BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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ソーナ・シトリーと誇銅ファミリー

 次の日、僕たちはソーナさんに言われた場所に行く。そこにはソーナさんと副生徒会長の椿姫さんがいた。

 

「お待たせしましたソーナさん、椿姫さん」

 

 僕は笑顔でソーナさんたちに朝の挨拶をする。

 

「ちょうどいい時間ですね。みなさん今日はよろしくお願いします」

 

 ソーナさんは一緒に来た僕の家族たちに頭を下げる。つづいて椿姫さんが頭を下げる。

 そして僕たちは修業場へ案内される。そこには他のソーナさんの眷属の皆さんがスタンバイしてる。みなさんやる気十分ですね。

 

「お! おはよう、誇銅」

「おはようございます、匙さん」

 

 真っ先に僕たちの来たのに気付いた匙さんが挨拶をしてくれる。僕も笑顔で挨拶を返す。

 

「あれ? お前の家族って他にもいなかったか?」

 

 匙さんは僕の家族たちを見て聞く。そこにいたのは恋とテト姉とプロシュート兄貴だけである。

 

「アルセウスさんは昨日の二日酔いでおとなしくしてる。月とフランは今日はお留守番」

 

 盾姉とアルセウスさんが初日はやることがないかもしれないからと言ってたからね。

 昨日、ソーナさんからお願いされたことをみんなに言ったらプロシュート兄貴がやってやる理由がねえと言ったので無理そうな雰囲気になった。でも盾姉が

 

「ソーナ・シトリーって悪魔は悪魔の中ではだいぶまともそうな奴だったよ。あの子が上になれば悪魔社会も少しはまともになって私たちの被害も減ると思うよ。まあ今の状態ならね」

 

 その言葉でプロシュート兄貴がしゃあねえなと言いながらソーナさんの修業についてきてくれることになった。それと同時に盾姉もついてきてくれることになって、盾姉が恋とテト姉にも声をかけて恋もついてきてくれることになった。

 アルセウスさんは二日酔いで次回からに。月も行きたいと言ってくれたが盾姉とアルセウスさんが止めた。フランも同じような理由でお留守番が決定。

 

「自己紹介させてもらいます。ソーナ・シトリーと申します。人間界では支取 蒼那と名乗っております」

「森羅 椿姫です。女王(クイーン)をしております。」

「由良 翼紗。戦車(ルーク)です」

「巡 巴柄です。騎士(ナイト)をしております」

「花戒 桃。僧侶(ビショップ)です」

「草下 憐耶です。ソーナ・シトリー眷属の僧侶(ビショップ)

「仁村 留流子。兵士(ポーン)

「匙 元士郎だ。兵士(ポーン)

 

 ソーナさんたちの自己紹介が終わる。次は僕たちだね。

 

「重音テトだお。好きなものはフランスパン、得意なことはレンタルDVDの延長。種族はキメラだお♪」

 

 テト姉はアイドルのような自己紹介の仕方をする。あと、最後のキメラとか言っちゃっていいの?

 

「プロシュートだ」

「江ノ島盾子ちゃんだよ」

「……姓は呂 名は布 字は奉先 真名は恋」

「え!? 呂布! 呂布ってあの三国志の!? てか真名ってなんだよ!?」

 

 匙さんからツッコミの嵐。…………だよね。普通に考えたらそうだね。恋のことを説明したらそうなるよ。

 

「あの匙さん。恋は別の世界の呂布なんです。真名はその世界の人の真の名前で信頼の証みたいなものです」

「今は信頼しない奴には言わせない名になってるけどね」

 

 僕が匙さんに説明していると盾姉が補足を入れる。ああ、そういえばそういう扱いに変えたんだっけ。

 

「改めて僕も自己紹介させてもらいますね。僕の名前は日鳥 誇銅。よろしくね」

 

 僕たちの自己紹介が終わるとソーナさんの眷属が一列に並びソーナさんは一歩前に出る。

 

「ではみなさん、よろしくお願いします!」

『よろしくお願いします!』

 

 ソーナさんが言うと続いて眷属の皆さんも言う。やっぱり生徒会の皆さんはしっかりしてるな~。

 

「まずはお前らの実力を見せてもらう」

 

 プロシュート兄貴が一歩前に出て言う。おお! 貫禄あるね、兄貴!

