけではあるまい。いざとなれば自衛できるくらいの力は我々は持ち合わせている。

 それに盾子の言ったように我らは普通の人間として生きたいのだ。

 それとも何か? 協力関係が無くてはおちおち外もであるけんほど治安が悪いのか? そんな政治しかできんとこではむしろ協力関係を結んだ方が危ない」

 

 確か……ベルゼブブさんの意見に今度はアルセウスさんが反論する。

 兄貴も盾姉もアルセウスさんもすごいな~。やっぱり生きた世界がちがうね~。

 

 魔王様たちはアルセウスさんの言葉を最後にしばらく黙りこんで

 

「君たちの意見はもっともだ。だが残念なことに今三大勢力は安定してるとは言い難い。今はテロ活動まで起きてしまっているしまつ。

 だからこそ無関係な君たちが襲われたとなると他の勢力に悪印象を与えて安定させずらくなってしまう。

 君たちの意見はよくわかった。私としても君に極力迷惑はかけないように善処する……だから、三大勢力の協力者として君たちにはいてもらいたい…どうだ?」

「………」

 

 魔王様たちの必死の説得。3人は再び黙り込んで僕を見る。

 

「……そのことば信じてもいいですか?」

「ああ、もちろん」

 

 魔王様の真剣なまなざしに一度信じてみたくなった。

 

「……わかりました。あなたたちのその言葉を信じましょう。兄貴、盾姉、アルセウスさん、いいですか?」

「お前が決めたことなら従うぜ」

「左に同じ」

「我は誇銅、お主を信頼してる」

 

 僕たちは三大勢力の協力者となった。魔王様たちの言葉を信じて。

 でも一瞬だけ、ほんの一瞬だけだけど僕側の方からすごい威圧感を感じたのはなぜだろう?

 

「それとどうだろう? 一度君達の力を見せてもらうためにレーティングゲームをするというのは?」

「う~ん……それは流石に他の家族たちと少し話す時間をいただきたいです」

「わかった。続きは明日にしよう」

 

 魔王様たちが帰り、僕たちはみんなでレーティングゲームの件について話し合う。

 みんなあっさりと了承してくれたけどほんとにいいの?

 

 

「……かまわない」

「俺も構わねえ」

「わーい。ゲームだー」

「僕も別にかまわないよ」

「とるに足らん事だ」

「相手」

「サクっと終わらせちゃおうよ」

 

 みんな以外とノリノリだね。

 ただし月、そろそろ目にハイライト戻してほしいな。

 レーティングゲームの件も決まったし、ご飯にしようかな。

 

「(ぐうううううぅぅぅぅぅ)」

「食べ放題の店はどこかな?」

 

 恋の腹が盛大に鳴る。

 僕たちはそのまま冥界観光へのりだした。

 

 

   ***

 

「本当にこれでよかったのか?」

 

 誇銅たちに聞こえないようにアルセウスが盾子とプロシュートに声をかける。

 プロシュートと盾子とアルセウスは誇銅たちと距離をとって歩いてる。

 

「う~ん、ギリギリ欠点かな」

「最悪ではないが悪い」

 

 返ってきた答えは悪いものだったがアルセウスはこれと言って表情を変えない。むしろそう返って来て当然と言った感じだ。

 

「本当はここですっぱりと関係を切るのがベストだったんだけど」

「あれは遠回しに断ればテロ組織の仕業に見せかけて殺すと聞こえたな」

「敵も馬鹿ではないと言ったところか」

 

 三人はそれぞれ難しい表情をする。

 だが、前の方で楽しそうに笑いあう弟妹たちを見て三人はフッと笑みをこぼす。

 

「まあ悪い事態にならないようにしていくことはこれからでもできる。

 それにいざとなれば我々が何とかすればよい」

「そうね」

「だな」

 

 三人は家族の幸せを願いながら少し離れてしまった誇銅たちとの距離を詰めるため少し早歩きをする。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告