BADENDの先に掴むもの   作:超高校級の警備員

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新校舎のアランカル
一時の日常


 夏休みが明け、ついに二学期に突入だ!

 そうだよ、素晴らしき日常だよ! 退屈な始業式も素晴らしく感じるよ。夏休み中は日常的な非日常だったからね。まあそんな中でも家族と一緒に過ごせたので満足はしてるよ。

 今は始業式もとっくに終わり教室で月と恋と一緒にいるよ。

 しかし……この夏休みで何人か雰囲気変わったね。なんというか……イメチェン?

 

「そして、道程卒業か。夏は一種の男子高校生の壁だよな」

 

 僕の友達の一人の元浜君と松田君と一誠がちょっと離れたところでなんか言っている。僕は前から3人のそっち系の話には入っていけないよ。だって……エッチいのはよくないと思うもん。少なくともオープンにするのはいろいろダメだと思う。

 あっ、桐生さんが3人(一誠、元浜君、松田君)に近づいた。絶対おちょくりに来たね。前からのお決まりパターンだもの。

 

「童貞臭いわねー」

 

 やっぱりね。くくくと3人(一誠、元浜君、松田君)をあざ笑ってるよ。

 

「ふふふ、どうせあんたたちのことだから、意味のない夏を過ごしたんでしょうね」

「うっせ!」

 

 ふふ、桐生さんが入ると賑やかな3人がさらに賑やかになって見ていて楽しいよ。僕が入ってる時でも関係なく桐生さんは来る。その時も新しい風を吹かせてくれるから楽しい。でも3人の心にはグサグサと何かが刺さるらしい。まあ、ある程度したら止めに入るか。

 

「ところで兵藤。最近、アーシアがたまに遠い目になるんだけど、何か理由知ってる?」

 

 桐生さんはアーシアさんと仲が良かったもんね。そりゃ心配になるよね。桐生さんって結構面倒見いいよね、月と恋にも親切にしてくれてるし。ただ、恋に変な知識を与えるのはやめてほしい。月と僕とで後処理が大変だもん。

 

 そういえば最近アーシアさんの様子が変な時があるよね。理由はしらないけど。女性の悩みは第三者が無理に介入しない方がいいこともあるから聞きづらいよ。もし僕が今でも部長の眷属だったら理由もわかって何とかしてあげれるかもしれないのに。……いや、なんだか僕だけ輪から外されそうな気がする。いままでだってそうだったし。確か僕が入院した時もナースさんの話では初日にみんな来てくれたらしいけどその後は一度も来てくれなかったらしいもん! コカビエルの時も僕が起きた時の一誠とアーシアさんが初めてだったらしいもん! つまり実質一回も来てくれてないことになるよ。あれ? なんか涙出てきた……。

 でも、ナースさんの話では金髪のクルクル髪の人が二回目の時に何度か来てるのを見たって言ってた。誰なんだろう? でも、すごくうれしい。もしわかったらお礼を言わないとね。

 

「ところで誇銅君はこの夏にやっちゃったりしたのかな?」

「ふえ!」

 

 さっきまで3人(一誠、元浜君、松田君)のところにいた桐生さんが僕の近くまで来ていた。

 

「ショタっ子の誇銅君はこの夏に月ちゃんや恋ちゃんに食べられちゃったのかなって思って。もちろん性的に」

 

 すごい人口災害が来ちゃったよ! え? なに? 僕ってそんな目で見られてたの?知ってたけど、本気でそう見てたの!

 

「どうなの、月ちゃん、恋ちゃん」

「誇銅さんを性的に……へ、へう~///」

「?」

 

 月は顔を真っ赤にして俯き、恋は頭の上に?マークが出てるみたいだ。

 

「性的に食べる?」

「あれ?恋ちゃんはわからないかな? 性的に食べるっていうのはね…」

「わ―――! 桐生さん! うちの恋に変なこと教えないでください!」

 

 純粋な恋にそんなこと吹き込んだら大変なことになっちゃうよ。

 

「へ~(ニヤニヤ)」

 

 桐生さんがニヤニヤ顔で僕を見る。うう、誰か助けて。

 

「お、おい!大変だ!」

 

 僕がそんな願いを思っていると、突然クラスの男子の一人が駆け込んできた。助かった!