 

「まず、お前ら全員で恋とテトと戦ってもらう。

 恋、テト、これはあくまであいつらの実力を見るためだからな」

「わかった……」

「わかったよ」

 

 残りの僕たちは離れたところへ移動する。恋は『無頼無敵の方天画戟(ヴィンディテェ・ロード)』を構え、テト姉は小さな蝙蝠の羽と小悪魔みたいな尻尾が生えているキメラモードになる。

 対するソーナさんたちも臨戦態勢をとる。

 

「……いつでもいい」

「準備OKだお」

 

 二人の言葉を確認するとソーナさんは眷属のみんなに小声で何かを言う。そして話し終えると二人に襲いかかる。ソーナさんの眷属たちは陣を組み二人を倒そうと向かって行く。が、簡単に返り討ちにあう。匙さんもラインを伸ばすが恋によってすぐに斬られてしまう。テト姉の相手をしている人もテト姉の無茶苦茶なカウンターで簡単にのされてしまう。僕の目から見てもソーナさんたちが遊ばれているように見える。

 

「そこまでだ」

 

 プロシュート兄貴が戦いを止める。

 

「お前たちの実力は大体わかった。俺たちが練習メニューの振り分けを考えている間休憩しとけ」

 

 プロシュート兄貴は盾姉とテト姉と何かを話し始める。僕はソーナさんたちの傷の治療でもしてようかな。まず一番近くの匙さんから

 

「ん?なんだ誇銅」

「さっきの戦闘での怪我の治療です」

 

 匙さんの体には目立った傷はなかったがやっぱり小さな傷はある。

 僕は治療のため匙さんに触れる。すると匙さんの傷は一瞬で治り、服の破れている部分も治った。

 

「服まで! すげえな」

「これが僕の取り柄ですから」

 

 そのまま僕は他の人の治療もした。全員の治療が終わりしばらくして盾姉と兄貴がこっちに歩いて来る。

 

「匙だったよな。お前は俺と来い」

 

 プロシュート兄貴は匙さんを連れて行く。

 

「あんたはあたしとお勉強ね」

 

 盾姉はソーナさんを連れて室内へ。

 

「後のみんなはテトたちと訓練だお」

 

 あれ? 僕は?

 

「誇銅はテトたちと一緒だお。怪我とかの治療のためにね」

 

 そのまま残ったソーナさんの眷属はテト姉と恋との戦闘訓練になる。

 基本的には二人と戦闘をして恋がアドバイスをする。恋のアドバイスは以外にも的確で驚いたよ。こうしてみると恋は武将だってことがよくわかるよ。ただ恋のアドバイスは要所要所しか言ってないのでテト姉が他の部分を見て補足している。

 日が暮れてきたころに訓練は終わりになった。みんなボロボロだね。僕が治療が終わったくらいに兄貴と盾姉も帰ってきたので僕たちは一度ソーナさんに挨拶をして帰った。明日も同じ時間にまた来るけどね。次の日、アルセウスさんと月も行くことになった。僕はお留守番だけどね。

夕暮れ時、アルセウスさんがテレポートで僕を呼びに来た。治療のためにね。月の神器でも回復はできるけど衣服と体力は回復できないからね。

数日後にはフランが行き恋かテト姉が僕と残ることになったよ。久しぶりに僕も稽古つけてもらおうかな。この世界に帰ってくる前はアランさんにも稽古つけてもらってたからね。

 ソーナさんとの修業は10日間ほどで終わった。僕たちはその後冥界旅行を楽しんだよ。

 

 

 

 

     ***

 

 

 

 

 

 プロシュートside

 

 今日もソーナ・シトリーたちの修業のため朝から修業場へ行く。今日はアルセウスと月がいて誇銅がいない。宿の荷物番として一人はいないといけないからな。さすがにフランを一人で夕方まで置いとくのはかわいそうだから誇銅を留守番させることになった。夕方になったら治療のためテレポートで呼ぶけどな。

 俺は匙ってやつの訓練を担当している。こいつの神器をうまく教えれそうなのが俺だったからな。案の定この神器の使い方は暗殺の知識が使える。それと昨日こいつと話してみたが、考え方がまだガキだったがその目には一応覚悟はあった。まだまだ甘ぇけどな。

 

 こいつを鍛えて1週間ほどたった。どうやら匙はあの赤龍帝に対して劣等感があるみたいだ。そこをどうにかしてやる必要があるみたいだな。

 

「おい! 匙!」

「は、はい!」

「お前の神器はあの兵頭一誠の神器にも負けてねえよ! 自身もて!」

「で……でも」

「……お前、誇銅を神器込みでどう思う。兵頭一誠と比べてどう思う」

「それは……あいつにもかなり差をつけられたと思っています。あんなデタラメな再生能力」

 

 こいつの表情は落ちていく。

 やっぱりな。

 

「誇銅はな、兵頭一誠を羨ましいって言ってたぜ。みんなに頼ってもらえるからって。そしてお前のことも羨ましいと言っていた。いろいろ応用がきいてとか言って」

「え?」

「むしろあいつは他の攻撃系神器すべてを羨ましいと思ってるんじゃねえか。自分の神器は家族の傷を治せるけど傷を防ぐことはできないって言ってたしな。だがあいつは今はもう劣等感を感じていない。なぜだかわかるか?」

「それは……わかりません」

 

 以前匙の表情は暗いままだ。

 

「自分の強みを見つけたからだ」

「強み……」

「お前もまずは自分の強みを探してみろ。上ばっか見て足元の石ころにつまずくなんてばからしい。まあ、そのことを若い連中に教えてやるのが人生の先輩の仕事でもあるがな」

「……はい!」

 

 大きな声で匙が返事をする。その顔は少なくとも修業の時よりはましになっている。

 少しは分かったみたいだな。

 

「おし! 次は精密コントロールの訓練だ!」

「はい!」

 

 

 

 

    ***

 

 

 

 

 

 盾子side

 

 初日はソーナ・シトリーにこういう状況なら? こういう舞台ならどうやって戦うかをひたすら聞いた。それをメモにとり宿に帰った時に月に見せてみた。だって家の家族の中で戦術に一番長けているのは月だからね。次の日は月を連れて行って戦術の勉強を月に丸投げして私はこの子の戦い方を観察してた。だってこの世界に来る前の世界で月は兵法の天才、孫子から学んでたからね。でも、初めて月の自己紹介を聞いた時のソーナの反応といったら

 

「姓は董 名は卓 字は仲穎」

「え!? 董卓!?」

 

 あの驚いた顔は傑作だったわww

 数日ほど戦術の勉強をした後は次は戦い方のお勉強だね。

 

「これはフランのいた世界にあったスペルカードというものよ」

「はい」

 

 うわー先生の話を真面目に聞く真面目な生徒って感じの目。すっごいにあってるわ。

 

「スペルカードとはいわば技のひな形。カードに力を込めることでその技を発動させることができる。もともとは遊びの物だけど私が改良して戦闘で使えるようにしたの。まあこれはお遊びようだけどね。あなたには私が発動させる弾幕をひたすらよけながらこの的を壊してもらうわ」

 

 私は私の近くに立ててある的を指さす。

 

「このスペルカードは込める力によって、イージー、ノーマル、ハード、ルナティック、に分類できる。まずはイージーからやってみるわ」

 

 絶望『絶望が見る希望の夢』

 

 小量の弾幕がソーナを襲う。しばらくすると弾幕はの一個一個からランダムな方向にレーザーが発射される。ソーナは難なく避けて的を壊す。

 

「じゃあハードね」

 

 今度は大量の弾幕がソーナを襲う。しばらくすると弾幕の一個一個から大量のレーザーが発射される。ソーナは何とか避けるがすぐに被弾してしまう。ソーナが避けた弾幕が後ろから戻って来ていたのである。

 

 次の日は一つの弾幕になれないようにするために他のスペカ

 

 希望『ダンガンロンパ』

 

 次の日はまた違うスペカ

 

 才能『超高校級の弾幕』

 

 3つのスペカをローテーションで使う。もちろんこれだけじゃないけどね。恋やアルセウスなんかの実践も交えたりしてるよ。魔法に関してはあたしと月が担当。修業をし始めて約1週間で私の修業は終了を迎える。

 

「これであたしの修業はおしまい。あとはあんたたちが自分で見つけなさい。もし練習相手が欲しいなら他あたってね。でもあんた頭いいし残りの時間は相手に勝つための作戦を考えることに重点を置いた方が効率いいかもね」

「今日までありがとうございました」

「間違っても強くなることを優先しないようにね。強くなるなんて試合の予定がない時にしときなよ。じゃあバイバ~イ」

 

 ちょっとあっちに主人公っぽいのがいるから勝率は絶望的だけどね。ああいう奴にはなぜか勝てないんだよね。でもこの子には新技があるし奇跡を見せてもらいたいな。

 新技の手伝いとかした私マジ希望!