 

「このクラスに転校生が来る!女子だ!」

『ええええええええええええええええええええええええええっ!』

 

 この言葉でクラスの僕と月と恋以外が驚きの声を上げた。耳がキーンってする。

 先生が入って来て、転校生が来ることをクラスに伝える。みんなすごく期待して待ってる。そりゃ僕も楽しみだけど。まあ賑やかで楽しいクラスではあるけどね。

 

「じゃあ、入って来て」

『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!』

 

 転校生が入ってくると歓喜の声が湧き上がる。あれ?確か前に会ったことある人だ。確か名前は……

 

「紫藤イリナです。みなさん、どうぞよろしくお願いします!」

 

 そうだ!エクスカリバーの時のイリナさんだ!

 

 

 

              ***

 

 

 イリナさんが転校して来て数日たった。イリナさんはすでにクラスに溶け込んでいる。イリナさんの明るさで男女ともに人気も高い。月と恋とも仲良くなってくれたみたいだ。よかったよかった。僕もイリナさんに挨拶をしたけど悪魔じゃなくなっていることに驚かれたよ。僕としては天使化したイリナさんに驚きだよ。なんでわかったかって? 気配が何となくおかしかったから本人に聞いてみたら教えてくれた。

 そして今はクラスのホームルームで体育祭の種目決めをしている。

 

「はいはい! 私、借り物レースに出まーす!」

 

 元気いっぱいに手をあげるイリナさん。本当に元気いっぱいだなー。それに笑顔も素敵だ。

 僕と月は二人三脚で恋は長距離走。一誠も桐生さんにひっかけられて二人三脚に入れられていた。桐生さんってなんだかんだ言って一誠とアーシアさんのサポートしてるよね。

 

 次の日から学園全体で体育祭からの練習が始まった。僕と月は二人三脚の練習をしている。身長差があまりないから結構うくいってる。……なんか男として大切な何かが無いような気がする。

 恋は陸上部の人たちと練習している。

 

「すげぇ……陸上部のキャプテンが完全に抜かされてる」

 

 恋の練習風景を見て周りの人たちが言う。陸上部のキャプテンでも全然相手にならないみたいだ。一応恋には本気出しちゃダメと念を押したんだけどね。流石飛将軍。

 

「月ちゃんは夏休み中におっぱい成長したかな?」

「へう! や、やめてください、桐生さん……」

 

 ちょっと休憩中に桐生さんが月にセクハラしていた。ちょっと前までアーシアさんのところにいたから油断してたよ。

 

「桐生さん、やめてあげてください。月、そろそろ練習に戻ろう」

「チェ~」

 

 桐生さんは残念そうな顔をして離れて行った。これは隙をみせると恋にも行きそうだ。恋は訳わからずに受け入れそうで心配。ちょこちょこ見ておかないとね。

 その後、僕と月の練習はなかなかうまくいった。桐生さんは案の定恋にも手を出した。まったくあの人は。

 

 

 

 

               ***

 

 

 

 

 

 その日の夕方、誇銅が住む街から少し離れたところに一人の男が突然現れた。その男は高いところから誇銅が住む街の方を見た。そして、その方向に走り出した……なにもない空中を。

 

 

 

 

 

 

 

 

               ***

 

 

 バン!

 

「主からの命を完遂いたしました!」

「え!? 誰!?」

「おかえり、愚者(フール)

 

 真っ白な部屋の扉が勢いよく開けられる。そこに立っていたのは敬礼をした愚者(フール)であった。そのフールの表情はいつものポケーとした表情ではなく凛々しい表情へと変わっていた。

 それを見た戦車(チャリオッツ)は一瞬誰だか分らなかった。反対に死神(デス)は普通に受け入れている。

 

「愚者!? いつもの愚者はもっとポケ~っとしてるぞ!」

「愚者の逆位置の意味は正気に返る。愚者、君の仕事は?」

「はっ!私の任務は導かれるべき者を導くことであります!」

 

 愚者はきりっとした立ち姿で答える。その姿に戦車は感嘆する。

 

「愚者! 私は貴様とは一度勝負したいと思っておった! 手合せ願う!」

 

 戦車は背負っている大剣を抜き愚者に突き出す。

 

「ぽえ?」

「へ?」

「あ、戻った」

「プギャー(^Д^)」

 

 愚者はポケーとした顔になり意味の分からない言葉を一言発しそのまま扉の外へ出て行ってしまった。その跡にはポツンと残された戦車とわれ関せずといった雰囲気の死神だけである。

 

「ねえ戦車」

 

 死神がぽーっと立っている戦車に声をかける。その一言で戦車は意識が現実に戻る。

 

「ドア閉めて」

「……わかった……」

 

 戦車は外に出て扉を閉める。そしてそのまま帰った。

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