 でも、希望の盾子ちゃんが手を貸してあげたんだしやっぱり勝ってほしいわ。

 

 

      ***

 

 

 

 

 

 

 ソーナさんと部長のレーティングゲーム当日。僕たちは観客席で様子を見る。リアスさんには悪いですけど修業を手伝った身としてはぜひソーナさんに勝ってほしいな。

 そしてゲームが始まる。今回のゲームは『バトルフィールドとなるデパートを破壊し尽くさないこと』と『ギャスパー・ヴラウディーの神器使用の禁止』という特別ルールがついた。ちょっとソーナさんに有利かな。3つ右隣の席で盾姉が「チョ~希望的♪」って言ってた。

 ゲームが始まるとソーナさん眷属の皆さんの動きが僕から見てもだいぶ強くなっているのがわかるよ。特にかわすのがうまくなってるよ。フランのスペルカードで回避性能がアップしたんだね。確か『クランベリートラップ』のノーマル以上、ハード未満だったね。僕も未だにハードをクリアできないよ。

 匙さんと一誠の戦いが始まった。最初は不意打ちで匙さんが一歩リードってとこだね。まるでターザンみたいだったよ。でも、一誠の禁手で負けちゃった。

 

「あれ? 負けちゃったね」

「あいつ……俺が教えた暗殺術を使わなかったな。だが、今回はその選択で間違ってねえ。まあ狙ってやったのかは知らねえがな。それにあいつは十分仕事をした」

 

 盾姉の左隣りでプロシュート兄貴が盾姉のつぶやきに答える。今気づいたんだけど搭城さんに猫耳がついている。とってもかわいいね。

 

 次に僕の目に入ったのは副会長&由良さん対木場さん&ゼノヴィアさんの戦いだ。

 副会長と由良さんは見事木場さんとゼノヴィアさんの攻撃を躱している。

 

「貴方の攻撃は確かに早いですが恋さんの斬撃に比べるとだいぶ遅いです」

「当たらなければ無意味です」

 

 二人は挑発を交えながら斬撃をかわす。すごいな~二人とも。でも、テト姉の話では恋の手加減した斬撃を一度でも避けれたのは一人もいなかったって言ってたな。

 

「神器、『追憶の鏡(ミラー・アリス)』」

 

 ゼノヴィアさんの攻撃に合わせて森羅さんが神器を発動させる。ゼノヴィアさんはそのまま鏡を粉砕する。

 

 ズォオオオオオオオンッ!

 

 割れた鏡から波動が生まれ、ゼノヴィアさんを襲う。ナイスカウンターだね。由良さんの反転もすごかったけど家には盾姉がいるから……。

 結局木場さんがデュランダルを使いこの勝負は共倒れという結果になった。おしかったね。

 

 ついにリアスさんたちが会長のところへたどり着いた。そして一誠が匙さんの神器のせいで血が足りなくなってダウン寸前だってことを告げられる。プロシュート兄貴が言ってた仕事ってこれのことだったんだね。

 その後一誠が『乳語翻訳(パイリンガル)』という新しい技でソーナさんが幻影であることを見破る。

 ……『洋服崩壊(ドレスブレイク)』よりはマシだとは思うけど……。隣の月も苦笑いしてるよ。盾姉は笑いながら

 

「そういう系の対策もするべきだったね」

 

 と次のことを考えている。盾姉って大抵のことは順応するよね。

 

 屋上に本物がいると知ったリアスさんたちは屋上へ向かう。そして屋上へ行くとそこにはソーナさんがいた。

 そのままソーナさんとリアスさんの戦いが始まる。木場さんが危険と感じたら、即時に助けに入ると言って。ソーナさんは水を操り、部長は消滅の魔力を放ち戦う。

 

「さて、リアス。私の水芸、とくと披露しましょう」

 

 ソーナさんは大量の水を変化させ、宙を飛ぶ鷹、地を這う大蛇、勇ましい獅子、群れをなす狼、そして巨大なドラゴンを幾重にも作り出す。すご~い。あんなことができたんだ。

 

「望むところよ、ソーナ!」

 

 一方リアスさんは不敵に笑い、滅びの魔力を圧縮して無数の魔力を展開させる。部長もすごい!これは技術VSパワーって感じだね。

 身構える二人。二人の攻撃がぶつかる。そして……リアスさんの攻撃がソーナさんの攻撃を突破する。しかし、ソーナさんはそれを右に大きく飛び出してかわす。

 

「なんですって!」

「盾子さんの修業をしていなければ終わっていました」

 

 その光景に部長は思わず声を上げる。

 

「リアス、この技は本当は今回のゲームでは使わないつもりでした。しかし、貴方に勝つには使うしかないようです」

 

 ソーナさんと部長の間に大きめの爆発が起きる。そして上空にあられが降る。

 

「とくと御覧なさい!これが私の修業の成果!」

 

 爆発で発生した蒸気がだんだんと一か所に固まっていく。周りの蒸気が消えると、そこには着物を着た小さな子供のような姿がある。するとその子供がリアスさんたちに襲いかかる。

 

「『蒸気暴威(ジョウキ・ボーイ)!』」

「早い!でも、大した力はないみたいね」

 

 蒸危暴威は部長に攻撃するが大したダメージはないようだ。どういうものなんだろう?盾姉がニヤニヤしてるけど。

 

「これがあなたの切り札?」

「蒸危暴威の真価はここからです!」

 

 すると蒸危暴威が一回り大きくなる。リアスさんが驚いている。これはまずいと感じた木場さんが蒸危暴威に切りかかるが躱されてしまう。するとまた大きくなる。部長と木場さんが蒸危暴威に翻弄されているとまた大きくなっていく。最初はギャスパー君以下だった大きさが今では部長たちを超えていた。すると突然蒸危暴威が爆発した。リアスさんと木場さんは危険を察知しすんでのところでそれをリタイアを避ける。

 

「これが蒸危暴威の力です!」

「驚いたわソーナ。でもこれで蒸危暴威は消えたわ」

「それはどうでしょう」

 

 そう言っていると霰が降り出す。すると周りの水蒸気がまた集まっていきその場には蒸危暴威が立っていた。

 

「『蒸危暴威』は油と水で作られています。暴れる事で表面の油が熱くなって水が急激な蒸発現象を起こし、大きく膨れて水蒸気爆発。爆発によって持ち上げられた空気が上空で冷やされ霰になり、霰で冷やされた分身はまた小さい子供の形に戻って暴れ、熱くなる……これの繰り返しです。たとえ消滅の力で破壊しようとも私ならすぐに修復できます」

 

 部長たちは身構える。蒸危暴威が部長たちに襲いかかる。今度は殺気と違い蒸危暴威は激しく動き回りすぐに大きくなる。しかし、リアスさんたちは蒸危暴威を遠くに飛ばしソーナさんへ走り込む。どうやらソーナさんを直接ねらうつもりですね。ソーナさんはその攻撃を躱す。しかし、だんだん逃げ道がなくなっていく。それはそうだ数が違う。ついにソーナさんは追い詰められてしまう。ソーナさんは今度は避けようとせずにリアスさんにとびかかる、そしてリアスさんをがっしりとつかむと

 

「蒸危暴威!」

 

 すでに限界まで膨らんでいる蒸危暴威を呼び、自分ごと抱きしめさせる。

 すると蒸危暴威は二人を巻き込んで大爆発を起こす。

 濃い蒸気で様子は見えないけど

 

「両者の投了を確認。この勝負、両者引き分けでございます」

 

 やっぱりね。

 ゲームが終わるとすぐさま兄貴と盾姉は席を外す。僕たちもそれを追いかける。

 

「もういいの?」

「あいつらはよくやった。それを見に来ただけだからな」

「まあ引き分けでも上等、上等」

 

 僕の質問に二人は適当に答える。

 

 

 

 

 

 八月後半。僕たちはリアスさんたちと一緒に人間界に帰ることになった。やっと家に帰れるよ。

 

 

 

 

 

 

     ***

 

 

 

 

 

 真っ白な部屋の扉が勢いよく開けられる。

 

死神(デス)!ついに私にも世界の管理を任されることになったぞ!」

 

 入ってきたのは大はしゃぎした戦車(チャリオッツ)

 戦車(チャリオッツ)は手に持っていた紙束を死神(デス)に渡す。

 

「……でもこれ、だいぶ先の話じゃないの?」

「それでもうれしいのだよ!」

 

 戦車(チャリオッツ)は年頃の女の子のようにはしゃぎまわる。

 

「そういえば死神(デス)、お前の管理する世界に新しい奴が来るんだってな」

「うん。もともとは誇銅君たちと一緒に来るはずだったんだけどね。まあ本人の意思が尊重されるからね。」

「確か……十刃(エスパーダ)とかいったよな」

「うん、第6十刃(セスタ・エスパーダ)って聞いてる」

「どんな奴なんだ?」

「知らない。今愚者(フール)が迎えに行ってる」

「大丈夫なのか?」

 

 戦車(チャリオッツ)は不安そうに聞く。

 

「主が今は逆位置にしてるから大丈夫だと思うよ」

 

 死神(デス)は紙束を戦車(チャリオッツ)に返す。




 華々しい勝利を得るのと、惨たらしい敗北を与える。どちらが見たいと聞かれれば俺は後者が見たい。
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